4・30チャンピオンカーニバル直前になりましたが、4・29全日本プロレス後楽園ホール大会をネット観戦しました。なんと超満員だったこの日。名勝負続出の凄い興行になりました。というわけで第一試合から。
第一試合 タッグマッチ
◯青木篤志&岡田佑介
(10分54秒 テキサスクローバーホールド)
岩本煌史&✕石切
第一試合はエボリューションVS正規軍&ランズエンドの混成タッグによる闘い。岡田は日焼けしたのもあり、身体も絞ったのか大分精悍に見える。岩本も相変わらずのコンディションの良さ。スピーディーなグラウンドの攻防から入ったこの試合で存在感を示したのは石切。ボテっとした身体ながらも身軽な身のこなしを見せ、中盤に放ったスワンダイブ式の450スプラッシュでどよめく観客。しかしそこでやられっぱなしにならない我らが青木隊長。サイドバスターから石切をうつぶせに寝かせての腰へのボディプレス、バックブリーカーと腰に攻撃を集中するとコの字型に曲がるエグい逆エビ。途中からテキサスクローバーに移行してギブアップ勝ち。石切を一蹴。カ・カテェ・・・。
第二試合 6人タッグマッチ
◯ヨシタツ&渕正信&西村修
(11分49秒 CBJ→片エビ固め)
✕丸山敦&大森隆男&TAJIRI
先発は丸山とヨシタツ。互いに観客にコールを煽り(ヨシタツには一部ブーイングww)そしてひとしきりやりあった後ブレーンバスターを喰らい即TAJIRIにタッチする丸山にどことなくスネオ感が。
西村とTAJIRIの年輪を感じるグラウンドからヘッドシサーズの抜け合いを経て、ようやく登場の渕正信。しかしここで事件が。丸山敦がレフェリーのブラインドで渕の頭を抱え込みグーパンチ、そしてレフェリーには「パー」とアピール。しかしいつも渕のときには「パー」と合唱する客席からブーイングと「グー」の文字が。後楽園ホールの観客はまるやまに厳しい。その後同じ動作を渕がやると当然「パー」コール。優しい空間・・・。
試合はヨシタツ、丸山のマッチアップに。コンプリートショットからのヨシタツ幻想(ファンタジー)はTAJIRIにカットされますが、続いてのCBJ(コードブレイカー・フロム・ジェリコ)が決まって3カウント。丸山の鮮やかなジャンピング受け身も光った好勝負でした。ちょうどいい第二試合というか。適度なユルさの中で楽しめました。
第三試合 8人タッグマッチ
◯ゼウス&秋山準&諏訪魔&佐藤光留
(15分29秒 ジャックハマー→片エビ固め)
✕中島洋平&吉江豊&KAI&D・ジェイムス
チャンピオンカーニバルBブロック出場者&光留&中島という組み合わせの8人タッグマッチ。のっけからゼウスとジェイムスのド迫力チョップの応酬。ヘビー級って凄いな~と改めて見せつけてくれます。第二試合との高低差に耳キーンとなりつつもその後の中島と光留、秋山と吉江、諏訪魔とKAIのマッチアップでそれぞれやりあってから裏の主役となったのは中島洋平でした。
ゼウスに場外へ放り投げられ、場外で秋山にヘッドバット、ボディスラムを喰らい、リング内でもパイルドライバーを食らう苦しい展開。その後も秋山に逆エビを喰らい、諏訪魔に拷問逆エビを食らってもう力尽きる寸前に。しかしその後のラリアット、バックドロップを食らっても返した中島に観客からまさかの洋平コール!
その後光留との蹴り合いなどで奮闘しますが、最後はゼウスのジャックハマーを食らって3カウント。その前にあわやの場面をつくって健闘した中島ですが及ばずでした。しかし世界Jr挑戦を表明している中島、その決意を見せるような闘いでした。あとは継続!
第四試合 2018 チャンピオン・カーニバル 公式戦 Aブロック
◯ボディガー[2勝4敗1不戦敗=4点]
(11分43秒 キャメルクラッチ)
✕崔領二[3勝4敗=6点]
足の筋肉断裂、という大怪我にもかかわらず参戦し続けているボディガーですが、崔も真っ向から立ち向っていきます。場外でのチョップ合戦から寝技に活路を見出したボディガー。パワー寝技、というか、キャメルクラッチから力づくでのネックロックで崔を追い詰めていきます。スタンディングでもネックロックで締め上げ、これはブレーンバスターで返されるも投げ返したボディガー。コーナーラリアット連発、エルボー合戦からの踵落とし、ラリアットと畳み掛けるボディガー。崔も丸め込み、スープレックスで返していって赤川鉄橋!
しかしこれを2で返したボディガー、那智の滝はかわし、ラリアットでなぎ倒してからのキャメルクラッチで絞り上げてギブアップを奪う!ボディガー勝利!
