当ブログで取り上げた格闘技・プロレス関連書籍をまとめました。下から上へと新しくなっていきます。当該エントリの内容を抜き書きしたもの&Amazonリンクを貼ってあるのでここからご購入いただけると幸いです。どさくさで自分が出した本も入れてありますのでよろしければぜひ。
- 2020/5/7 TAJIRI「プロレスラーは何を見せているのか」
- 2020/3/19 ディック東郷「東郷見聞録」
- 2020/ 3/ 3 吉田豪「書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り 2005-2019」
- 2019/11/15 高木三四郎「年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで」
- 2019/11/ 2 川田利明「開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学」
- 2019/10/17 ロッシー小川「【実録】昭和・平成女子プロレス秘史」
- 2019/ 3/21 別冊宝島編集部「プロレス界VS別冊宝島」
- 2019/ 3/19 尾崎ムギ子「最強レスラー数珠つなぎ」
- 2018/ 4/18 秋山準「巨星を継ぐもの」
- 2017/ 9/ 2 吉田豪「吉田豪の”最狂”全女伝説」
- 2017/ 8/27 男マン「2017年の女子プロレス入門(仮)」
- 2017/ 2/ 3 柳澤健「1984年のUWF」
- 2016/ 9/17 「DEATH MATCH EXTREME BOOK 戦々狂兇」
- 2016/ 9/13 師走の翁「JKプロレス イラストレーションズ 技画 ―GIGA―」
- 2016/ 8/ 6 吉田豪「吉田豪の空手★バカ一代」
- 2016/ 8/ 5 プチ鹿島「教養としてのプロレス」(文庫版)
- 2015/11/ 4 飯伏幸太「ゴールデン☆スター飯伏幸太 最強編」
- 2015/10/31 飯伏幸太「ゴールデン☆スター飯伏幸太 最狂編」
- 2015/ 8/ 4 田崎健太「真説・長州力 1951-2015」
- 2015/ 4/11 真壁刀義「スイーツ真壁のうまいッス!!」
- 2014/10/28 原田久仁信「劇画 プロレス地獄変」
- 2014/ 9/17 清野茂樹、能町みね子「もえプロ~女子のための”萌える”プロレスガイドブック」
- 2014/ 9/ 7 増田俊也「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」
- 2014/ 8/13 プチ鹿島「教養としてのプロレス」
2020/5/7 TAJIRI「プロレスラーは何を見せているのか」
TAJIRIの自伝的作りでありながら、内実はプロレスラーとしてのテクニック、稼げる練習法、サイコロジーについてから興行論まで詰まった「プロレスの教科書」的な本。
プロレスの構造、プロレスラーとしてのキャラクター、試合運びについて書いている前半部分は特に必読。自分はレスラーじゃないのでプロレスラーがこの本を読んで参考になるかはわかりませんが、プロレスファンの自分にも色々と腑に落ちるし、プロレスの新しい見方が生まれるようなことが沢山書いてあるように思います。特にサイコロジー部分は何回も読み返したい。
プロレスが「そこが丸見えの底なし沼」といいますが、この本自体も沼のような。ずっと読んでいられるような深みを感じます。いろんな試合見て「う~ん」ってなったらまた読み返そうと思います。黒潮”イケメン”二郎、KUSHIDA、ビンス・マクマホン、エディ・ゲレロ...。色んなレスラーとのエピソードも満載です。改めて必読!です!
