男マンの日記

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11・23 東京女子プロレス鶴見青果市場大会に見た「あのときの東女」

今回の東京女子プロレス鶴見青果市場大会、特別だったのはこれが東京女子プロレスの団体発の大会ではなく、有志のファンが集って企画し、興行を買う形で開催した大会だったということ。それは新型コロナウイルス感染により亡くなった一人のファンに向けて。追悼の意味を込めたものでした。その一人のファン「あすかくん」のことについては鈴木健.txt氏の文章に詳しく書いてあります。よかったらご一読ください。

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ちなみに前回の東京女子プロレス鶴見青果市場大会はこちら。

90年代どインディーの残滓を見た!東京女子プロレス8・4鶴見青果市場大会観戦記! - 男マンの日記

そんな鶴見青果市場。相変わらずの交通の便の悪さ。東横線綱島駅からバスで15分。鶴見と綱島の間くらいの位置にあり、イオン前のバス停「一ノ瀬」で降りると道路の向かいにある建物。現在はプロレス会場として有名なこの建物。いそいそと中に入るとほぼ満員のこの客入り。屋根があるだけでほぼほぼ野外ですがこの熱気!

今回は「あのころの東京女子」をテーマに開催されているため、試合以外のディティールも徹底的に再現。まずリングアナはあにめちっくアイドル・桃地みなみ!

 

そしてその前、前説に登場したのは東京女子プロレスOBの天満のどか、そして呼び込まれたのはみらクリあんずこと中島翔子&坂崎ユカの二人!なつかしい!東京女子初期はこの二人がタッグを組み、前説していたものでした。

坂崎ユカの東京女子プロレス卒業試合は12月2日。その直前にこの二人のトークが実現したのには胸が熱くなるものがありました。

そして試合開始前には全選手入場式。こんなのやってたかな~。と記憶もおぼろげな私ですが、記憶をなんとかたどりながら見てました。挨拶したのは中島翔子。東京女子プロレス、スタートです!

 

そして試合開始。第1試合は原宿ぽむvs中島翔子。いきなり怪獣フィギュアをばらまいて中島をおびき出す作戦に出るぽむ、まんまと引っかかる中島、前の大会でマックス・ジ・インペイラーに挑んだ中島ですが、今回一転ガラっとテイストの違う試合に。

全体的に東京女子プロレス独特のゆるくもあり、ふんわりとした空気に包まれていた気がします。ノーザンライト・スープレックスで中島がぽむを仕留めましたが、存分にぽむワールドを堪能できた一戦であり、中島翔子がイキイキと、楽しそうに闘っていたのが印象的でした。

そして第二試合。今成夢人VSスーパー・ササダンゴ・マシンVSアントーニオ本多の3WAYマッチ。とにかく一筋縄ではいかなそうな空気プンプンしてましたが、その予感は見事に的中。

いきなりDDTを卒業した今成夢人に対して説教をカマすササダンゴマシン。それに反発していく今成、相手にして欲しいアントン、3者の思惑が絡み合う中に鶴見亜門が登場してますます話がややこしくなっていきます。

そしてなぜか今成が最近なくなったフェスについての愚痴を言いだしたり、決着がつかなければ怪談を聞かないといけない新布袋デスマッチになだれこんだり...。

なんか本当に色々ありましたが、最後には妖怪大戦争みたいになってました。結果なんとなく今成が勝った気がします。試合後は大団円、DDTを卒業した今成夢人の前途へオールドDDTなりの祝い方というか。手荒い送別会というか。文化系プロレスDDTの真骨頂とも言える試合でした。面白かったですが、なんとも説明しづらい試合だったのも確かなんで、これはぜひWrestleUniverseを見ていただきたい。ずっと笑ってました。

 

 

そしてベッド・インのおギグをはさんでからセミファイナルは辰巳リカvsデモニオ!前回の鶴見青果市場大会でも場外乱闘、というかイオンまで行く会場外乱闘を繰り広げたこの二人。今回ももちろん会場内の攻防も早々に会場外に。そして横断歩道を渡ってイオンのロッテリアでの攻防、そして再び横断歩道を渡って会場に戻ることに。ちなみにここのシーンはバッサリとWrestleUniverseではカットされてました。

その後もデモニオを台車に載せて場外を走り回り、助っ人として登場したアントーニオ本多のごんぎつねからダブルのバイオニックエルボー、最後はヒップアタックで快勝。とにかく自由な、ここに場末インディ復活的な戦いをくりひろげてくれました。いや~なんか追いかけながら見たりして楽しかったです。辰巳リカの狂気溢れる一戦!

