先日行われたAEWのPPV「FULL GEAR」をFITE TVで観戦しました。セミファイナルがクリス・ジェリコVSCODYのAEWタイトルマッチ、メインイベントがケニー・オメガVSジョン・モクスリーのハードコアマッチ。どちらも見応えのある試合となりました。
特にメインのモクスリーVSケニーはアメリカンインディー、日本で行われているハードコアの総集編みたいな試合。テーブルクラッシュ、ボブワイヤーボードへのダイブ、最終的にはリングのマットをはがして木のキャンパスへのダブルアームDDTと「バカ面白え」試合を見せてくれました。面白いPPVでした。
そしてそのセミ2つ前で行われたのが里歩VSさくらえみのAEW女子王座戦。プロレスリング我闘雲舞で師弟関係にあった二人が里歩の卒業からAEW参戦、女子王座奪取によってAEWのリングでシングルマッチが行われることになりました。
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すでにWWEではASUKA、イオ、カイリと日本人女子選手が活躍していますが、AEWは里歩をはじめ志田光、そして東京女子プロレスの坂崎ユカ、中島翔子がスポットで参戦しています。
一度WWE流儀にキャラクターをつけ直してデビューするWWEに比べ、日本の女子プロレスをそのまま持ってくるという方針に見えるAEW、だからこそこの二人の王座戦が実現したとも言えるでしょう。
この二人のシングルマッチは里歩がプロレスリング我闘雲舞卒業のときに行われて以来。そのときはさくらがラ・マヒストラルで勝利を挙げています。
そしてまずは煽りVから。
AEW初代チャンピオンの里歩!ベルトを持つこの姿!
そして挑戦者さくらえみ。「映画のエンディングなら里歩が勝つけどこれはオープニングだから私が勝つ」
AEWが日本の女子プロレスを大切にしている、と思えるのは二人の煽りV。しっかりと二人のルーツである市ヶ谷チョコレート工場でのファイトを盛り込み、里歩入団当時の映像まで持ってくる周到さ、丁寧さ。
市ヶ谷での二人の闘いが全米のPPVの電波に!まさにアメリカンドリーム!?
そして入門当時の里歩。高梨と大家健若い!
まず付け髭&マイクスタンドパフォーマンスというフレディ・マーキュリーギミックで登場のさくらえみ。レフェリーにマイクを差し出すなどの余裕を見せ、雰囲気を掴みにかかります。さすがベテランの余裕。
一方、白のガウンにベルト姿で登場の里歩。さすがの可愛さ&主役感。応援ボードもところどころかかげられ、観客にも人気が浸透し始めてるのがわかります。
AEWベルトを掲げるレフェリー。里歩とさくらがアメリカでタイトルマッチとは!
試合はしっかり手四つからの力比べ、のしかかるさくらをブリッジで返していく里歩、それを叩きつけるさくら、と基本的なムーブからスタート。そこでさくらのヘアホイップ。二回目を側転で返す里歩ですが、ボディアタックは叩き落されてさくらえみペースに。不敵な表情を浮かべ、完全なヒールとして里歩に立ちはだかる構図を序盤にはっきり見せるところはさすが。馴染みのない観客の前でしっかりと自分の立ち位置を示していくさくら。
ニヤリと笑うさくら。大人の余裕!
ちなみに、さくらえみの雄叫びを上げてからのアームホイップ。冬木弘道を意識しているというこの技にアメリカの実況陣が反応。「フユキ」、「WAR」という単語を使って説明していました。
私は、髪の毛を掴んで投げるときに「あ”あ”あ”」と叫びます。それは私の師匠冬木弘道さんへのリスペクトです。フレディさくらになったアメリカでは使用するのをやめようと思いました。でも、彼と共に過ごしたクリスジェリコさんがいるので、私は使用します。師匠を忘れません。 #gtmv
— Emi Sakura (@EmiSakura_gtmv) November 7, 2019
そこからロープ際の攻防となり、さくらがエプロンに立つ里歩をセカンドロープの間からのランニングボディアタックで場外に。コーナーに登りますがそれは里歩が阻止し、トップロープから足を引っ掛けて宙吊りになったさくらに向けてのフットスタンプ!エグい攻撃で反撃に出ていきます。可愛い顔してエグい攻撃!勢いで場外に転げ落ちるほどの衝撃。
宙吊り状態の桜笑みへのフットスタンプ!可愛い顔してエグい里歩!