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2020/3/19 ディック東郷「東郷見聞録」
ディック東郷が2011年に国内ラスト引退興行を行って外道と対戦。その後引退世界ツアーに旅立って2012年9月、ボリビアの地で引退試合を行いました。この「東郷見聞録」はこのときの世界ツアーの様子を東郷が日記形式で振り返った本になっています。
日本では今いろんなプロレス本が出ています。UWFの裏話、選手たちの確執、隠れた最強選手は誰か・・・。プロレスという文化が成熟してるからこそ日々色んな本が出てるわけですが、実際に世界を回ったディック東郷の圧倒的説得力、そして「プロレス」というものの多彩さに改めて気付かせてくれる本でした。堅苦しく考える必要なんてない。世界では色んな人が色んなプロレスをして闘って騒いで楽しんでるんだよ。そんなディック東郷のメッセージが伝わってくるようでした。
プロレスにそんなに思い入れがなくても旅行記として楽しめるし、プロレスファンからしても東郷が出会った選手たち。ザック・セイバーJr、マーティー・スカル、ワンチューロ(現ディエゴ)、ハートリー・ジャクソン、という名前を見つけるだけでも楽しい。なんというか、プロレスの「豊かさ」を感じさせてくれる本でした。
2020/ 3/ 3 吉田豪「書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り 2005-2019」
この本は「ゴング格闘技」名物吉田豪の格闘技本書評コーナーをまとめたもの。なんと14年。ゴング格闘技自身も出版社の不祥事から廃刊、版元、雑誌名をを変えて復活など紆余曲折ありましたが、それでも載り続けたこの連載。
正直単行本化したことにビックリ。分量も圧巻の484ページ!!2700円することも納得の文章量。かなりの読み応えがある本になってます。
この連載開始の2005年といえばPRIDE GPが開催され、PRIDE全盛期&HERO'Sも開催されるという格闘技全盛期。そこから2006年6月にフジテレビとPRIDE決裂、徐々に「格闘技冬の時代」に転がり落ちていく。
その時の連載では、「なかなか格闘技本画出版されない」ゆえに須藤元気のスピリチュアル本などを取り上げてなんとかしのぎ、今ようやくRIZINが盛り返し、K-1も以前のモンスター路線から若い選手中心にして復活。そのK-1の資本でゴング格闘技が復活して「書評の星座」も連載できる。連載自体も含め、まさに格闘技の「裏面史」といえる本なのではないでしょうか。
ハシラで吉田豪の近況が毎回語られていき、徐々にTVに出て売れっ子になっていくのがわかったり、描き下ろしコラムで「お姉さんが大仁田厚に手作りの人形を送りつける」などの特異な環境がわかったり(ちなみにこのお姉さん、「今日のソ連邦」を読んでいたほどのソ連マニアであることも、SHOWROOM「豪の部屋」で語られており、そうとう吉田豪の人格形成に影響してたんじゃないかと思われる)とりあえず吉田豪ファン必読の一冊だし、メルマガDROPKICK購読してたり、UWF好きだったり梶原イズムに染まってる人はさらに必読。
読んでいる間ひたすら濃い時間を過ごせること請け合い。正直胸焼けする濃さと重さの本でした。いや~、疲れた。
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2019/11/15 高木三四郎「年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで」
この本は「大社長」高木三四郎の単独クレジットではありますが、実際はライターの原彬氏が高木三四郎をインタビューしていく、という形式で進んでいきます。タイガー戸口、ケンドー・カシンの本の構成などを担当している原彬氏が大社長デビューからDDT旗揚げ、今のプロレス界までを聞いていくインタビュー部分、そしてサイバーエージェント社長の藤田晋、今やAEW副社長のケニー・オメガ、そしてなぜか最近結婚を発表したグラビアアイドルの倉持由香の3人との対談部分でこの本は構成されています。
色々と気になる所はありますが、なんだかんだでケニーとの対談も良かったし、DDTを作ってきた高木三四郎が今どのように団体、業界を考えているか。新日本プロレス、スターダムに追いつくためにどうしていきたいかなど、 大社長の考え方がしっかりと引き出されているのがいいところ。プロレス団体の社長ってどういう考え方をしてるのかがわかる本として面白く読みました。
最後の章で高木三四郎は「プロレスは大衆文化としての側面もある。ショービジネスとして成功している新日本プロレスに対して、AbemaTVと一緒に大衆文化としてのプロレスを作り上げていきたい」と話しています。はっきりと「新日本とは違う路線をいく」と宣言しているDDTが今後どういうプロレスをしていくのか。東京女子プロレスを、ガンバレ☆プロレスをどうしていくのか。またじっくりと読み直して考えたくなる。そして時折取り出して読み返して答え合わせしたくなる。この「年商500万円の弱小プロレス団体が上場企業のグループ入りするまで」そんな本でした。ご静聴、ありがとうございました。
