▼セミファイナル ドラマティック・ドリームマッチ
●HARASHIMAvs棚橋弘至○
19分0秒 片エビ固め※ハイフライフロー
まずは試合前の煽りV。棚橋を「世界のエース」と持ち上げ、HARASHIMAを「井の中のエース」といったん下げる構成。
ただ、「世界のエース」を「井の中のエース」は知らない。棚橋がまだ見ぬDDTの世界に導く、とHARASHIMA。爽やかな笑顔で対応。爽やか対決。
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そして両選手入場して試合開始。最初は睨みあい、じっくりとした攻防から試合に入る。HARASHIMAヘッドロック。
試合を優勢に進める棚橋。場外ブランチャからリングに戻り、監獄固め、テキサス・クローバー・ホールドと攻め込む。
しかしハイフライフローをヤマオリで迎撃したHARASHIMA、そこから蒼魔刀につなぐもカウント2。惜しい!
張り手合戦で意地を見せる二人。
最後はG1で何度も見せた、ハイフライフロー二連発で棚橋勝利。
棚橋勝利!さすがにG1チャンピオン。ここでも勝利。ゴツゴツとした試合を制しました。それまでの試合のような盛り上がりはありませんでしたが、棚橋は強さを見せ、HARASHIMAも気持ちを見せた試合でした。あくまで主導権は棚橋が握っているように見えましたが、HARASHIMAも折れずに向かっていった試合。先週までのG1のような噛み合った試合とは違い、互いに探り合ったまま終わったような試合でした。名勝負ではないけれど妙に残るような試合。と試合会場では思っていましたが、試合後に棚橋がこのようなコメントを残しました。以下、DDTオフィシャルサイトより。
棚橋 4試合連続で、両国で試合することに恵まれました。まずはそれにありがとう。俺は珍しく怒ってるよ。グラウンドで競おうとか、打撃 で競おうとか、技で競おうとか。ナメたらダメでしょ。これは悪い傾向にあるけど、全団体を横一列で見てもらったら困るんだよ!(机を叩く)。ロープへの振 りかた、受け身、クラッチの細かいところにいたるまで、違うんだから。「技が上手だね、マスクがいいね、筋肉が凄いね」じゃないところで俺らは勝負してる から。まあ、これくらいにして。すばらしい選手だと思うよ。すばらしい選手でした。
――DDTの両国大会の雰囲気は?
棚橋 毎年スケールアップしていく、ファンが喜んでいる。それが凄いです。今日、この会場に来てくれたお客さんが、いかに楽しむか、それにすべてを注いでいるDDTは、一番スマートです。
――最後、HARASHIMA選手に声をかけていたのは?
棚橋 ……俺もまだまだだな、と。HARASHIMA選手はこの団体のスターでしょ? スターをよりスターにとは思ってたんですけどね。まだまだ、非情になりきれなかったです。そこかな。ありがとうございました。
これを受けて翌日HARASHIMAがコメント。
HARASHIMA 試合を振り返るというか、試合後の棚橋さんのコメントを見て、何に怒っているのか意味がわからないですね。どうとで も取れる曖昧な発言で逃げてないで、それは言ってくれればいいのに。でも自分はいつでも闘う準備ができているので。昨日のヒザも寝て起きたら治ったので。 またDDTのリングでもいいですし、あっちのリングでもいいですし、今すぐにでも闘いたいですね。まあ棚橋選手、素晴らしい選手でした。
――あの発言を見て棚橋選手の印象は変わった?
HARASHIMA 試合後、あんなに怒っているのはわからなかったので、変わりましたね。
――腑に落ちない?
HARASHIMA スッキリしないですね。DDTの両国の印象が、その印象になってしまって不愉快です。そこまでして注目集めたいのかぐらい思いますよ。
――発言としては「横一列にするな」と。棚橋選手は新日本プロレスのエースとしてのプライドがあって、団体間で俺のほうが上だと。HARASHIMA選手としてはそこまでの差は感じなかった?
HARASHIMA そうですね。例えばあの試合を見て、みんながどう思ったか。そのあとで(試合に満足してくれたお客さんも)棚橋さんの発言を聞いて見方って変わってきちゃうと思うので、それも含めてスッキリしないですね。
それを受けて、棚橋は新日本プロレスの携帯サイト内日記で真意を語ったらしいです(入会してないんで見れないんです)んでもっていろいろ考えてたんですが・・・。
一週間くらいずっとDDT両国について考えてますが、結果、棚橋のしたことって自分たちより小さい団体に乗り込んでいって勝った上に謎なキレ方で注目を浴び、あげく自分の団体の有料携帯サイト内でその真意を語るという普通に考えたら下種の極みな行為なんだよな、と単純に思う。最後が余計だよな実際
— 男マン (@otokoman) 2015年9月2日
結局、新日のサイトに誘導してるんじゃないか、と取られてもおかしくはない棚橋の行動。棚橋の言うことには意図があるはず、という深読みをする向きもありますが、単純にしっかりした理由があるのであればオープンな場所でもっとしっかりとした理由を語るはず。正直、新日からDDTに乗り込んでいったのに他の試合に完全に食われた形になったことへの焦りからのコメント、という面もあったのじゃないかと思います。実際にDDT自体は認めているし、「一番スマート」という発言もしているわけで。
そして、DDTのニコ生で高木社長が棚橋、HARASHIMAについてのコメント。
http://t.co/K2WRR5OjS9
— 男マン (@otokoman) 2015年9月2日
高木社長コメント。「棚橋の試合後のコメントにはがっかり、未熟なものを感じた。二人とも堂々と闘ったいい試合だったのに、あれは必要だったのか。業界のエースらしからぬコメント。逸材なら堂々としていてほしい。」 #ddtpro #njpw
「ライオンズロードを思い出した。こちらはプロレス界全体を考えて飯伏を2団体所属にさせたのに、新日本は相変わらずな体質なのかと」と大社長。しかし新日本がプロレス界のことを考えたことが一瞬でもあったのか。昔から他団体を見下して自分の所で潰してきた団体だったじゃないか。でもそこが好き。
— 男マン (@otokoman) 2015年9月2日
文字にすると厳しめですが、どちらかというと「残念」というニュアンスでこのコメントについて語っていました。
このように試合後にいろいろ話題を振りまいたこの試合。生観戦した自分からしたら、試合自体も色々引っかかる部分もあったし楽しめました。このコメントが別に残念とは思いませんが、ここから「さすがに新日、棚橋は意識のレベルが違う」とか、「メジャーインディーのレベルの差から棚橋が激怒した」みたいな見方は違うんじゃないかと。両者とも思惑通りにいかなかった試合だったことは確かだとは思いますし、棚橋が支配した試合だったとは思いますが、がっちり噛み合う可能性もあったはず。
そもそもこのコメントは記者会見で話しているわけで、その他に「真意」があるっていうのもおかしな話。何かを発言出来なかったというシチュエーションでもないわけで、棚橋をプロレスの伝道師的に扱い、なんでも深い意図があると決めつけるのも観客、棚橋互いのためにならないんじゃないかと思います。
最近の新日本プロレス中継とか見ていると、アナウンサーが棚橋を「新日復興の立役者」とか、「苦しい時代からプロレスを立て直した救世主」とか毎回それこそ聖人みたいな褒め方して非常にうるさいので、逆にこういう怒りをあらわにする棚橋は人間らしくて好きですけどね。好感持てます。
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まあ、今後双方が転がそうとしたら転がるだろうし、そうじゃなければそのままでしょう。そういう部分も含め、今後を見守っていこうと思います。