男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

7・14 新日本プロレス大田区大会 棚橋弘至VS KENTA! 帰還のマイクアピール!

初戦に引き続き、G1クライマックスAブロック2戦目、大田区大会を新日本プロレスワールドで観戦したので感想をまとめていきます。初戦はアメリカのビッグイベントとして行われたので、通常使用のG1クライマックスはこの大会が最初。ちなみに初戦の感想はこちらから。ザック・セイバーJrvsSANADAが凄かった!

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先日Bブロックが行われた大田区での連戦。この日はなんといっても棚橋弘至vsKENTA。KENTAはそもそも出身は全日本プロレス→プロレスリング・ノア。そこからヒデオ・イタミとしてWWEに進出してからケガ続きだったこともあり日本に復帰するときに選んだのが新日本プロレス。奇しくも新日本プロレス出場を会場で発表したのが三沢光晴の命日だったことで叩かれたりもしましたが、初戦は飯伏幸太から勝利。試合内容については全盛期(ノア時代)と比べてウエイトアップした分キレが...という気もしましたが、スター的オーラ、大物感はまとって帰ってきた印象でした。

自分のようにムダに長くプロレスを見ている者としては、全日本プロレスvs新日本プロレスという構図をあてはめてしまうこの対戦。新しいものが見れるのか。期待しながらの観戦となりました。まあ、PCですが・・・。

 

第5試合「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦

〇ランス・アーチャー【2勝0敗=4点】
(10分12秒  EBDクロー)
✕バッドラック・ファレ【1勝1敗=2点】

 ざっくり言うと「新日本プロレスでっかい外人担当NO1決定戦」のこの試合、変わりつつあるアーチャーといつも通りのファレ、その差がまんま出た試合となりました。

大きい外国人同士の対決となるとゆったりとした試合に鳴りがちですが、開始早々アーチャーがスピアーから場外戦に。しかし外道の介入でファレがアーチャーを客席に叩き込むとファレのペースに。

場外で痛めつけ、リングに戻ってもストンピング、踏みつけと攻勢に出ますが、エルボーはかわされてアーチャー反撃モードに。

ショルダータックル連発にラリアット、フライングボディアタックとたたみかけてのロープ渡りに。しかしこれは外道の竹刀で阻止され、捕まえたファレが雪崩式ブレーンバスター炸裂。巨体同士の凄いブレーンバスター。迫力が凄い!

ファレはそのままコーナーに登り、アーチャーが脱出するもグラネードで叩きつけるもアーチャー負けじとハイキックからチョークスラムへ。しかしここで外道が乱入して竹刀を振るうも受け止めたアーチャー、外道を追い出してチョークスラムからのEBDクローで押さえつけてそのまま3カウント。ファレから勝利を飾りました。

 

アーチャーはこれで二連勝。シングルプレイヤーとして爪痕を残しそうな雰囲気になってきました。一方のファレはこれからとはいえ、何か期待感を見せてほしいところ。外道の動きがカギかもしれません。 

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第6試合「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦

〇ウィル・オスプレイ【1勝1敗=2点】
(17分06秒  ストームブレイカー→片エビ固め)
✕SANADA【1勝1敗=2点】

初戦は体格差を見せつけられる形で健闘しながらもランス・アーチャーに敗北を喫したオスプレイ。今回はそこまで体格差のないテクニシャンタイプのSANADAとの対戦ということで、オスプレイの持ち味が発揮されるかと思わせるカードでした。

結果としては、序盤はパラダイスロックを巡る攻防のを軸に駆け引きを互いに見せていきますが、徐々にスピードアップした試合は後半、オスプレイがシューティングスタープレス、ライガーボム、スパニッシュフライ、トラースキック、ロビンソンスペシャルと 持てる技全てをくりだしてから執拗にオスカッター、ストームブレイカーを狙う展開に。SANADAもそれを切り返していきます。

シューティングスタープレスを2で返したSANADA。オスプレイがストームブレイカーを狙うも着地されてドラゴンスリーパーから力づくで回していきます。こういうところが二人の体格差が出てしまうところ。そこからのラウンディング・ボディプレスをかわしたオスプレイ。着地したSANADAへのスパニッシュフライ、ロビンソン・スペシャルを決め、オスカッターを放つオスプレイですがこれを捕らえられてSkull ENDに。

しかしこれを回転して逃れたオスプレイがオスカッター狙い、しかしSANADAも掟破りのオスカッター狙い。この切り返し合いに乗っかってきたSANADAの動きをトラースキックで止めたオスプレイ、オスカッターからのストームブレイカーを決めて3カウント。SANADAから勝利を奪いました。

 

大きな体格差はないと思われたSANADAとオスプレイ。しかし実際に組み合ってみるとSANADAのゴツさが目立ちました。一発のインパクトでは勝てず、ストームブレイカーもなかなか持ち上がらないなど「ジュニアの闘い」を強いられたオスプレイ。本当に持てる技を使い切っての勝利。勝利はしましたが、地力の違いも同時に際立つ結果となりました。