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2019/11/ 2 川田利明「開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学」
最近では知らないファンの方も増えていると思いますが、90年代に全日本プロレスで三沢光晴、小橋建太、田上明とともに「全日本プロレス四天王」として活躍した川田利明。現在では「タイチの師匠」としてもおなじみ。タイチの「デーンジャラスバックドロップ!」も川田直伝。タイチが活躍するとともに、川田が脚光を浴びることも最近では増えてきました。
この本、とにかく第三章の「そして、俺はベンツを3台、スープに溶かした……」という言葉でもわかるように、とにかくラーメン屋になってからの愚痴、川田節が最高。
- 「サーバーで提供する生ビールは、店にとってそんなにうまみがない」
- 「リングに上がらなくなったのに、医療費はどんどんかかるようになった」
- 「飲食店でもラーメン屋は特に大変だな」
など、とにかく全編ボヤキとグチに満ちた本となっております。さすが川田。
しかし、グチばかりの本ではありますが、ネガティブではありつつも基本自虐ベースでどこか諦念もあり、カラっとした語り口なので読みやすい。川田テイストを楽しみつつ、ビジネスを学べる(反面教師的ではありますが)あのときの全日本プロレスファン、ラーメン好きにとっても楽しめるつくりとなっております。
開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学
- 作者:川田 利明
- 発売日: 2019/09/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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2019/10/17 ロッシー小川「【実録】昭和・平成女子プロレス秘史」
読み進めていくと、ロッシー小川の自伝でもありながら、本当にひとつの「プロレス史」が浮き上がってくる本でもありました。
あくまでこの本はロッシー小川の自伝、ロッシー小川から見たプロレス史ではありますが、読み応え十分、コクのある一冊であることは確か。今ジュリアの件で絶賛プチ炎上中のロッシー小川ですが、この本を読むと何でアルシオンが他団体ファンから蛇蝎のように嫌われても超然としているのか。ロッシーの思考がどこからきているのかが少し紐解けるように思います。
まあそれで好きになるかは別として、私は非常に面白く読みました。野次馬的興味から手にとったこの本ですが、買って損はなかった!と言える本でした。いや、濃厚でした!
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2019/ 3/21 別冊宝島編集部「プロレス界VS別冊宝島」
別冊宝島編集部から先月発売された「プロレス界VS別冊宝島」面白い、という評判だったので買って読んでみたところ、これが面白い。
とにかく一連の「別冊宝島」シリーズの集大成とも言える一冊であり、取材というものを考えさせられる一冊になっています。そして、この本の終盤に書かれているプロレス・ノンフィクションについての提言。個人的にはとても頷けるものでした。
綺麗事だけではない、表側だけではない。ゴシップと言われるかもしれませんが、しかし裏側のリアルな報道も必要だし、またその裏側を知ることによってまたプロレスを好きになることが出来る。最近のプロレス人気の高まりの中で、表側の華やかな部分だけを団体側も強調しようとし、それ以外の部分を隠蔽しようとしているようにも感じます。それではプロレスの本当の魅力は伝わりきらないんじゃないか、と思ってしまうほど、この本の登場人物は魅力的に映っていました。
近年、新日本プロレスの選手が情熱大陸やプロフェッショナルなどに登場していましたが、そこに映る漂白されたプロレスラー像よりも、取っ払いの金、酒に群がる永島のオヤジやターザン山本、泉田らのほうに鈍く光る魅力がある。そんなことを考えさせられる本でした。ずっしり重いですが、軽く読み進められる本。人間の業が詰まった一冊でした。
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2019/ 3/19 尾崎ムギ子「最強レスラー数珠つなぎ」
シンプルに説明するとプロレスラーへのインタビュー集なんですが、この本のもとになっているのは日刊SPA!で連載されていた「最強レスラー数珠つなぎ」という企画。プロレスラーにインタビューし、「あなたが最強だと思うレスラーを挙げてください」と聞き、そのレスラーにインタビューしていく、というもの。
なんというか、「三ツ星シェフの行きつけの店」みたいなコンセプトの本といえばわかりやすいでしょうか。そもそもプロレスラーという「自分が一番強い」と思ってないとやってられないような職業の人に「最強レスラー」を聞いていく、という時点でなかなか攻めた企画だと思います。登場レスラーは以下の通り。後半の重鎮感がすごい!
