11月9日、後楽園ホールで行われた「まっする3~必殺技大乱発~」をWRESTLEUNIVERSEで観戦しました。最近まあまあ仕事が忙しく、その日も興行開始までに帰れず、仕事を片付けて帰宅したのが夜9時。twitterでそこそこ実況も見てしまってましたが、そこから見始めた3時間弱。今回も最後まで面白く見てしまいました。WRESTLEUNIVERSE見逃し配信はこちら。
【見逃し】まっする3~必殺技大乱発~ https://t.co/tL1tmtI3Z0 #wrestleUNIVERSE
— 男マン (@otokoman) 2020年11月13日
#ddtpro #ひらがなまっする
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2・9次元ミュージカル~必殺技大乱発~
今回軸になったのは今年3月のまっする2から始まった2・9次元ミュージカル「必殺技乱発」。プロレスの必殺技を擬人化(擬神化)したキャラクターをDDT主力選手が演じてます。ちなみにキャストは
投げ技系必殺技の神:思切投太郎(竹下幸之介)
関節技系必殺技の神:膝十字欣也(彰人)
飛び技系必殺技の神:高久辛飛光(上野勇希)
打撃技系必殺技の神:野球棒振正(勝俣瞬馬)
丸め込み系必殺技の神:丸目込松(平田一喜)
この、天上に住む「必殺技男子」たちが下界のプロレス界に転生して闘っていく、というストーリー。途中で歌も踊りもあり、敵のパイプイス男子との闘いもありプロレスという題材を軸に展開するミュージカル。展開を超ざっくりと振り返ると、マンガで今までのあらすじや設定を説明してからのOP。リンドバーグのBelieve in loveカバーに乗せてのキャスト紹介がかっこいい。映像が強い!
そしてリング上ではいきなり必殺技男子同士のBL的サービスシーンから始まり・・・。(ちなみに二人はただ抱き合ってるのではなく、トレーニングの補助をしようとしているところです)上野の演技が妙に巧いというか、ちょっと二次元っぽい。
彰人、勝俣、平田も登場。必殺技男子がわちゃわちゃしてるうちに敵となるパイプ椅子男子総帥コクヨ・カズサダがバルコニーから登場。悪役が似合う樋口!
元ネタは同じくバルコニーから登場してた「ハッスル」の高田総統か。パイプ椅子男子は樋口和貞、翔太、渡瀬瑞基、趙雲子龍、そして欠場の吉村直己に代わってMAO。
あれやこれやで小競り合いになりますが、闘いの結果パイプ椅子男子を撃退した必殺技男子の歌とダンス。振り付け覚えるの大変そうですが五人ともちゃんと踊ってました。
ちなみに後でパイプ椅子男子にも歌とダンスパートが。サウンドプロデュースがRAMRIDERなだけに本格的。アルバムも販売してるのが凄い(11/18より公式サイトで販売予定)コンセプトだけじゃなく、グッズ展開もCD、ポートレート、同人誌と2.5次元ミュージカルばりの多角展開。とことんやりきる姿勢が素晴らしい。
一方必殺技男子は地上に転生、プロレス団体DDT(ちなみに架空の団体、ドメスティック・ドタキャン・チームらしいです)の練習生に。一方DDTの大社長(納谷幸男)に解雇された砂田延彦(男色ディーノ)とOB、韮山崎一夫(DJニラ)のもとに新団体設立をもくろむ副社長ユウキ・ザ・ロック(ユウキロック)が登場。ちなみにユウキロック、毎回内藤哲也のテーマ曲「STARDUST」で登場するんですが、今回はSTARDUSTの曲に乗せて歌いながら登場。この歌詞がとにかく秀逸。
俺はスターダストジーニアス
20代でIWGP
戴冠する その夢を
オカダに 邪魔されたG1で初優勝した
主役は俺だと吠えた
ファンにそっぽを向かれた
ドーム セミに降格(RAP)
オカダはドームで金の雨
俺大阪でブーイングの雨
ハボンから逃げてメキシコ
思い出すのばヤマトナデシコ
言葉分かんねぇスペイン語
そこで出会ったロスインゴ
かましてやるぜこの1本
今に見てろよ新日本
内藤哲也の進化論
オマエら見とけよカブロン今じゃドームも大歓声
あの大阪も大歓声
全国どこでも大歓声
これがオレだ!
デスティーノ!
