男マンの日記

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立川談春「赤めだか」がドラマ化するので読み直してみました。爽やかでほろ苦い落語青春ストーリー。

TBSでドラマ化が決定し、配役も一部発表された「赤めだか」。これを機会にもう一回読み直してみました。

たけし、立川談志演じる…弟子の談春に嵐・二宮 | RBB TODAY

二宮和也は現在31歳、赤めだかで主に描かれているのは談春師が18歳から31歳くらいまでの期間なのでわりと妥当なのかもしれません。最もキャラクター的にはもっとガラの悪い、無鉄砲なタイプが合うような気もします。二宮和也はどちらかというと志らく師に近いような印象も受けました。

 

 

 また、ビートたけしは一時、立川流Bコース(正式な弟子ではなく、芸能人、有名人に談志が芸名を与え、落語をやることを許可したもの)に所属し、立川錦之助として落語を披露したこともあります。現在68歳なので、年齢的には談春師入門~二つ目の時期には会わない(談春師入門当時の談志は48歳)ことになりますが、整合性よりも雰囲気や談志とのつながりを考えたキャスティングなんでしょう。

 ということはたけしの他にも談志ゆかりの人々(高田文夫、ダンカン、山本晋也、さだまさし)、落語家(三遊亭円楽、春風亭昇太、春風亭小朝、桂米助)、弟子たち(立川談四楼、立川志の輔、立川談笑、立川志らく)などの出演もあるんだろうか、と今から楽しみです。

「赤めだか」は立川談春が落語家を志してから談志に入門~修行時代を経て真打昇進までのおよそ10年間での出来事を描いた自伝的小説。話を色々脚色したり膨らませたりしているのは本人も認めているので、完全なノンフィクションではないのですが、実際の落語家としての生活、前座修行がしっかりと描かれていて読み応えがあります。

目次

第一話 「これはやめとくか」と談志は云った

第二話 新聞配達少年と修行のカタチ

第三話 談志の初稽古、師弟の想い

第四話 晴天の霹靂、築地魚河岸修行

第五話 己の嫉妬と一門の元旦

第六話 弟子の食欲とハワイの夜

第七話 高田文夫と雪夜の牛丼

第八話 生涯一度の寿限無と五万円の大勝負

特別篇その一 揺らぐ談志と弟子の罪

特別篇その二 誰も知らない小さんと談志

   

向こうっ気の強い談春は、いろんな前座としての試練(談志の気まぐれな要求にあたふたしたり、魚河岸にバイトに出されたり、弟弟子の志らくに嫉妬したり)に直面し、なんとか乗り越えて一人前になっていくと同時に談志の偉大さ、愛に気付いていくという青春ストーリー。昔何度か読みましたが、改めて読んでもやっぱり面白い。これを読んで落語を聴くようになった私ですが、ある程度知識が深まった今読むと改めて周辺キャラクターの濃さに気付きます。

天然だが我の強い志らく、典型的関西人の関西(後に文都、故人)、ぼんやりしてる談(後に朝寝坊のらく)、やさしくも厳しい先輩志の輔、思い込みで突っ走る桂文字助

大事なところで慰められた高田文夫、さだまさしとのエピソード

そして桂米朝、柳家小さんという大師匠とのエピソード。

思えばこの「赤めだか」は談春師の落語そのものが出ているように思えます。笑えるエピソードをちりばめて泣かせるところはクサいくらいに泣かせる。そして最後はホロっとしたエピソードで締める。読後感爽やかな落語青春ストーリーであり、談志との親子物語。やっぱり売れるわ!というお話。これを読んで落語家を目指した人も数知れず、という噂。未読で落語に少しでも興味のある方にはぜひおすすめします。

赤めだか

赤めだか

 

 

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