男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」二巻を読みました。暴走する愛と憎しみと見栄と共感の読書ギャグ第二弾!

今週のお題「読書の夏」

先日、「バーナード嬢曰く」の二巻が発売されていたのに気づき早速読みました。ちなみに一巻を読んだ時の感想がこちら。というか早々に二巻が出るような漫画でもないだろうと思っていたら一年四ヶ月後の二巻発売。ちなみに一巻の感想はこちらです。

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主人公は「あまり本を読まずに読書家ぶることに全力を尽くす女」こと町田さわ子(一巻では「バーナード嬢」、「バ嬢」とか言われてましたが二巻ではほぼ本名)、ただ二巻ではそこそこ本を読むようになっているのですが、そもそも表紙からして

バーナード嬢曰く。: 2 (REXコミックス)

バーナード嬢曰く。: 2 (REXコミックス)

 

 拡大すると

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「村上春樹をどーいうスタンスで読んだらいいか、正解がわかったよ!!」

 さすがです。この全ハルキストからブン殴られそうな発言。なお、作中ではその正解を発表してますが、この斜め上の正解にも驚きです。村上作品を読む読まないの話にとどまらなかった。

基本的にこの娘の「楽してかしこく見られたい」という欲求の深さが周りを振り回し、呆れさせ、そしてたまに感心させるくらいの行動力を見せたりします。「読書をしたように見せかける」ことへの情熱の深さは凄い。ある意味天才的です。

 

そして本当の読書家、神林しおり。本を読まずに調子乗り発言を続ける町田さわ子にイライラしつつ本を貸してあげたり、面白い本を解説付きですすめてあげたりと基本イイ人。ただ、本に関してはアツくなることが時々あり、なんといっても裏表紙ですでに

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「他人からどう見られるかとか意識して読書すんな!!」

「そんなん気にしてたらどんな本に対しても読者層を勝手にステレオタイプ化した挙げ句「私はあえて一歩引いた距離感で読んでます」みたいな保険かけたつまんねえ読み方しかできなくなるんだよ!」

「人に影響を与えられる本っていうのは毒になろうとも薬になろうともそれだけで貴重な財産なんだ!」

「「イタイ」とか「恥ずかしい」とか思われようが読了後 生き方が変わるくらいどっぷり作品世界に浸からないと濃厚で価値のある読書体験は得られないんだよ!」

 熱く語って町田さわ子のHPをゼロに追い込んでます。アツすぎる。読書愛が深すぎるゆえにこの熱い言動。さすがです。知識も深く、罵倒しながらも結果的に町田さわ子に読書家への道をひいてあげています。

 

そして、この2人を静かに見守る遠藤くんも普通の男の子だと思いきや「昔すごく流行った本を流行りが過ぎてしばらくしてから読むマニア」だったり、そしてその遠藤くんに思いを寄せる長谷川さんは重度のシャーロキアンだったりと、とにかく本に関しては一筋縄ではいかない面々がくりひろげる読書ギャグ漫画。今回も笑わせてもらいました。「KAGEROU」あったな~。「嫌われる勇気」確かに会話ちょっとクセあるな~。とか思いつつ楽しめました。情熱が深い人は面白い。

   

 二巻になって、よりそれぞれのキャラクター性が濃くなっていますが、特に神林しおりがノリノリで本の話を語り、町田さわ子にツッコみ、時にめんどくさがられてショックを受けたりと面白さと可愛さを発揮しています。特に一箇所非常に萌えるシーンがあり、そこが非常に良かった。普段とは違う一面を見せてくれたりして、これはほぼ主人公と言っても過言ではないでしょう。

バーナード嬢曰く。: 2 (REXコミックス)

バーナード嬢曰く。: 2 (REXコミックス)

 
バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)

バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)

 

そして何と言ってもこの本の特徴は巻末に元ネタとなった本の一覧が載っていること。ちゃんと本のタイトル、作者、発売年、出版社がちょっとだけ台詞に出ただけの本についてもしっかり網羅されています。町田さわ子の性格が一発でわかる表紙、神林しおりの面倒臭さが溢れる裏表紙、そして巻末の目録。編集者の丁寧な仕事も光ります。

一巻と同様、唯一無二の読書ギャグ漫画「バーナード嬢曰く。」一巻、二巻ともにおすすめしたい。私はそれほどSF読まないんでわからない本も沢山出てきますがそれでも面白いのは「読書あるある」としての完成度の高さの現れ。特にやはり本好きの人にオススメです。

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