男マンの日記

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衝撃の庵野秀明スペシャル!3月22日、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」が面白すぎました。

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クセの塊、庵野秀明に密着するという荒行!

先日NHKで放送された「プロフェッショナル仕事の流儀スペシャル」を見ました。

しかし、番組冒頭で「この男に安易に手を出すべきではなかった」とナレーションで入る異例の攻勢。とにかく尻尾を掴ませないと言うか、飄々とした庵野監督。もう60歳か~。と感慨深いものがありますが。とにかくこの番組、4年にわたって庵野秀明に密着したドキュメンタリー。

4年て!と思いますが、そもそもエヴァンゲリオンの新劇場版、序が公開開始したのが2007年。破が2009年、Qが2012年。そして今回のシン・エヴァンゲリオンが2021年。Qからは8年ちょっと、序からは13年半経ってるわけで、ことエヴァに関しては時間の単位がおかしくなるような感覚があります。

私もTV版からひと通り見ていて今回のシン・エヴァも見ましたが、なんというか、一つの作品が終わったというのとともに、自分の人生これだけ時間が経って歳を重ねたんだな、としみじみする感情もありました。TV版の放映が1995年、庵野秀明が35歳の時だったと考えるとそこから25年経ってるわけで。エヴァンゲリオンという子供が生まれ、成長し、卒業するまでの年月を共に過ごした、親戚のように思い入れがある作品でした。

そしてさすがに4年も密着したからには、ということで75分スペシャル。通常の22時開始ではなく19:30開始という異例の事態。金文字で「庵野秀明スペシャル」というロゴも表示される力の入れようでした。凄い! 

 神出鬼没の庵野カントク!振り回されまくる周りの大人!

しかし、その取材は一筋縄では行かない展開。会社には現れず、現れても寝ていたり、ふらふらとさまよっていたり、心ここにあらずだったりととにかく掴み所がない。合宿を張ってもスタッフの案を「わからない」とあしらう。そして、とにかく庵野秀明のやることは監督としてやってはいけないことばかり

  • 絵コンテがないほうがいい、と否定
  • 案を出されてもとにかく決めない
  • 困惑しまくるスタッフ達

そしてモーションキャプチャーの撮影に入ってもカメラアングルを模索しまくる。本来絵コンテが確定し、尺もアングルも決めてから撮影に入らないとスタジオ代と俳優の人件費がムダにかかってしまうのでこれはかなり贅沢な手法。このように「迷う」のにもカネがいるわけで、大きな予算がかかっていることがわかります。さすがエヴァ。この作り方が出来るのにはパチンコ&パチスロも貢献してるように思います。

その後もスタッフが「戸惑いの渦に溺れて」いる中で庵野監督自身がアングルを決め、編集作業を行っていく。「今までにないもの」を求めて。監督いわく

「もう何十年もアニメを作っているのでルーティンになっている、今までの作り方でやったら、3本の劇場版の延長にしかならない、新しいものになる確率は凄く低い、それが嫌だった」と語りますが、それは茨の道。ひたすらカットを探って編集していく求道者のような姿。他のスタッフの作業を否定していたのと同じレベルで自らの作業も否定していく。そして、これは編集だけにとどまらず、Aパートの脚本を書き直し、Dパートの脚本もギリギリまで固まらない。莫大な作業をしてからのやり直し。決定しない部分を残したままの作業。スタッフはたまったもんじゃなかろうと思います。

ギリギリまで粘っての脚本完成。人を傷つけても自分を貫く。自分自身よりも作品を優先する。そんな庵野監督をスタッフも知っているからこそ振り回されてもついていくんだろうな、と思わされました。 

   

関係者たちが語る庵野秀明像

今回、いろいろな関係者が庵野監督を語っていました。特に印象に残ったのが妻の安野モヨコ。偏食のカントクの面倒を見て料理を作り、食べさせ、「人になれない動物をしつける、なついてもらう」というような感覚でつきあってきた彼女。実際、著書の「監督不行届」ではその様子が詳細に描かれています。 

監督不行届 (FEEL COMICS)

監督不行届 (FEEL COMICS)

 

 お菓子をひかえさせ、ご飯をゆっくりと食べるように教え、運動するためにサイクリングにつきあい・・・。ととにかく子供をあやすように、とともに自分が子供な部分もカントクと共有し、成長していく。ほんとにいい夫婦だなぁ...。

 

そして、さらに印象的だったのは三石琴乃、宮村優子の評価。三石琴乃は

「使徒みたいな人、大きくて、手は長くて、顔は可愛い。でも街一つふっとばす」

そして宮村優子は

「女性っぽい。少年っぽい心を持ってるけど、少女もそこに同居している。少女少年」

結果、シンジも使徒も庵野監督だったのか・・・。

 

その後庵野監督から自らの生い立ちが語られ、父親が足が不自由だったこと、そこから欠損に惹かれ、鉄人28号にハマったこと、アニメを描くようになっていったことなどが語られていきます。自分が好むものがどこかいびつだという自覚。

 

映画完成後、「なぜここまでやるのか」と問われた庵野監督、「これでしか人の役に立てないから」と言い切った姿にはぐっとくるものがありました。

   

