男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

不機嫌なタイトルマッチ、辰巳リカVS伊藤麻希。4・17東京女子プロレス後楽園ホール大会メインイベント!

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爽やかな癒やし空間、東京女子プロレスに訪れてきた変化

もうすぐ5・2東京女子プロレス後楽園ホール大会。緊急事態宣言下で行われるため無観客ですが、AbemaTVで放送、SKE48の荒井優希初参戦と話題もあり、団体としても勝負に出ています。そんな中、一つ前の後楽園ホール大会を振り替えていきたいと思います。ギリ間に合った・・・。

東京女子プロレス、という団体を考えるに、SNSも駆使して対戦相手と煽り合うスターダムなどに比べても平和というかクリーンというか、互いへの負の感情、憎しみを顕にすることがない団体のように思います。

タッグトーナメントのタイトルを「ふたりはプリンセス〟Max Heartトーナメント」とプリキュア連想させるようにしたりだとか、ドロドロを排除した健全な空間が繰り広げられている東京女子プロレス。東女ファンの人たちはその部分にも惹かれているんじゃないでしょうか。殺伐とした空気にほぼならない安心感、興行最初のアップアップガールズの歌のコーナーから始まり、前半戦でらくの「おやすみエクスプレス」、原宿ぽむのスネ蹴りなどの定番ほのぼの場面。そして後半戦も「遺恨」のないクリーンなファイト。今までの東京女子プロレスの私の中のイメージはこのようなものでした。

 

しかし、最近その流れに少しづつ変化が訪れてきたように思います。一つは上福ゆきがインターナショナルのベルトを奪取したことから。今回の挑戦者、角田奈穂に対しても「挑戦表明が普通」、「コメントが普通」と挑発しまくって相手の反応を引き出そうとしていました。レスラーになる前にタレント、グラビアアイドルとして活動し、28歳と他選手より大人な彼女としては、健全な空間で終わらせずに女性同士の感情のぶつかりあいを見せたい、という意図があったように見えました。

そしてもう一つは伊藤麻希。以前から中指を立てまくり、東京女子プロレスをかきまわしてきた伊藤麻希。その伊藤がここにきてAEW参戦を果たし、一週間ちょっとという短い期間に一瞬の大ブレイク。帰国とともに辰巳リカへの挑戦を表明しました。伊藤麻希がプリンセス・オブ・プリンセス王者に挑戦するのは2019年の1月4日、山下実優戦以来。それだけのインパクトがある出来事だった、というのがわかります。 

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以前より存在感を増した伊藤が辰巳リカに挑戦する、ということで普段のタイトルマッチよりバチバチ感の強い舌戦が試合前から繰り広げられました。

   

互いへのリスペクトを示さない「カタい」記者会見での言葉の応酬

伊藤麻希は3月27日の凱旋帰国興行を勝利で飾り、その後のマイクアピールで

4月17日、このカリスマがベルトを獲るでしょう、そしたら東京女子プロレスは世界中から注目されるでしょう。そして伊藤麻希はこの東京女子プロレスを武道館、いや! さいたまスーパーアリーナ、いや! 東京ドーム、いや! 満員の東京ドームに連れて行こうと思う!

とブチ上げ、そして4月10日、最後の前哨戦では辰巳リカが伊藤をドラゴンスリーパーでグロッキーにする場面も。そしてその後のマイクで感情ムキダシのマイク。

4月17日、後楽園ではさらにもっと絶望と敗北をお前の汚ったねぇ頭の中に刻み込ませてやるよ! 世界中の伊藤麻希ファンの皆さま、楽しみにしていてください。推し変するなら今ですよー!

