8月14日、両国国技館で行われたG1クライマックス決勝戦はケニー・オメガが片翼の天使で後藤を下して勝利。外国人初の優勝を飾りました。
私自身は予定があったため、音を消してIPHONEで見ていたんですが、ケニーの引き出しの多さ、そして試合の緩急の付け方の上手さが後藤との大きな差だったように思います。
終盤の後藤だけを見ていると、基本的にはケニーの攻撃にカウンターの一撃→単発の大技、という繰り返し。流れを作っていたのはケニーの方でした。ヒザをベースにしてフィッシャーマンバスター式の牛殺しを繰り出すなど後藤を意識した展開。最後はブラディサンデー、スタイルズクラッシュと畳み掛けた後の片翼の天使。しっかりとバレットクラブの歴代リーダー(プリンス・デヴィット、AJスタイルズ)の技を繰り出してから最後は自分の技でフィニッシュ。ただ勝つだけではなく、しっかりと自身のストーリーを盛り込んだ試合を繰り広げていました。
そして一部のファンの目を引いたのは、試合中盤でケニーがシットダウン式ラストライドからのフェニックス・スプラッシュをねらったくだり。もちろん飯伏幸太の技ではありますが、ケニーは試合後のコメントでも、一夜明け会見でも頑なに答えることを拒んだままでした。
しかし、その中で東京スポーツに載った記事がなんとも泣かせるもの。ケニーと飯伏の絆に注目したものでした。
【新日G1】初出場初優勝!ケニー・オメガが史上初の外国人覇者に
この記事を書いたのはおそらく東京スポーツ岡本記者。岡本記者といえば、既に「飯伏番)と言っても良い存在、そして記者と選手の関係を超えた存在として知られています。飯伏が新日本に出られない精神状態に追い込まれた時も側にいて色々処理をしたりしたのも岡本記者。今でもうっすらと「飯伏プロレス研究所」の一員とファンに認識されているほどの存在です。そんな岡本記者だからこそ取ってこれたケニーの飯伏への思い。他の媒体が報じていない「特ダネ」と言っても良いのがこの記事です。
まずケニー・オメガファン、飯伏幸太ファン、そして何より「ゴールデン☆ラヴァーズ」を愛していた全てのプロレスファンに読んで欲しい、凄い記事なんです。
ケニーが中澤マイケルに「飯伏がWWEと不利な契約を結ばされそうになったら守ってあげて欲しい」という頼みをしていたことにもグッときましたが、最もグッときたのはケニーが明かした飯伏へのこのコメント。
「2つのメッセージをアイツに伝えてほしいんだ。まずは、新日本プロレスが世界で一番の場所だということだ。俺はまだ進化してるし、頑張ってる。そしてもう1つ。今日、ようやく俺はお前を超えた。一人は…さびしいじゃないか。だから、この場所で待っている」
もっとも現状では飯伏が新日本に上がる可能性が高いとは言えませんが、新日本のリング、会見では一言も口に出さなかったケニーの飯伏への想い。二人の間にある深い絆を感じさせてくれた記事でした。
飯伏の背中を追いかけてきたケニー・オメガが初めて飯伏を超えたと思えた日。そしてどういう形にせよ二人が再会して欲しい。そして願わくば一緒に日本マットのトップに立つ、またはケニーが日本マット、飯伏がアメリカマットのトップに立ち、その状況で二人のシングルマッチが行われる、という夢を見てしまいます。二人のキャリアハイはあと2~3年くらいかと思うので、その間になんとか二人のネクストを見せて欲しいところです。ただ、飯伏もこのままの状態でケニーと闘うのは本意ではないと思うので、今後どう活動していくのか期待です。