- 佐藤光留
- 宮原健斗
- ジェイク・リー
- 崔領二
- 若鷹ジェット信介
- 石川修司
- 鈴木秀樹
- 田中将斗
- 関本大介
- 岡林裕二
- 鷹木信悟
- 中嶋勝彦
- 佐山サトル
- 藤原敏男
- 藤原喜明
- 前田日明
それぞれのレスラーのインタビューをパラパラと気軽に読んでいくのもいいし、最初からじっくりと読んでいくのもいいでしょう。しかし、最初からじっくりと読んでいくと、単なるインタビュー集とは違う読後感のある、ずっしりとした何かを感じさせる本でした。そして、自分はプロレスから何をもらっているのか。何を感じているのかを改めて考えさせられる一冊でした。重く、そして面白かったです。
そして、佐藤光留のめんどくさいけどいい人っぷりがわかる一冊でもあります。とりあえず光留ファンは必読!
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2018/ 4/18 秋山準「巨星を継ぐもの」
現・全日本プロレス社長、秋山準の自伝「巨星を継ぐもの」を読みました。著書、というよりインタビュー形式での語りおろし、といったところでしょうか。
そんな秋山準。この本はレスラーとしての秋山にもスポットを当てていますが、中心となるのは社長としての秋山準。目次はこのようになってます。
- 第一章 伝統と赤字を背負って
- 第二章 ノアの舟から全日本の船へ
- 第三章 プロレスラーを志すもの
- 第四章 トップレスラーの系譜
- 第五章 先進と後進のはざまで
- ー全日本プロレス「新旧社長」退団ー
- VS武藤敬司
レスラーとしての秋山も興味深いですが、第一章、第五章と全日本プロレス社長としての話が読ませます。特に気になるのが教育者・秋山準としてプロレスについて語る言葉。
「大きい選手と小さい選手への教え方は違う」
「若手が先輩にビンタをすれば沸く、しかし安易に沸く方向に行ってほしくない」
全日本プロレスで行われているプロレスリング、そして新日本プロレス、WWEで行われているプロレスリングを理解しようとしたときにもこの本で語られているプロレス論は役に立つのではないかと思います。
プロレス会社の経営、若手の育成、という部分に大いにフォーカスの当たっているこの本。今までより細かくプロレスを見ていきたい、理解したい、という方に。もちろん全日本プロレスファンも楽しめるものになっていると思います。
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2017/ 9/ 2 吉田豪「吉田豪の”最狂”全女伝説」
これは、「BUBKA」で連載していた全日本女子プロレスのレスラーへのインタビュー集をまとめたもので、ミミ萩原インタビューは初出となります。インタビューの人選はこちら。
- ブル中野
- 長与千種
- ダンプ松本
- マキ上田
- 神取忍
- 赤城マリ子
- クレーン・ユウ
- 立野記代
- ナンシー久美
- 大森ゆかり
- ロッシー小川
