リアルタイムでは見れませんでしたが、新日本プロレスワールドで7・14大田区体育館大会の公式戦部分のみ観戦しました。この日はAブロック公式戦。詳細情報はこちらから。
では公式戦感想はこちらから。全5試合。最後に波乱が待っていました。
「G1 CLIMAX 28」Aブロック公式戦 30分1本勝負
◯真壁刀義【1勝=2点】
11分5秒 キングコング・ニードロップ→片エビ固め
✕YOSHI-HASHI【1敗=0点】
先手を取って攻め込んでいったのはYOSHI-HASHI。しかし右肩の分厚いテーピングとダサい新タイツの影響か徐々に真壁に押し返されていく。ゆったりとしたペースで互いに削り合っていく展開。雪崩式のシットダウン式パワーボムで一気にペースを取り戻そうとするYOSHI-HASHI、カチ上げ式ラリアットから蒼魔刀、バタフライ・ロックにまで繋げるもギブアップは奪えず。飛びつき式のネックブリーカーからカルマを狙うも返され、ジャーマンを喰らい、ラリアットで吹っ飛ばされ、後頭部ラリアットからのスパイダージャーマン、キングコングニー、というフルコースでYOSHI-HASHI敗北。
真壁相手にほぼ全てを出し切って敗北したYOSHI-HASHI、オカダに苦言を呈されて変わった姿をこれからの公式戦で見せられるかがちょっと黄信号。真壁もただ今までと凄く変わった、というわけではないのでどこまでいけるか。あまり期待感のない結末でした。あとセコンドが着てる揃いのG1コスチュームがかっこいい。ちょっと欲しくなる感じでした。
「G1 CLIMAX 28」Aブロック公式戦 30分1本勝負
◯ハングマン・ペイジ【1勝=2点】
8分4秒 反則勝ち
✕バッドラック・ファレ【1敗=0点】
入場時いきなりの奇襲で始まったこの試合。いよいよファレ覚醒か?と思ったらリングに戻されたハングマン・ペイジがすかさずのトペ!やられっぱなしでは終わらないハングマン・ペイジ。しかし場外で暴れてペースを握るファレ。
「大田区のイスは折り畳めないし、硬そうですね」と的確かつ細かい指摘をする元井さん有能。「しかしですね?」と続けて長々とバレクラのストーリー説明するアナウンサー無能。ハングマン・ペイジが「26歳でキャリア10年」というプチ情報もはさんでいく元井さん。しかしそれはアナウンサーの役割だろう、という気が。
リングに戻るといつもとおりのファレ。なんかこう、鈍重なイメージが拭えないんですよねファレ。動きに重みがある、ともまた違うスローモーさ。あとやられたときの動きが軽いのか。
とか考えてるうちにタンガ・ロアがハングマン・ペイジの足を引っ張り、タマ・トンガと一緒に乱入してノーコンテスト。そこからELITEの面々+飯伏が救出に来るという展開。なんかこう雑な感じに終わった試合でした。でもまああのまま続いててもいい試合になったって感じでもないし、ハングマン・ペイジのナイスムーブが見れたってところでいいんじゃないでしょうか。
ミラノさん「飯伏はわけもわからずに助けに来たんじゃないですか?」
バカ扱いwww
「G1 CLIMAX 28」Aブロック公式戦 30分1本勝負
◯マイケル・エルガン【1勝=2点】
16分8秒 エルガンボム→エビ固め
✕“キング・オブ・ダークネス”EVIL【1敗=0点】
アメリカの自団体でスキャンダルが起きたせいですべてを失い、肉体改造してG1に臨んできたマイケル・エルガン。なんか昔のアメプロベビーフェイスみたいなコスチューム&体型になってました。ヘソが隠れるところにほのかな馬場イズムを感じます(違うか)試合は当然のようにパワー勝負に。力比べで相手を跳ね返す、ブリッジ皆無のバックロドロップ、バックエルボー連打と本当に90年台のパワーファイターみたいなエルガン。しかし終盤にはキレイなジャーマン、唐突なトペなども見せるエルガン。一方EVILも力負けしつつも右腕をアームロックで攻める。ロープ際のアームブリーカー、そしてエプロンからジャンプして鉄柵に叩きつけるアームブリーカーで徹底した腕攻め。
ここからEVIL攻め込んでいきますがダークネス・フォールを返されてのファルコンアロー、エルボーの打ち合いからエグいの連発したエルガン。ラリアットで反撃されますが、バズソーを炸裂させ、ジャーマンで投げられるもラリアットで返し、トップロープからの雪崩式ブレーンバスターからパワーボムでコーナーに叩きつけ、ラストライドからのエルガンボムで3カウントを奪ってみせました。オーバーキル!
