東京プリンセスカップ準決勝！中島翔子VS渡辺未詩、伊藤麻希VS瑞希！
８・１４東京女子プロレス後楽園ホール大会をネット観戦しました。以前東京プリンセスカップ予想をしましたが、結局新木場ラウンドを勝ち抜いて準決勝進出したのはこの4人となりました。
- 瑞希（舞海魅星、山下実優を撃破）
- 伊藤麻希（らく、鈴芽を撃破）
- 渡辺未詩（鳥喰かや、愛野ユキを撃破）
- 中島翔子（小橋マリカ、辰巳リカを撃破）
ちなみに予想エントリはこちら。出場選手紹介も兼ねているので、予習も兼ねて一読いただけると幸いです。ちなみにマイ予想は瑞希、伊藤麻希、愛野ユキ、中島翔子の４人が準決勝進出と予想してたのでまあほぼ当たっているものと考えていただけていいかと。渡辺未詩VS愛野ユキが一番勝敗が読めないカードでした。
ちなみに私の予想としては、準決勝カードが瑞希VS中島翔子、伊藤麻希VS愛野ユキで決勝は中島翔子VS伊藤麻希、そして優勝は中島翔子としていました。
しかし、現実としては準決勝のカードは抽選で、以下の２カードが決まりました。
- 中島翔子VS渡辺未詩
- 伊藤麻希VS瑞希
４人が意気込みを語る記者会見はこちら。ちなみに伊藤麻希は二回戦で闘った鈴芽から場外へのストゥーカ・スプラッシュを受けて顔の骨にヒビが入った状態でした。ケガしてるとこ悪いけどグラサンに黒マスクの伊藤麻希の不審者っぷりが凄かった...。
そしておまけに渡辺未詩、二回戦の愛野ユキ戦で初公開した「開花式ジャイアントスイング」が凄かった。コーナーに登った愛野ユキを捉え、そのまま振り回してジャイアントスイングに。これは新しい＆パワフルな新技。バズりました。
【後楽園ホール10日前】
— 東京女子プロレス (@tjpw2013) 2021年8月4日
トーナメントの準決勝＆決勝以外にも豪華ラインナップとなった真夏の後楽園2連戦まで残り10日！
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「こんなジャイアントスイング、見たことない😱」の動画も一緒にどうぞ。#tjpw pic.twitter.com/mqOyWZ6xjw
と、このようなことがありつつ８月１４日後楽園ホール大会を迎えました。NEO美威獅鬼軍登場、当初参戦予定だった荒井優希は欠席ですが、代わりに１５日のみ登場予定だったアジャ・コングが参戦。そして坂崎ユカAEWからの帰国後初試合など色々とトピックスはありましたが、ここでは準決勝の２戦に絞って振り返ろうと思います。
準決勝第１試合 中島翔子VS渡辺未詩！
キャリア４年目で初のベスト４入りの渡辺未詩、一方東京女子の初期メン、キャリア８年目で２０１５年優勝、２度の準決勝進出を果たしている中島翔子。未詩はアップアップガールズ（プロレス）代表、また若手代表として。中島は同じく初期メンバーの辰巳リカを下していることもあり、若手を迎え撃つ立場として、また５年ぶりの優勝を目指してこの試合に挑みます。
試合早々、ロックアップからめまぐるしく動いて未詩を翻弄していく中島。腕を取り、倒してレッグロックからヘッドロック、バックの取り合いから腕の取り合いとここは中島がリードしていく形。早速中島が動きのキレの良さを発揮しています。
しかし未詩もロープワークの応酬からショルダータックル、腰へのエルボーからのバックブリーカー。技の中島に対して力の未詩。仮面ライダー１号２号よろしくそれぞれの持ち味を生かして互角に戦っていきます。
一通り互いの応酬の後、中島が首４の字で未詩を締め付けると中島ペースに。コーナーに振ってのドロップキック、ロープを使ってのネックブリーカー、首へのエルボー連打からの羽折り固め、すかさず無人在来線固め（ゆりかもめ）と流れるように寝技で未詩を痛めつけていく。試合巧者っぷりを見せつけます。
しかしそれを未詩はパワーで跳ね返す。ノーザンライト・スープレックスを食い止めてボディスラム。すかさずジャイアントスイングを狙いますがネックロックで切り返す中島。エルボーの打ち合いから一気に中島を持ち上げてアバラッシュ・ホールド！スティーブ・ウイリアムスばりの投げっぷり！
中島もなんとか返し、ロープの反動を利用してのノーザンライト・スープレックスを見舞いますがコーナーに登ってのダイビング・セントーンは自爆。未詩がペースをつかもうとすると中島が返す、という展開が続きます。