- 井上京子
- 影かほる
- 志生野温夫
- 堀田祐美子
- ボブ矢沢
- ミミ萩原
- 松永高司
全日本女子プロレス、その40年間の歴史に通底するのは、オーナーの松永ファミリーの適当さ、ダイナミックさ。その管理の杜撰なサファリパークというべき環境の中でレスラーたちが闘い、派閥を作り、淘汰され、蹴落とし合い、その中で揉まれに揉まれた一握りの人間がスターになる。その修羅場をくぐり抜けてきた人たちのインタビューが面白くないはずはないわけで。
現在は「豆腐プロレス」などAKBがプロレスをやるということが賛否両論あったりもしますが、これを読むと、松永ファミリーは絶対今いたらこれに関わってただろうし、この試合の結果で賭けとかしてただろうな~と思わせる。それほどのアクの強さ、ヤマっ気のある商売人だった松永ファミリー。そんな彼らが作り上げた全日本女子という帝国の歴史が詰まっているこの本。プロレス史としても、文化史としても貴重な本。必読です。
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2017/ 8/27 男マン「2017年の女子プロレス入門(仮)」
今の女子プロレスは、昔のクラッシュ時代やブル&北斗時代にも劣らぬコンテンツに成長しています。アスリート的に優れた選手もいるし、キャラクターとしても揃っている。いわゆる「美人レスラー」揃っています。ただ、団体が沢山あって情報が分散しがちなのと、多団体ゆえに団体の体力が以前の全日本女子ほどではないので大きく宣伝してマスコミに露出する、という機会が少ないためになかなか世間に届かないのがもどかしいところです。
そういうこともあり、少し知ってる、とかなんとなく見たいな~、という人たちは多くいると思っています。そして、一度観て貰えれば満足感を与えてくれるコンテンツだと思ってます。なので一度この本を手にとって(Kindleなのでiphoneなどに入れておいて)観戦に行く参考にしてもらえれば幸いです。シンプルに言えば買ってください!その金でプロレス見に行きますから!
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2017/ 2/ 3 柳澤健「1984年のUWF」
UWFという団体がどうやって成り立っていったのか、そしてどういう経緯を辿って第一次UWFから第二次UWFに、そしてリングス・パンクラス・藤原組・UWFインターナショナルと分裂していったかをレスラー、フロント、ファンの視点から描いたドキュメンタリー。
自分はプロレスをやり、世界の格闘技のショーケースを作り上げた前田日明は今、ドロップアウトした若者たちが集まる格闘技のリング「アウトサイダー」主宰。藤原喜明は猪木のプロレス団体IGFの新プロジェクトに参加。高田はタレント活動をしながら「RIZIN」の広告塔となり、鈴木みのるは「鈴木軍」を率いて新日本プロレスに参加。船木誠勝は電流爆破レガースを着けて田中将人と闘っています。船木・・・?
