8・11「プロレスLOVE in YOKOHAMA」興行の印象、W-1のこれから。
先日もベテラン、中堅含め5人のレスラーがフリーとなり、昨日もKAZMA SAKAMOTOがフリーに。色々と苦戦が伝えられていたW-1ですが、先日の横浜文化体育館大会「プロレスLOVE in YOKOHAMA」は1900人の観客を集めて成功を収めました。
興行自体も、メインではなんと!デビュー3年の稲葉大樹が卍固めでKAIを破り、団体のトップ、WRESTLE−1チャンピオンシップ王座に輝き、ジュニアヘビー王座戦では鈴木鼓太郎を児玉裕輔が破りこちらも王座交代。団体自体が一気に若返りを図ったという結果になりました。
そしてその時私がしたツイートはこちら。
今日のW-1横浜大会。鼓太郎に児玉が勝利、KAIに稲葉が勝利して一気に若返りした両チャンピオン。しかしどちらもまだ元王者のほうが実力は上に見えた。特に鼓太郎は強すぎた。大日本プロレスも両国でデスマッチ、ストロングのチャンピオンが若返ったけどそれより唐突な感じあり。 #w_1
— 男マン (@otokoman) 2016年8月11日
凄味を感じたのは鼓太郎の試合、華やかで未来を感じたのはイケメン、個人的にはメインはそこまで響かなかった。もう少しチャンピオンとしてKAIが何かするのを見たかったし、稲葉に乗るにはまだ足りなかった。色々ともがいているんだろうけど、「頑張った」以上のものを感じたかった。 #w_1
— 男マン (@otokoman) 2016年8月11日
先日の大日本両国でもデスマッチ・ストロングともに王座交代。DDTは竹下がチャンピオンになりましたが、この両団体は観客動員、人気的にも安定した中で若手に何度も王座に挑戦させ、機が熟したという段階での王座交代でした。神谷ヒデヨシは去年の12月に岡林に敗れていますし、竹下も去年王座挑戦して失敗。タッグ戦線でも連敗を続けて辛酸を舐めてからの王座。それに比べると、ケガをした征矢の代役として出場した稲葉、遠征帰りの児玉が戴冠したことはいかにも性急であり唐突な印象を与えてしまいます。両方共かなり攻め込まれてからの逆転、という同じパターンだったのもそういう印象を与える一助になってしまっているように思います。
王者だったKAIにしても、色々な団体に出まくり、「自由」と濃いキャラクターを表に出し始めたところだったので、もう少しKAIが王者のW-1を見たかった、という私の願望もありました。火野、KAI、稲葉と比較的短いスパンで王者が変わっているW-1。そろそろ絶対王者がほしいところです。これからの稲葉、児玉の試合内容、団体を引っ張る姿勢、ストーリー作りの能力がよりいっそう問われるのは確か。そして、私が稲葉王者少し暫定感を感じてしまうのは、この理由からです。
8・11,横浜文化体育館でのスターは間違いなく黒潮”イケメン”二郎だった
この興行は全8試合。1試合目から東京愚連隊登場、大和ヒロシ復帰と力の入ったカード、第2試合は高木三四郎、大家健、翔太、三富政行出場という筆者的には大好物カード。第3試合は葛西純、TAJIRI、MIKAMI、田中稔らが出場の4WAYタッグハードコアマッチ。第4試合はサスケ、ディック東郷、カズ・ハヤシ組が実現・・・。と、豪華な前半戦ではあったんですが、会場爆発には至らず。第5試合でJr王座が鼓太郎から児玉に移動しました。いい試合ではありましたが、これも大爆発とはならず前半戦が終了してしまいました。熱い攻防、いい試合が行われているのに観客がそこまで温まらない状態。
しかし、休憩明けにこの空気が一変します。それは飯伏VS黒潮”イケメン”二郎の入場時。福山雅治の「HELLO」に乗って「イケメン」コールに包まれた会場。まだ試合をしていないのに、前半戦のどの瞬間より盛り上がり、いや、会場のトーンが確実に一段上がった瞬間でした。
飯伏vsイケメン! #w_1 pic.twitter.com/a2EMcvF0Ia
— 男マン (@otokoman) 2016年8月11日
身体全体で会場にアピールし、スター性を振りまくイケメン。本当に、「これは違う」と思わせた瞬間でした。入場をこれだけ褒めるのもどうかと思いますが、しかしそれだけインパクトが合ったのも確かです。「スターってこういうことか」と思わせる入場。素晴らしかった。
一方の飯伏はいつもどおりの入場。イケメンに比べ、派手さを抑えているようにすら見えました。あくまで自然体の入場だった飯伏ですが、二人がリングで向かい合った時の歓声、雰囲気はもうすっかり出来上がっている状態でした。
試合は、肩を痛めて欠場寸前だった、というイケメンの体調を感じさせない試合。あえて飯伏が受けに回った節もありますが、飯伏に向かって全てをぶつけるイケメン。最後はシットダウン式ラストライドで3カウントを許しましたが、本当にやりきった、という印象の試合でした。飯伏も受けに回って相手を生かすレスリング。思わぬところで懐の深さを感じさせてくれました。まさに清々しく、明るく、激しい試合。入場を裏切らない試合。堪能しました。
その後の全日本VSW-1の6人タッグ、メインのKAIvs稲葉までこの空気は続き、最後は稲葉の勝利、ハッピーエンドの雰囲気で終わったW-1横浜文化体育館大会。しかし、この空気を作った、成功のきっかけとなったのはあくまで「イケメンの入場」からでした。
現在「イケメン7番勝負」中の黒潮”イケメン”二郎、最後の相手に師匠、船木を指名した覚悟。そして体調が万全になった暁にはベルトへの挑戦を考えているでしょう。そしてその時に稲葉がどういう王者になっているのか、はたまたベルト移動しているのか。今後が楽しみなW-1。願わくばそれまである程度健全な経営を続け、いい形でその日を迎えて欲しい。がんばれW-1!がんばれ武藤社長!がんばれ高木三四郎CEO!がんばれ選手たち!