- 5・2開戦。ハードヒットvsLIDET UWFマイク合戦
- 懐かしさを感じたLIDET、強者を集めたハードヒット
- LIDET UWFのこれからへの期待、対抗戦への興味について。
- Twitterで徐々に顕になってきたLIDET UWFの方向性
- ついに決定!6・9全面対抗戦カード発表!
5・2開戦。ハードヒットvsLIDET UWFマイク合戦
5月2日に行われたハードヒット新木場大会。その振り返りを先日エントリとしてアップしましたが、今回はハードヒットとLIDET UWFの違いについて思うことを書いておこうと思います。振り返りエントリはこちらです。
興行の最後に、佐藤光留がリデットのメンバーを呼び込んで改めて互いに宣戦布告。対抗戦への気炎を上げていました。私もエントリで書き起こしましたが、ハードヒット公式チャンネルにアップされていたのでここに載せておきます。
佐藤光留がLIDETに投げかけた
タレント揃えて、その3文字を胸につけて...。俺がUWFだ、なんて顔してんじゃねえぞ。ここにいる人間はなぁ!誰も見てねえところで生き続けてきたんだよ!
名前はねえけど...。熱い夏も!寒い冬も!生き続けてきたんだよ!
という言葉。そしてそれを受けて川村亮の
これがハードヒット。これ、出来る? これ!
俺らは逃げも隠れもしない。真っ正面から受け止めるからやれる?
というシンプルな言葉。メインの渾身のフルタイムドローの後で言うから説得力のある言葉でした。
一方の伊藤貴則は、マイクを受け取って
現在進行形のUの試合、しっかり見させてもらいました。
正直いまカラダの奥底がすげー熱くなってなってます。俺たちLIDET UWFがこのUスタイルでやっていく以上、ハードヒットを避けてはいけない、超えなきゃいけない壁だと思っています!
6月9日の対抗戦、俺たちLIDET UWFがハードヒットを倒して、俺たちLIDET UWFが令和のUを築いていきたいと思います!
6月9日、よろしくお願いします
と返答。その後川村との視殺戦。佐藤光留に帰れ!と言われて帰っていきました。
そこで素直に帰るのもどうなのか、というのもありますが、個人的には伊藤のマイクは通り一遍のものに聞こえてしまいました。まあフルタイムの激闘をこっちが見た後なのでどうしてもハードヒット寄りになるのは許してほしいんですが、令和にわざわざUWFを掲げて旗揚げする意味を感じさせてほしかった、というのは思ってしまいました。
懐かしさを感じたLIDET、強者を集めたハードヒット
この日のハードヒット、全5試合の中に1試合、LIDET UWF所属の飯塚優の試合がありました。相手は元同僚、井土徹也。
試合内容は、打撃の応酬からグラウンドと、徐々に飯塚が得意分野に引き込んでいき5分40秒、クロスヒールホールドで勝利を収めました。井土もフットチョークでエスケープを奪い、膝蹴りでダウンを奪うなど健闘しましたが、ジャーマンを脇固めに切り返し、カニバサミからのクロスヒールホールドと、ヴォルク・ハン的な動きでフィニッシュ。5分という短い時間の中でスピーディーな攻防を見せてくれました。
しかし、個人的な感想を言うと、この試合で感じたのは「懐かしさ」でした。UWFインターナショナルの前半戦の試合のような、UWFという「同じ階段」を登っていこうとする二人(まあ、井土はLIDETじゃないですが)による、UWFという技術形態の中での試合。なんとなく理想の形として田村潔司の言う「回転体」があるのか、というのが透けて見える試合でもありました。
そして、一方他のハードヒットの試合は各ジャンルから強者が集まってくるリングというのがはっきりしていました。
第1試合の関根”シュレック”秀樹VS田馬場貴裕。重量級のド付き合いからシュレックがジャーマンで田馬場を一発KO。田馬場もソバットをヒットさせるなど、打撃の重さを見せてくれました。
そして第4試合は「ハードヒットの回転体」こと柔術ベースの松本崇寿VSキックボクサー前口太尊。まさに異種格闘技戦的なテイストでの闘いを見せてくれました。ドローに終わりましたが、寝技に行こうとする松本、テイクダウンを避けて打撃を打ち込もうとする大尊、互いに自分の長所を活かそうとする闘い。緊迫のドローでした。
そして、前回のエントリで書きましたが、頭突きによるノーコンテストで終わった渡慶次幸平vs阿部諦道も異種格闘技的なワクワクを感じさせてくれました。