UWFには色々問題もあり、嫌う向きも多いですが、それでも圧倒的にタレントが揃っていたのも又事実。アクの強すぎる男達がそれぞれの夢を追いかけた季節のドキュメント。面白かったです。
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2016/ 9/17 「DEATH MATCH EXTREME BOOK 戦々狂兇」
版型も大きく、表紙も衝撃的。インパクト大なこの本。内容的にはデスマッチの試合&選手インタビューという構成の写真集+インタビュー本。
取り上げられているレスラーは
- 葛西純
- 伊東竜二
- アブドーラ小林
- ”黒天使”沼澤邪鬼
- 佐々木貴
- バラモン兄弟
- 竹田誠志
- 松永光弘
松永に関してはインタビューのみですが、他のレスラーたちはデスマッチの試合写真とともにインタビューが載る、という構成。今日日、ツイッターなどで観客の撮った写真を見たりも出来るし、メディアも増えているのでデスマッチの写真自体にそこまで目新しさはないとは思いますが、実際に大判で、傷口、血をどーんと写されるとかなりの迫力です。カミソリを手にニヤリと笑みを浮かべる葛西、竹串を大量に頭に刺される葛西、試合後、大量の画鋲を背中に刺したまま控室に向かう葛西。「凄いな」、「大変だな」という普通の感想が浮かんで消えるわけですが、
インタビュー読むには向いてないとはいえ、この写真の迫力を伝えるためには大判が必要だったのも確か。「プロレスラー」とまた違う職業にも感じられる「デスマッチファイター」たちのこだわり、哲学を浮かび上がらせているこの本。デスマッチ好きにはもちろん、プロレスファンにも手に取ってもらうと新しい世界が広がっていくのでは無いのかと思います。ただ、血が苦手な方、そして虫が苦手な方は要注意(虫が苦手な方はバラモン兄弟のページだけ要注意)なのでお気をつけください。
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2016/ 9/13 師走の翁「JKプロレス イラストレーションズ 技画 ―GIGA―」
そもそもはこの本、プヲタエロ漫画家の師走の翁氏が、2014年の4月、「JKリフレの経営者、従業員の女子高生にプロレス技をかけさせたとして逮捕」の報を受け、ツイッターでプロレス技をかける女子高生を描いたことから始まります。
インタビュー記事も
- みのもけんじ(「プロレス・スターウオーズ」作者)
- 徳光康之(「最狂超プロレスファン烈伝」作者)
- さかなこうじ(「俺のプロレスネタ、誰も食いつかないんだが」作者)
という豪華ラインナップ。そしてプロレスラーインタビューも
- 武藤敬司
- 男色ディーノ
- 清水愛
という「わかってる」ラインナップ。
みのもけんじ先生の「公開しているのはビンスを巨大化させて戦わせなかったこと」発言や、さかなこうじ先生が新連載準備中という情報も載っていたりしてしっかりとしたインタビューになっています。リングドリーム運営のインタビューも載っていたり、プロレスおすすめ書籍も載っていたりと、意外にも(失礼)2016年現在のプロレス文化を切り取っているように思います。
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2016/ 8/ 6 吉田豪「吉田豪の空手★バカ一代」
これはもともと「BUBKA」で吉田豪がロングインタビュー連載をしていて、その空手家部分ををまとめて本にしたもの。
そしてその中でもプロレスファン的にガッツリ響いたのが小笠原和彦インタビュー。小笠原先生といえば橋本真也時代のゼロワンに参戦し、橋本との異種格闘技戦、火の輪くぐりなどの特訓でお馴染みですが、このインタビューではかなり踏み込んだ発言をしていました。
- 「絶対左右に打っちゃいけない注射を左右に打ち、その後呑気に弁当食べてた」などの橋本真也エピソード
- 「ブレーンバスター受けたらカカトを骨折した」
- 「ロープワークの練習で吐いた」
などの、初めてプロレスをやる際の怖さ、意外な大変さについて語っています。
プロレスファンも空手ファンも楽しめる本となってます。その他にも、ただ濃い世界を覗いてみたい、巨人の星などの梶原一騎的世界が好きだった人が読んでも面白いはず。 私はとてもおもしろく読みました。「男の星座」買わないとな・・・。
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2016/ 8/ 5 プチ鹿島「教養としてのプロレス」(文庫版)
