待望のロス大会!東京女子プロレス、世界に立つ!
3月31日、アメリカのロサンゼルスで東京女子プロレスのロス大会が行われました。
東京女子プロレスは2020年にもアメリカ大会を開催していましたが、レッスルマニアが無観客試合になったこととアメリカ渡航の条件の厳しさなどから一度断念。三年後に念願のアメリカ大会を実現させました。
そんなアメリカ大会、FITE TVでPPV配信されてました。じきにWrestleUniverseで配信されるかはわかりませんが、記念すべき大会を生で見ようと即購入。視聴ページはこちら。会員手続、PPV支払い手続はそんなに難しくないので、Google翻訳などで訳しながらでもいけると思います。
Tokyo Joshi Pro Wrestling Live in Los Angeles https://t.co/zLmpGJej1C
— 男マン (@otokoman) 2023年4月5日
そんなロス大会はいつもの東京女子のようで「世界に東京女子プロレスを紹介する」という気概ニ満ちたものでした。そんな東京女子プロレス・ロス大会を振り返っていこうと思います。USA!USA!
いつも通りの東京女子を凝縮した「アメリカ仕様」のマッチメイク
基本的な大会のフォーマットはいつも通り。まずは難波リングアナが登場しての前説、そしてアップアップガールズ(プロレス)の歌のコーナー。会場にはいくつかサイリウムを振っているのも見え、濃いファンが多数駆けつけていることがわかります。
そしていつも通りの「東京女子プロレス・スタート!」コール。その後の難波リングアナのカード紹介はしっかり日本語でした。
大盛上がりのアプガ(プロレス)のLIVEからオープニングへ!この後はFITE TVのPPVで東京女子プロレスロサンゼルス大会をお楽しみください!https://t.co/z5nk2ps8pa #tjpw #tjpwUSA pic.twitter.com/KzByWoFpf0
— 高木三四郎 SanshiroTakagi (@t346fire) 2023年3月31日
そして第1試合として組まれたのは鈴芽&遠藤有栖VS乃蒼ヒカリ&角田奈穂。でいじーもんきーVSふりーWifiという、両国KFCならセミ~メインに組まれてもおかしくないカード。いきなりこのカードを頭に持ってくるあたり、この4人への信頼及び「第1試合でコケれない」という団体の覚悟を感じました。
思い起こせば先日の有明コロシアム大会も第1試合が鈴芽VS遠藤有栖。ハズせない第1試合はデイジーモンキーに任せる、というのが団体の方針になっているのかもしれません。
試合はヘアホイップ等の、反則を交え、いつもよりヒール寄りのファイトで観客を沸かせたふりーWifiの二人が勝利。第1試合からコールが起きるなど盛り上がりを見せました。しっかりと責任を果たした四人。特に日本での大会と違い、客を煽って沸かせる方にシフトしたふりーWifiの二人がいつもより楽しんでいるふうにも見え、ヒール適正の高さも感じさせてくれました。
そんなふりーWifiの一員、乃蒼ヒカリのデスマッチは5月1日!楽しみです!
第ニ試合の上福ゆきvsジャナイ・カイはカイのトルネードキックで4分ほどの短期決着。セミファイナルの辰巳リカVSビリー・スタークスにも感じましたが、どこか海外選手とリズムが合っていないように感じてしまいました。ここらへんは場数もあるでしょうが、鎖国体制を取り、男子寄りのスタイル。ある意味ガラパゴス状態とも言える東京女子プロレスの課題かもしれません。
しかし圧巻だったのは第三試合。 ハイパーミサヲ&トリッシュ・アドラーvs愛野ユキ&
らく !アメリカでありながら果敢にマイクを取ったミサヲ、自らのヒーローマスクをアドラーにかぶらせてヒーロー仲間をアピール、そしてアメリカで炸裂した「おやすみエクスプレス」!!