 

そして不穏な空気の中にタイトルマッチ前の記者会見を迎え、互いへのコメント&質疑応答

まず伊藤が、AEWに出るという夢を叶え、知名度も出て余裕が見えてきた。周りのおかげで今の伊藤があると気付かされた、と前置きをしてから改めて

与えられた側として夢も叶えたから、次は与える側として、チャンピオンになって、東京女子を東京ドーム、いや満員の東京ドームに連れて行く夢を叶えたいって思ってます

と高らかに宣言。そしてそれに対して辰巳リカは、今の伊藤はtwitterフォロワー10万超え、自分は1万未満。伊藤はメジャー、自分はインディーと規定してからアイドル時代にメジャーデビュー直前に辞めた過去を話し

そこから這いつくばって、ようやくチャンピオンベルトを手に入れた。防衛戦2回目で渡すわけにはいかないので絶対に守り抜きます」とベルト死守を誓った。

と防衛宣言。そしてその後の質疑応答でバチバチが一気に加速。「辰巳リカが王者のままでは東京ドームに行けないか」と問われた伊藤麻希のコメントは。

行けないんじゃないですか。自分でもさっき言ってたけど、申し訳ないけどインディーだなって。

(中略)メジャーって言うのは、結局人が集まるからメジャーになったという結果なだけで。伊藤は人をひきつけるものがあると思ってるから、伊藤ならできると思ってる

そして、辰巳リカは経験が足りない、とバッサリ。こうしてタイトルマッチ当日を迎えます。ここまででかなりバチバチだった二人。この空気感は今までのプリンセス・オブ・プリンセスからは一歩進んだ殺伐さをまとっていました。

   

ついに当日メインイベント!POPタイトルマッチ、辰巳リカVS伊藤麻希!

そしていよいよ当日。席を間引いているとはいえ北側も潰さずに8割くらいは入っている印象。生え抜き同士のタイトルマッチでこのくらいは当たり前になってきた東京女子プロレス。地力を感じます。

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そしてメインイベント、いよいよ二人の入場。まずは伊藤麻希。例によってテーマ曲を歌いながらの入場。歌う姿にも自信を感じます。いい表情!

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そしてチャンピオンの辰巳リカ。いつも通りコーナーに登ってからのドラゴンリングイン!そしてそれを仁王立ちで見つめる伊藤麻希。ここからすでに互いの陣地取り合戦が始まっているのがわかります。

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そして互いに握手はしないままゴング。静かに伊藤を睨む辰巳リカ、観客を煽る伊藤麻希。序盤はしっかりと互いにグラウンドの展開。静かな立ち上がり。マットへのステップの音、投げからの受け身の音が静かに響き渡ります。

一転、場外戦では鉄柵に辰巳リカが伊藤を投げつけ、伊藤が投げ返す。一進一退の攻防。しかしそこから場外マットを剥がしてのボディスラムからボストンクラブで締め上げる。伊藤優勢のままリングに戻り、カウント18で戻った辰巳リカに踏みつけ、ロープを利用しての締め上げ、腰へのエルボー連打と一点集中に。変形のキャメルクラッチで締める。恐ろしく冷静な表情を浮かべつつの攻撃に自信をつけたことが伺えます。

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しかし辰巳リカも逆襲。低空ドロップキック、ドラゴンスクリュー、ロープ越しのドラゴンスクリューも見せ、グラウンドでのドラゴンスクリューから足4の字固め。定番ムーブですが、ここはさすがの安定感。締め上げる時の表情にも気合を感じます。執念めいたものまで感じる足4の字。伊藤もなんとかロープを掴みます。

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その後、きれいな技というより徐々に感情むき出しの攻防にシフトしていきます。辰巳リカが伊藤の髪を掴んでのエルボーから打ち合いに。互いに絶叫しながらエルボーを打ち合う展開。えげつない!

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その後ヒップアタック連打で優位にたった辰巳リカですが、伊藤に突っ込んでいったところを回転してのカウンターでの逆エビ固め!片手から両手に持ち替えて長い間締め上げますがギブアップは取れず。

逆エビから腰へのこけし、背中へのダイビング・ヘッドバットと腰攻めを畳み掛ける伊藤麻希。チャンピオンを追い詰めていきます。15分経過!

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そこから伊藤スペシャルに行こうとした伊藤に中指を立てた辰巳リカ。伊藤すかさずその指をかじって逆襲!そしてそこからドラゴンスリーパーにいく辰巳リカですが、そこですかさず伊藤もお返しの中指立て!

