男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

施川ユウキ「バーナード嬢曰く」4巻感想。文系ギャグマンガから勝手に見出す百合とノスタルジー。

ワン・アンド・オンリーの輝きを放つ読書ギャグ漫画「バーナード嬢曰く」の4巻が発売されていたので買って読みました。今回も相変わらず面白い。

 

バーナード嬢曰く。 (4) (REXコミックス)

バーナード嬢曰く。 (4) (REXコミックス)

 

 

この漫画を簡単に説明すると、学校の図書館を舞台に4人のキャラクターが本についてそれぞれの偏った見識を語ったり、「読書あるある」の話をしたりとまあ他愛のない会話が続く短編ギャグ漫画。1P~8Pの短編が続く構成となってます。どんなんかな~?と思ったら以下のサイトで立ち読みができますので即購入!

 

www.cmoa.jp

 

キャラクターは以下の4人。彼らが図書室でうだうだしてるマンガです。というわけで基本Wikipediaからですがキャラ紹介を。

・町田さわこ(バーナード嬢)

主人公の女子。学校の図書室の常連だが、いかにして本を読まずに読んだ風に語れるか、読書通ぶれるかについてよく考えており、その不純で不真面目な読者スタイルを遠藤やしおりにツッコまれるという大ボケの役割。基本彼女が話し始めたり、突拍子のないことを提案して話が進んでいく。

ただし全く読まなかった初期より、巻が進むにつれて普通に本を読むようになってきており、他の3人ほどではないが一般よりは読んでる人、という位置づけになりつつある。時々読書好きの3人にはない視点で物事を捉えることがあり、一目置かれている。

・遠藤くん

さわ子と同じく図書室に通う男子。ややひねくれた性格をしており、ひと昔前に流行した本を古本で買って読むのが好き。さわ子が提案した「バーナード嬢」というあだ名を略して「ド嬢」と呼んでいるが、それは作品初期の「語り」の中だけで、実際にさわ子をそう呼んだことは無い。
よくさわ子に絡むため、スミカからはさわ子のストーカーだと思われていた。

神林 しおり

図書室に通う読書家の女子。学校近くの喫茶店でアルバイトをしている。
SF小説が好きでSFについて語り始めると熱くなる。そのためスミカからはめんどくさいところがあると思われている。
時折読書に対して不真面目なさわ子に殴る、踏みつけるなど強烈なツッコミを入れることもあるが、おススメの本を貸すなど基本的には読書仲間の友人である。
本の装丁や海外作家の著作では翻訳にもこだわりがあり、既に持っている本でもカバーが変わったり新訳版が出ると買い直したりしている。

・長谷川 スミカ

図書委員の女子。遠藤に恋心を抱いている。シャーロキアン。基本的には皆の言うことをふんわりと受けて聞いているが急に鋭いツッコミを入れたりする。地味。

 

こんなクセのある面子での会話劇。ハッキリ言って好きな人は好きだし、出てくる本についてもなんとなく雰囲気で知ってれば楽しめますので、そんなに読書しないな~と思う人にもオススメのマンガです。読書マンガ、というより文系マンガ、っていう感じといえば伝わるでしょうか。そういう生態の人達のめんどくささを楽しむ、というか。

 

   

 

ただ、今回の本題はここから。初期よりもキャラクターの関係性が深まっているせいか、この巻の町田さわこと神林しおりの関係が友情、というか百合的なものに進化しているように感じるのです。

 

印象的なエピソードは2つ。まずはわけあって町田さわこが持ってきた音楽を図書室で2人で聞く、という流れになるところ。しかも一つのipod(iphone?)で、同じイヤホンを使って左右ひとつずつ分けて曲を聞く!そして思わず涙!尊い!

 

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そして、もう一つのエピソードは神林しおりが学校をサボって一日の小さな旅に出るエピソード。旅先で色々と考えるんですが、考えることは・・・。いやこれは!これは尊い!素晴らしい!そしてありがたい。この話読んだときの私は震えました。

図柄がシンプルで余計なものが描いてないからこそダイレクトに心に刺さるものがある。それが施川ユウキマンガの特徴。刺さる!ピュア、というと陳腐な感じになりますが、純度が高いというか。水のような酒に近いというか。旨味と香りがグン!ときます。素晴らしい・・・。

 

というわけで勝手に暴走して紹介してますが、基本的には文系ギャグ漫画。本好き、特にSF好きには楽しめますし、今回はプロレス本も紹介されてたりします。読むのは全く苦にならないし、キャラクターも愛せるので文系、文系に興味ある人、本好きの人には特にお勧めします。おもしろいよ!そして尊い! 

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ちなみにプロレス本が出てくる関係上、プロレスファンにも言及されています。

「プロレスファンってちょっと面倒くさいイメージあるな」

 

・・・・何も言えねえ・・・。

そしてSFファン凄いな・・・。

棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えること

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完本 1976年のアントニオ猪木 (文春文庫)

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 ちなみに紹介されてたのはこの2冊。まっとうなチョイス!確かにプロレス知識あんまりなくても楽しめるかもしれません。