現在絶賛放送中の「昭和元禄落語心中」アニメ版ですが、ようやく1話、2話を見たのでその感想などを。
地上波ではTBS系列で毎週金曜26:25から。1話は1時間スペシャルでした。なお、Amazonプライムで観る事もできます。プライム会員なら無料視聴可能。
1話は1時間スペシャル。ただ、番組の内容は単行本7巻、8巻のDVD付き特装版に入っていたものを編集したもの。そのため、単行本1巻とちょっとの分量を一気に一回の放送で消化するスピード感のある展開。前半部分の7巻付属分に関しては以前感想を書きましたが、全体的にカットされていて大分見やすく、スピーディーになっていました。
ただ一週で与太郎の入門から初高座、師匠をしくじって破門になりそうになってからの昔話が始まるところまでを消化しているために駆け足感は否めませんが、要所を抑えた形にはなっていたんじゃないかと。
しかしながら、与太郎が正式に前座になって前座仕事をしながら先輩の噺家さんと馴染んでいくところとかはしっかりと描写してくれると納得感あるし、寄席のしくみも伝えられたんじゃないかとは思います。2話からきりよく過去話にいくためにはこの進み方は必須になるわけで仕方ない処理だとは思いますが、もう1話現代の話に使っても良かったかな、と思ってしまいました。
そして2話は八雲と助六の出会いから初高座まで。ちなみに子供時代の助六を演じていたのは立川流の落語家、立川こはるさん。立川談春師匠のお弟子さんで現在二つ目。期待の若手女流落語家さんです。
落語家さんだけに声も出ていて合っていたんじゃないかと。女流ですが談春師匠譲りのパンチが利いた高座。ぜひ実際に聞いて欲しい落語家さんです。
2話で八雲が初高座にかけていたのは「子ほめ」、助六がかけていたのは「時そば」どちらも典型的な前座噺で、八雲は緊張のあまり上手に噺せず、助六はウケるという流れ。ただ八雲はおどおどしていただけで語り口は初高座にしてはかなり上手い方だったので、実際にそのまま高座にかければ普通にウケると思いますが。助六は上手かった。いきなり大声で客を惹きつけてじっくり話していくところとか、これも初高座にしては上手すぎる。正直もう2人とも二つ目でいいくらいの出来だと思いました。
2話にしてだいぶ1話より話の流れがゆるやかになり、描写が丁寧になった印象の「昭和元禄落語心中」、原作はまだ終わる気配は無いので今回どこまでやるかはわかりませんが、この感じで進んでもらえれば面白くなると思います。
そしていろいろ落語とからめたイベントも企画されているので、これを機にぐぐっと寄席に人を引っ張ろう、という意志が落語界からもっと出てきてもいいはず。赤めだかドラマ化、昭和元禄落語心中アニメ化と追い風が吹いているのは確か。これを機に落語界に大きなうねりが起きることに期待してます!
とりあえず立川流のHP復活して!円楽党もHP作って!そして各噺家さんのプロフィールにもれなく得意な噺一席分のYOUTUBE動画付けて!そしてそれを網羅できるポータルサイト誰か作って!落語界にIT革命を・・・・。
関連記事