男マンの日記

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そんなに長州は偉いのか?3・21後楽園、長州力と向き合った伊橋剛太。

先日行われた3・21、DDT後楽園ホール大会の休憩前、第四試合で組まれたのは長州力&樋口和貞&上野勇希vsKUDO&坂口征夫&伊橋剛太 。6・26後楽園ホールでの引退試合が決定している長州力が参戦。おそらく最後のDDT参戦となるでしょう。

伊橋剛太への長州ダメ出し事件からDDT参戦まで

そもそも、なぜ長州力をDDTがリングに上げたかというと、2018年1月14日のPOWERHALL~長州力プロデュース興行~がきっかけ。

メインの長州&飯伏&伊橋VS藤波&TAKA&関本の試合後、バックステージでコメントを出していた長州、コメントの最後で怒りを爆発させました。

(伊橋に向けて)あと、お前はダメだ!もうプロレスやろうと思わないほうがいい!遊びじゃないから。死んじゃうよお前!」
(長州は声を荒げながら退席)

思うところはこのエントリに書きましたので、よろしければお読みください。

otokoman.hatenablog.com

結論だけ書き出すと、私の思うところではこのようなところです。

試合を見ての感想としては、長州組で9割がた試合してたのは伊橋だということ。長州は最初と伊橋にタッチされての2回リングに入り、そして最後にTAKAにラリアットを決めたのみ。ほぼ相手の技は受けていません。

そして飯伏。前日のツイートで高熱を出していることを告白していた通り、試合権利を持ってリングに入ったのは最後の場面のみ。試合中盤の伊橋が攻め込まれて戻ってきた場面や、長州が藤波に押し込まれていた場面でもタッチせず、攻撃を受けてないのにコーナー端に寝転がっていたり、やはりかなり体調が悪そうでした。

この、元々あまり相手の技を受けない長州、体調の悪い飯伏と組んだ伊橋がTAKA、関本の技を全部受け、藤波のドラゴンスクリューも受け・・・それはスタミナも切れるだろうし、ミスも起きるというもの。無様な場面もありましたが、関本とチョップで渡り合っている場面などは「伊橋ガンバレ!」と感情移入してしまう場面もありましたし、飯伏がバミューダ・トライアングルにいくところなどはただ見てる長州の代わりにTAKAを場外に落とし、藤波も場外に落とすなど二人分の活躍をしていました。

 

そもそも、この試合でプロ失格と言われるべきなのはまず体調を崩していた(崩していなかったなら理不尽なくらい試合に参加しなかった)飯伏ではないか。伊橋があれだけ頑張らなかったら、この試合はメインイベントとして成立していなかったわけで。これでプロ失格と責められるんならまずプロ失格なのは長州と飯伏なんじゃないかと思います。 

 これをうけ、ディーノと今林氏は少々浮かれムードで伊橋の1・28後楽園でのアンダーマッチを発表。しかし、長州にダメ出しされて落ち込む伊橋は意気消沈モード。DDTで組まれた試合を拒否し、ガンプロの試合もキャンセルを申し出ます。そしてしばらく欠場することを発表。しかしそこで登場したのは大家健、落ち込む伊橋を一喝します。

詳細は下のエントリに書きましたので、よろしければご覧ください。

otokoman.hatenablog.com

大家 伊橋ぃ・・・お前よぉ、怒られたら辞めんのかよ!お前はは今まで、人生の中で何回怒られてきた?それですぐプロレス辞めんのか?辞めてたらキリないだろ!命いくらあってもキリねえんだよぉぉ!

・・・俺は試合見たよ・・・。確かにダメだったけど! ダメなままで終われるのか? オマエにしかできねえものがあるだろ? オマエにしかできねえものがあるはずなんだよ! これから頑張るって宣言したんだろ? Twitterで! だったらよぉ、もっと頑張れよ! 撤回してんじゃねえよ!

 そして、伊橋へのエールに加え、長州力に対しても大家健が吠え続けます。

大家 あと俺はァッ! 辞めるって言った伊橋にカチンときてます。

でも・・・長州力ィィ!

オマエのプロデュース興行だろ!みんな知ってんだよ伊橋がしょっぱいことなんて、伊橋が何もできないことなんて、みんな知ってんだよ!

