8月21日、有明コロシアムで行われた「Super-J CUP 2016決勝ラウンド」に行ってきました。
有明コロシアム。絶妙な客入り。 pic.twitter.com/Tv9ziE9il5
— 男マン(プロレス☆ブロガー) (@otokoman) 2016年8月21日
結果はこちら。
色々思うところあり、以下のツイートをしたところかなりのRTを頂きました。
Jカップここまで見てると、また次新日本がJカップやるって言い出してもどこも協力しないんじゃないかと心配になるな。新日本の選手以外が一切美味しくない興行。 #jcup
— 男マン(プロレス☆ブロガー) (@otokoman) 2016年8月21日
帰宅。今回のSUPER J-cupは失敗だった。理由は以下の通り。
— 男マン(プロレス☆ブロガー) (@otokoman) 2016年8月21日
・いい試合だったのがGHC、IWGPタッグ。トーナメントの試合はのきなみ低調(サイダルvsオスプレイ除く)
・唯一色んな団体の選手が揃った第一試合がBUSHIのスタンドプレイで台無しに。 #sjcup #njpw
SUPER J-cupは失敗理由続き。
— 男マン(プロレス☆ブロガー) (@otokoman) 2016年8月21日
・トーナメントにも関わらず、新日本ジュニアvs鈴木軍の抗争を全面に出してしまった。両団体以外のファンは置いてけぼり。
・ノアファンにしたら、鈴木、杉浦のいない鈴木軍と正規軍の抗争。普段よりグレードダウンしている。 #sjcup #njpw
そしてなんといっても有明コロシアムで観客が3000人ほど。2015年の3月15日、ノアの有明コロシアム大会(鈴木みのるが丸藤からGHC王座を奪取した試合がメイン)の観客発表が6300人だったことを考えると中々に厳しい数字でしょう。
以上の理由から、諸説あるとは思いますがとりあえずここは「今回のSuper-J CUP 2016 は失敗だった」として、なぜそうなってしまったのかを私なりに並べて行こうと思います。
・参加団体の少なさ、参加枠の偏り
今回のJカップの参加者は以下の通り
KUSHIDA(新日本プロレス)(本隊)※優勝
金丸義信(鈴木軍)※準優勝
獣神サンダー・ライガー(新日本プロレス)(本隊)
田口隆祐(新日本プロレス)(本隊)
ウィル・オスプレイ(新日本プロレス)(CHAOS)
青柳優馬(全日本プロレス)
原田大輔(プロレスリング・ノア)
拳王(プロレスリング・ノア)
石森太二(プロレスリング・ノア)
タイチ(鈴木軍)
Eita(DRAGON GATE)
梶トマト(KAIENTAI DOJO)
グルクンマスク(琉球ドラゴンプロレスリング)
マット・サイダル(ROH)
ティタン(CMLL)
BUSHI(X枠)(新日本プロレス)(ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン)
参加団体は新日本、全日本、ノア、DRAGONGATE、K-DOJO、琉球ドラゴンプロレス、ROH、CMLLの8団体+鈴木軍。
この時点で主な不参加団体としては
Wrestle-1、DDTプロレスリング、大日本プロレス、みちのくプロレス、プロレスリングFREEDOMSなど。(花鳥風月もガンプロもHEAT-UPもガッツワールドも・・・って言ってるとキリないですが)
つまりはザ・グレート・サスケもカズ・ハヤシもディック東郷もウルティモ・ドラゴンもいないし、佐々木大輔も彰人も木高イサミも葛西純もフジタJrハヤトも舎人一家も忍もいない。藤田ミノルとか勝村周一郎とかバラモン兄弟とかが出ても面白かった・・・。このような、「ジュニアヘビーのレジェンド」とか、「この人が一発大舞台に出たら面白いのに」というような人材が不足していたように思います。梶トマト、Eitaはこの舞台で力を発揮しましたが、その他のメンバーは概ねプロレス界で力を認められている人が多く、「この大会で一発当ててのし上がる」という空気はあまり漂っていなかったように感じました。