一方、一勝一敗となったSANADA。体格差を活かす展開ではなく、テクニックの駆け引きに終止したのが敗因となったように思います。小さい攻防のやりとりに拘泥せず、力でゴリ押ししたらまた展開は違ったんじゃないかと。そう思わせたオスプレイ戦でした。

 

第7試合「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦

〇オカダ・カズチカ【2勝0敗=4点】
(12分01秒  レインメーカー→片エビ固め)
✕ザック・セイバーJr.【0勝2敗=0点】

SANADA戦の次にザックの対戦相手として注目していたオカダ。しかし、試合自体のペースはザックが握ったものの、レインメーカーの連発によりオカダが勝ちを奪う形になりました。

序盤からオカダのリストをいろんな技のバリエーションで極めていったザック。丸め込みの連発からオリエンテーリング・ウィズ・ナパームデスで締め上げ、エルボー合戦からオカダがエルボー、DDTと攻めこむもフロント・ネックロックで反撃。

オカダもネックブリーカーで返し、ダイビングエルボードロップからのレインメーカーをからツームストンパイルと攻め込み、再びレインメーカー狙いに。

しかしここからがザックワールド。かわして腕をとって変形卍固めからグラウンド卍に。オカダも脱出し、ドロップキックからレインメーカーを狙うもヨーロピアンクラッチ、変形回転十字固めとカウント2に連続で追い込み、グラウンドの展開に。しかしオカダも逆さ押さえ込みからのレインメーカー狙い。ここでもザックがかわして絞め技に。さらにこれを逃れたオカダがローリング式レインメーカー、正調レインメーカーとたたみかけて3カウント。苦戦しながらもオカダが勝利をあげました。

 

試合を通じて切り返しからの関節技バリエーションを見せ続けたザック。持ち味は出しましたが、新日本だと軽量なこともあり、絞め技以外のボム、スープレックスでのフィニッシュが定着していないところが裏目に出たか。何度もレインメーカーを狙い続けたオカダに敗北を喫しました。一発の説得力が今後の新日本でのザック・セイバーJrの課題か。必殺技の強さが勝敗を分けた、そんな試合でした。

 

   

 

第8試合「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦

〇“キング・オブ・ダークネス”EVIL【1勝1敗=2点】
(19分11秒  EVIL→エビ固め)
✕飯伏 幸太 【0勝2敗=0点】

初戦を落とした者同士、特に飯伏は初戦で左足首を負傷し、痛々しい写真がツイッターに上がるほど。そんな中での二戦目、案の定そこにスポットを当てた試合になり、一点集中攻撃に徹したEVILが飯伏幸太から初勝利を挙げました。

序盤からレッグロック、左足踏みつけ、ストンピングで蹴りつけ、足首をひねりあげる。いつもの技のバリエーションに加えての徹底的な足首攻めに、飯伏が苦悶の表情を浮かべる場面が増えていきます。

これが両レスラーが元気だったら肉弾戦、打撃戦になったであろうこの試合、飯伏の足首、というポイントがあったことで両者そこにフォーカスした展開になりました。

しかし、飯伏もケガしているのにもかかわらず飛ぶ!その場飛びムーンサルトからセカンドロープからのムーンサルト。しかし、トップロープからの飛び技はEVILが阻止。雪崩式ブレーンバスターで叩きつける。ペースはEVILが握っていきます。

ラリアット相打ち、エルボー合戦から再びEVILの足攻め。踏みつけからのサソリ固め、しかし飯伏もユラリと立ち上がって掌底連打。ショートレンジラリアット、後頭部、正面からのボマイェ連打と勝ちに近づくも、ここで意地を見せたのがEVIL

EVIL狙いをかわされるもラリアット、ヘッドバット、ラリアット、倒れる飯伏。気合を入れてのダークネスフォールズからのEVIL炸裂!これで3カウントを奪い、EVILが勝利を上げました。

足攻めからの最後は得意技につなぐ、というオーソドックスな戦法で勝利を上げたEVIL。今後の試合展開の大きなヒントになったんじゃないでしょうか。パワーファイターというには小柄なEVIL、この試合のような一点集中攻撃を使いこなせるようになればまたトップも見えてくるように思います。

一方の飯伏、序盤での2連敗、ケガはあまりにも痛い。そしてこのように動きへ大きく影響するケガを負ったときに「動けないなりの試合」を確立できるのか。飯伏にとって、今回の怪我は選手としての幅を広げる大きなチャンス。今後の闘い方を注視したいと思います。

第9試合「G1 CLIMAX 29」Aブロック公式戦 

〇KENTA【2勝0敗=4点】
(18分35秒  go 2 sleep→片エビ固め)
✕棚橋 弘至 【0勝2敗=0点】

 初対決のKENTAvs棚橋。どうしても「プロレスリング・ノアと新日本プロレスの闘い」というふうに見てしまう自分がいましたが、今回は、ノア時代のキレはまだないものの、KENTAが得意のキックで押し切って勝利。勢いの違いを見せました。

