男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

ジャイアント馬場追善興行における宮原健斗。棚橋弘至に仕掛けたしたたかな戦いとは。

2・21 ジャイアント馬場没二十年追善興行が行われました。8800人の観客を集め、アントニオ猪木の「1・2・3・ダー!」、アブドーラ・ザ・ブッチャーの引退セレモニーが行われるなど昔からのファンも感涙するような内容でした。

ゲストとしてドリー・ファンク・Jr、スタン・ハンセン、ジョー・ディートンら、80~90年台の全日本プロレスを彩った外国人選手も来場、川田利明、田上明、小橋建太、武藤敬司らのレジェンドも来場。改めて「ジャイアント馬場」という存在の大きさを感じさせる大会となりました。いや~、行きたかった。

自分も行きたかったんですが、まず平日開催だったので明らかに途中からの観戦になること。当日券もほぼ売り切れ、5万円以上の席しか空いてなかったことから観戦を断念。サムライTVの生中継での観戦となりました。ちなみに翌日あたりから新日本プロレスワールドでも放映されているので(新日本のレスラーが登場している試合だけの放送なので、セレモニー、ジャイアント馬場メモリアルバトルロイヤル、大仁田の試合、丸藤&人生vs望月&シュン・スカイウォーカーなどは入っていません。マスカラス&ドス・カラスも入っていません)ファンの方もぜひ一度見てみることをオススメします。

 

仕事帰りだったので、観戦できたのはセミファイナルから。サムライ解説の市川アナ、武藤敬司が「マスカラスはこの試合でフライング・ボディアタックを決めるのか」という内容で10万円を賭ける(もちろん言い出しっぺは武藤)など、自由な雰囲気の中、もはやワンセットとも思える組み合わせ、ミル・マスカラスがNOSAWA論外をダイビング・ボディプレスで降して勝利。マスカラス、ドス・カラスの勝ち名乗りを拝むことが出来ました。ありがたい。思わず手を合わせたくなるようなフィニッシュでした。

 

そしてメインイベント。宮原健斗&関本大介VS棚橋弘至&ヨシタツ。この試合、そして試合後のマイクアピールが印象的だったのでそれについて書いて行こうと思います。

 

   

 

まず最初に入ってきたのは三冠王者・宮原健斗。近々の防衛戦などでも先入場を貫く宮原。今回はなんと現・三冠ベルトを腰に巻き、旧ベルトのPWF、インターナショナル、UNの三本を上半身に巻いての入場。会場に集まった昔から全日本を見ているファン、ゲスト達、そしてなによりジャイアント馬場に向けて「歴史ある三冠王者は自分だ」とハッキリと示す入場シーンでした。この心憎い演出!

そして、宮原と言えば入場時にコートをばっと捲っての「オレを見ろ」ポーズ、観客を煽りまくってのリングイン、コーナーに上がってのアピールと「欲しがり」が定番。ファンたちも「今日も欲しがってる」「安定の欲しがり」など、宮原のナルシストっぷりを楽しむものですが、いつもより控えめとは言え今回もアピール満点、その俺様っぷりを見せつけていました。

一方、関本大介はいつもとおりの堂々とした入場。逆にそこに凄みを感じます。棚橋弘至&ヨシタツは棚橋のテーマで二人同時入場。なんというか、ヨシタツのみ自分のテーマがかからない、というところに不憫というか、フリーの辛さを感じます。ワールド・フェイマス・・・。

余裕たっぷりに「今日は楽しむぞ」というような雰囲気で入場の棚橋弘至。直前のタイトルマッチでジェイ・ホワイトにIWGP王座を奪われて丸腰での登場。それが逆に「肩の荷をおろした」的な柔らかな雰囲気を産み、貫禄に繋がっていたのかもしれません。

 

 試合は始まると同時にいきなり宮原と棚橋のマッチアップに!基本的な攻防を繰り返したあと、なんと棚橋がいきなりエアギター!そしてその架空のエアギターを宮原に投げる!いきなり宮原が試される展開。

 すると宮原も戸惑った仕草のあとにエアギターを弾きかえすしぐさ。パフォーマンスの鍔迫り合いでも負けないところを見せていきました。

その後関本のパワー爆発の展開となり、ヨシタツが関本、宮原の技を受ける展開に。棚橋と関本のマッチアップもあり、再び宮原と棚橋に。

宮原のビッグブーツとラリアットの交錯、互いに低空ドロップキックを放ち合う展開からエルボー合戦、そして宮原のジャンピングニーの反動でロープに飛んだ棚橋がランニング・ネックブリーカードロップ。宮原も返していったためにジャイアント馬場追善興行で宮原健斗と棚橋弘至のネックブリーカー相打ち、という絵が見られることに。ここで受けるだけでなくしっかりと相打ちに持ち込んでいったことに意味があると感じます。

この「棚橋弘至がネックブリーカー」という印象的な場面は「馬場追善興行」のある象徴として使われる可能性があり、そこで「やられ役」ではなく互角の「相打ち」だった事であくまで対等なイメージを作る。その計算があったのではないか、と思うのは考えすぎでしょうか。

 

その後も関本が宮原、棚橋を同時に眉山で投げ捨てるなど印象的な場面がありつつ、後半ヨシタツとの一騎打ち状態になった宮原がジャンピングニー→ブラックアウトからのジャーマン、シャットダウン式ジャーマンとつないで3カウント。自身の定番フルコースで、馬場追善興行を三冠王者としてしっかり締めくくってみせました。

 

そして、しばし大の字になってから勝ち名乗りをあげ(もちろんレフェリーは和田京平)コーナーに登って三冠ベルトをアピール、存分に観客を煽ってからベルトを巻き、マイクを握った宮原。棚橋とヨシタツがコーナーによりかかって聞いている中、観客を煽っていきます。 

宮原「ありがとう両国ー!