メインは佐藤光留VS川村亮で締めましたが、自分にとってハードヒットの面白いところは、「ハードヒット」の旗のもとに様々な格闘家が集まり、その技術で闘ってくれるところ。今の格闘技のエッセンスを持ち寄って、格闘技のゴッタ煮状態になっているところを佐藤光留や川村亮、和田拓也らがまとめている状態。そこに闘いの「闘志」と、「UWF」の魂を載せてくれるのがハードヒットの闘いだと思っています。
この5・2新木場で思ったのは、田村潔司をヘッドコーチに迎え、あくまで団体として「UWF」というプロレスを追求していく「LIDET UWF」と、様々な格闘家が一つの旗のもとに集まってきた「ハードヒット」の違い。例えるとLIDET UWFがUインター、ハードヒットがリングス(まだLIDET UWF興行を見てない段階ですが)というふうに感じました。
LIDET UWFのこれからへの期待、対抗戦への興味について。
現状で思うのは、LIDET UWFには、「面白いUWFの試合を提供する」という以上の、「この令和の世にUWFをやる意味」というのを感じさせてほしいということ。田中稔、松井大二郎も加わっていますが、基本的にはあのころのUWF寄りの面子。ここから新しいものが生まれるのか?という疑問も感じます。
そして、ハードヒットがどれだけ意地や「強さ」を見せてくれるか。近いうちに6月9日対抗戦のメンバーが発表されるということですが、佐藤光留、川村亮、阿部史典はもちろん見たいですが、和田拓也、関根”シュレック”秀樹、松本崇寿、前口太尊ら、格闘家としてのナイフを持っている選手が純粋培養UWFの若手に何かを「見せつけにくる」のも見てみたい。UWFルールではありますが、格闘家としての「強さ」を表現するためのUWFルールとして使ってほしい。
なにはともあれ6月9日新宿FACE。
どっちのUWFが強いのか決めりゃいいんじゃ!
無事開催されてカードが面白そうだったら行きます!以上!
Twitterで徐々に顕になってきたLIDET UWFの方向性
カズ・ハヤシが佐藤光留とのやり取りの中でこんなことをツイートしていました。
私は、田村潔司Executive DirectorのUWFを学びたくて練習をしています。
— カズ・ハヤシ (@kaz_hayashi) 2021年5月7日
時間と共に変化しない。
変化させない確固したUWFがある。
だから
私は、ついて行きたい。
6.9LIDET UWF
俺とやる?#GLEAT#LIDET https://t.co/SARU46IWkH
個人的に気になったのは、カズ・ハヤシの言った
時間と共に変化しない。
変化させない確固したUWFがある。
この部分。つまり、今の格闘技を取り入れて変化する、というより伝統的な部分、根っこの部分を重視したい、というようなコメントに見えました。そして田中稔も先日のハードヒット興行を受けてこう発言。
#LIDETUWF と #ハードヒット の
— Minoru Tanaka☆田中 稔 (@minoru_official) 2021年5月7日
『これ出来る?論争』がにわかに盛り上がってるな。
俺的見解は
「出来る?も何も我々ハードヒットなんて目指してませんし」
という事に尽きる
どちらが正しいとかの話してるわけではなくそれはアナタ達が目指してやっている事だから自己満の押し売りはやめて#というね
そして、興行内でマイクした伊藤貴則も
身体が熱くなったとは言ったが、あの時代のUWFのが映像だが遥かに熱くさせられる。あれを肌に感じたい。でもあん時は生まれてないんやもん。
— 伊藤貴則 (@Takanori_GLEAT) 2021年5月7日
田村さんと共に令和の時代にあのUWFを!そして俺が加わることで新たな熱狂を生み出したる
川村選手。空想を現実にしますんで#GLEAT #LIDETUWF #ハードヒット
と発言。基本的には「ハードヒットとLIDET UWFは目指すところが違う」というのが基本的な主張になっています。そして、伊藤ははっきりと
田村さんと共に令和の時代にあのUWFを!そして俺が加わることで新たな熱狂を生み出したる
と、発言しています。
一方、佐藤光留は田中稔のツイートに応える形で
川村に「コレ、出来る?」と言われて、そちらの伊藤選手は身体の奥底が熱くなってるらしいですけどね。