プロフェッショナルに出た
棚橋出てない
プロフェッショナルに出た
棚橋出てない(台詞)
「2013年の悔しさがあったから今の内藤があるんや!」
勝手に歌詞を乗せてるにもかかわらず内藤哲也愛溢れる内容。ちゃんと内藤の葛藤が表現できてる。ちなみに作詞もユウキロック。ちょっとユウキロックのラップの発音がアレなためいまいち聞き取りづらかったですが、ほんとにこの曲、この歌詞で入場してほしいくらいのいい歌。
そして新団体の説明を延々とするユウキ・ザ・ロック。「ロープに飛ばないスタイル」、「国際色&格闘色」、「スポンサーにメガネスーパー」、「賛同する有名人・糸井重里」などの藤原組&リングスネタも含めた不穏なワードを散りばめたパワーポイントでの説明から新団体のロゴはこちら。
「ゆ」インターwwwww。言わずとしれたUWFインターナショナルのパクリロゴ。今回の裏テーマは「高田延彦」か。
結果、砂田延彦を新団体に迎え入れ、転生していたパイプ椅子男子(なぜか趙雲のイス・モノボケ6連発特訓中)とも手を組んだユウキ・インターはDDTとの全面抗争へ。趙雲のモノボケは普通に面白かったです。ただどっかに翔太による海野レフェリーのモノマネもブチこんでほしかった。超似てて面白いんですよまじで。
砂田率いるユウキ・インター軍がDDTベテラン軍に勝利(ヒクソン戦の高田の構え!)まだ練習生のため、リングサイドで見守るしか無い必殺技男子。勝ち誇るユウキロック。しかしその前に立ちはだかったのは・・・。
サプライズ系必殺技の神!不意突三!
10・9新日本プロレスvsUWFインターナショナルのように、徹底的な武藤ムーブ。ドラゴンスクリューからのラウンディング・ボディプレス(ちゃんといつもの遠藤と違って低空!)で砂田延彦らパイプ椅子男子を蹴散らした不意突三、必殺技男子たちに「先輩の無念を晴らすのはお前らだ!」と言い残したことで、必殺技男子とユウキ・インターナショナル軍の全面抗争に。DDTのスタイルを全面否定するユウキロックの提案でルールは5VS5の勝ち抜きグラップリングマッチへ。
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勝ち抜き5vs5グラップリングマッチ「2.9インテット」
ユウキロック「2.9インテットルール・・・。要はクインテットルールです」
QUINTETとは桜庭和志が立ち上げた組み技の5vs5抜き試合。高専柔道のルールを生かした、寝技の団体戦です。何度か興行を行っており、先日の後楽園大会に柔道オリンピック金メダリストの内柴正人が出場したことで話題になりました。
そして言いたいことを言ったユウキ・ザ・ロック、パイプ椅子男子の面々と「ロスインゴ締め」をして退場。このポーズ!
ユウキ&パイプイス男子達がが去った後、リング上に残された必殺技男子たちは闘いへの覚悟を語りますが、一人不安そうな投太郎に飛光が声をかけると、ユウキ・ザ・ロックの言葉を反芻しているような投太郎。
投太郎「俺たちが信じて闘ってたプロレスって、なんなんだろうな。間違っていたのかな」
飛光「投太郎さん、顔を上げて、見上げてみてください。ここにいる、一人ひとりのお客さんが、小さな星なんです」
振正「この、暗くて、冷たくて、寂しい夜空の毎日を、投太郎さんが頑張ってる姿を見て、小さく輝いてる星たちなんです」
欣也「その一つ一つの小さな星達が、大きな夜空にひしめき合って、今度は、僕達を照らしてくれる」
込松「応援してるよ、ガンバレ、体に気をつけて、って。大丈夫です、僕たちは大丈夫。この星たちに照らされている限り。」
投太郎演じる竹下幸之介は、11月3日、DDT大田区体育館大会で秋山準とシングルマッチを闘って敗れたばかり。自らの闘いに疑問を感じるようなシングルマッチ野後にこの台詞&他の必殺技男子の回答。このやりとりに、台本を書いているマッスル坂井の思いを私は感じてしまいました。
5年前の実質マッスルだった「#大家帝国主催興行」で、竹下とシングルマッチを闘ったマッスル坂井は試合後に
お前はいいやつだけど、時には周りを気にせずにやりたいことやらなきゃいけないこともある、お互いに頑張ろう!