Oyasumi Express! @uug_p_raku 🚃 #tjpwUSA #tjpw
— TDE Wrestling (@tde_gif) 2023年3月31日
➡️ https://t.co/9ZtM96kzEo pic.twitter.com/Il36w1SFiC
いろんな団体がアメリカ興行に行ったり、いろんな選手がアメリカで試合を刷るこの時期ですが、この「おやすみエクスプレス」は東京女子プロレス、らくの唯一無二のムーヴ。これを直接輸出していった東女、攻めてます!
そして次の試合はマックス・ジ・インペイラー& ハイディ・ハウイツァvs中島翔子&
渡辺未詩!有明でタッグタイトルを失ったインペイラー&ハイディ組ですが継続参戦。インペイラーは4月も日本で見れるようで楽しみです。
常に怪物っぷりを発揮するインペイラーですが、今回特に小柄な中島翔子が相手ということもありポンポン投げて怪物っぷりをアピール。観客もドカドカ湧いていました。
そしてここでも渡辺未詩のパワーが炸裂、インペイラー、ハイディをボディスラムでしっかり投げ、ハイディをジャイアントスイングでブン回す!規格外のパワーを発揮してました。
ちなみに渡辺未詩といえばこのアメリカ遠征中に組まれた試合で得意の二人同時ブン回しジャイアントスイングを披露して観客を沸かせていました。
TJPWと渡辺未詩、アメリカにバレる。
— Mr. HAKU / KOTATSU STUDIOS (@misterhakusan) 2023年3月31日
他団体での提供試合でこの大歓声は感無量。#HighspotsTV #WrestleConSuperShow #tjpwUSApic.twitter.com/hfhkIZjZrO
中島翔子もさんざんブン投げられながらもセカンドロープからのとぺこんを披露するなど持ち味を発揮。4人の持ち味が生きた試合になりました。面白かった!
そんな渡辺未詩の新曲!なんかエイプリルフールっぽく売られてました。ネタ枠?
そしてインターナショナル・プリンセス選手権の辰巳リカVSビリー・スタークス。ビリーもだいぶ売れっ子というか、いろんな団体で重宝されている選手。この試合でも辰巳リカのダイビングヒップアタックを受け止めてジャーマンでブン投げるなど破天荒さを発揮していきます。
一方の辰巳リカは持ち味の感情むき出しファイト。ただいまいち二人の呼吸が合わない部分もあったりと噛み合わなさがあったのも事実。辰巳リカがスタナーからのダイビング・ヒップアタックで勝利しますが、この二人ならもうちょっと盛り上がっても良かったと思ったのもまた事実。インターナショナルのベルトを巻いた辰巳リカ、初対戦の外人選手との防衛戦が増えそうなので、相手をどう生かしていくか。そして関係性のない相手への感情をどう爆発させていくか。課題が残る一戦だったように思います。
メインはマジラビvsワンツーミリオン!激戦の末に王座移動!
そしてメインイベントは先日の有明コロシアム大会でインペイラー&ハイディ組からタッグタイトルを奪取したばかりの山下実優&伊藤麻希vs坂崎ユカ&瑞希のタイトルマッチ。アメリカ興行のメインとして内容の約束された鉄板カードを持ってきた東京女子プロレス。その本気具合を感じます。そして早くも「最強の挑戦者」を迎えたワンツーミリオン。いきなりの正念場に立たされました。
試合開始早々東京女子を詰め込んだような展開に。先発の坂崎と山下のロックアップからの腕の取り合い、バックの取り合い。代わって出てきた伊藤麻希の派手なアピール、その技を避けて鮮やかに返していく瑞希、合体攻撃をかわして場外に追いやった山下、伊藤にコーナーからのダブル・プランチャを炸裂させる坂崎、瑞希。ダイジェストのようにいきなり飛ばしていく4人。「アメリカで東京女子を見せつける」という気合と覚悟を感じる序盤戦でした。
その後もテンションが落ちることなく伊藤のこけし、山下&伊藤合体式ヘッドバット、瑞希の指を噛む伊藤、互いにタッチしてスワンダイブ式ドロップキックを山下に決める坂崎、山下の三角飛び回し蹴り、とにかく途切れることなく攻防が続いていき、盛り上がり続けます。
伊藤の「世界一可愛いのは伊藤ちゃんパンチ」が飛び出すもすかさず坂崎が垂直落下式ブレーンバスター、ロープに持たれた伊藤にすかさず瑞希が顔面ドロップキック、クロスフェースと攻め立て、カットに入った山下とともに坂崎&瑞希一緒にコーナーに上ってのボディアタック、しかし追い打ちはかわして逆に連携を決める山下&伊藤、とにかく攻守がめまぐるしく入れ替わる時間が過ぎるとリング上は伊藤と瑞希のエルボー合戦に。
ロープに走った瑞希を回転してかわしての逆エビ、伊藤スペシャルと繋いだ伊藤ですがこれは坂崎がにカット。すかさず入ってきた山下は得意の渦飴で排除した瑞希、伊藤のファックサインからエルボー打ち合いになり、突っ込んできた伊藤をかわしてフットスタンプ!
