今年二回目、1・4以来の東京女子プロレス後楽園ホール大会をネット観戦しました。行かなかったのはまあいろいろ所要がありまして・・・・。というわけでツイートでまとめました。今回も空席はありましたが、それでもちゃんと満員と言っても問題ない集客具合。もう定着してきた感があります。今回はAbemaTVで観戦しました。
第一試合 まなせゆうな復帰戦
◯まなせゆうな&上福ゆき&ヒナノ
(9分19秒 片エビ固め)
瑞希&✕ラク &ミウ
まなせゆうな、以前の手術で埋め込まれたプレート除去手術のために休んでいたのでこのたび復帰戦。以前より少しふくよかになった印象もありますが、動き自体は戻っていました。東京女子プロレスでまだ貴重なちゃんとプロレス出来る選手なので戻ってきてくれたのは大きい。この試合、アップアップガールズの中に瑞希、上福、まなせが混ざったという構図でしたがやはり瑞希、まなせが居るのが大きい。ちゃんと試合として成立していました。特にまなせの復帰戦ということでおおむね瑞希が上福、ヒナノの技を受けていくという展開。なかなかカロリー高い感じになってました。
アップアップガールズはまだまだ技のつなぎ、技の入り、受けに不安が残るレベルなので、早く瑞希、まなせがいなくても試合が成立するようになってほしいところ。上福はドロップキックは良かったです。ドロップキックは。
第二試合 愛野ユキデビュー戦
◯優宇&ヒカリ
(8分51秒 イッテンヨン)
のどかおねえさん&✕愛野ユキ
愛野ユキプロレスラーデビュー。さすがに優宇と向かい合うのは厳しく、サイドスープレックスで一矢報いるが、腕極め袈裟固めでレフェリーストップ。デビュー戦を見る限りまだまだ不安ではありますが、まあデビュー戦なのでこれからこれから。ただ、何か光るものが観たかった、というのも正直なところ。身体能力でも表現力でもいいので何か。元リングアナなので図抜けて声がデカい、とかでもよかったんですがその点では普通だったのがちょっと残念。
というか、愛野、ヒカリという新人を抱えたこの試合でののどかおねえさんの頼もしさ。もちろん優宇も頼もしいですが、のどかおねえさんが完全に新人を受けて立って試合を成立させる立場になっていたのにはちょっとぐっとくるものがありました。まあ、第一・第二試合とも安心して見れました。めでたい。
村田「足四の字、というよりフットチョークのようですね」
須山「のどかおねえさんは足が長くないので独自の締め方ですね」
村田「体格を活かした締め方ということです」
村田アナナイスフォロー。
第三試合 15分一本勝負
◯里歩
(11分32秒 そうまとう→片エビ固め)
✕伊藤麻希
そしてお目当ての伊藤麻希。叫びながら入場、ブロディか!