足を引きずったままではありましたが、持ち前のパワーを生かした技で勝利を掴んだボディガー。もちろん治療して完治して欲しいですが、キャメルクラッチは完治後もフィニッシュとして使っていいくらいの説得力。また幅が広がったのではないでしょうか。
第五試合 2018 チャンピオン・カーニバル 公式戦 Aブロック
◯野村直矢[2勝5敗=4点]
(4分28秒 ジャックナイフ式エビ固め)
✕J・ドーリング[4勝3敗=8点]
ゴング早々にエルボー連打で攻め込む野村。勢いに任せて押していきたいところですが、場外にエスケープしてペースを整えたジョーから今度は厳しい攻め。逆エビでギリギリ絞りあげられますが何とか逃れます。そしてそこからブレーンバスター、フロッグスプラッシュで攻め込む野村。
しかし二発目のフロッグスプラッシュはかわされ、クロスボディからレインメーカー式のラリアット。そこからレボリューションボムを狙ったジョーを丸め込みで返し、そこからさらに回転エビ固め→ジャックナイフと移行して3カウント!
一瞬野村の足がロープにかかっていたのが気になりますが、すかさず身体をズラした野村。4分でジョーから勝利をあげました。大番狂わせ!
第六試合 2018 チャンピオン・カーニバル 公式戦 Aブロック
○石川修司[4勝3敗=8点]
18分37秒 ジャイアントスラム→エビ固め
×鷹木信悟[4勝3敗=8点]
石川修司130Kg,鷹木信悟95Kgと、向かい合うとさすがにワンサイズ小さい鷹木。しかしガンガン石川にぶつかっていきます。ショルダー連発でなぎ倒し、チョップが通用しないとみるやダブルチョップで対抗。しかしこれに石川も黙ってはおらずエルボー連打、場外戦になってからなんと場外マットへのファイヤーサンダー!これで一気に石川ペースに持っていきます。とにかく序盤から観客のテンションも凄い!
リング上に戻っても石川ペース。コーナーに叩きつけ、河津落とし、ランニングニーとたたみかける猛攻。とにかく一発一発が重い。しかし鷹木もパンピングボンバー、ブレーンバスターと反撃。なんとかパワーをスピードで補っていきます。
そしてエプロンに逃れた石川を追った鷹木。エプロンでのファイヤーサンダー狙いの石川から逃れて場外に叩き落とした鷹木のトペコンヒーロが炸裂!流石に石川も大の字で倒れる。さすがドラゲー。
リングに上っても攻め続ける鷹木でしたがここでスライディングDを石川がカット、ここから石川の反撃が始まります。
石川、トップロープからのミサイルキックから串刺し式のラリアット、フットスタンプと一気にスパート。ここでサンダーファイヤーを狙う石川ですが、着地した鷹木がスライディングDから腕ひしぎへ移行、とにかく攻守が頻繁に入れ替わり続けるため目が話せない。
石川ラリアットからスプラッシュマウンテンを狙うもはウラカン・ラナで逃れ、雪崩式ブレーンバスターで石川をブン投げる鷹木。エルボー合戦からパンピングボンバーを狙った鷹木ですが石川これをかわしてドラゴンからヒザ!そしてついにサンダーファイヤー炸裂!しかしこれをカウント1で返す鷹木!スプラッシュマウンテン!これはカウント2!ジャイアントスラムはなんとか逃れ、エルボーを喰らいながらも向かっていった鷹木。とにかく試合が止まらない!これでもか!と動き続ける二人!
鷹木、反撃のエルボーからブラッドフォール、これは不完全に終わりますが、そこから石川をメイドインジャパンで持ち上げて投げきる!130Kgの石川を鷹木がしっかりと持ち上げて投げたのが凄い。しかしこれはカウント2。パンピングボンバーを石川エルボーで迎撃、頭突き連発、カミゴエ!ランニングニー!カウント2!!そしてついにジャイアントスラム!カウント3!石川が鷹木を降す!ザッツ名勝負!素晴らしかった。
とにかく両者の動きが止まらず、主導権がぐるぐると移る展開が最後まで続いたこの試合、二人のパワー、スピードが素晴らしかった。鷹木はもちろんですが、石川も一瞬の瞬発力は凄い。この試合こそ、秋山全日本が各団体から選手を集め、所属にこだわらずに試合の中で全日本イズムを育ててきた一つの回答と言えるのではないでしょうか。
リーグ戦は終わってしまいましたが、鷹木信悟の試合はどれも面白かった。また全日本に帰ってきたらベルトに絡んで欲しい選手になりました。鷹木信悟を知らなかった不明を・・・恥じるッ!