とにかく力!力!力でEVILを押し切ったエルガン。しかしEVILが4度トライしたEVIL(ややこしいなこれ)を全部かわすなど、しっかりと相手の対策を練っていたことが伺えます。しかしエルガン、本当に全てが90年台アメプロパワーファイターの典型みたいでちょっとおもしろくなってくるほど。このパワーで最後まで突っ走って頂きたい。EVILもエルガンにはパワー負けしましたが、他のメンツには力押しできそうなので今後に期待。この試合からやっとG1っぽくなって面白かったです。
「G1 CLIMAX 28」Aブロック公式戦 30分1本勝負
◯棚橋弘至【1勝=2点】
13分59秒 ハイフライフロー→片エビ固め
✕鈴木みのる(パンクラスMISSION)【1敗=0点】
中村あゆみのニューバージョン「風になれ」&大海賊祭のオカダ戦をバックに入場の鈴木みのる。しかしアナウンサーは一切そこに触れず。触れてやれ!
以前のIWGPインターコンチ戦ではヒザを攻められて敗北、欠場に追い込まれた棚橋。今回もみのるに脚攻め、というかヒザ攻め。ヒールホールドをガッチリと極められて苦悶する棚橋。ロープに逃げようとするとリング中央に戻り、膝十字式でヒールを極めていくみのる。そこから腕まで極めていき、5分近くみのるが足を極め続ける展開に。そしてSTF、片逆エビ、そこから倒れてアキレス健。そしてちゃんと逆足もロックして締め続けるみのる。しかしやっと、なんとかロープエスケープする棚橋。ここまでず~っとみのるが棚橋を極め続ける、という展開。そして「これ内側の靭帯痛めたんじゃないかな~」と適当な解説するライガー。ライガー・・・。
そこから余裕たっぷりに張り手、ローキックで攻めるみのるですが、棚橋ドラゴンスクリュー、ドロップキック、ジャンピングエルボーで反撃。しかしローリングセントーンはかわされて再びアキレス腱地獄に。そして足四の字。しかし棚橋、裏返して回転して何とかロープに。ここで10分経過してますが、もう7~8分くらいみのるが棚橋を極め続けてるんじゃないか、というくらい圧倒的展開。
スタンドに戻っても掌底の連打で棚橋を追い込んでスリーパー、ゴッチ式パイルを狙うみのるですが何とかこらえる棚橋、グラウンドコブラで反撃、そして普段とは逆回転のドラゴンスクリュー。ここで一気に勝機を掴んだ棚橋、スリングブレイドからのハイフライフロー2連発で勝利をものにしました。う~ん・・・。
勝利した棚橋ですが、試合内容、展開については以前のインターコンチ戦からの進歩は特になく、逆ドラゴンスクリュー一発で勝った、という印象。しかしいきなりヒザへのダメージが大きくこれからのリーグ戦は苦しそう。みのるは負けはしたもののコンディションも良さそうなので、今日のダメージを引きずらなければ決勝進出を狙えそう。いい試合か、というとそうでもない。棚橋から執念と殺気を感じたかというとそこまででもない、内容と勝敗が全く乖離した試合でした。棚橋しんどい。
「G1 CLIMAX 28」Aブロック公式戦 30分1本勝負
◯ジェイ・ホワイト【1勝=2点】
25分36秒 ブレードランナー→片エビ固め
✕オカダ・カズチカ【1敗=0点】
髪を赤毛にし、コスチューム、テーマ曲もマイナーチェンジしてきたオカダ。ちょっと自由になった感じで好印象。ただちょっと脇役感が出てるような気も。
試合序盤はいきなり互いの必殺技を狙うくだりから始まるも、そこからはじっくりとした展開。ヘッドロックで締め上げていくオカダ、しかし場外での高速バックドロップからジェイのペースに。鉄柵に何度も叩きつけ、オカダのスタミナを奪っていきます。リングに戻ってもエプロンに顔面を叩きつけてリング脇のシートを剥がして首を絞めるなどエグくかつ渋い攻撃に終始。ダーティーファイト前回でオカダを倒しに行きます。