文庫版になり、さらにパワーアップした「教養としてのプロレス」これを機に手にとってみるのもいいのではないでしょうか。プロレスについて、という本でもありますが、「プロレスファンとして生きる」、「社会からプロレスを読み取る」というテーマも内包しているこの本。プロレスそのもの、というより、広く「プロレス的思考」について説明されている本でもあり、さらにプチ鹿島のプロレスファンとしてのカミングアウト、人生についてのドキュメントでもあるこの本。面白いです。
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2015/11/ 4 飯伏幸太「ゴールデン☆スター飯伏幸太 最強編」
こちらはインタビュー形式の「最狂編」と違い、飯伏の一人語りスタイルになっています。これは元週プロ、今はももクロ番でおなじみの小島和宏記者が飯伏とインタビューしてまとめたもの。頭おかしいエピソードにフォーカスしていた「最狂編」と違い、アスリート、プロレスラーとしての飯伏に焦点を当てたつくり。いわゆる「プロレスラーの自伝」としてまっとうな作りになっています。
そしてこの本で楽しいのが「最狂編」も読んで答え合わせをするという作業。
「あれ?ここはあんまり掘り下げてないな」とか、「ここの部分ちょっとニュアンス変わってくるな」など、相手によって語り口の変わっている部分などもあるので、ぜひ「読み比べ」をおすすめします。
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2015/10/31 飯伏幸太「ゴールデン☆スター飯伏幸太 最狂編」
「最狂編」と銘打ったこの本、「最強編」と同時発売になってます。二冊に分けることでより「狂」の方面に振ったということですが、「飯伏のヤバさ」に関しては、DDTファンに取ってはある程度周知のことだとは思います。試合内容からしても
- 路上プロレスで自動販売機からケブラーダ
- キャンプ場プロレスで花火を人に向けて発射
- 日本武道館の二回席から飛ぶ
- 台車に乗せた岡林を花道から下に放り投げる
と頭おかしい言動が目立つ飯伏。図抜けた身体能力と凄い技の数々に塗りつぶされては居ますが、その「最狂」っぷりはある程度周知のものだったわけで、そんな中で出版されたこの自伝。読む前から結構なハードルの高さがあった状態でした。
その状態で読んだこの本ですが・・・。
予想以上の凄さでした!!!
二冊の自伝「最強編」、「最狂編」ですが、例えば最近飯伏を知って興味を持ち、「どんな人なんだろう」と思った人は「最強編」を、割と昔から見てるDDTユニバースは「最狂編」を読むことをオススメします。この「最狂編」に関しては、ファンがガッツリ引く描写も入ってますが、これに関しては本人も反省しているので許して欲しいところです。文句無しに読み応えあるこの本。オススメです。
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2015/ 8/ 4 田崎健太「真説・長州力 1951-2015」
著者の田崎健太は『偶然完全 勝新太郎伝』、『球道 伊良部秀輝伝』などを手がけるノンフィクション作家。元小学館の編集者という経歴を持ち、緻密な取材から対象者を浮かび上がらせるスタイルで今回も長州力の人生を浮かび上がらせています。
そしてプロレスとの関わりとしては何と、あの安田忠夫の引退興行を手がけた人物なのです。色々苦労して興行を成功させたら案の定安田に逃げられるという憂き目に合っていますが、まずあの「借金王」安田に目をつけるあたり「わかってる」感あります。私はこの記述を読んだ時、そんな人が書く本なんだから面白いはずだ、と膝を打ちました。
今回インタビューを受けているレスラー・関係者は実に多数。アニマル浜口、坂口征二、藤波辰爾、越中詩郎、石井智宏など深い繋がりを持つ盟友と言っていいレスラーたちから、キラー・カーン、谷津嘉章など明らかに長州を嫌っているレスラー。大仁田厚、宮戸優光など一瞬交わり、通り過ぎていったレスラー、そして新間寿、大塚直樹などの裏方と呼ばれる人達まで。田崎健太はそれぞれの取材対象自身の人生にも寄り道しつつ、それぞれが語る言葉から長州力を浮かび上がらせていきます
1人の人間ドキュメントとしてずっしりと胸に残る本。ほっこりとする読後感。ほぼ500ページの本ですが一気に読めました。あまりプロレスに詳しくない人にもすすめられる本ですが、ジャパン・プロレス、WJ、噛ませ犬発言、Uインター対抗戦などの裏側も垣間見れるという、ゴシップ欲も満たしてくれるいい本。(個人的にはWJ時代、鈴木建想が奥さんとの夫婦ケンカでいつも会場入りに遅れていた、というエピソードがツボでした。)いや~、面白かった!