言葉を送っています。
そしていよいよ寝技の5VS5対抗戦。この模様、前半戦部分だけですがYOUTUBEでアップされてるのでぜひご覧ください。足関節禁止ルールではありましたが、それぞれの選手のバックボーンが伺える試合形式でした。
特徴的なのは、チーム戦で引き分けると両者失格になること。なので、いかに力が劣る選手が勝る選手を引き分けで失格にできるか、というのが鍵になるルールです。いやがおうでも団体戦として協力しあわないと勝てないだけに、それぞれの団結力が試されます。
少林寺拳法&アマレスの経験者である彰人と柔道、相撲の経験者樋口の対戦、柔道経験者のMAO、柔術経験者の上野の対戦が印象的でした。彰人を極めきった樋口、上野を飛びつきの胴締めでタップを奪ったMAOの活躍もあって、ユウキ・インター軍が副将の樋口、大将の渡瀬、二人残しで勝利。終わった後はノーサイド。互いに健闘をたたえ、解説に入った青木真也もこの闘いを讃えました。
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マッスル坂井の想い、そして大団円
ユウキ・ザ・ロックが選手たちに感謝して納谷、今成もリングに。そしてマッスル坂井似マイクが渡されました。
え、本日はこのような状況にも関わらず、沢山のご来場,本当にありがとうございました
えー、なんというか、みなさんに対して、こういう試合というか、こういうものを今やったほうが良いんじゃないかというか、今のDDTのみんなに今やってほしいという、それをやってくれたみんなと、目撃してくれたお客さん、本当にありがとうございました!
素晴らしい闘いだったというか、これを見てほしかったというか、言葉に表せないので、といってパワーポイントのプレゼンテーションへ。
パワーポイントは「まっする」の振り返り。第一回ラストは漫才対決、そしてそれから2.9次元ミュージカル。若い頃「マッスル」をやってきたマッスル坂井、自分たちは本当に、たくさん怒られたけど楽しかった。マッスルはマッスルとしての闘いがあって、それをみんなとも共有したかった、それで後楽園ホールに立てた。
でも、この一年で状況はあまりに大きく変わってしまった。
声援、紙テープ、フルに客席を埋めること、差し入れ、場外乱闘禁止。そして「故意の爆笑の誘発も禁止」という項目(これは後楽園ホールの禁止事項なんでしょうか?)だから我々はスベってるわけじゃない。誘発しないようにしてる。
しんどくないすか?
しんどいよ!ずっとしんどい。
やんないのもしんどいけど、やるのもわかんない。
もう、みんなも、お客さん達も、応援してる選手に声出せない。自分たちの応援は果たして選手に届いてるんだろうかって思いません?思いますよね?
選手の皆さんも、自分たちはその応援に応えられてるのかって心配じゃないですか?だよね。やってるもんずっとさ。
こないだの大田区だってさ、おとといの東京女子だってさ。あんだけ試合やってるけどさ、やっぱちょっと寂しくないすか?やってて。
オレ、みんなの試合ずっと見てて、なんでもっと盛り上げてやれないのかなって思って、悔しくて悔しくてしょうがなくて
今日だってあんだけ皆練習して面白いことやって、もっとウケたって良いんだよほんとは。
皆は悪くないよ。お客さんも悪くないよ。なんかが悪いんだよ。でも
試合する方だって見る方だって寂しいんです、ほんとに寂しいよ
ここでササダンゴマシンが手伝った純烈のオンラインラウンドを紹介。ステージから純烈のメンバーが「#純烈」のタグを付けてくれたフォロワーに「いいね」をつけるシステム。「純烈の専売特許になる前に」ひらがなまっするでも採用することに。
選手達がツイッターを検索して「いいね」をつける時間を10分間設定。そしてその10分間、選手がツイッターを見てしまうので、リング上が空になってしまう。その間誰かがプロレスをやってつなぐことに。というわけで
DJニラ&男色ディーノ決定!
というわけで選手たちがツイートしている間に「闘いの要素が一ミリもない」試合が繰り広げられ、なんとDJニラがタカタニック炸裂で男色ディーノから勝利!
なんと「いいね」しすぎで運営から操作を止められるハプニングもありつつ無事に「いいね」タイムが終了。最後は全員でリングに上がり、樋口の「ひらがな~まっするまっする」で締め。感動の大団円を迎えました。
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まとめ・感想
こうして大団円で終わったひらがなまっする3。今回はDDTの選手たちが互いに寝技での対抗戦を行い、実力を見せたこと。そしてコロナ禍での興行について、マッスル坂井の心の叫びが印象に残りました。
未だにコミカルなファイトが入っていることで一部ファンにはなめられがちなDDTの選手達。(ちゃんと見てればそうは思いませんが)マッスル坂井は彼らの実力を証明して見せたかったのだと思います。自分たちが若い頃にやっていた「マッスル」を若手に味わって欲しい、という考えと、もっと彼らが世間に伝わってほしい、というもどかしさ。さらに今のコロナ禍での観客の状況。それらがあいまって今回の興行になったように思います。
マッスル坂井は、「マッスル」では凄いものを作るために周りを振り回したり、興行中に喧嘩になることもあった。しかし今では若手のための「まっする」を作り上げている。マッスルから見ている自分はそれが感慨深かったです。そのことが伝わってくるような今回の「まっする3」でした。感動しました!