男マンの日記

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貫禄の白いベルト、情念の青いベルト。伊藤麻希vs乃蒼ヒカリ、感情ぶつけあうタイトルマッチ前哨戦。

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 11月30日に行われた東京女子プロレスの横浜ラジアントホール大会。夏以来の生観戦をしてきました。客入りはほぼ満席だったこともあり、盛り上がった大会となりました。東女初見のフォロワーさん連れて見に行ったんですが満足してもらえたようでホッとしました。全7試合、それぞれのカードにテーマが生まれた興行。1・4後楽園ホールに向けて色々と動き出した横浜大会でした。

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そんな中、1・4後楽園ホールで決定しているタイトルマッチは3つ。シングルの頂点、プリンセス・オブ・プリンセス選手権(以下POP選手権)は王者・坂崎ユカにエース・山下実優が挑みます。もうひとつのシングルベルト、インターナショナル・プリンセス選手権(以下IP選手権)は王者・伊藤麻希に前回大会で乃蒼ヒカリが挑戦の名乗りを上げて決定。そしてこの日の横浜大会でプリンセスタッグ選手権、王者・辰巳リカ&渡辺未詩の白昼夢と天満のどか&愛野ユキの爆れつシスターズの対戦が決定しました。

 

安定した人気を誇り、最近はAEW参戦もしている坂崎ユカと、「東女のエース」の地位を築きつつある山下実優のPOP選手権がおそらくメインイベント。東京女子プロレス最強を決める、という意味でこの二人の対戦に異論を挟むファンはあまりいないでしょう。

互いに互いを認めていることもあり、前哨戦も「菓子折りもってこい」などの週プロvsDDTネタを織り込むなどの余裕を見せ、今回の横浜大会も山下が持ってきたどらやきからこしあん派vsつぶあん派の争いに発展していました。これも「東女ワールド」のひとつでしょう。

 

そして一方、波乱の運命をたどっているのがIP選手権のベルト。8月の後楽園大会で万喜なつみが初代チャンピオンとなりますが、まなせゆうなとの初防衛戦で膝を負傷。試合続行不可能となった万喜をまなせがフォールしてベルトを奪うも号泣しながらリングを降りるというなんともいえない試合に。

そしてそのまなせゆうなを丸め込んでベルトを奪った伊藤麻希。その伊藤に万喜のパートナー、乃蒼ヒカリが挑戦表明したのが前回の新木場大会でした。

 

 

「インターナショナル」といいつつ日本人同士のタイトルマッチとなった1・4後楽園ホール。東京女子に2つのシングルベルトがある時点で比較されるのは必定。IWGPヘビーとインターコンチのようなものでしょう。新日本プロレスでのインターコンチは一時「中邑真輔ベルト」と言われるほど個性を放ちましたが、来年の東京ドームでは統一戦が行われることになり、それほど2つのシングルベルトの差別化は難しい。では今回、IP選手権はPOP選手権に対して何で差別化するのか。今回の横浜大会で見えたのは

「情念」の二文字でした。

 その情念の二文字が見えた東京女子プロレス、11・30横浜ラジアントホール大会の第五試合、伊藤麻希&原宿ぽむ組vs乃蒼ヒカリ&桐生真弥組を振り返っていきます。

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休憩開けに行われたこの試合、トイレが混んでたんでギリギリ入場になりましたが、いつも通り伊藤麻希は歌いながら入場。いつも通り握手を拒否した伊藤組ですが、原宿ぽむが伊藤をおしのけて先発を元気よく志願。しかしそこで乃蒼ヒカリが先発、そして伊藤を指名。張り切ってたぽむは思わずこの表情。伊藤と顔を見合わせます。 

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試合開始後も伊藤を狙っていくヒカリ。腕を取るときの表情にも気合を感じます。腕の取り合い、ヘッドロックからコーナーに振って「世界一かわいいパンチ」を狙う伊藤をスカすヒカリ。やらせね~よ、という意地を感じます。

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そして試合は桐生VSぽむのマッチアップになり、ぽむ得意のゴリラパンチを伊藤もやってみて「楽しい~」と喜んだり、クイックタッチでボディスラムを連発して桐生を攻め込むなどペースを掴む伊藤組。ようやく桐生がヒカリにタッチします。

 

ぽむをドロップキック連発で攻め込み、裏投げを狙うぽむ。三角跳びアームホイップで伊藤にタッチし、二度目の伊藤VSヒカリのマッチアップとなります。

そしてさっそく「世界一かわいいパンチ」を成功させる伊藤、しかしヒカリも得意のドロップキックからコブラツイスト。そこからグラウンドコブラで締め上げてからのマウント取ってのエルボーと挑戦者としての意地を見せていきます。

 

しかし伊藤も頭突き、こけしで反撃、得意の逆エビ固めに捉えます。ロープに逃げようとするヒカリですが、リング中央に引き戻して片逆エビに捉え直す伊藤、ここでヒカリが決意を見せます。決意の中指立て! 

