男マンの日記

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追悼 青木篤志。全日本プロレスの達人がこの世を去った日。私が見た青木篤志を振り返りました。

2019年6月4日朝、全日本プロレス所属、第51代世界ジュニアヘビー級チャンピオンの青木篤志が4日未明、首都高速道路のトンネル内でのバイク事故で亡くなったことが報道されました。

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それに伴い、全日本プロレスも会見を開き、秋山準社長が自らの口で青木篤志の死去を改めて報告しました。

3日深夜に警察から団体広報に電話があり、青木篤志が事故にあったという報告だったのですぐに駆けつけた秋山。しかし「事故にあった」としか伝えられなかったので、亡くなったことを受け入れられなかったと語り、青木について話しているうちに感情が溢れ出して言葉に詰まる場面も。思いが伝わって来てしまい、見ているだけで涙をさそわれる会見でした。

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私自身の話をすると、プロレスを見始めたのは四天王時代の全日本プロレス。三沢、川田、小橋、田上の闘いに手に汗握ったものでした。しかしそこからUWF系、格闘技を見るようになり、ノアと全日本に別れたこともあり、そのうちどちらも見なくなっていきました。

 

そしてプロレスを見ない日々がしばらく続き、このブログを始め、久しぶりに全日本プロレスを会場で見たのが2015年4月11日。まだ全日本が勢いに乗る前。実際こんな感じの客入りでした。

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しかし、この日のメインはチャンピオンカーニバル公式戦だった諏訪魔VS潮崎豪。このカードでガラガラだったのが、全日本プロレスのどん底感を表してると思いますが、この日のメインで諏訪魔のセコンドについていたのが青木篤志でした。

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そして、2015年の7月にはKENSO、9月には潮崎豪、11月にはあけぼの、鈴木鼓太郎、金丸義信が退団と、全日本プロレスは潰れるんじゃないかという状況に陥り、しかも2016年1月2日、諏訪魔が秋山準とのタイトルマッチでアキレス腱を断裂、ほんとうに団体存亡の危機に陥ることになりました。

自分はもともと全日本プロレスのプロレスが好きだったし潰れてほしくない、という思いもあったので定期的に観戦していました。

2016年2月12日、Jr.BATTLE OF GLORYで南野タケシと両者リングアウトに終わり悔しがる青木。この日、空位だった三冠ヘビー級選手権がゼウスと宮原健斗で争われて宮原戴冠。ここから宮原時代が始まりました。

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その後、青木篤志は2月21日大阪大会で佐藤光留を破り、Jr.BATTLE OF GLORYで優勝して第39代世界Jrヘビー級チャンピオンに輝きます。これはその後、千葉BLUE FIELD大会でのベルト姿。

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そしてここから徐々に全日本プロレスの観客動員も増え始めます。これは2017年3月12日、Jrヘビーのレジェンド、ヒロ斎藤とともに勝ち名乗りを上げる変態自衛隊。

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近年はEvolutionとして常に諏訪魔を支えてきた青木、諏訪魔と大仁田の抗争が勃発し、根岸の倉庫で決着戦が行われた時も電流爆破デスマッチにパートナーとして参戦しました

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 そしてジュニアヘビーでも抗争が勃発。一旦フリーになり、Wrestle-1に参戦していた鈴木鼓太郎が全日本に再び参戦、青木と戦うために帰ってきた、と豪語していた鈴木鼓太郎。鼓太郎がいないときに全日本プロレスを支えてきた自負のある青木、佐藤光留と対立してバチバチの抗争を繰り広げます。

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その年の王道トーナメント一回戦で激突した両者はその日のメインイベントで素晴らしい戦いを見せます。ダイジェストですがこちら。

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そのときのエントリはこちら。自分もこんなこと書いてました。

ジュニアとはいえ、あまり飛び技に頼らない2人の「重い」攻防は充分メインを張れるものでした。青木は「オレに負けたら全日本から去れ」と鼓太郎に言っていましたが、この試合を見てしまうと何度でも見たくなってしまうという皮肉。二人の歴史を感じる名勝負でした。

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そしてこの後マスクをかぶって試合をするようになり、コスチュームも今のものに変更。その後再び世界ジュニア戴冠、8月に岩本に敗れて手放し、そのときにマスクも脱ぎました。

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そして今年の5月20日、後楽園ホール大会で岩本煌史を降して本人4度目の世界ジュニアヘビー級チャンピオンに輝きます。私が生観戦したのはそのひと月前、4月29日のチャンピオンカーニバル後楽園大会になります。この日の後楽園ホールは超満員。自分が見始めた頃と比べると隔世の感がありました。

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試合は石川がヴァレッタを抑えて勝利。諏訪魔の手を差し上げて勝ち名乗りをあげる青木篤志。自分が最後に見た青木篤志は、諏訪魔の隣にいました。

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5・20後楽園ホールでコメントを発した青木篤志、この前に佐藤光留からの挑戦表明を受け、それをうけてのものでした。

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今までジュニアは佐藤光留と俺で引っ張ってきた。俺らが中心になってやってきたという自負がある。申し訳ないが、誰がなんと言おうと俺は負けるつもりがない。ただ、これを次どうしていくか。それは他の人間のやる気と実力次第でしょう。でも俺はベルトをまた持った以上は、この世界ジュニアのベルトを獲りたい、世界ジュニアを獲って俺は全日本のトップになる、俺は世界のトップになる……そういった志を持った人間と防衛戦をやっていきたい(以下略)