試合序盤、里歩はオーソドックスな寝技を繋いでいきペースを握る。伊藤も単発で反撃するも、ロープ越しのブレーンバスター、ダイビングフットスタンプからのそうまとうで勝利。やはり試合自体、プロレスの技量としてはかなりの格差があり、里歩が余裕たっぷりに試合を引っ張る展開。もう大御所感すらあります。
1・4後楽園はディーノ戦だったし、タッグで瑞希と一緒で東京女子の相手と闘ってたりするとあまりあらわになりませんが、シングルで里歩と対峙するとやはりまだまだ伊藤の未熟さがはっきりしてしまいます。しかしそれでも雄叫びを上げ、立ち向っていく伊藤の姿は男大仁田というか、男大家健というか。
須山「里歩選手、アイドルという点では伊藤選手とカブる部分も多いですし、プレイボーイのグラビア出た回数は里歩選手のほうが多いですからね。」
村田「そこはシビアですね」
キラー・スヤマ誕生・・・。
試合はきっちり負けた伊藤麻希、しかしその後のマイクで(自分で無理矢理ユニットに編入したくせに)弱い自分についてきてもしょうがない、同情で組んでいてもためにならない、と瑞希にユニット解散をもちかけ、瑞希が「同情じゃない、一緒にいたいから」と応えると泣きながらマット状に押し倒し、抱きしめて号泣という情緒不安定さ。
ウルトラソウルを唄いながら退場、となんだかんだで主人公感と謎の達成感を観客に味あわせてしまうあたりはさすがの伊藤麻希。ただやはりプロレスうまくなるに越したことはないので、たとえばガトムーでさくらえみに弟子入りするとかしても面白いのではないかと。とにかく充実感はたっぷり味わった「伊藤麻希タイム」でした。
休憩後に田中ケロ登場。もう恒例になってますね。
田中ケロ「1・4,5・3と、新日本プロレスのビッグマッチがある日に呼んでいただいてありがとうございます」
レスリングどんたく明日だろ~、と思ってたら今日だった。なんで明日だと思ってたんだろう・・・。正確には5・3,5・4の二日間開催なんですな。いや新日本さすが層が厚い。ケロちゃんもわざわざ言わんでも、という気もしますが。というか、このままだと次はG1決勝の裏とかで後楽園大会、とかになるのでは。
第四試合 20分一本勝負
◯中島翔子&坂崎ユカ
9分42秒 ダイビング・セントーン→片エビ固め
✕黒音まほ&シュー・ヤン
キャラの濃さとは裏腹、意外にもコンビネーションを多用してきた黒音&シュー・ヤンに、さすがのチームワークで対抗したみらクリあんず、中島のダイビング・セントーンで3カウント。安定感!
これが第5試合。1・4の後楽園では外国人選手とのシングル、今回も外国人選手と組んでのタッグと、黒音まほへの団体の信頼感を感じるわけですが、そのとおり連携もしっかりとこなし、要所要所は自分が受けるなどしてきっちりとした仕事っぷり。ベルトにも挑戦したし、 キャラとはうらはらの安定感を発揮していました。いや、黒音まほ、いいレスラーです。
試合自体は中島のセントーンで終わりました。シュー・ヤン自体には特に光る部分は感じなかったし、技もぎこちない部分が目立ったのでもういいかな、と。
こうなってくると中島翔子、坂崎ユカの立場が微妙な感じになってくる。この二人はそろそろ東京女子から出て、他団体のゲスト出演とか(もちろんDDT本体でもいいですが)なども検討していい時期なんじゃないかと思います。
そして黒音まほにはまたタイトル狙って欲しいところ。いい試合でした。
第五試合 エニウェアフォールマッチ 時間無制限一本勝負
◯葛西純
(11分49秒 パールハーバー・スプラッシュ→片エビ固め)
✕ハイパーミサヲ
はっきりいってこの日のベストバウト!正直、ミサヲが引きこもりからプロレス観て脱出した、そのきっかけが葛西純、という話とか、エニウエアフォールというところからシリアスな試合になるかと思ったんですが、ミサヲがいきなり提案した「シューチョコ完食しないとフォールカウント数えないルール」のおかげで一気にいつものハイパミワールドに。
ゴングと同時に食べ始める二人、用意してあった水を、葛西用のだけ隠すハイパミという小狡い動き、果てしない場外戦のあと、忘れたころに「葛西がまだ完食してないからフォールカウント取らない」という意外性。このルールを導入したことで、世界観がガラッと変わって楽しく見れました。
ミサヲが振り切って葛西の世界に思い切って乗っていったことでいい試合になりました。自転車でイスのタワーに突っ込んで自爆、南側観客席も自転車で疾走、ハシゴヘリコプターもこなし、最後は葛西のラダーからのパールハーバー・スプラッシュを食らって3カウントを聞く、という奮闘っぷり。フィニッシュからも葛西が認めたことが伺えます。
結果、葛西が上手いのはもちろんだけど、ハイパーミサヲの肝が座っていたのとチョコシュー完食ルールが試合後半で効いてきて面白い試合に。ミサヲ、今までのベストバウト。葛西もミサヲを認めるマイク。ミサヲとにかく良かったです。
この試合で新しい扉を開いた感のあるハイパーミサヲ。以前里村とシングルした山下のように、この体験を団体内でどう活かしていくのか。もういっそベルトを狙いに行くしか無いと思います。とにかくこの大会のベストバウト!堪能しました。
セミファイナル TOKYOプリンセスタッグ選手権試合
沙希様&✕アズサ・クリスティ<王者組>
(16分20秒 ドロップキック→エビ固め)
才木玲佳&◯小橋マリカ <挑戦者組>※NEO美威獅鬼軍が3度目の防衛に失敗、才木組が第3代王者組となる。
前哨戦での連敗、才木玲佳の特訓とお膳立ての整った小橋マリカ、試合終盤アズサとのマッチアップとなり、クリスティ・アガペーを堪えてのドロップキックで3カウント。えっ!?