— 佐藤光留 (@hikaru310paipan) 2021年5月7日
ハードヒットが10年以上かけて作り上げてきた「現在進行形のU」についてこれないとは言えないでしょうから。
それを自己満足の押し付けと表現するならどうぞ。
もう対抗戦は始まっていますから。 https://t.co/NNMCV7pJWd
と、はっきりと「現在進行形」という言葉を打ち出し、格闘技とともに進化してくことをハッキリと打ち出しています。
もちろん田村潔司のUインタ~リングスでの「回転体」は面白い試合を連発していたし、魅力的なスタイルではありますが、両団体が盛り上がっていたのは現在進行系の他の格闘技と接触し、対戦していたからだと思います。
田村の回転体は言ってももう20年近く前のスタイル。現在進行系の格闘技から考えると古い技術をベースにしたもの。ハードヒットのように、現役の格闘家が参戦することで技術の凌ぎ合いを行うのではなく、中に閉じこもって美しい、古いUを追求してしまっては時代遅れのプロレスになってしまうんじゃないか。最近のTwitterのやり取りを見て、私はそこが危ないな、と思いました。
2005年に行われたU-STYLE Axisは一度きりで終わりましたし、UWFスタイルを令和の今、どのように観客に見せてくれるのか。何を提示してくれるのか。各格闘技から強者、賛同者を集めて作り上げてきたハードヒットに比べ、団体として中で作り上げていくLIDET UWF。すでにビジョンの違いがはっきりしている両者が「UWF」という三文字を掲げての対抗戦。注目してます!
ついに決定!6・9全面対抗戦カード発表!
そして本日、全面対抗戦のカードが発表されました
対抗戦はダブルバウト(タッグマッチ)含む5試合。U系でタッグマッチがあったのはUインターのみだったので、ここでも田村潔司色というか、Uインター色を感じます。
第1試合 LIDET UWFルール【シングルバウト】15分1本勝負
カズ・ハヤシ(GLEAT)
vs
佐藤光留(パンクラスMISSION)第2試合 LIDET UWFルール【ダブルバウト】20分1本勝負
田中稔(GLEAT)
渡辺壮馬(GLEAT)
vs
関根シュレック秀樹(ボンサイ柔術)
阿部諦道(浄土宗西山深草派)第3試合 LIDET UWFルール【シングルバウト】15分1本勝負
飯塚優(GLEAT)
vs
松本崇寿(フリー)セミファイナル LIDET UWFルール【シングルバウト】15分1本勝負
松井大二郎(GLEAT)
vs
和田拓也(フリー)メインイベント LIDET UWFルール【シングルバウト】30分1本勝負
伊藤貴則(GLEAT)
vs
川村亮(パンクラスイズム横浜)
このエントリで、ハードヒットは「いろんな格闘技から強者が集まったリングス的なイベント」と書きましたが、この顔ぶれを見るとやはりハードヒットにパンクラスMISSIONの佐藤光留、元キング・オブ・パンクラシストで現在パンクラスイズム所属の川村亮、そして、元キング・オブ・パンクラシストの和田拓也の3人が入っていることが眼を惹きます。そうなるとUインターでデビュー(ハードヒット参戦経験もありますが)した松井大二郎、田村潔司の教えを受けている伊藤貴則、渡辺壮馬、飯塚優の3人がいるLIDET UWF。これはパンクラスとUインターの遺伝子対決、と言っても過言ではないでしょう。
正直選手のキャリア、格闘技の実績としては完全にハードヒットに分があるわけですが、LIDETの新人3人がどこまでやるか。個人的注目は飯塚優VS松本崇寿の「令和のUWF回転体対決」ハードヒットではハズレのない面白さ。技術の引き出しがハンパない松本崇寿にヴォルク・ハンを憧れの存在とする飯塚優がどれだけ食い下がれるか。
そして「これがハードヒット。これ、出来る?」と川村に投げかけられた伊藤がどこまでLIDET UWFを見せることができるのか。佐藤光留とカズ・ハヤシのUWFルール対決も気になるし、関根”シュレック”秀樹と田中稔の初遭遇も気になる。色々と面白いカードが揃ったハードヒット VS LIDET UWF。勝敗ですが、ぞれぞれの選手の総合格闘技の戦歴から言って、私はハードヒット全勝もあると思います。その中でLIDET勢が何を見せてくれるのか。ハードヒット全勝からの田村潔司参戦がワンチャンあるのか。そこらへんを期待して対抗戦を見に行きたいと思ってます。以上!