そして全16人中5人が新日本プロレス所属(タイチも入れると6人)、ノア所属が3人。鈴木軍が2人と、主催者関連の選手だけで16人中10人を締めてしまい、そして2回戦に進んだメンバーが8人中、新日本4名、ノア1名、鈴木軍2名(残りはマット・サイダル)とほぼ新日本、ノアで占められてしまいました。7月の時点で既に自分たちが応援する選手が優勝の見込みがなく、前座の多人数タッグに出るだけ、ということが分かっているファンがわざわざ有明まで足を運ぶのか。少し考えれば分かることではないでしょうか。
さらに、J-CUPの醍醐味といえば、第一回準優勝のサスケ、そして第二回準優勝の外道、第三回準優勝のCIMAと、準優勝者の若手だったり知る人ぞ知るレスラーが一気にステータスを上げて全国区に、という「ジャパニーズドリーム」でしたが、今年の準優勝はベテランの金丸。この大会をきっかけに一気に駆け上った選手はいなかったように思います。残念。メジャー団体のベテラン選手が多数出場したことにより、若い無名選手の芽を摘んでしまった、という結果になってしまいました。
・新日本・ノア・鈴木軍のストーリーを引きずってしまった
1回戦から鈴木軍のタイチ、金丸はセコンドを介入させ続けていました。これはノアでの常套手段ではありますが、一発勝負のトーナメントという場にはそぐわない戦法でした。特にタイチの一回戦の相手は全日本プロレスの新人である青柳。格下の相手に思い切り反則で勝つ、という選手。運営がこういう選手を野放しにしている、という時点で公平なトーナメント感、競技感はかなり薄れてしまいます。
これまでにもヒールやそういうキャラクターの選手が反則を使うことはありましたが、あくまでそれは個人のもの。今回は鈴木軍というユニットが堂々とセコンドとともにやってきて堂々と反則をして勝っていくわけですから、それに慣れているノアファンや鈴木軍ファンはともかく、他団体のファンにそっぽを向かれてもおかしくはない。しかも、そのストーリーを今回の8・21有明ではメインに据えてきました。
ライガーがタイチにセコンド介入のためリングアウトで負け。そのタイチをKUSHIDAが倒す。金丸が決勝まで上がり、KUSHIDAとの決勝ではセコンド総出で反則攻撃。その反則に負けずにKUSHIDAが金丸を降して優勝、と、正義の味方KUSHIDAが悪の鈴木軍を倒して優勝する、というベタベタ展開。トーナメントの試合はこういう流れに沿っていたために試合内容は軒並み低調。流れと関係のないオスプレイVSサイダルがこの日のベスト級の盛り上がりを見せたのは皮肉な展開でした。
そもそもノアでの本隊VS鈴木軍の抗争は、本隊に丸藤、潮崎、マイバッハ。鈴木軍には鈴木みのる、杉浦などの選手がいますが、今回は彼らがいない興行。どちらかというと「タカタイチvs新日本プロレス」というようなストーリーではノアファン、新日本ファンをも満足させるのは難しかったのではないでしょうか。
主催者は、J-cupには新日本と鈴木軍のファンしか来ないと思ってたんですかね。 #njpw #sjcup
— 男マン(プロレス☆ブロガー) (@otokoman) 2016年8月21日
・トーナメント以外の選手の無駄な自己主張
今回の第一試合はBUSHI&グルクンマスク&梶トマトvs青柳優馬&Eita&デビット…フィンレーの6人タッグ。トーナメントに残れなかったとはいえ、いろんな団体の選手の持ち味を見れるな~と楽しみにしていたんですが、ここでBUSHIが謎の自己主張。
味方からのタッチを拒否し、チョップしてのムリヤリタッチ(タッチロープ掴んでなかったから和田レフェリーだったら無効じゃないかと思いますが)味方のフォールをカットし、やる気の無さをアピールしてリング下のイスに座るなどやりたい放題。最後はトマトに毒霧、グルクンマスクのマスクを剥ぐ謎の行動。これが今後のストーリーに繋がればいいんですが、興行後にはKUSHIDAに挑戦を表明したBUSHI。ヒールっぷりを魅せつけて挑戦、という流れは自分の団体でやって欲しいところです。なんで新日本プロレスのストーリー見せられないといけないのか・・・。
