男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

山下実優と伊藤麻希、二人だけのメインイベント。10・9 東京女子プロレス大田区総合体育館大会

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東京女子プロレス初の大田区総合体育館。メインは山下実優vs伊藤麻希

10・9、東京女子プロレス初の大田区総合体育館大会が行われました。大会名は「WRESTLE PRINCESS Ⅱ」、東京女子プロレスの年に一回のメインイベント。去年は後楽園ホール隣のTDCホールで行われましたが今年は大田区総合体育館。2013年に旗揚げしてはや8年。私が見始めてからも6年経過してますが、時の流れは早いもの。私が初観戦したときはサプライズで大社長が後楽園ホール大会告知してましたから。

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ちなみにそのときのエントリはこちら。中島翔子と坂崎ユカが前説してたり、赤井沙希が素顔でメインを努めてたり、清水愛がプロレスラーとして試合してたり。色々と隔世の感があります。伊藤麻希まだ出てなかったですし。

 

というわけで向かいました大田区総合体育館。前行った記憶がかなり遠い。ノアに鈴木軍が参戦してたときの丸藤VSみのるとか。あとVTJ見に行った記憶が。本当にかなり久方ぶりの会場でした。というわけで入場。物販エリアが先に開場してたので諸々購入してからいざメインアリーナへ。近い!高い席だけのことはある!ただ今回カメラ壊れてて写真ほぼなしです。無念。

全体にスモークが焚かれ、ビッグマッチっぽい雰囲気に包まれながら難波リングアナの前説、そしていつも通りにアップアップガールズ(プロレス)の歌のコーナーからの興行開始です。「Wrestle PrincessⅡ・スタート!!」

   

いろいろあっていよいよメインイベント、山下実優VS伊藤麻希!

年に一度のビッグマッチだけあって気合の入ったラインナップ。ゲスト選手も豪華に揃えていました。ラム会長、アジャコング、里歩、そしてネオ美威獅鬼軍と新鮮な顔ぶれ。ただし、シンプルにゲスト選手だけが光るだけでなく、所属選手がゲスト選手と絡むことで光を放っていたのが今回印象に残ったところ。

ラム会長とらく、原宿ぽむの3ショットは原宿発のKawaiiカルチャーとヘヴィメタルの魔合体。原宿の道端で泥酔して眠ってしまったときに見た悪夢みたいで良かったですし、アジャコングをなんとか投げて見せ、ジャイアントスイングまで試みた渡辺未詩もインパクトを残しました。

そしてアジャといえば、SKE48の荒井優希はアジャの一斗缶攻撃、低空バックドロップにコーナーポストからのエルボードロップを食らって負けるというある意味VIP待遇。今後への期待の大きさを感じさせてくれました。

そして良かったのが中島翔子&里歩組と対戦した鈴芽&遠藤有栖組。とにかく里歩&中島に食らいつき、なんとか爪痕を残そうという闘志を感じましたし、特に鈴芽はテクニックでも二人に負けず劣らず魅せてくれました。AEWある?っていうくらいの印象の強さ。このタッグでもっと先に行くのを見てみたい。気迫と技術が噛み合った試合が印象的でした。

セミファイナルのネオ美威獅鬼軍vsマジラビは東京女子の、いや女子のタッグマッチの中でもベストバウトと言ってもいいくらいのいい試合でした。ネオ美軍のギミックとタッグワークの完成度、特にメイサン、マジラビのコミカルさに沙希様が振り回される場面からの後半一気に高まったシリアスな技の攻防。特にさくらえみをルーツに持つメイサンと瑞希の二人の闘いは魅せてくれました。

 

と、満足度高い試合が続きましたが、でもまあ今回はなんと行ってもこの試合。煽りVが流れていよいよ伊藤麻希入場。胸の奥がずっと熱いままこの入場を見ていました。

そして山下実優も入場!この表情!そしていよいよメインイベントのゴングが鳴らされました。

   

生き様ごと体当たりレスラーからメインイベンターへ。伊藤麻希の道程

この興行に行く前、私はこのツイートをしてました。こう書くと波乱万丈なレスラー人生を送ってきた伊藤麻希。実力が付く前にどんどん前に出ていった結果、かなりの試練を与えられてきました。

自分が「伊藤麻希凄い」と初めて思ったのは2017年8月29日の後楽園ホール大会。アカペラでウルトラソウルを歌いながら帰る伊藤麻希。

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そしてイッテンヨン後楽園で男色ディーノとシングル。結局色々あってガッツリ唇を重ねた伊藤麻希。ゲストのアイドルの娘がガッツリ引いてました。体当たりが過ぎる。

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2018年の活躍もあり、DDT総選挙一位になっちゃいそうだった伊藤麻希。結局三位でしたが、竹下幸之介とのシングルマッチを闘うことに。なかなかに難しい結果になりました。

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2019のイッテンヨンのメインで山下実優と対決。結果は完敗でした。

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そしてアジャコング戦では刃が立たず、試合後に小顔整形をカミングアウト。

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そして今年になって再びイッテンヨン山下実優戦、AEW参戦、辰巳リカとのタイトルマッチ、東京プリンセスカップ優勝と実績を積み重ねてついに大田区のメインにたどり着いた伊藤麻希。きっちりと闘いを積み重ねての山下実優戦。個人的にかなり感慨深い一戦なんです。

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ちなみに3年前に作った伊藤麻希本も貼っておきます。情報古いですがご一読いただけると幸いです、はい。

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試合開始!心通じ合う闘い!時間が止まったあの瞬間!