第七試合 2018 チャンピオン・カーニバル 公式戦 Aブロック
◯宮原健斗[4勝2敗1不戦勝=10点]
(19分32秒 シャットダウン・スープレックスホールド)
✕火野裕士[4勝3敗=8点]
セミの余韻冷めやらぬ中試合開始。試合前に点数の説明がされ、宮原、火野戦でどちらかが勝ったら勝ったほうが決勝進出。時間切れ引き分けなら改めて再試合。反則などの引き分けなら宮原、火野、ジョー、石川、鷹木でのトーナメント戦を行う旨説明されました。トーナメント・・・。
こちらは静かな立ち上がり、火野はチョップ狙い、宮原はヒザを狙いますがたがいにかわしていく展開。しかし場外戦になってから一気に試合は激しさを増し、宮原の頭突き連発、火野もチョップで対抗し、ヒートアップしていきます。しかしここからが火野のペース。リング上に戻り、ロープに挟んでの顔面ウオッシュから豪腕スリーパーで宮原の動きを止めにかかります。
風貌に似合わずじっくりと攻め込む火野、ボディスラムからの”ファッキン”セントーン。120Kgの火野の身体が宮原に浴びせかかり、これはキツい。大きさを利した攻撃で上から目線での攻撃。ナチュラル・ヒールの雰囲気をまとっている火野が試合を優勢に進めていきます。そして得意のチョップ。宮原もここで何とか反撃。顔面へのドロップキックから串刺し式ニーアタック!ここからエプロンでの攻防で追い打ちを狙う宮原ですが、ブラックアウトを叩き落とされて場外に飛んだところを捕まえられてフロント・スープレックスで投げ捨てられる苦しい展開。火野はさっさとリングに上って寝転がるパフォーマンス。宮原はなんとかリングアウト寸前でリングに戻ります。
しかしいきなり火野の串刺し式ラリアットが炸裂。しかし宮原もファッキンボムを切り替えして後頭部へのブラックアウト。そして正面からのブラックアウト!カウント2から滞空式ジャーマン!これでカウント2、再びブラックアウトもなんとカウント1で返す火野。タフネス!
そして火野得意の後ろで腕を組んで相手のチョップを受けるパフォーマンス。散々宮原の攻撃を受けてからラリアット一発でなぎ倒す!火野の攻撃はとにかく説得力が凄い。チョップ、ラリアット、セントーンとあの分厚い腕と肉体から放たれる威力が伝わってきます。
ダブルダウン状態から再びエルボー合戦。これは拮抗しますが、その後火野がチョップ一発で宮原をなぎ倒します。突っ伏して動かなくなる宮原。なんとか立ち上がる宮原ですが、その後もチョップを喰らいまくり、腕でガードしてロープに飛んだ所をラリアット!そして再び剛腕ラリアット!大の字の宮原。火野の強さが凄い!
フロッグスプラッシュからファッキンボムに行く火野、しかしこれを着地した宮原がシャットダウン・スープレックス!カウント3!なんと!なんと!宮原勝利!
とにかく火野の強さが目立ったこの試合ですが、最後に獲ったのは宮原健斗。一発で持っていきました。しかし先に立ち上がった火野が拍手からの宮原との再戦をアピール。握手するかと思いきや中指立てで終了。最後はグータッチして帰っていきました。いや~、最後までらしさ爆発の火野裕士。魅力的な選手であることが後楽園で証明されました。メインも素晴らしかった。
そして、試合後の「宮原劇場」いつもより少しだけテンション高く、いつも通りのパフォーマンス。そして最後に「後楽園ホール、最高!」いや~、良かった。
全日後楽園メイン、宮原vs火野はシャットダウンジャーマンで宮原の勝ち。
— 男マン (@otokoman) 2018年4月29日
火野の攻めをこれでもかと受けまくった挙句の一発。超満員の後楽園に向かって「全日本プロレス、最高ですかー!」「さいこー!」「後楽園ホール、最高」で締める宮原。キッモチイイだろうなー。 男冥利に尽きる。
#ajpw
2年前の後楽園のガラガラさから考えたら、この日を迎えられるとは思わなかったかもしれない。それがこの満員。素晴らしい...。ちょっと泣きそう。
— 男マン (@otokoman) 2018年4月29日
明日の宮原vs丸藤、間接的なオカダvs宮原でしょう。ここを乗り越えてこそ真のエース、打倒新日本を叫べる。頑張れ宮原! #ajpw #njpw
— 男マン (@otokoman) 2018年4月29日
ツイートでも書きましたが、2年前ガラガラだった全日本後楽園大会が超満員。そして宮原健斗が締めるというこの多幸感溢れる状況を誰が予想したか。これも秋山社長の頑張り、そして宮原、諏訪魔はじめ所属選手の頑張り、そしていろんな団体から選手が上がり、リング上を盛り上げたことによるもの。そしてその総決算がもうすぐ宮原健斗VS丸藤正道。これは見るしかない!そして鷹木信悟、火野裕士ありがとう!素晴らしい、ほんとに素晴らしい興行でした。