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長時間締め上げられるも中指を立てて返して逆ドラゴンスリーパー。互いに相手のプライドを削っていく攻撃を出し合い、意地の張り合いを繰り広げる。泥臭い攻防が続きます。

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そしてコーナーに登った伊藤をとらえた辰巳リカが雪崩式のツイスト・オブ・フェイト(スタナー)からドラゴンスリーパー狙いもこれは伊藤が丸め込み、ロープに飛んだ伊藤にカウンターのヒップアタック。そこからツイスト・オブ・フェイトからのコーナーに登っての雪崩式ヒップアタックが炸裂!これが決定打となりカウント3!辰巳リカが防衛を果たしました。

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互いの執念、感情をかき乱そうとするようなタイトルマッチの末に辰巳リカが勝利。正統派として受け止めるのではなく、相手のフィールドに踏み込んで感情をムキ出しにした末の勝利でした。伊藤麻希もシングルマッチでしっかりと自分の成長を見せた試合。15分を超える熱戦を魅せてもらいました。面白かった!

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試合後のやりとりから中指。わかりあえない二人のエンディング

そして試合後、伊藤を呼び止めた辰巳リカが呼びかけます。

伊藤ちゃん、私何でかわかんないけど、何でか伊藤ちゃんのことずっと認められなくて・・・。でも今日闘って全部わかり合えたつもりはないけど、でも伊藤ちゃんすげぇやつだなって、アメージングだなって思った。

だから、闘ってくれてありがとう

それを鉄柵にもたれながら聞いていた伊藤、リングに戻ると辰巳リカにグータッチを要求し、答えようとしたところに中指を押し付ける暴挙。二人は相容れぬまま、伊藤はリングをあとにしました。

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そしてその伊藤を「いいよいいよ」みたいな感じで手で払った辰巳リカ。二人の感情はすれちがったまま、相容れないままのメインイベントはここで終了しました。

 

その後、山下実優を呼び出した辰巳リカは改めて挑戦者として指名。

「山下がどうしてもって言うなら、挑戦させてあげてもいいよ」

どうする?と問いかけた辰巳リカに顔をビンタで張ることで応えた山下ですが、急に激切れされた辰巳リカに絶叫しながらビンダ連発の逆襲を受け、納得行かない表情のまま挑戦することを受諾。5・4後楽園ホールでのカードが決定しました。

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そして最後は「東京女子プロレス、最高でーす!」で締めた辰巳リカ。王座防衛を重ね、さらに今回伊藤麻希と絡んだことでなにか感情のタガが外れたと言うか、なにか内側の狂気のようなものが表出してきたように思います。新しい東京女子プロレスの姿。内側のドロドロをエンタメとしていく姿が今回のメインで見れた。激しく面白いメインイベントでした。

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 最後に伊藤麻希、AEWでの活躍を振り返るエントリを貼っておきます。あのフィーバーっぷりをぜひご覧ください。 

otokoman.hatenablog.com

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4・17東京女子プロレス後楽園ホール大会ギャラリー

メインの記事書きましたが、観戦しててアホほど写真撮ってて勿体ないのでここで公開します。

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SKE48、荒井優希参戦挨拶。かなり謙虚な挨拶で好感が持てました。

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先日惜しまれつつ卒業した汐凛セナ。これが自力初勝利でした。第二の人生に幸あれ!

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アプガ二人と原宿ぽむ。入場時楽しそうだったんで思わず撮りました。

   

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毎回思いますが、乃蒼ヒカリの柔軟体操は凄い。心配になるレベルの柔らかさ!

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熱戦だった山下実優VS乃蒼ヒカリ戦。ヒカリの健闘が目立ちました。

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山下実優勝ち名乗り白目ショット。オモシロコワカッコイイ!さすが強かった

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中島翔子&ハイパーミサヲ組ポーズ!瑞希の微妙な表情もポイント。

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角田奈穂、インター王座初挑戦。気合を見せました

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上福ゆきVS角田奈穂、いい勝負でした。最後は握手&抱擁 

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NEO美威獅鬼軍と爆裂シスターズ。名勝負数え唄として何度でもやってほしいくらいスイングしたいい試合でした。面白かった!そしてNEO美威獅鬼軍のお二人はず~っと撮ってしまう。お美しい&可愛らしい。素晴らしいタッグチームだと思います。