とにかくドロップキックでフィニッシュ、というところに圧倒的にビックリしたセミファイナル。まあ、ビックリしました。
試合自体は悪くはないとは思うんですがフィニッシュの意外性に持っていかれてしまったというところ。小橋マリカもだいぶ良くなってはいるんですが、NEO美威獅鬼軍も相手を引っ張り上げて好勝負を展開するほど上手くないのでちょっとギクシャクしてしまった印象でした。試合後に伊藤リスペクト軍が挑戦表明。次の大会で挑戦しますが、正直もっといろいろ引っ張って楽しませて欲しかったところです。
メインイベント TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合
山下実優<王者>
(20分4秒 クラッシュ・ラビットヒート→体固め)
辰巳リカ <挑戦者>
徹底的な足攻め、ドラスク、足四の字というドラゴン殺法をメインに山下に攻め込む辰巳ですが、苦戦しながらもクラッシュラビットヒートで防衛。
AbemaTVだと、解説に入り、いつもと違い真面目に二人を応援する坂崎ユカにグッとくる試合でした。正直私の中では辰巳リカ、というレスラーの評価はあまり高くないし、今も変わらないですが、それでも後楽園のメインイベンターをしっかり努めた。図抜けたところはありませんが、技の精度も出来ることの量もコツコツと増やしてレベルを少しずつ上げていった結果、しっかりと見れるメインをこなせるようになっていた。東京女子プロレス、という団体がなければプロレスラーになっていないという点で、東京女子プロレスの成長=辰巳リカの成長、といっても過言ではないのではないでしょうか。
試合レベルとしては山下VS才木戦などのほうが上だったとは思いますが、コツコツと足攻めをして勝利を目指す辰巳の切実さ、思いを全身で伝える表現力のおかげで、じっと見てしまう、引き込まれてしまう試合となっていました。山下の安定感はもちろんですが、辰巳リカでなければ出来なかったメインイベント。解説の坂崎ユカが泣いてましたが、人を引き込んで心に訴える試合だったと思います。メインイベンター辰巳リカの誕生に立ち会えて、東京女子プロレス見ててよかった、と感じさせてくれました。

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5・3東京女子後楽園大会、もう後楽園が特別じゃなくなった、という印象でした。完全にDDT本体に次ぐ集客で安定している東京女子。きちんと選手のキャラを立てて、出来る範囲の役割を割り振って面白くしているのが今の状況を生んでると思います。
もう不安感のあまりない団体になってきた東京女子プロレス。後楽園ホール大会の頻度も徐々に増え、今年も2日後にまた興行があるという充実っぷり。今回も楽しませてくれたしまた楽しめるだろうな、という安心感がある団体になってきました。とはいえどんどん攻めていくのが東京女子のいいところ。
次は単独両国国技館!ムチャして頑張れ東京女子プロレス!