でもな!オマエのプロデュースで!伊橋をメインイベントに入れたんだろ!それでダメだったからって辞めろだ?

人ひとりの人生が懸かってんだろ!
簡単にモノを言うんじゃねえ!

それにオマエは伊橋のことを知らねえかもしんねえけどなあ!いつもの伊橋より全然頑張ってたよ!それでお客さんの声援を一番集めていたのも伊橋じゃねえのか?必死に必死に頑張ってたよ!ダメかもしんねえっ!ダメかもしんねえけどぉ・・・。

プロの基準はなんなんだよ! お客さんが見に来てくれるからプロなんだろ!? お客さんが喜んでくれるからプロなんだろうが! だったら伊橋は技量は足りなかったかもしれねえけど、一番声援を集めた! それだけで少しだけでも評価できんじゃねえのか? 別にテメエ(伊橋)を褒めているわけじゃねえぞ。オマエの根性は俺が叩き直す! 2月3日、ホントに! ホントに! ホントに根性を叩き直して! その日までコツコツコツコツコツコツコツコツと頑張り続けろよ! 試合っていうのはその日だけじゃねえんだよ! 人生っていうのはその日だけじゃねえんだよ! その日までの積み重ねなんだよ! それでできるかどうか! それが決まってくんだよ! みんなチャランポランに見えて必死にやってんだよ! 積み重ねてんだよ! しっかりやれよ! しっかりやれよ! しっかりやれよ!

そして伊橋は 大家健戦を経て復活し、POWERHALLで藤原喜明と対戦。及第点を与えられました。そのこともあり、3・21DDT後楽園大会への参戦が決定しました。

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そして、今成夢人キャメラマン入魂の煽りVがこちらになります!

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第四試合 スペシャル6人タッグマッチ

長州力&◯樋口和貞&上野勇希
(9分26秒 ドクターボム→片エビ固め)
KUDO&坂口征夫&✕伊橋剛太

まず白装束で入場し、正座で客席に礼をする伊橋、そしてパワーホールが流れると観客から歓声が。さすがにホームではないにせよ、長州の知名度と大物感はさすがと言わせるものがあります。

そして伊橋が先発で出るも相対するのは樋口。試合は大「イハシ」コールからは始まり、チョップで倒されながらも樋口相手に押し込む伊橋。気合を見せていきます。

伊橋が坂口と交替してから長州が樋口と替わって登場。エルボー、キックを受けながらも足をとって倒してからのサソリ狙い。こらえられるとアマレス的な動きで極めにいきますが返されて、押し込まれて坂口がKUDOとタッチ。

エルボー、ヒザを叩き込んでいくKUDOですが、そのヒザを掴んで自コーナーに持っていき上野とタッチ。キャメルクラッチでKUDOを捉える上野ですが坂口がカット。再び伊橋が登場し、上野を攻め込んでいきます。キックからボディプレスをお見舞いして坂口とタッチ。その後坂口vs樋口、KUDOvs樋口のやりとりがあってから再び長州登場。

そして長州がKUDOを相手コーナーに押し返してタッチを即して伊橋登場。ここで初めて伊橋と長州が対峙します。

さっそくエルボーで攻め込んでいく伊橋。何発か喰らいながら自ら下がってニュートラルコーナーを背にする長州。そこに、伊橋が長州の顔面に思い切りビンタを叩き込みます。

このビンタを機に長州の雰囲気が変わり、対角線に振ろうとする伊橋ですがそれをこらえ、再びエルボーを叩き込む伊橋ですがビクともせず、頭突きを連打!倒れる伊橋を引き起こして頭突き連打を食らわせます。上野にタッチした後も頭突き連打しストンピングを食らわせる長州。いきなりキレた長州。ようやくコーナーに引っ込みます。

その後伊橋は上野にレッグラリアート、ボディプレスでカウント2、しかしコーナーからのムーンサルトはかわされます。しかしここでノータッチで長州がリングインして伊橋にリキラリアット!

そこに樋口がドクターボムで3カウント、伊橋を沈め、樋口、長州、上野組の勝利となりました。そしてさっさと帰っていく長州に向け、樋口が謎のマイク。

樋口:長州さん、ありがとうございました!勉強になりました!

