さて3月31日にサムライTVで全日本プロレス3・21沖縄大会の放映がありました。アナウンサーは村田アナ、解説は渕正信、という定番タッグ。いつもはのんびりとしたトーンで思ったことを言う渕さん、細かいデータを補足し、話を引き出す村田アナ、という構図ですが、今回印象に残った解説がありました。
第一試合の佐藤光留VSジェイク・リー戦の中盤、ジェイクが佐藤光留をレッグラリアートで倒して抑えこんだ時のこと。
村田「こうやってドッカンドッカン真正面から来るとジェイク・リーの方が有利ですねー」
渕「そうですねー」
渕「ただジェイクは今のカバーもちゃんと、肩を抑えてカバーしないといかんですねー」
村田「あ、なるほど。しっかりと相手を押さえつけて」
渕「そうそう、せっかくこれだけの体格有るんだから、きっちり両肩を押さえつけて」
渕「やっぱりカバーっちゅうのは、プロレスラーで一番大切な事ですからね。最後の締めですから」
村田「体固め、片エビ固め、エビ固めも立派な技ですからね」
渕「もちろんそうですよ!」
このようにプロレスの基礎の大事さについて語る渕。こういう部分はあまりクローズアップされないところではありますが、第1試合に出ている若手に対しての教訓となる部分だし、見ている側も忘れがちなところ。なかなかこういう解説を聞く機会は少ないので「いい話聞いたな」という気分にもなるし、改めてプロレスを見つめなおす機会にもなる。いい解説というのはこういう風にプロレスを捉えさせてくれるものなのかな、と思うわけです。
沖縄ドラゴンプロレス、観客への感謝を述べた後、秋山が中島洋平につい語っていました。
「いや、細かいこと言ったらキリないから、あとで細かいことガンガン色々言ってやろうと思ってる。小うるさいオレだからさ。でも小うるさいのがやっぱり、後々効いてくると思ってる。」
「細かい所でまだ大味なのよ。もっと出来ると思うのよ。もっともっと出来ると思うから。俺が考えても、ここをもっとこう、って言ったら、今オレが考える今3割くらいしかやっていないんだ。」
「だから逆に俺がやってても、渕さんから見たら、いや秋山ここはこうだと思うよ、っていうのも有ると思うしね、渕さんの40年の歴史と、俺の24年の歴史は違うしまあ、そういうのを一つ一つ。」
「先輩から聞いていくっていうのも大切。何年になってもね。俺も24年経ってもこうじゃないですかねえ、って渕さんにはそういうの聞くし。今の若い子にはそういう向上心が無いんじゃないかな」
「特にSUSHIとかは、マグロの解体ショー(前日、マグロの解体ショーにゲスト出演していた)よりもね、自分が解体されろという話ですよ」
と最後には単純にSUSHIへの罵詈雑言になってましたが、自団体の選手についてじっくりと語る秋山は中々貴重。このような部分を掘り下げた記事など専門誌でももっと読みたいし、試合の解説でもそういう技術論をじっくりと聞きたい。チャンピオンカーニバルのどこかで秋山をゲスト解説に迎えてもらってこういう話をじっくりしてほしいものです。
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このように、色々興味深かったサムライの全日本プロレス中継。メインの宮原VS大森、セミの青木VSディンゴも見応えがありました。次回中継はチャンピオンカーニバル最終戦。開幕戦はGAORA、それ以外のシリーズはニコプロで中継がある全日本プロレス。本気出せば全戦追っかけられる!これからの全日本プロレスに期待です。
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