今回は柴田勝頼が試合前に入場しそのまま解説席に座る、という演出が施されてから両者入場。ゴングが鳴り、二人が向かい合うだけで独特の空気、歓声が沸き起こります。

そしていきなり張り手の応酬、エルボー合戦と熱のある展開に。棚橋がエルボードロップからのエアギターポーズを取るもKENTAがケリで阻止。ここでも精神的なマウントの取り合い。大物同士のせめぎ合いを感じる攻防。

すかさず棚橋が場外戦に持ち込むも、KENTAも反撃してフロントキックからのDDTが炸裂。これで一気にKENTAがペースを持っていきます。

机に棚橋を叩きつけ、リングに戻るとニードロップ、ミドルキック、ローキック、キチンシンクと足技で攻め込んでいくKENTA。しかし棚橋も蹴りをキャッチしてのドラゴンスクリューからエルボー、パンチ、ボディスラムと反撃。

しかしKENTAも突進した棚橋をパワースラムで叩きつけるとスワンダイブドロップキック、低空ドロップキック、ダイビングフットスタンプと足技のバリエーションを披露。ここまで打撃のバリエーションが多い選手は新日本ではいなかったはず。ノア当時のキレはないものの、ウエイトアップした分の重さは加わっていてダメージ感は増しているKENTA。棚橋を追い詰めていきます。

棚橋もgo2sleepをドラゴンスクリューで返し、テキサスクローバーホールドで締め上げる足攻めに。KENTAの蹴り、棚橋の脚攻めと、攻防の相性がいい二人。エルボー合戦から再びgo2sleepを狙うKENTA、ツイスト&シャウト3連発で返す棚橋。ここで一気にたたみかけ、スリングブレイドから立っているKENTAへのハイフライフローに繋ぎ、倒れたKENTAに再びハイフライフロー狙い。しかしこれにヒザを立てられて一気にKENTAが主導権を握ります

なんとか棚橋がスリングブレイドにつなぐもスリーパーで返し、PKからのgo2sleep、3カウントを奪い、KENTAが勝利を飾りました。

 

持ち前の蹴り技のバリエーション、手数の多さで押し切ったKENTA。まだちょっと身体が重そうな場面も有りましたが堂々の勝利。しかし、この日の白眉はこの後のマイクアピールでした。

改めまして・・・新日本プロレスのファンの皆さん、KENTAです!

と挨拶からスタート。スタイル的にケンカ売るのかと思ったら、WWE帰りらしい丁寧かつフランクなマイクで喋り始めます。

おそらくたぶん、ここにいるほとんどの人が、もしかしたら初めて俺のことを見るかもしれない。まあ、実際、帰ってる人もチラホラ・・・。

まあ、それはいい・・・。

 

それからもしくは、昔から、俺を見てくれている人も・・・。

(客席を指差し)覚えてる、覚えてる、見覚えある。あ~、覚えてる、覚えてる…。いや、お前は覚えてねぇよ!いや、覚えてる覚えてる。

 と客イジり。出だしちょいぎこちなかったですが、だんだん客も掴まれて笑いがおき、いい雰囲気に包まれます。

まあ今日、棚橋さんと試合して、新日本のファンの皆さんと棚橋さんが作り上げた信頼関係みたいなものをまざまざと感じて、それは長年、時間を割いてここまでの形にして来たんだろうなと、勝手に推測しました。

でも!俺もここに遊びに来たんじゃなくて

久しぶりにみんなに会いに来たわけでもなくて

それもあるよ。それもあるけど、俺は! G1クライマックス、優勝するためにここに来たんだよ!! 

と、しっかり棚橋、新日本ファンへのリスペクトを表明しつつの優勝宣言。

みんなが俺を知っていようが、知っていまいが、そんなことはまあどっちでもよくて、G1クライマックス・・・(ヤジが飛ぶ)

(ヤジに向かって)いぃ~声してるな、通るな、声。誰だ、オイ!?

いい声してるな、野球部か、オイ!?

(再びヤジが飛ぶ)いや、しつこい、しつこい。いいよもう。

 

まあ、そんな感じで俺は必ず、初出場・初優勝をして、またここに帰って来ようと思います。

せっかくだから覚えて帰って下さい。KENTAでした!

と、客をイジリつつ芸人みたいな締め。新日本プロレス2戦目にして興行をマイクで締めるという偉業を達成したKENTA。いきなりの大物感。ちょっと凄いところを魅せてくれました。 

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こうして終わった7月14日新日本プロレス大田区大会。この日こそ「KENTA、日本再デビュー」の日として刻まれるにふさわしい興行でした。まあ、なかなかノアファンの中には歓迎する人、歓迎するのが難しい人分かれると思いますが、自分のような雑食ファンは「おかえり!KENTA!」と叫びたい。

試合、マイクでKENTAの相変わらずな部分と成長した部分が見えたこの興行。もうちょい絞ってキレを増してほしい、という希望もありますが、それでもKENTAの向こう気の強さ、アクの強さとWWE仕込みの大物感が見えた。とりあえずG1完走、その先が見たくなるKENTAの凱旋でした。おかえり!KENTA!