番組ハイライト

というわけでしっかりとした作りだった番組ですが、4年間密着しただけあって名場面続出でした。名場面をただひたすら箇条書していくとこんな感じです。

  • オープニングで吠える演技する庵野監督
  • オープニングでダブルピースする庵野監督
  • 庵野監督の脚本を読んだ樋口真嗣、踊りながら「置いていかないで~」
  • 庵野監督を「使徒ちゃん」って呼ぶ三石琴乃
  • 「内緒なんですか?」と聞かれ、「内緒なの」とかわいく応える庵野監督
  • 庵野監督に作業を任され、戸惑いの渦に溺れる鶴巻和哉
  • 監督との生活を「あんまり人に懐かない動物をしつける・・・」って言っちゃう安野モヨコ
  • 庵野監督の「監督不行届」に出てきたお菓子ザー食い。
  • 「なんで監督と仕事してるんですか?」と聞かれて悩む山下いくと
  • 林原めぐみがレイの演技中、監督の指示に思わずレイの声のまま「ハイ」って言っちゃうところ
  • 時が経つほどに諦念の表情が濃くなっていく鶴巻和哉
  • ラストシーン、かわいく顎に指をあてながら「プロフェッショナル」って番組に付いてるの嫌い」って言い放つ庵野監督

 

まとめ・庵野秀明=アイドル説。 完全に「自分を可愛いと思ってる庵野監督」という安野モヨコが証明され、それをわかってるのが安野モヨコと宮村優子だったんじゃなかろうか。と思いました。周りの大人達もかわいくてよかったです。

 まとめ&感想

結果、4年間かけて映画ができるまで追ったわけですが、庵野秀明の周りの大人達が振り回され、困惑し、でもついていく。そんな4年間だったように思います。周りがついていくだけのものを庵野秀明が持っている、ということを描き出したこのドキュメンタリー。またちょっと映画を見たくなりました。

実際、この番組の未公開部分とかを編集して一本の映画になりそうなくらいの濃厚さ。そして、映画本編とシンクロする部分もありました。庵野秀明という人は、その周りの人々がいて庵野監督でいられる。でも庵野監督じゃないとエヴァンゲリオンは作れなかった。それがずっしりと伝わってくる番組でした。面白かった...。面白かったです。製作者の方々、お疲れさまでした...。 

   

高畑勲の「かぐや姫の物語」ドキュメンタリー。
こちらも周りが振り回されまくります。 必見!

otokoman.hatenablog.com

   

2021年4月29日「さようなら全てのエヴァンゲリオン」放送

2021年4月29日、先日のプロフェッショナルの再編集版「さようなら全てのエヴァンゲリオン」が放送されました。構成としては、基本線は保ちつつ周辺のスタッフ取材、庵野秀明の地元でのエピソードを増やし、さらに公開直前、コロナ禍の中での制作末期の状況を詳しく描写していました。たた全体の印象はさほど変わらないので、プロフェッショナルの部分も含め、印象的な画面について語っていこうと思います。

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学生の前でゲストとして公演したあと、公演中に「夢はあったほうがいいですか?」と質問してきた学生にサインを書きながらのひとこと。

「あっ」っていう時に夢がぱっと見つかるよ」っていい言葉だな~。夢をムリヤリ探して生きるんじゃなく、自分の興味に忠実ならそれが夢になる、というのが大意かと思います。

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作中の村のシーン用ミニチュアを何度も自分の手で監督が直しているシーン。そんな特に意味はないですが、なんとなくウルトラマン感あったんで載せてみました。ちなみに庵野監督本人がウルトラマンを演じた「帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令」は、「庵野秀明 実写映画作品集 1998-2004」2収録されてます。 

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モーションキャプチャーでカットを模索するシーン。しかしスタジオを「模索」のために抑えられるっていうのはそうとうカネかかってるんだろうな~、贅沢な作り方だな~と思いました。普通は撮るものしっかり決めてやるよな~。

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「自分の外にあるもので表現をしたい」と言いながら、スタッフがつくってきたものを「最終的には自分で全て塗りつぶしてしまう」という庵野監督。このアンビバレンツな、分裂したところも監督らしい。しかしカネかかるしスタッフ大変だし色々大変だなと。

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そしてこの名場面。「脚本の修正が進まない上に「神様が降りてこない」というコメントする庵野監督と横で死んだ目をしている鶴巻監督」改めて見ても完成度高すぎます。この手のシーンが今回はちょいちょい足されてるのも見応えありました。

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そして、さんざんスタッフが試行錯誤して作ったシーンをばっさり斬る宣伝担当のスタッフ。プロフェッショナルでは「スタッフからのアンケートを文字表示」で処理されてたと思うんですが、今回ハッキリと使われてました。さんざん試行錯誤してるシーン魅せてからのこれ。ある意味痛快でちょっと笑っちゃいました。

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庵野監督の名言というか。「監督の仕事に必要なのは覚悟だけ」「全部自分のせいにされる覚悟があるかどうか」全部背負った結果精神病んだり色々と大変なことになったりした庵野監督ですが、しかしまたこの覚悟があるからスタッフを散々振り回しても付いてくる、というのも確か(もちろん作品クオリティ、世間への影響、報酬などもあるとは思いますが)

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そしてなんだかんだで完成後の試写会で深々とスタッフに頭を下げる庵野監督。そして試写会後にスタッフをねぎらう。最後に夫婦のシーンが有って、これはいい夫婦だな、と思わせる空気感でした。

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しかしその場でも仕事してた庵野監督。最後までらしいままで番組も終わっていきました。次はウルトラマン、仮面ライダー、これからも監督の作品が見れる。そして、又改めてシンエヴァ見たい、と思わせてくれる番組でした。なんというか、関係者全員にお疲れ様と言いたい。濃厚な番組でした!

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