しかしここから今回の未詩の真骨頂！中島のウラカン・ラナを踏ん張って防ぎ、すかさずネックロックにいった中島をゆっくりと抱え、そのまま回転。そう、今大会で話題になった「開花式ジャイアントスイング」炸裂！しかも軽量の中島相手だからか超高速！色々と心配になるスピード感でブン回していきます。パワーファイター・渡辺未詩の本領発揮がここに！
正味一分ほど回していたか。中島もすかさず６１９を狙うもダブルハンマーで迎撃し、しゃがみこんだ中島を一気に担ぎ上げた未詩はカナディアン・バックブリーカー！ギリギリと締め上げてなんとか中島が着地したところにダブルハンマーからフォール！中島なんとかカウント２・９で肩を上げるも一気に追い詰められた中島。パワーで一点突破を図る未詩！
レーザービームチョップからとどめのティアドロップ（変形フラップジャック）を狙って担ぎ上げるもフランケンで返した中島、すかさずノーザンライト・スープレックス！とおもいきや再び持ち上げて再度のノーザンライト・スープレックス！
ロコモーション式のノーザンライト・スープレックスが決まってフォール！１・２・３！カウント３！未詩にパワーで攻め込まれた中島が、鮮やかな隠し技でカウント３を奪いました。
キレキレの中島をパワーで追い詰めた未詩ですが、一瞬の返し技からフィニッシュへのコンビネーションに対応しきれなかった形。しかしトーナメント準決勝進出からフィニッシュを狙うまでに追い詰めた。開花式ジャイアントスイングという発見もあり、実りあるトーナメントだったんじゃないでしょうか。
そして勝利した中島翔子。最近なかなかベルト戦線に絡めずにきましたが、ここにきてトーナメント制覇して存在感を示したいところ。最近の動き、技は非常に充実していて技もキレキレなので、なんとか結果を出してほしい。報われてほしい。ボクらのナカショー！決勝進出です！
準決勝第２試合 伊藤麻希VS瑞希！
そしてメインイベント。東京プリンセスカップ準決勝第二試合は元伊藤リスペクト軍対決、伊藤麻希VS瑞希。思えば瑞希が東京女子プロレス初参戦時に対戦したのが伊藤麻希。そこから伊藤麻希に一方的に伊藤リスペクト軍に加入させられ、振り回されつつも東京女子プロレスでの居場所を確保していきました。
そして袂を分かって瑞希は坂崎ユカとのマジカル・シュガー・ラビッツでタッグタイトル奪取、シングル王座にも挑戦。伊藤もシングル王座に挑戦し、いきなりAEWに登場するなど違うブレイク。互いにステータスを上げ、去年の東京プリンセスカップ以来の再戦となります。そして新コスチューム！
ゴングとともに会場が手拍子、ロックアップからの押し合いを伊藤が制してエルボー、瑞希も返してからエルボー合戦となりますが、いきなり伊藤が瑞希を投げ捨てて場外戦に。場外マットをどかしてボディスラムを試みますがこれはこらえる瑞希。しかしすかさず鉄柵に叩きつけられて伊藤優勢のままリングに戻ります。
いきなりラフから入った伊藤、瑞希をロープに引っ掛けてのバックブリーカー、腰へのエルボー。しかし瑞希もフォールから脱出してのフットスタンプ、リング内では互角の展開。
しかし試合に大きな動きが。コーナに振ってのフェースクラッシャーからセカンドロープに登った伊藤、ダイビングヘッドバットを狙うも自爆！顔面にヒビが入っている状態で飛ぶのもすごいですが自爆したときのダメージも凄い。場外にエスケープしてうずくまる伊藤。木曽レフェリーに続行するかを聞かれますが自身を叩いて気合を入れ試合続行。
すかさず瑞希は伊藤をリングに戻してフォール、これはカウント２でしたがコーナーに叩きつけてしゃがみこんだ伊藤の顔を踏みつけ、助走をつけてのキック、ロープにもたれかからせて背中にドロップキック、セカンドロープに飛び乗ってのフットスタンプ！この残酷な畳み掛けにキラー・瑞希を見ました。
エプロンにもたれかかった伊藤をボディアタックで場外に落としてフットスタンプを狙いましたがこれはかわした伊藤。先程場外マットを剥がしたところに瑞希をボディスラムで叩きつけて一矢報います。
さんざん攻め込まれた伊藤ですが、コーナーに登ってのスイングDDT、アピールしてからの伊藤スペシャル（変形逆エビ固め）は丸め込まれてかわされますが、瑞希が狙ったクロスフェースは丸め込んでフォール、しかし瑞希も飛びついてのカサドーラからフットスタンプ、ロープにもたれかかった伊藤に正面から走り込んでのドロップキック、たまらず場外に落ちた伊藤にコーナーからのフットスタンプを狙います