トップロープに上がってフットスタンプを狙う瑞希ですがこれは伊藤が立ち上がり、山下のキックで瑞希がリングに落下。しかしそこからの連携失敗で山下のニーを思いっきり食らってダウンした伊藤、瑞希が場外の山下にコーナーからプランチャ、坂崎がリング内の伊藤にスワンダイブ式ボディアタック、瑞希が伊藤にダイビング・フットスタンプという連続技を立て続けに食らった伊藤麻希がカウント3を聞いて瑞希勝利!マジラビが再びタッグチャンピオンに返り咲きました!
15分と短めのタイムではありましたが、そのなかに今までの4人の攻防をぐっと詰め込んだ印象だったメインイベント。「東京女子プロレス」を見事に表現した試合でした。旗揚げ数年から見ていた自分からしたら「こんなに立派になって...。」みたいな謎の感情も湧いてくるほどでした。
そしてリング上に参加選手全員を呼び込んで締め!負けたばかりの山下&伊藤の悔しそうな表情が印象的ですが、それ以外はみんな笑顔でハッピーエンド。最後まで東京女子プロレスらしいエンディング。
LA大会 試合後コメント🎙
— TJPW 東京女子プロレス (@tjpw2013) 2023年4月1日
121000000の「終わった」「終わりじゃない」論争の果てに山下が「タッグ」を「タックル」と言い間違えるも、最終的に仲直りしてプリンセスタッグ王座獲りを再び目指すことになりました。#tjpw#tjpwUSA pic.twitter.com/EMfPNHaKQc
その後の山下と伊藤のやりとり。またこれでワンツーミリオンが好きになりました。とにかくいろんなエッセンスが詰まった、素晴らしいメインイベントでした。
東京女子本気の「パッケージプロレス」を見た!ロス大会大成功!
厳選したメンバーで挑んだ全6試合。難波リングアナの前説、アップアップガールズ(プロレス)の歌のコーナーから始まり、試合もでいじーもんきーvsふりーWifi、衝撃の「おやすみエクスプレス」、上福ゆきvsジャナイ・カイ、辰巳リカVSビリー・スタークスの日本人vs外国人対決、インペイラー&ハイディに立ち向かう中島翔子&渡辺未詩、そしてすべてが詰まったメインイベント。短い興行の中にエッセンスをギュっと詰め込んだ興行でした。
そんな東京女子の魅力が詰まったファンブック。写真多数、読ませる部分も!
そしてこのレッスルマニアウイークの中、ROHの興行でタイトルに挑戦した坂崎ユカ、山下実優も伊藤麻希も様々な興行に出場するなど活躍の場を広げています。坂崎、伊藤、瑞希はAEW DARKにも出場しているのを現地のファンがツイートしていたりと個々が飛躍していっているのが感じられる東京女子プロレス。
この興行がショーケースとなってさらに海外での活躍が増えてほしい、と思わせてくれるこのロス大会でした。世界にはばたけ!東京女子プロレス!
尊さの集合体だった有明コロシアム大会振り返りはこちら!