男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

「吉田豪の空手☆バカ一代」を読んで。小笠原先生のプロレス語りが凄かったです。

「吉田豪の空手☆バカ一代」を購入して読みました。これはもともと「BUBKA」で吉田豪がロングインタビュー連載をしていて、その空手家部分ををまとめて本にしたもの。目次はこちら。

 

1 東孝「バカやってひっくり返って人と繋がって、極真で酒飲みを教えてもらってよかった」
2 添野義二「男のジェラシーは怖いんだよ」
3 村上竜司「山籠りにしてもケンカにしても、経験しないとわかんないでしょ」
4 緑健児「空手をもっとメジャーにしなきゃいけない」
5 小笠原和彦「デタラメだけど軸がある、大山総裁と橋本真也は似てます」
6 ニコラス・ペタス「極真の内弟子はホントに汚い! だから大山総裁が『パンツは毎日履き替えろ』って」
7 盧山初雄「海外の人間は私を相当恐れている、ロシアではラストサムライと評されているそうです」
8 廣重毅「あの時代の極真はサラリーマンできない空手バカばかり揃ってた」
9 倉本成春「僕は指一本で人を殺せます」
10 風間健「ブルース・リーが一番嫌ってたのは極真ですから」
11 藤原敏男「強い男が世の中にいたら凄い癇に障るんですよ」
12 渡邊一久「私は大山倍達の弟子として、初代師範代に任命された以上は背を向けない」
13 谷川貞治「石井館長が新しい大山倍達で、梶原一騎みたいになりたかったはずが……」
14 山田英司「極真は競技化が進んで格闘技になったから、新たなケンカのロマンを作り出さないと」
15 高森篤子×山田英司×吉田豪「『梶原イズムを復活させないとダメなんじゃないか』って」
16 高森城×高森一誓「父と母とあの家の思い出」

前半は空手家、後半は格闘技マスコミや関係者、という構成になっていて、村上竜司、緑健児、ニコラス…ペタスといった選手としてのイメージが強い人々から藤原敏男、盧山初雄といったレジェンドの方々、そしてあの「サダハルンバ」谷川貞治、前田日明に女子便所で脅されたでお馴染みの山田英司両氏、そして梶原一騎夫人の高森敦子さん、ご子息の高森城さん、高森一誓さんとの対談。まさに武道としての極真空手、ファンタジー、創作物としての極真空手を網羅した構成になってます。

 

私は「空手バカ一代」世代ではなく、ちょうどK-1が出来て、武道としての空手から、競技としてのK-1が生まれてゴチャ混ぜになっていく過程を観てきました。

その頃は極真空手の世間への影響力が徐々に失われつつある時期でした。極真からはフランシスコ・フィリオやニコラス・ペタスが出場し、そこまで強いインパクトを残せなかったところからやはりK-1という競技と空手は別のもので、空手が圧倒的なものではないという印象が強く残っています。

 

ただ、このインタビューに出てくる人々の極真黎明期エピソード、そして大山総裁の人柄、道場での地獄の特訓や競技を超えた闘いにはワクワさせられますし、娑婆じゃない感じがビンビンしています。まさに「劇画的世界」が広がっている一冊となってます。

スポンサードリンク

   

そしてその中でもプロレスファン的にガッツリ響いたのが小笠原和彦インタビュー。小笠原先生といえば橋本真也時代のゼロワンに参戦し、橋本との異種格闘技戦、火の輪くぐりなどの特訓でお馴染みですが、このインタビューではかなり踏み込んだ発言をしていました。

 

「絶対左右に打っちゃいけない注射を左右に打ち、その後呑気に弁当食べてた」

などの橋本真也エピソード

「ブレーンバスター受けたらカカトを骨折した」

「ロープワークの練習で吐いた」

などの、初めてプロレスをやる際の怖さ、意外な大変さについて語っています。

そして、プロレスを「フルコンタクトプロレス」、「マニュアルプロレス」に分けて語っていく小笠原先生。全てに対応できるカシン、高岩など「あのころの新日本プロレス」への幻想が高まっていくエピソードもあり、空手家なのにほぼ大部分をプロレスに割いているこのインタビュー。プロレスファン必読。ここ読むだけでも買う価値あると思います。

 

f:id:otokoman:20160806115823j:plain

 

このように、プロレスファンも空手ファンも楽しめる本となってます。その他にも、ただ濃い世界を覗いてみたい、巨人の星などの梶原一騎的世界が好きだった人が読んでも面白いはず。 私はとてもおもしろく読みました。「男の星座」買わないとな・・・。

吉田豪の空手★バカ一代

吉田豪の空手★バカ一代

 

スポンサードリンク