しかしここで蘇生した伊藤、コーナーに登って瑞希を捉えてエプロンへのDDT！これはさすがに効いた瑞希、リング中央に引きずり戻して逆エビ固めで捉えた伊藤、腰をどっしりと落として締め上げ、かなりエグく決まりましたがなんとかロープに逃れた瑞希。ここで再びコーナーに登った伊藤、しかし瑞希も追いかけて雪崩式ブレーンバスターでカウント２。二人共かなりグロッキー。どちらが大技を決めるか、という正念場を迎えます。
瑞希のフットスタンプは伊藤がかわし、ヘッドバットからのスイングDDT、瑞希をうつぶせにしてコーナーに登り！懲りずにダイビング・ヘッドバット！しかし伊藤も痛みでカバーにいけず両者ダウン状態。なんとかカバーするもカウント２。そこでアピールした伊藤、瑞希の両足を捉えて伊藤パニッシュ（ヒザで相手の背中を踏んで反り返る変形逆エビ）で締め上げる！リング真ん中だしこれは決まったか！と思わせますがなんとかロープに逃れた瑞希。
瑞希の手をとって起こした伊藤、膝立ち状態でのエルボー合戦。互角からのエルボー連打で倒した伊藤の表情はすでに泣いているように見えます。今までの想いが去来したか。互いに手は繋いだまま。東京女子での歴史がある二人が互いに手を繋いだままのエルボー合戦。すでに見てるこっちの涙腺は崩壊寸前です。
互いに手を繋いだまま立ち上がって再びエルボーのやりとり。そこで瑞希のエルボーに合わせてカウンターのヘッドバットを叩き込む伊藤、しかしアピールしたところをその場でキューティー・スペシャルで投げ捨てる瑞希！ブリッジは崩れるもすかさずフォール！しかしカウント２！ここでブリッジが崩れたのが勝負の分かれ目になります。
再びキューティー・スペシャルを狙う瑞希の足を掴んで堪え、下からヘッドバット！倒れた瑞希の足を掴み、ムリヤリ瑞希を折りたたんで伊藤スペシャル（腕極めテキサスクローバー）に！エグすぎる角度で締め上げると瑞希たまらずギブアップ！伊藤麻希が決勝進出を決めました！
伊藤麻希、瑞希、試合後二人に流れた二人だけの空気。
瑞希がギブアップした後の伊藤、セコンドの山下とグータッチしたあと勝ち名乗りを上げ、うずくまる瑞希に目をやります。そして握手しようと手を差し出し、瑞希がそれに気付いて泣きながらも笑顔を浮かべると互いに握手、座礼。何か声をかける瑞希、うなずく伊藤。親指を立ててグー！と励ます瑞希。そのまま坂崎ユカに背負われて去っていきました。
そしてなかなかマイクが来ないため、持参したマイクを持ってゲートから去ろうとしていた瑞希に「おい！瑞希」と声をかけた伊藤。しかしここで言葉が続かず絶句。すかさず瑞希が地声で泣きながら
「次は負けへんから！優勝してね！」
そして去っていく瑞希の背中に向かって
「お前のおかげで強くなれたから！お前のおかげでここまでこれたから！ありがとな！」そしてコーナーにもたれかかって号泣するもカメラに向かってピース。切り替えよ！そして改めてマイク！
「勝っちゃったよぉ～～～！！」
「口だけで結果もロクに出せなかった伊藤麻希が、ここまで来られると思っていたヤツ...どのぐらいいるんだろうなぁ！！
「顔面骨折してさ、それで明日優勝したらこんなにカッコイイことはないよなぁ？なあ？なあ？やるよ！やるよ！絶対やるよ！絶対やるよ！！！！」
「でもちょっとハッピーエンド過ぎるのかな？伊藤こんなんだけど、あまりハッピーエンドとか信じてなくてさぁ。でも...伊藤がその証拠になればいいか！！」
「よし、明日伊藤が優勝してハッピーエンドがこの世界に存在するってことをちゃんと証明してやるよ！そしてなぁ！コロナがめちゃくちゃ流行っているから、帰ったら手洗い・うがい、絶対忘れないようにね！」
「心の中で『伊藤ちゃーん』って言ってよ。行くよ！ 世界一可愛いのは？伊藤ちゃーん！ありがとうございました！」
試合とともに、試合後のやり取りも心に残る。今までの二人の歴史が詰まった贅沢な時間でした。長く見ていたファンは見ていてよかった、と思えるし、初見でも心に刺さるやりとりでした。
まとめ
いよいよ１５日に決勝戦として伊藤麻希と中島翔子が決定。試合内容自体はセミ、メインと充実していましたが、メインの後のやり取りが心に残るものでした。ってかこれ書いてるときにはもう結果出てるんですが、これアップロードして号泣してから決勝のレポート上げる予定です。とにかく今回は渡辺未詩、伊藤麻希が「ここまできたか！」と思わせてくれる準決勝でした。いや、凄かった。面白かったです。
今までの伊藤麻希記事をまとめたのはこちら。波乱万丈です