なぜリング上で・・・。帰ってから言えばいい内容のマイクに観客がちょっとヘンな空気になったところで、引き上げていく樋口と上野に向け、坂口がマイクを握ります。

坂口:長州さん、聞いてるか聞いてねえかわかんねえけどよ。

伊橋・・・どうでした?

この一年以上、アンタからダメ出しされてから、コイツは一生懸命やってきたんだ。もうリングから降りるかもしれねえけど、これからも頑張り続けさせますんで、どっかで見守っててください

 そして観客から温かい拍手を受け、伊橋も退場していきました。そして試合後のコメントをDDTホームページから引用すると(https://www.ddtpro.com/results/2557

伊橋選手と闘ってみていかがでしたか。
長州:関係ないな、あまり、うん。あまり、誰がどうとか。
――以前と比べて変化は?
長州:それは本人に聞けばいいよ。ある意味、やっぱり、このリングに上がったっていうのがしんどかったな、いろんな意味で(苦笑)。
樋口 すいません。
長州:俺がプロレスで今までやってきたものと一緒ってのは納得できないな。同じもんだっていうのは。

まあ、2人(樋口と上野)は見てたけど、考え方を変えて打ち込めばいいけど。やっぱり、やっぱり違うよな。ファンの人たちは自分たちを選んで見てくれているわけだけども。そこの部分では納得できるってもんじゃないよ(苦笑)。最後、頑張ってやってたから、それを毎回やればいいんじゃないか。そんなところですね。あとは2人に(控室へ)。

と、各誌の見出しに使われた「俺がプロレスで今までやってきたものと一緒ってのは納得できない」との発言が。途中退席するなど、そっけない対応に終止しました。

 

一方坂口&KUDO&伊橋チームのコメント。坂口征夫のコメントに痺れます。

坂口:長州さん、このDDTのリングに上がってくれてありがとうございました。たぶん伊橋も、あれ以来関わることはないだろうとこいつの中でも思ってただろうけど、その機会を与えてくれたのと、このリングに上がってきてくれたのをまず感謝します。

その中で、ダメなヤツだけどダメなりに一生懸命やってるんで。俺は今日、タッグ組んでて見せれるかと思ったんで。あとはあなたの取り方次第じゃないですか。あなたがリングを降りても、俺らはまだ頑張っていきますんで。頑張れよ、見返してやれ。
伊橋:頑張ります…!

こうして、一年以上に渡った伊橋剛太の長州力への挑戦はひとまず区切りが付きました。これからなにか展開があるのか、というとあまり想像しづらいので、直接対決はこれで終わり、ということではないでしょうか。

コメント後に色々言ってますが、あの試合の長州の見せ場は頭突き10連発、リキラリアットとどちらも伊橋相手のもの。伊橋のビンタが長州の何かを目覚めさせたような、そんな試合だったように思います。あの瞬間、伊橋は長州としっかりと向き合い、長州は伊橋に向けて食らわせていった。伊橋ははっきりプロレスラーとして、長州力にリング上で認められた、と私には映りました。

 

   

 

長州力発言について。老害化する長州と追従するマスコミ

最後に長州力の発言について。一年前の長州へのダメ出し。あのときには「長州が正しい」、「長州が若手に苦言」、「長州らしい」みたいな声が大半を占め、マスコミも全部この論調でした。しかし、自分はそれには納得行かなかった。結局、思い通りにならなかったことにキレてるだけじゃないか。ダメだった飯伏には何も言わず、より弱い立場の伊橋に怒りをぶつけているだけのように見えました。わがままな老人の癇癪じゃないか。

そして、今回の「俺がプロレスで今までやってきたものと一緒ってのは納得できない」という発言。これによってプロレスを見ない人たちが「所詮DDT」的なことを言ったりする。彼らはこれからもDDTを見ようともしないだろうから、その認識が覆されるのはなかなか難しいと思います。

結果、他のリングに呼ばれて上がって言いたい放題。団体の評判を下げるようなことを上から目線で発言、それに対してマスコミもファンも右へ倣え。こうなってくると、もう長州力は老害でしかない。リング上では伊橋にしか感情をぶつけられなかった長州。なんというか、流石に色んな意味での「老い」を感じざるを得ませんでした。

 

まあ、もういいでしょう・・・。伊橋剛太は確かに長州力に一発張り手を入れた、この試合を機に、長州力という呪縛から解き放たれて欲しい。痛快な一戦でした。

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