こうの史代原作、片渕須直監督。クラウドファンディングで資金調達されたことで話題を集めたアニメーション映画「この世界の片隅に」の公開日が11月12日に決定し、予告編も公開されました。
公式サイトはこちら。
そして予告編はこちら
クラウドファンディングで3,622万4,000円を集めたこの作品。ただ、長編劇場版アニメーションの制作費はおおむね数億~数十億が一般的。けして潤沢ではないこの制作費でどのような作品が作られるのか。
まだ残っているクラウドファンディングサイトで、片渕監督の思いが綴られています。
『この世界の片隅に』はこうの史代さんの珠玉作であり、たくさんの読者のみなさんにとってもたいせつな”たからもの”です。この物語を扱わせていただく以上、中途半端な結果しか得られないようなことに出来ないと心に刻んでかかっているつもりです。みなさんのご期待は絶対に裏切られてはならないものです。
と原作への思いを語り、結びの言葉としてこう綴られています。
『この世界の片隅に』という映画をご自分自身のものとして感じてくださる方がありましたら、すずさんを愛してくださる方がひとりでも多く増えるように、お力添えいただければありがたいのです。
ページ内には監督によるラフ画も掲載されています。この他にも、何度も監督自身が舞台となった広島の呉に足を運び、すずさんの生活、足取りなどを丹念に調べて映画が制作されています。その細かい経緯については
2012年8月~
2015年4月~
に日記として綴られています。なんと今から4年前からコツコツと片渕監督が進めてきた映画。その道程はまるで庶民の日々を細かく、地道に綴っているこの「この世界の片隅に」そのもののようです。
このように地道に紡がれている「この世界の片隅に」アートブックも出るようですが、まず原作を読んでから映画を見るのも、映画を待ってから原作を読むのもアリなんじゃないでしょうか。どちらにせよ、いろいろな人達の思いが詰まった映画。是非成功して欲しい!そう思わざるを得ません。金も出したし!(下品)
そしてこちらが原作本。とりあえずKindle版から。
そして単行本。お好きな方で・・・。
イデオロギーを前面に出すのではなく、市井の人々の暮らしを綴っていく、ことさらに悲劇にしない、という市井で描かれたこの作品。そして、だからこそ戦争の悲しさが浮かび上がってくる。名作です。
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