入場、ベルト返還のあと、互いに握手してからゴング。コーナーで睨み合い、というか見つめ合い、伊藤が観客を煽るしぐさをしてからリング中央でロックアップ。腕の取り合いからヘッドロック、首投げから互いに離れて間を取る。タイトルマッチらしい静けさに包まれます。

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最初に仕掛けていったのは伊藤。再びのロックアップからエルボーを打っていきますが山下も強烈なキックを叩き込む。顔がゆがむ伊藤。山下ロープに振っての強烈なバックブリーカー。一旦場外に逃れる伊藤、連れ戻そうとする山下ですが、ここで伊藤が逆襲に転じます。

山下をエプロンに叩きつけ、コーナーポストに激突させ、マットのない場所にボディスラムで投げつける。気付けばリング内に戻って「来い!」と山下を挑発。伊藤が試合の流れをぐっと引き寄せます。1月の対戦でも場外戦でペースを握っていった伊藤、乱戦にして主導権を握る、というのはある程度考えていたのでしょう。ここからたたみかけていきます。

戻ってきた山下にストンピングを浴びせてから最近多用しているマフラーホールド式逆エビ固め。苦悶の表情を浮かべる山下がロープに逃れると、コーナーエルボー、対角線に降ってのフェースクラッシャー狙いは山下に堪えられ、ケリの連打で倒されたところにスクリューキックから腕固め。足を払ってその場でのPKからチンロック。流れるように蹴りと関節技で伊藤を痛めつけにかかる山下。さすがに強さを見せてきます。じっくりと攻めていくところが絶対王者らしさ。静かに強い!

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伊藤も山下のジャーマンをこらえ、コーナーへの蹴りをかわして今度こそフェースバスターを決め、エプロンでの攻防から山下をエプロンへに叩きつけるDDT!エプロンを走り込んでのスイングDDT!やはり場外で強さを見せた伊藤麻希。荒れると強い!リングに戻してフォールを狙うもカウント2。ここで一気に勝負をかけていきます。コーナーに登ってヘッドバット狙い!

しかし山下もコーナーに登ってこれを阻止。一旦振りほどかれますが、ハイキックでコーナ上の伊藤を捕らえ、コーナーに登ってのアティチュード・アジャストメントで叩きつける!カウント1・2・返す!正調のアティチュード・アジャストメントは伊藤が堪えてエルボー合戦に。気持ちの入ったエルボーを叩き込みあいます。伊藤も打ち負けずに返していきますが、山下が走り込んで強いエルボーを打ち込むも受けた伊藤がロープを利用して頭突き。すかさずフォール!カウント2!大きく雄叫びを上げる伊藤麻希!

 

これに対し、立ち上がって鬼の形相を見せる山下、伊藤をサンドバッグのように蹴りまくる!ミドル連打、ロー連打、再びミドル!耐える伊藤!まさにボコられる伊藤!キックを掴んで頭突き!ロープに飛ぶ伊藤!山下実優カウンターのハイキック!クリーンヒット!伊藤麻希ダウン!多彩な蹴りのバリエーションがどれも強烈!

カウントが進み、なんとか立ち上がる伊藤でしたが山下すかさずロープを利用して三角飛びハイキック!ロープに走ってアティテュード・アジャストメント狙い!しかしそれをキャッチしながら後転しての逆エビ固めで絞りあげてからのダイビングヘッドバットから自分の膝で相手を押しつぶす変形逆エビ固め、伊藤スペシャルへ!懸命に締め上げる伊藤、苦悶の表情の山下、締め上げられながらも反転して元の体勢に戻す!すかさず山下の足を四の字に組み替えて伊藤スペシャル狙い。しかし山下、「ゴン」と鈍い音がする頭突きでなんとか逃れます。伊藤の技の返し方を山下が研究している!逆エビを巡る攻防は続きます。

山下に頭突きを叩きこみ、ロープに飛んで飛びつきDDTを狙う伊藤、しかしこらえた山下。すかさず丸め込もうとする伊藤を掴んでジャーマン・スープレックス!