そして、GHCタッグの石森&ACH組に勝った小峠&原田の桃の青春タッグ。いい試合だったんですが、試合後にマイクを持って次期挑戦者に指名したのは邪道&外道。いやいやいや。なんでそんなそこそこのところを指名しているのか。彼らはノアでキャプテン・ノア&平柳玄蕃よりは格上なんだし、玄蕃が外道に変わっただけのタッグにわざわざ挑戦する必要もないんじゃないかと。それだったらそれこそタイムスプリッターズとかヤングバックスとかを指名してくれよと。上見てくれよと。あと外道が「レ~~~ヴェルが違うんだよ」とやってましたが、日本人だけで言ったらノアの方が新日本よりジュニアヘビー級のレベルは高いと思うんですが・・・。なんというか、いい試合だっただけにガックリ来ました。
極めつけはヤングバックス。IWGPジュニアタッグタイトルマッチに勝利した後にブリスコ兄弟の持つIWGPタッグへ挑戦表明。「Super J-CUP」でヘビーに挑戦表明するんかーい!っていう・・・。
まあ、有明来るのは新日本ファンとノアファンだけだと思ってたのかもしれませんが、それぞれの団体のストーリーはそれぞれの団体で消化してください。ほんとに・・・。
・なぜストーリー重視の興業になったのか?答えはWWEにあり!
最後に、なぜこのような興行になったのかの予想を軽く。
最近の新日本プロレスが強く意識しているのはWWE。そのWWEでは現在、同じタイミングでジュニアヘビーのトーナメントである「CWC」ことクルーザー・ウエイト・クラシックが行われ、全世界から選手を集められています。日本からは飯伏幸太、戸澤アキラ、TAJIRIが参加して勝ち上がり、ザック・セイバーJrなどの海外有名レスラーも名を連ねています。
主催側としては、W-1、DDTなどの参加が見込めない上にCWCと比較されてしまうとスケールの違いが明らかになってしまうので、あえてベビーフェイスとヒールの構図を明確にする手法に出たのではないかと。完全に予想でしかありませんが、ここの部分はもう少し考えてから書こうと思ってます。
と、色々書きましたが、「Super-J-CUP」と銘打ってなければ気楽に楽しめたかもしれないこの興行。ルチャの6人タッグ、サイダルvsオスプレイ、ヤングバックスなど「見てよかった!」という試合もありました。次がいつになるのかわかりませんが、次回のJ-CUPでは夢のある、ジュニアヘビーのいろんな選手を発掘するような大会になることを願っています。
怒りの獣神。あの試合もJ-cupじゃなければ面白く見れたんですけどね・・・。
そういえば、これから始まるみちのくプロレスの「ふく面ワールドリーグ戦」が面白そうです。出場選手は以下の通り。
ラッセ(みちのくプロレス)3度目の参加 *ザ・グレート・サスケ推薦枠
エイサー8(沖縄プロレス)初参加 *スペル・デルフィン推薦枠
アルゴス(メキシコ代表)初参加 *ウルティモ・ドラゴン推薦枠
レボルシオン(キューバ代表) 初参加 *ディック東郷推薦枠
剣舞(みちのくプロレス)2度目の参加
がばいじいちゃん(九州プロレス)初参加
Sugi(フリー)2度目の参加
オーストラリアン・ウルフ(オーストラリア代表)初参加
アズラ(タイ王国代表)初参加
レプラコーン(アイルランド代表)初参加
マクシムス(イタリア・ローマ代表)初参加
サンバ・リオデジャネイロ(ブラジル代表)初参加
ジャッキー・リン(中国代表)初参加
スーパータイガー(リアルジャパンプロレスリング)初参加
ウォーキング・ザ・マミー(エジプト代表)初参加
カリスティコ(メキシコ代表)初参加
世界中から未知の強豪が集まるというこのシチュエーション、怪しさ。今回のJ-CUPから失われていた何かをビンビンに感じます。まあ、何かしか感じない、という面もありますが・・・。ちなみに参加資格はマスクマン、というだけなので別にJrヘビーの大会じゃないです。初戦は9/16後楽園ホール大会から。
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