ジャイアント馬場さんの元に集まった4人!

関本大介さん、ありがとうございました。

ヨシタツさん、また、全日本でタッグのベルトを狙っていきましょう!

 …以上です。」

  と、あえて棚橋を飛ばして終わろうとする宮原。マイクを投げ捨てて「タナハシ」コールを煽ってから再びマイクを取り 

宮原「それでは両国国技館の皆さんに聞きたい、第62代三冠ヘビー級チャンピオンと!最後は!宮原健斗と、誰の締めを見たいですか!

両国の皆さんの正直なお声を聞かせてくれ!

正直な声を聞かせてくれ!!」

  観客からも「棚橋」コールが起きる中 

満場一致で!・・・・・棚橋弘至さんです!

  そしてコーナーから棚橋が立ち上がり、リングの真ん中に。宮原と棚橋がリングの真ん中で締める形となりました。 

宮原「今日は最後までジャイアント馬場さん追善興行ありがとうございました!!

最後に皆さんに聞きたい!プロレス最高ですか―!」

観客「サイコー!」

 すると宮原、マイクを棚橋の口元に持っていくと棚橋も応え

棚橋「聞こえねーなー!」

 と観客を煽る!そして再び

宮原「プロレス最高ですか!」

観客「サイコー!!」

宮原「OKラストー!プロレス最高ですかー!」

観客「サイコー!!」

最後のシメは  

宮原「プロレスを最高にーーーーー」

棚橋「愛してまーす!!!」

 観客大歓声の中、棚橋と宮原が肩を組み、ポーズを決めてジャイアント馬場追善興行を締めくくりました。

この試合、マイクパフォーマンスは新日本プロレスワールドで見れます。見れる方はぜひ一度見てみることをオススメします。

 

週刊プロレス 2019年 3/13 号 [雑誌]

週刊プロレス 2019年 3/13 号 [雑誌]

 

 この興行が載ってる週プロ表紙はこちら!2000号記念棚橋と宮原のツーショット!

  

現状のプロレス界を見渡すと、新日本プロレスの一強状態。全日本プロレスも、一時期の混沌、落ち込みから立ち直ったとは言え、大分水を開けられている現状です。このジャイアント馬場追善興行も新日本プロレスワールドで放送されることもあり、かなり新日本プロレス勢の存在感が大きい興行でした。

では全日本プロレスが新日本プロレスを超えていくにはどうすればいいのか。いきなり棚橋を倒せばいいのか。不意打ちで叩き潰せば良いのか。そんな単純なことではない。宮原が選択したのは、棚橋に喧嘩を売ることではなく、あくまで対等な立場で。ホスト団体のトップとして棚橋弘至をもてなす、という戦法でした。

 

新ベルト、旧ベルトを巻いての入場で自身がチャンピオンだということを改めてアピールし、試合中も堂々と渡り合う。棚橋に一定のリスペクトは払いつつも下につくことはしない。あくまで互角の存在としての自分を演出していきました。 

そして試合後のマイクではしっかりといつもの宮原健斗を見せ、そしてそこにゲストとして棚橋弘至と絡み、最後は二人きりで肩を組む。ここにはヨシタツも関本も交えない。あくまで三冠チャンピオンと新日本プロレスのエースが肩を組む、という構図を作ることで、自らの特別感を演出しながらも新日本プロレスファンに嫌味なく自分を印象づける。新日本プロレスワールドで放送されることも決まっていたこの興行、その部分も最大限に利用して全日本プロレス、宮原健斗を売りこんでいったのです。

 

プロレスラーとして。試合だけではなくパフォーマンス、キャラクターとしての戦いを宮原健斗は棚橋弘至に挑んでいった。その結果はいきなりわかるものでもないですが、私が見る限りかなりの「いい試合』だったように思います。宮原健斗の対新日本、対世間の戦い。見ごたえのある「プロレス」を見せてくれました。密かに行われていた新日本プロレスVS全日本プロレスの戦い。全日本プロレスと宮原健斗の戦いはこれからも続いていくでしょう。そんな宮原健斗の戦いをこれからも見続けて行こうと思います。

 

   

 

そんな全日本プロレスと宮原健斗、明日の2・24,横浜文化体育館でビッグマッチがあります。そこで行われる宮原の三冠タイトルマッチ

三冠ヘビー級選手権試合
宮原健斗【第62代王者】vs諏訪魔【挑戦者】

会見はこちらから。当日はサムライTV,全日本プロレスTVで生中継。 

 

乞うご期待!自分は諸事情あってサムライ観戦予定ですが・・・。でも期待!

 

 いよいよDVD発売の「パパはわるものチャンピオン」棚橋ファン、新日本プロレスファン、そして今はなきディファ有明ファンにもオススメの作品です。

パパはわるものチャンピオン Blu-ray/DVDコンボ(豪華版)

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