男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

10・2 ガンバレ☆プロレス後楽園大会「BAD COMMUNICATION 2016」観戦記セミファイナル。禁断の元夫婦対決!

そして後半戦。いよいよこの試合になってしまいました。

元々は藤田ミノルがガンバレ☆プロレスのリングで離婚したことをカミングアウト。そこきっかけでトモダチ軍結成、ガンプロ軍との抗争を繰り返して濃いファンを獲得してきたという経緯があります。つまり、ガンバレプロレスがここまでになったのも藤田ミノルが離婚したことから、と言っても過言ではない。すべてはここから始まった。そして その決着戦が後楽園で組まれたのです。

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 藤田ミノル元夫人の藤田早紀(旧姓:前村)は元々全日本女子プロレスの平成13年組。マイバッハ谷口夫人、西尾美香の一年後輩となります。全女崩壊後はプロレスリングSUNに加入して活動していました。引退は2009年なのでブランクは7年。果たしてきっちり試合として成立するのか。

組まれた当時から賛否両論を巻き起こしたこの試合。経緯から言って必要、リング上で解決する必要はない、何で家庭の事情を見せられないといけないんだ等。

そもそもどういう目でこの試合を見ればいいのか。正直あまりドロドロしたとこ出されても引くしなー。とか色々思いながらこの試合を迎えました。

 

 

第5試合 元・前村早紀再デビュー戦~人生いろいろ~

藤田早紀円華
15分34秒 孤独じゃないよ→体固め
藤田ミノルバンビ

入場時から非常にイヤそうだった藤田ミノル。コーナーでもよりかかって不機嫌。試合が始まってもなかなか前村と組み合わない藤田。前村に詰め寄られるとバンビを盾にし、円華とは闘っても前村とは避け続けるがついに対峙する二人。一瞬ピリっとした空気が流れます。

しかしそこはプロレスラー。腕の取り合いからヘッドロック、ショルダータックルと基本技で攻め込む藤田。さすがにブランクがあるからか、前村はしんどそうに立ち上がってきます。そしてコーナにもたれかかる前村に藤田が走り込んでの後頭部ニーアタック!さすがに観客から悲鳴もあがり、前村が崩れ落ちます。容赦ない!容赦ない藤田ミノル!

しかしそこは藤田ミノル。客席から「ヒドいぞー」とか、「やりすぎー」とか揶揄するようなヤジがとんだ所に「プロレスは甘くねえんだよ!」と一喝!言葉が強い!バックブリーカー連発で前村を追い込んでいく藤田。バンビも介入して攻め込んでいきます。大丈夫か前村?というところになんと

「ガンバレ!ママー!」という子どもたちからの声援!一瞬後楽園の空気が止まる!これは・・・。どんな技よりも効く子どもたちからの声援・・・。これには既婚者のレスラーも、独身のレスラーも、既婚者の観客も、独身の観客も心をグっと掴まれました。観客の間に広がるため息とも声援ともつかぬなんともいえないどよめき。多分こんな空気になるのガンプロくらいだと思います。これは沁みる。

魔の時間帯を藤田が打ち破り、前村に逆水平、バックドロップと攻め込む藤田。しかし急所蹴りを返されてビンタ!ようやく円華にタッチを果たす前村。ここから一気に試合が動き始めます。

円華が藤田を雪崩式フランケンで場外に出し、前村がコーナーからのプランチャ!ブランクがあるとはいえ流石元全女。リングに戻った藤田に前村がボディアタック、スイングDDTは返されましたがコーナーに登った藤田にフランケン。攻め込む前村に藤田が逆襲。バンビとの合体攻撃からDDT、そしてツームストンの体勢に捉え「心苦しくはあるが、藤田早紀、SAYONARA!」とパイルドライバーで叩きつけてこれでジ…エンドかと思った瞬間!カットに入ったのはなんとバンビ!

呆然とする藤田にシャイニング・ウィザードを叩き込んだバンビ、続いて円華がランヒェイ、最後は片膝付いた藤田に前村が低空フランケン…シュタイナーを極めて3人で藤田をフォール。これで3カウントが入り、元配偶者対決は妻の勝利に終わりました。f:id:otokoman:20161010010109j:plain

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そして試合後、前村が藤田に向かってマイク。

藤田ミノル、お前、私の試合のことでいろいろ言ったみたいだな! いろいろ言ったよね?

私はアンタとしたことで後悔したことはひとつもない。出産も!結婚も!離婚もだ!
だけど、私はそうやって離婚で縁が切れたとは思ってない!お前は孤独孤独って言ってるけど、こんなに素晴らしいファンの人がいて、やっぱプロレスってすごくありがたいと思う!だから・・・。

だから!お前は!死ぬまでプロレスやってろ!

これを聞いた藤田ミノル。しばらく立ち上がれずにいましたが、意を決してマイクを取ります。

早紀さんの気持ちはよくわかりました。

まあ俺は1年前、もうちょっと前かな。このリングを借りて、こらえられなくなった自分の中を・・・。毒を吐き出して、いままで何とか生きてきた。

それもプロレスのお陰でもあるし・・・。子供のお陰、そしてあんたのお陰だ。俺よりやっぱり全然強いな。母親は偉大だわ、やっぱり。まあ・・・。(しばらく絶句)俺は頑張ってんだよ!いつだって!

ハッキリ言って、今日試合に出たことで、今日無事に終わっただけじゃなくて、これからいっぱい大変なことがあるかもしれない。それでもそんなこと顧みずに、こうやって上がってきて、こうやって対戦してくれたこと、本当に誇りに思うし、本当に尊敬する。

この先のことなんてよく分からないけど、俺は必ず早紀さん、そして子供たちが誇れるぐらいのプロレスラーとしてこれから生きていこうと思う

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 そして何か言葉をかわし、軽くハグしてから別れた二人。抱きしめる、というのでもなく軽くハグ、といった感じだったのが別れた夫婦のリアルを感じました。しかしあくまでプロレスラー藤田ミノルを尊敬し、尊重したまま去っていった前村早紀こと藤田早紀。あくまでポジティブに、色んな感情をまとめて「一生プロレスやってろ」と表現した彼女の言葉で救われた気がします。夫婦の別れ、そして二人の再出発。その過程を素晴らしいプロレスとして見せてくれた試合でした。

   

もっとも切り口によってはもっとドロドロとした、それこそ昼ドラみたいな展開でもおかしくない試合でしたが、あえて爽やかさすら漂う結末にしてくれた。果たしてプロレスで真っ向から離婚に向き合った試合が今まであったのか。失敗からの再出発。いかにもガンバレ☆プロレスらしいテーマをしっかりと料理して観客に出してくれた。素晴らしい試合でした。そして改めて藤田ミノルの上手さ、表現力を認識させられた試合。 ただただグッときました・・・。

週刊プロレス 2016年 10/19 号 [雑誌]

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 長くなったのでここまで。次はメイン。メインも長くなりそうです。

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