その後も変形フェースロック、鎌固めでじっくりとオカダを痛めつけていくジェイ、若いのに関節技主体のファイトで渋くかつワルいファイト。ニュージーランド出身ということで、ヨーロッパ系ヒールの流れをくんだどこかクラシックな闘いぶり。
しかしオカダも反撃に。ロープに振ってのエルボー、フラップジャック、フライングボディアタックと返していきます。しかしジェイもロコモーション式のハーフハッチで反撃。オカダもコブラクラッチで締め上げていく。ここにきて互角の攻防が繰り広げられていきます。
グラウンド式コブラクラッチでオカダをぐいぐい締めていくジェイ、そこに気後れする部分はなくのびのびと闘っていくふてぶてしさ。元井さん曰く今回のG1出場選手の中で一番若く、キャリアも浅いジェイ。しかしファイトは一番老成しているというか、オカダも落ち着いたファイトを繰り広げるので、このメインで一気に大人のプロレスになった印象。個人的には好感の持てる試合になってきました。
コンプリートショット、ジャーマンを返されるもチョップ連打で攻め込むジェイ。エルボースマッシュで返していくオカダ。ジェイもエルボーで返し、そして何とロープ越しにオカダをバックドロップで場外に放り投げる暴挙!ハーフハッチで鉄柵に叩きつけるとイスを持ち出して海野レフェリーともみ合いに!突き飛ばされる海野レフェリー!しかしイスごとオカダにドロップキックで撃墜され、ツームストンからのレインメーカー!しかし、そのときにジェイが海野レフェリーに裏拳!再びうずくまる海野レフェリー!そのスキに金的!イス攻撃!そしてブレードランナーを決め、ジェイ・ホワイトがオカダから勝利!いや~意外。とにかくジェイの海野レフェリーへの裏拳が全てを決めた試合でした。新しい!そしてそんなジェイにミラノさんがコメント。
ミラノ「犯罪者だよ~」
いや、それ言ったらレスラーみんな・・・ねえ。
まあ、フィニッシュこそちょっとアレでしたし、そもそもイスの取り合いから海野レフェリーが突き飛ばされた時に反則とってもいいだろ、という意見もあるでしょうが、ジェイ・ホワイトの良さがしっかりと出た試合でした。フィニッシュの流れも、現状でのジェイ・ホワイトのフィニッシュの弱さをカバーする説得力。それまでの試合運びは見事でしたし、サイコなギミックを抜きにしても、しっかりと技で魅せたヒール・ファイトを見せてくれました。
一方オカダも負けはしましたが、力負けした、という印象は一切残さずの敗北。このままリーグが進んでいけば確実に優勝候補ではあるでしょうし、引きずることもなさそうです。とにかくこのオカダ戦の勝利でジェイ・ホワイトが優勝候補の一角に食い込んできたことは間違いない、コクのあるいいメインイベントでした。
こうして過ぎていったAブロック初日。正直クオリティ的に満足したのはエルガンVSEVIL、オカダVSジェイの2試合くらいでした。他はまあ、乱入などあったにせよちょっと「すごい試合」とか「いい試合」とは言い辛いかなと。G1といえども全部がいい試合なわけはなく、20人参加しているので、なかなかクオリティを揃えるのは難しい。ただそこで、色んな楽しみ方ができればいい。1方向の試合が5つ続くのは辛いですから。ただ、以前に比べて反則に寛容だったり、ユニット争い、軍団抗争が公式戦に持ち込まれることが増えてきたように思います。
だからダメ、とかではなく。G1だけど軽い気持ちで楽しんでいけばいいのかな、とそのように考えさせられた興行でした。とりあえずジェイ・ホワイトはいい!