引用:バトル・ニュースより

battle-news.com

結果、その先を見せる前にいなくなってしまった青木篤志。しかし、この日のタイトルマッチは十分「その先」を見せてくれた凄い試合でした。現在新日本プロレスのベスト・オブ・ザ・スーパージュニアが行われています。世界からハイフライヤーを集め、いろんなスタイルの選手が集まった豪華なリーグ戦。その陣容の厚さには全日本ジュニアは敵わない。

そのなかで、全日本プロレスのジュニアヘビーではより技を研ぎ澄まし、互いのスキを狙って瞬時に仕留める、という方向を示した試合がこの青木篤志と岩本煌史の世界Jrタイトルマッチなのだと思います。その方向だけ示して青木篤志は去ってしまった。その次を担う選手は岩本なのか、光留なのか。それとも岡田か。青木と共に戦った選手、対戦した選手、育てた選手が全日本ジュニアを、全日本プロレスを背負っていくでしょう。

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本当に危機的状況にあった全日本プロレス、いろんな選手たち、観客、スタッフの尽力で後楽園満員が当然、という状況になって「さあ、これから大会場をもう一度、そして新日本プロレスに追いつく道を」というところでこの世から去ってしまった青木篤志。青木の試合、技を絞り、相手のスキを狙い、一点集中攻撃からどの技でも勝ちに行ける、というスタイルは現在唯一無二のものだと思います。青木の試合は技以外の部分でもじっくりと見たくなってしまう、そんな「見させる、考えさせる」魅力がありました。

ヤンチャな諏訪魔と難しい佐藤光留、突っ走りたがる岡田の間に立ってEvolutionの中で大人として振る舞い、まるっとまとめ役を担っていた青木篤志。ゆったりと微笑んでいる彼がもういない。志半ばだったでしょうが、ご冥福をお祈りいたします。沢山プロレスで楽しませて頂き、ありがとうございました。

 

現状、YOUTUBEで(違法アップじゃなく)無料視聴できる青木の試合をまとめました。青木篤志というレスラーがどんなファイトをしていたか、初見の方がいらしたらぜひご覧ください。

 

   

 

2009年6月13日 青木篤志vsミラノコレクションAT

 青木がノア時代、2009年に参戦したBEST OF THE SUPER Jrより、青木篤志VSミラノコレクションAT戦。現在は司会者としての顔が強いミラノですが、現役時代は頭脳派レスラー。青木はまだデビュー4年目。この時点で9年目のミラノに挑む、という試合になっています。しかしミサイルキックや腕攻めなどには現在に至るスタイルが既に出来かかっている、と言えるでしょう。

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 2015年5月1日 青木篤志vs中津良太

 DDTプロレスリングの若手団体だったDNAで、プロレスリングBASARAのチャンピオンにもなった中津良太とのシングルマッチ。新人の中津に比べ、10年のキャリアを持つ青木の教育マッチ的な展開に。しかし中津も蹴りで食らいつくなど意地を見せる展開でした。青木の腕攻めのバリエーションに唸る試合でした。 

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2016年5月18日 青木篤志&野村直矢vs秋山準&青柳優馬

 付き人を務めていた秋山準と、自らコーチを務めていた野村直矢、青柳優馬と4人でのタッグマッチ。全日本プロレスが少しづつ勢いをつけてきた時期でもあります。若手の教育マッチでもあり、師匠ともいえる秋山と対戦するこのカード、随所にらしさが垣間見える試合でした。

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また、ノア時代にはザック・セイバーJrと試合したりもしているので、そこら編は各自調査でお願いします。全日本プロレスでのここ最近の試合は、全日本プロレスTVで見ることが出来ます。月額900円なので、一度スナック感覚で入ってもソンはないはず! 

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そして入ったらとりあえず以下の2試合は見て欲しい!

2019 SUPER POWER SERIES 2019年5月20日 東京・後楽園ホール

世界ジュニアヘビー級選手権試合
【第50代王者】岩本煌史 VS 【挑戦者】青木篤志
※第50代王者・岩本煌史 3度目の防衛戦

上に書いたとおり、これからの全日本プロレスJrの行く先を示した試合。互いにスキを狙うような試合になっています。

2019 Champion Carnival[開幕戦] 2019年4月4日 東京・後楽園ホール

2019 Champion Carnival 公式戦 Aブロック 30分1本勝負
宮原健斗 VS 青木篤志

現在三冠チャンピオンの宮原健斗とのチャンピオンカーニバル公式戦。宮原を翻弄して勝利を狙う、青木篤志の真骨頂、と言ってもいい試合でした。

2019 EXCITE SERIES 2019年2月13日 岡山・ホテルセントイン倉敷

2019 Jr. BATTLE OF GLORY 公式戦 Bブロック 20分1本勝負
青木篤志 VS 佐藤光留

実現するはずだったタイトルマッチ、青木篤志VS佐藤光留、現状最後のシングルマッチです。

 

と、まだまだあるような気はしますが、とりあえずここまでにしておきます。青木篤志というレスラーがいた。我々はその試合を動画で見ることができます。ここまでお付き合いいただいた方、ありがとうございました!青木篤志選手、改めて、ありがとうございました。