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吉田豪「書評の星座 」に格闘技の歴史と「キラー吉田豪」を見た!

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吉田豪「書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り 2005-2019」を読みました。この本は「ゴング格闘技」名物吉田豪の格闘技本書評コーナーをまとめたもの。なんと14年。ゴング格闘技自身も出版社の不祥事から廃刊、版元、雑誌名をを変えて復活など紆余曲折ありましたが、それでも載り続けたこの連載。正直単行本化したことにビックリ。分量も圧巻の484ページ!!2700円することも納得の文章量。かなりの読み応えがある本になってます。

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扱っている本はAmazon紹介欄に載っているものだけでも以下の通りとなってます。ただ圧倒される物量と著者名!

【書評で取り上げた主な本】
『幸福論』須藤元気
『大山倍達正伝』 小島一志・塚本桂子
『風になれ』鈴木みのる・金沢克彦
『蘊蓄好きのための格闘噺』夢枕獏
『ぼくの週プロ青春記』小島和宏
『芦原英幸伝 我が父、その魂』芦原秀典・小島一志
『U.W.F.戦史』塩澤幸登
『完本1976年のアントニオ猪木』柳澤健
『空手超バカ一代』石井和義
『青春』魔裟斗
『男の瞑想学』前田日明・成瀬雅春
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』増田俊也
『覚悟の言葉』高田延彦
『平謝り』谷川貞治
『野獣の怒り』ボブ・サップ
『あなたの前の彼女だって、むかしはヒョードルだのミルコだの言っていた筈だ』菊地成孔
『芦原英幸正伝』小島一志・小島大志
『哀しみのぼく。』桜庭和志
『格闘者~前田日明の時代~』塩澤幸登
『真説・長州力 1951-2015』田崎健太
『1984年のUWF』柳澤健
『ストロング本能』青木真也……etc

格闘技雑誌での連載ではありますが、プロレス本も多く扱っていて、プロレスファンも楽しめる作り。UWF系のインタビュー集、別冊宝島の暴露系の本から橋本真也夫人の自伝まで。格闘技本も極真系の空手家からグレイシー柔術、青木真也の自己啓発本まで。しまいには任侠系やノンフィクションまで。とにかく幅広く格闘技にかすっていれば(そんなかすってなくても)コクのある本を取り上げる貪欲さ。本自体にコクがなくても著者周辺のコクのあるエピソードをムリヤリ引っ張ってきて読ませる手法はさすが吉田豪というか。

というより、PRIDE消滅後の「格闘技冬の時代」には格闘技本のリリースが減り、色んなところに手を出さざるを得なかったのが実情のようですが、そのおかげでバラエティに富んだラインナップになっています。

書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り 2005-2019

書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り 2005-2019

  • 作者:吉田 豪
  • 発売日: 2020/02/26
  • メディア: 単行本
 

帯に”格闘技「裏面史」”とありますが、格闘技史を扱った本でもないのにも関わらず、読んでいくと時代の移り変わりを感じさせるのも確か。はからずも格闘家、レスラー達の人生を追いかける形になっているのが面白い。

例えば桜庭和志が本を出していくたびに寂寥感があらわになって迷走していくさまは本人がシウバ戦連敗、DREAM移籍と格闘家としても迷走していく時期と一致しているし、須藤元気が格闘技から引退してWORLD ORDERから政治家へ転身する今の姿も、スピリチュアル系、自己啓発系の著書を見ているとなんとなくうなずけるものがあります。

 

この連載開始の2005年といえばPRIDE GPが開催され、PRIDE全盛期&HERO'Sも開催されるという格闘技全盛期。そこから2006年6月にフジテレビとPRIDE決裂、徐々に「格闘技冬の時代」に転がり落ちていく。その時の連載では、「なかなか格闘技本画出版されない」ゆえに須藤元気のスピリチュアル本などを取り上げてなんとかしのぎ、今ようやくRIZINが盛り返し、K-1も以前のモンスター路線から若い選手中心にして復活。そのK-1の資本でゴング格闘技が復活して「書評の星座」も連載できる。連載自体も含め、まさに格闘技の「裏面史」といえる本なのではないでしょうか。

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また、連載初期は特に今の吉田豪とは違い、自伝のまとめを担当したライターやインタビュー本のインタビュアーがつまらなかったりするとかなり攻撃的に噛み付いていたのも面白い。特に紙プロ時代から批判していた”Show"大谷氏、とにかく長い書籍を出版する塩澤幸登氏などにはかなりのケチョンケチョンっぷり。その他データの間違いや客のニーズとズレた本(”SEXY山”こと「秋山成勲写真集」)にはしっかりツッコミを入れていくのが痛快。 

GONG(ゴング)格闘技 2020年1月号

GONG(ゴング)格闘技 2020年1月号

  • 発売日: 2019/11/25
  • メディア: 雑誌
 
ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017

ゴング格闘技ベストセレクション 1986-2017

  • 発売日: 2018/03/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 その他にもハシラで吉田豪の近況が毎回語られていき、徐々にTVに出て売れっ子になっていくのがわかったり、描き下ろしコラムで「お姉さんが大仁田厚に手作りの人形を送りつける」などの特異な環境がわかったり(ちなみにこのお姉さん、「今日のソ連邦」を読んでいたほどのソ連マニアであることも、SHOWROOM「豪の部屋」で語られており、そうとう吉田豪の人格形成に影響してたんじゃないかと思われる)とりあえず吉田豪ファン必読の一冊だし、メルマガDROPKICK購読してたり、UWF好きだったり梶原イズムに染まってる人はさらに必読。読んでいる間ひたすら濃い時間を過ごせること請け合い。正直胸焼けする濃さと重さの本でした。いや~、疲れた。 

書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り 2005-2019

書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り 2005-2019

  • 作者:吉田 豪
  • 発売日: 2020/02/26
  • メディア: 単行本
 

 ※2020/3/28追記

4月3日発売、ということですが、Kindle版が発売されるので貼っておきます。ハッキリ言って書籍版は分厚いんでKindleの軽さが際立つんじゃないでしょうか。ちなみに書籍版が2970円でKindle版が2673円。ちょっとだけKindle版がお得です。 

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