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2015/ 4/11 真壁刀義「スイーツ真壁のうまいッス!!」
この本は、加藤浩次司会、日本テレビ朝の情報番組「スッキリ!!」の番組内コーナー「スイーツ真壁のうまいッス!!」の番組本。
何故か「うまいッス!!」で同行している日テレの青木アナとの往復書簡が直筆で載っていたり(なぜだ)真壁名言集が載っていたりと、情報以外にも凝ったつくり。まあお世辞にも読み応えあるとは言えませんが、ただの情報誌じゃものたりない、という方にはおすすめです。あと結構な真壁好き、病的な本間好きの方にはおすすめ出来る本。楽しませてもらいました。
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2014/10/28 原田久仁信「劇画 プロレス地獄変」
そもそもこの漫画群は別冊宝島のプロレスムック本に掲載されていたものをまとめたもの。雑誌自体はどぎついトーンと露悪的な匂いが強くてあまり好きじゃなかったんですが、この「劇画 プロレス地獄変」 一冊にまとまってみると、漫画という形式と作者のプロレス愛もあいまって楽しく読めました。アンドレや阿修羅の話とか純粋にイイ話も入っているのがいい。それにヒドい目にあってもどこか憎めない、愛嬌のあるレスラーたちの悲喜こもごもが描かれた、コクのある一冊になってます。
今のプロレスを見ていて何かが足りない。物分りのいいエンターティナーの競演に退屈さを感じるファンもぜひ一度この「劇画 プロレス地獄変」を手にとって欲しい。そして出来れば「プロレススーパースター列伝」とともに、プロレスの光と影、このコクのありすぎる世界を垣間見て欲しいものです。今の時代、確実に間違った生き方なのははっきりしてるんですが、どこか魅力的なのも確か。そんな昭和のプロレスラーたちを味わえるのがこの本なのです。
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2014/ 9/17 清野茂樹、能町みね子「もえプロ~女子のための”萌える”プロレスガイドブック」
ガイドブックとはいえ読みどころ満載。まず能町みね子さんのイラストがかなり選手のツボをとらえてて愛せるのと、清野アナによる解説。棚橋に「”タナ”もしくは”逸材”と読んであげると喜びます」という解説を入れたり、中邑を「プロレス界のセクスィー部長」と評し、あげくはスーパー・ストロング・マシンを「試合数が少ないので、会場で見れたら相当にラッキー、茶柱のような存在」と説明するなど下手したら小馬鹿にしてるような、プロレス専門誌ではあまり知れない情報が載っていて結構楽しめました。
個人的には本と言うよりはグッズとして手元に置いておきたい本。
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2014/ 9/ 7 増田俊也「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」
とにかく木村政彦という怪物が生まれ、激動の時代を生き抜いて死ぬまでを描ききっている一冊。これは木村政彦一代記でもあり、戦後昭和史の一部でもあり、プロレス史の一部でもある。どれかに興味ある人は必読の書といえるでしょう。私もあっというまに読んでしまいました。ただ読ませる、それだけの熱量に溢れた本でした。
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2014/ 8/13 プチ鹿島「教養としてのプロレス」
「教養としてのプロレス」自体はもともとメルマガや専門誌の連載だったこともあり、割と専門知識がある前提で書いてあります。ただ、基本的には「時事ネタをプロレスとして見たらどう楽しめるか」という視点で書いてあるので、時事ネタ(オウム真理教、AKB、WBC,ワールドカップ、オネエブームなど)に興味があれば、「プロレスってこういうものか」、「プロレスファンってこういう視点で見てるのか」という教科書としても使えます。要はプロレスを知らなくても、逆にこれを読んでプロレスに興味を持ってもらえれば幸いです。
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