11月3日、東京女子プロレスTDCホール大会。この日の目玉のひとつはサンダー・ロサが来日困難のため返上されたインターナショナル・プリンセス王座決定トーナメントの準決勝、決勝が行われることでした。参加選手はこの8人。
中島翔子、上福ゆき、乃蒼ヒカリ、らく、原宿ぽむ、桐生真弥、舞海魅星、鈴芽
大本命の中島翔子に加え、シングル王座を狙う若い選手中心のラインナップ。一回戦が10月10日、10月17日に行われて中島、上福、ヒカリ、舞海の4人が準決勝進出。中島翔子VS上福ゆき、乃蒼ヒカリVS舞海魅星のカードが決定。それぞれの勝者が同日セミファイナルで対戦することになりました。ちなみにこの日の第1試合はこちらから。まさかこれからメイサンにつながるとは・・・。
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第5代インターナショナル・プリンセス王座決定トーナメント準決勝
○乃蒼ヒカリ
(9分44秒 ブリザード・スープレックス・ホールド)
×舞海魅星
原宿ぽむを破ったヒカリ、桐生真弥を破った舞海による準決勝。優宇を思わせる素朴なスタイルでグラウンドで攻め込む舞海、しかしここは余裕を見せるヒカリがコーナーでの踏みつけ&カメラ目線でピース、珍しく東京女子プロレスを裁く松井レフェリーを翻弄。存分に性格の悪さを見せつけていくヒカリ。キャリアの違いを見せていきます。
エルボー、タックルと思いっきりぶつかっていく舞海、グラウンドコブラ、ローリングクレイドルと柔軟さを生かして攻め込んでいくヒカリ。舞海も変形キャメルクラッチ・シーライダー、体重を乗せたキムラロック・ミラマーレで締め上げていくもどちらも驚異の身体の柔らかさで回避したヒカリ。ラリアットも返し、トラースキックの連発から柔らかすぎるブリッジでのブリザード・スープレックス・ホールドでカウント3。決勝進出を決めました。
第5代インターナショナル・プリンセス王座決定トーナメント準決勝
○中島翔子
(9分22秒 片エビ固め)
×上福ゆき
指の骨折によりタッグタイトル挑戦を断念、一回戦のスケジュールを後ろ倒しして鈴芽を破って準決勝進出。まだ手負いの上福ゆきの目の前に立ちはだかったのは生え抜きメンバー中島翔子。いきなりドロップキックの奇襲で中島を襲った上福、しかし中島はすぐに立て直してしっかりと試合の主導権を握る展開に。低空ネックブリーカー、ライダーキック、しかしコーナーに登った中島を蹴り落とすなど上福もその体格を生かした攻め&必死さで中島に対抗していきます。
中島の一つ一つの技をなかなか決めさせず。バタフライロック、ロープを使ったゆりかもめで締め上げられるもギブアップせず、コーナー上の中島へのドロップキック、チョップと得意技を叩き込み、ウラカンラナで丸め込まれるも続いてのノーザンライト・スープレックスはなんとかこらえ、その場飛びのフェイマサー、すかさず助走をつけてのフェイマサーと叩き込んでガッチリ抑え込むとなんとカウント3!上福ゆきが中島翔子を破る大番狂わせを演じてみせました。
この気持ちを感じる抑え込み。試合全体は中島のペースで進んでいたものの、スケールの大きい技、ドロップキック、ビッグブーツ、そしてフェイマサーの二連発で強引に抑え込んだという形の勝利。タッグタイトルマッチ断念で悔しい思いをした上福ゆきが決勝進出。持ち前の長身、手足の長さを生かしたスタイルが少しづつ結実しつつある上福ゆき、渾身の勝利でした。
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第5代インターナショナル・プリンセス王座決定トーナメント決勝戦
○乃蒼ヒカリ
(7分56秒 片エビ固め)
×上福ゆき
※上福が第5代王者となる。
そして前半戦に行われた準決勝ののち、決勝戦はセミファイナル前の第八試合。中島戦のようにいきなりのビッグブーツを放っていく上福ですがヒカリは回避。しかしガットショット、ストンピング、踏みつけと容赦なくガンガンいく上福。
そんな直線的に来る上福に対して手を踏みつけ、ロープを使って腕を締め上げていく、というアイドルらしからぬズル賢い攻め。しかしすぐに上福のビッグブーツ連発、ヒカリのドロップキック連発とバチバチの打ち合いに。マウントからのエルボー連打を互いに打ち合い、上福がビンタ!からのブレーンバスター!トラースキックを立て続けに打ち込むヒカリ、しかし気合で上回ってきた上福、ダブルチョップからドロップキック、そのままコーナーに登った上福が放ったのは雪崩式のフェイマサー!長身の上福、足がヒカリをリングに叩きつけ、そのまま抑え込んでカウント3!上福ゆきがトーナメントに優勝し、第五代インターナショナル・プリンセス王座に輝きました。
こうして優勝して感極まる上福ゆき。以前からその長身、スタイルの良さを生かし、コーナーに座った相手にも放つ打点の高いドロップキック、蹴り下ろすようなビッグブーツには定評がありましたが、ここに来て必殺技のフェイマサーがしっかりと決められるようになり、大型ファイターとしての本領発揮、才能が開花しつつあると思います。
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そしてデビュー直後は基本的にふんわりとしてましたが、このトーナメントでは一貫して気持ちの入ったファイト。東京女子での「姉貴分」ともいえたまなせゆうながガンバレ☆プロレスに移ったこともあり、自分を前に押し出す気持ちが出ているように感じました。しかしこの上福ゆきという選手、どうしても私はある男子レスラーと闘いぶりがダブるのです。173センチという恵まれた長身、足の長さを生かしたビッグブーツ、ドロップキックといった蹴り技。今回のトーナメントでも繰り広げたスケールの大きいファイト、そう、上福ゆきは
令和女子プロレス界のジャイアント馬場になれる!
どうしてもスピードアップを求められる今の女子プロレス界ですが、大きな体を生かしたダイナミックな闘いっぷり。プロレスラーにとって「大きい」のはそれだけで財産なはず。そしてその体を生かしたプロレスを掴みつつある・・・。
そんな逸材!と思わせてくれた上福ゆき。東京女子の未来を感じさせてくれた、そんなトーナメントになりました。戴冠おめでとうございます!
おまけ
コロナ禍の中、ビニールシート越しのため上手く撮れませんでしたがこの日サインもらった選手の写真を。まずはガンプロから参戦のまなせゆうな選手。らく選手をSNSで煽っていたことに「ガンプロ来て大家さんがのりうつったかな~」と話してました。
この日は快勝!先日のガンプロでもイキイキファイト!最近のまなせゆうなにはイケイケ魂を感じます!
そして今回惜しくも負けてしまった乃蒼ヒカリ選手。今回あるツイートをしてしまい、しかもイイネをもらってしまったのでその謝罪も兼ねてサイン会に。サーセンでした!
11/7 TDCホール大会後のサイン会で本人謝罪しました
— 男マン (@otokoman) 2020年11月19日
#tjpw #tjpwwp pic.twitter.com/q7QQaelgPj
そして今回ニューコスチューム、山下実優、アジャ・コングと闘って玉砕した伊藤麻希選手。相変わらずの人気&笑顔、あれだけ本当にボコボコにされた後にも関わらず前向きな言葉がポンポン飛び出るポジティブさ。元気をもらって帰宅しました!