リングに戻ってランニングニーアタックから逆エビで絞り上げる里歩。フットスタンプから完全に里歩のターン。さくらえみもなんとかロープに。しかしさくらもネックスクリューから「We Will Rock You」のリズムで観客を煽ってからコーナーへのボディアタックからのローリング・ロコモーション式吊り天井で反撃。なかなかペースを渡しません。そして憎々しく立ち上がる里歩を煽るさくら。ヒールを楽しんでるなぁ。
しかし里歩も619からコーナーに登り、フライングボディアタック。一進一退の攻防が続きます。背中ひっかきからのうそ泣きを見せるさくらは、ジャンピングニーを食らいますがバックブリーカー2連発からフットスタンプ、セントーンと一気に畳み掛けこれはカウント2。タイガードライバーはフットスタンプで返されてエルボー合戦に。
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魂のエルボー合戦は里歩がまずコーナーに詰めての連打で打ち勝ちますが、さくらもチョップ、ローキックで反撃。しかし里歩もロープに飛び、丸め込んでからのフットスタンプからノーザンライトでカウント2。試合のテンポも早くなり盛り上がってきます。蒼魔刀はかわされますがすかさずセカンドロープからのフットスタンプ、続けてトップロープからのフットスタンプとたたみかける里歩。チャンスとばかりに再び蒼魔刀を狙う里歩ですがしがみついて阻止するさくら。大人気なさ爆発!意地でもここは反撃を許さないという意地!
さくらは大人気なくしがみついてからのバックドロップ、トーチャーラック・ボムで反撃しますが、タイガードライバーは丸め込みで返され、そこからさくらの丸め込み攻勢に。必殺ラ・マヒストラルを狙いますが里歩も自ら回転して防ぎ、バックスライドもかわし、再びのラ・マヒストラルも回転して防いですかさずその場飛び蒼魔刀、スキができたところにロープに飛んでからのくるくるリボンで鮮やかに丸め込んで3カウント!里歩が初防衛を果たしました。さくら無念!
決着直後の二人。疲労困憊、ふたりとも力を出し切ったのが伺えます
悔しいさくらの無念の表情・・・。
リング上で向かい合う二人。どこか感無量という感もあります。
堂々たるチャンピオン里歩!立派に初防衛を果たしました!
Teacher and student😌💗
— RIHO 里歩 (@riho_gtmv) November 10, 2019
Thank you #AEW pic.twitter.com/VHHfGzjG2N
こうしてプロレスリング我闘雲舞のドル箱カードだったさくらえみVS里歩がそのままAEW直輸入で行われたタイトルマッチ。しっかりと、ちょっとよそ行きだったにせよ二人の魅力が伝わる試合になっていたし、白熱した面白い試合になりました。
ここで一旦さくらえみの出番は終わるかと思いますが、今回の試合、これまでの流れを見ればまたチャンスはあるかもしれない。早速また市ヶ谷に戻っていつも通り試合をしているさくらえみ。こうやってひょいっとまたAEWタイトル挑戦、そして我闘雲舞アメリカ興行なんかも期待したいところ。日本の女子プロレスの可能性を感じさせてくれるタイトルマッチでした。さくらえみ天才!
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AEWのリングで活躍している、里歩ちゃん&さくらえみさんと。
— 武藤 敬司 (@muto_keiji) November 10, 2019
日本女子プロレスのレベルを、アメリカで示してやれ!! pic.twitter.com/kQfequ8LlY