腰の痛みでホールドはできませんでしたが、距離を取りスカルキックを放つ山下。しかしこれを回転しながらキャッチして倒し、再び伊藤スペシャルを狙う伊藤麻希。互いに互いの技を研究して返していく!しかしこれを自ら回転して背筋力で伊藤を跳ね返した山下実優、切り返し、更に切り替えしていく攻防。立ち上がろうとする伊藤の背後から走り込んで後頭部に思い切りヒザを叩き込む!互いに倒れこむ!

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まさに一進一退の攻防のなか、なんとか立ち上がろうとする二人ですが、ここで伊藤が上半身を起こして中指を山下に立てていつものように挑発、しかし山下、そこに拳を重ねる返し!震えました。

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このアクション、山下実優が伊藤麻希をまるごと認めたということでしょうか。二人の間でも、観客から見ても一瞬時が止まったように感じました。

 

ここまで攻守が目まぐるしく変わる激しい試合をやっていた二人だけの時間。ニヤリと笑う伊藤麻希、笑い返す山下実優、そのまま手を繋いで立ち上がり、伊藤麻希のヘッドバット、山下実優の側頭部へのヒザ、なんとかこらえる伊藤、立ち上がってこようとする伊藤の手を振り払った山下実優hが必殺スカルキック!伊藤麻希の側頭部を捉えたスカルキックにたまらず伊藤麻希ダウン!中腰の伊藤にバズソーを放つ山下!これはかわしますがすかさず回し蹴りが伊藤の側頭部を捉え、ロープに走って正調クラッシュ・ラビットーヒートを叩き込む山下実優!1・2・3!カウント3!

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17分23秒、最後まで攻守が目まぐるしく交代する激戦を制した山下実優がプリンセス・オブ・プリンセス選手権のベルト防衛を果たしました。

伊藤麻希の成長、そしてそれに応えた山下実優。1月のシングルマッチでは玉砕した伊藤麻希でしたが、今回はさらに一歩進み、山下実優対策をして試合に臨み、さらに山下実優が伊藤対策をして臨む。二人の試合のクオリティが上がっていった結果、今回は本当に一進一退の攻防でした。伊藤スペシャルを極められないまま破れた伊藤。だからこそ伊藤の中指を山下が拳で返すシーンが生まれたと言えるでしょう。本当に大田区総合体育館大会のメインにふさわしいタイトルマッチでした。

   

そしてハッピーエンド。圧倒的多幸感に包まれたフィナーレ。

試合後、木曽レフェリーからベルトを受け取って涙ぐんだ山下実優。「伊藤、ありがとう!」とマイク。そして、エプロンで座りながら見ている伊藤麻希への想いを話し始めます。

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「オマエは本当に...強くなった。存在も、めちゃくちゃ大きくなって...そういうお前だからこそ、私はこのベルトを懸けて...この場所で闘いたいと思ったし...今日こうして強くなれたのもオマエという存在があったから。」

「でもワタシと伊藤の闘いはまだ終わってない...。終わってないし、私と、お前の、121000000も...終わってない...終わってないよね?」

と急に弱気なトーンになった山下実優。伊藤をリングに呼び込み、上がってきた伊藤を引っ張り上げて握手、そして強く抱き合います。

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そして抱き合ったあと、中指を立てる伊藤。

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これを再び拳で返す山下。笑い合う二人。こうしてメインイベント、山下実優VS伊藤麻希のタイトルマッチは本当に幕を下ろしました。去っていく伊藤麻希を見つめ続けていた山下実優が印象的でした。

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そして再び山下のマイク。伊藤麻希に語りかけるときと違い、力強く、客席を見渡しながらチャンピオンとして語り始めます。

「伊藤は本当に強かった。だけどこうして私が勝ちました!」

「そして、このベルトは私にとって、私の人生の中で一番の宝物です!これからも東京女子のみんなと、そして!ここに!来て下さっている!応援してくださっている皆さん!そして、UNIVERSEでも見てくれている、皆さんに出会えて!本当によかったです!!」

「私は、これからもみんなと一緒に...いろんな景色が見たいです!だから私はこのベルトを守り続けて!東京女子のチャンピオンとして!もっともっと!東京女子プロレスを大きくしていきます!最後にこの言葉で締めます。」

限界!?自分で!決めんなよ!!

   

そしてこの後サプライズでの3月両国大会発表、全員揃ってのフィナーレと、ハッピーエンドで終わった東京女子プロレス。多幸感に溢れたエンディングでした。

互いに相手を研究し、対策しあい、認めあったメインイベント。そこからまた動き出すだろう二人のストーリー。すべてを背負って大会を締めた山下実優。選手全員でステージに立った東京女子プロレス大田区総合体育館のエンディング。試合開始から少しだけ幸せな気分になって、物販に行ってから帰路につきました。自分も限界決めずに頑張ろう。そう思えた大会でした。

この試合で伊藤麻希を始めて見た人、WrestleUniverseに入ってる向けに伊藤麻希の名勝負10選を選びましたので、ぜひ見て頂きたい。入ってない人も今年中はタダなのでぜひ購入をオススメします!

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