そしてメインイベントの前にのどかおねえさんが音頭を取ってのピンポンパン体操。のどかお姉さんについては各自調査でお願いしたいですが、そこにHIMAWARIらの23年組が入っていたのが感慨深い。こうしてピンポンパン体操の継承(?)が行われたはずの時間を経てからいよいよメインに。山下実優&乃蒼ヒカリ&愛野ユキvs坂崎ユカ&瑞希&ハイパーミサヲの6人タッグ。メインだけに真面目に戦うかと思いきやこれもカオスに。ただとりあえず山下実優が昔のコスチュームで登場して「ジンギスカン」を踊ったのも懐かしかった!

そして場外乱闘の末に花火大会!山下をイスを入れるカゴに縛り付けての花火!全員キャアキャア言いながらやってましたが、無表情で花火を山下に発射する坂崎ユカの狂気を見れた気がします。怖いよ!客も逃げ惑いながら観戦。一部火花が観客プレゼントのポスターに飛び散ってコゲたそうですが、半分野外の鶴見青果市場だけに損害はそれくらいだったようです。まあ、FMW-Eだと電流爆破やってる会場だしこれくらいは。

そしてその大花火大会を締めくくったのは瑞希のトラック荷台からのダイブ!このハードコアっぷり!見直したら結構高いところから飛んでてすごかったです。さすが。

リングに戻っても花火攻撃するハイパーミサヲですが、怒りの山下にしっかりと反撃されて涙目に。試合はその後6人がそれぞれ得意技を連発して入り乱れる展開に。しかし最後はまたまた花火!愛野ユキに花火を持たせた状態でのマジカルメリーゴーランドでカウント3。もうすぐ去っていく坂崎ユカがメインイベントを締めくくりました。

そして試合後は一人ひとりがマイクを持ってひとこと。改めて最後は山下実優がマイクを持ち「これからも東京女子らしく突き進んでいきます!!これからも!闘っていってよかですか~」「よかよか~」のコールで締め。このなんというかカオスな興行をエースが締め、東京女子プロレス鶴見青果市場大会は幕を下ろしました。

これがこの東京女子プロレス鶴見青果市場大会でした。一人のファンの追悼興行的な意味合いがありながら、最後までレスラーたち、ゲストのベッド・イン、桃地みなみ、天魔のどからが楽しむ姿を観客に見せてくれて、観客もそれに応えて盛り上がる。東京女子プロレスならではのよさが凝縮された大会のように感じました。

 

 

昔の東京女子プロレス(このブログでの一番古い東京女子プロレスのレポートは2015年9月の新宿FACE大会、中島翔子が赤井沙希を破った大会です。

9・22 東京女子プロレス新宿FACE大会。赤井沙希敗れる!!そして1・4後楽園ホール決定!!! - 男マンの日記

この頃は今と比べて試合レベルも低かったし、その分選手のやりとり、ストーリーに頼っていた部分もありました。しかし選手たちはのびのびと個性を発揮していたようにも感じます。今回出場選手も絞られ、その分制約も少ない上に試合以外でも暴れまわったことで今年に入ってのどの大会よりも「楽しんで試合している選手たち」を見れた気がします。それは東京女子プロレスの原点に近いものなんじゃないかと。

 

もちろん選手が増え、試合レベルも少しづつ上がってきた今の東京女子プロレスも魅力的ですが、偶にはこの日のような好き勝手やる大会があっても良いんじゃないか。それくらい「楽しかった~」と思える大会でした。楽しかったよ~!!!