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会場もどよめきますが、これにブチ切れた伊藤、ヒカリを踏みつけ、足蹴にし、中指を掴んでひねり上げていきます。そして怒号

「おい!来いよオラ!何の指立てだオラ!てめえチャンピオンになるってどういうことかわかるかオラ!」

 ここで発奮したヒカリ、踏みつけられた足を掴んで倒し、エルボー、掟破りの頭突きで反撃。ドロップキックで伊藤を蹴散らす。感情込もった攻撃で爪痕を残していきます。 

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 その後、桐生との連携でミサイルキックをヒカリが伊藤に叩き込む場面もありましたが、伊藤が桐生を伊藤スペシャル(変形テキサス・クローバー・ホールド)に捉えてギブアップを

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 第五試合

◯伊藤麻希&原宿ぽむ
(11分30秒 伊藤スペシャル)
乃蒼ヒカリ&✕桐生真弥

 試合後、去っていくヒカリに対し、コーナーに登ってベルトをアピールする伊藤。チャンピオンとしての矜持を見せつけた結果となりました。f:id:otokoman:20191130132907j:plain

 

1・4後楽園ホール大会、注目されるのはPOP選手権を闘う坂崎ユカVS山下実優のほうでしょうし、試合内容、技術的にもこの試合のほうが伊藤麻希VS乃蒼ヒカリよりもレベルが高いものになると思います。しかしそれはIP選手権を闘う伊藤とヒカリにもわかっていること。技術、経験で劣る者たちがどうすればいいか。それは互いの感情をぶつけ合うこと。このタッグマッチで、乃蒼ヒカリはその領域に踏み込むことを宣言した、その宣言があの「中指立て」なんじゃないでしょうか。

爽やかな試合を超えた執念、情念を持って試合に挑むという覚悟。アイドル離れした耳ピアスの量から「何か」を発散してたヒカリですが、この伊藤戦でその「何か」を開放するのか。伊藤がその情念を受け止めて自らもステージを上げ、坂崎VS山下戦を上回るインパクトを残せるのか。1・4後楽園ホール大会の2つのタイトルマッチ、互いに尊敬し合う坂崎VS山下、情念をぶつけあう伊藤VSヒカリ、この2試合の対決として注目したいと思います。

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そしてこの日の試合を軽く振り返り。第1試合は上福ゆきvs猫はるなvs天満のどかの3WAY。この身長差!この絵を作りたいだけで組まれたに違いない試合。5分くらいで終わったので3人の持ち味を発揮しきったかと言われるとう~ん、という感じですが、ドタバタと楽しい試合でした。

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そして見ていて一番誤算だったのがこの沙希様vsらくのシングルマッチ。はっきり沙希が圧倒して終わるかと思ってましたがいきなりらくの奇襲攻撃でスタート、執拗なスリーパー、意地で決めたおやすみエキスプレスなどで大健闘。負けはしましたが、今まで自分が見た中ではらくのベストバウトでした。らくがトップロープからチョップを放つ時思わず「セイバー!」と言ってしまったのはご愛嬌。

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そしてセミファイナルのエニウエア・フォールマッチを制した辰巳リカが操とグータッチ。今週末の原宿大会で沙希様vs操のシングルマッチが決定しました。ということは1・4ではミサヲ復活?

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そして最後はメイン後、マイクがグダグダになった山下実優を微笑ましく見守るまなせゆうなの笑顔で締め。なんというか保護者感漂うまなせ選手でした。

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今回本当に全試合楽しめた東京女子プロレス。今年は12・7原宿大会と12・22北千住大会。そして来年1・4の後楽園ホール大会。今アツくなってる東京女子プロレス、今から来年が楽しみです。というわけで今日はここまで。最後までご覧いただき、ありがとうございました!