男マンの日記

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プロレスリングBASARA後楽園大会。高梨将弘VS木高イサミ。自分の家を守るということ。

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12月28日、プロレスリングBASARA後楽園大会を見てきました。今年いっぱいでDDTグループを離れるBASARA、その最後の後楽園大会を見たかったというのもあるし、高梨将弘がメインとして、木高イサミとタイトルマッチを行うというところに惹かれたのもありました。

他にも阿部史典と野村卓矢のアストロノーツ、藤田ミノル、関根龍一、下村大樹(&小高イサミ)の戦闘民族、好きなレスラーが揃ってるけどなかなか見る機会がなかったので今回エイヤ!と行ってきました。平日の新木場でやる飲み放題興行「宴」も行きたいんですが、なかなか有給使えないし・・・。というわけでいきなりメインの感想を書いていきます。その他の試合は他エントリで取り上げる予定です。

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この試合の直前ですが、高梨将弘がプロレスリング我闘雲舞の現場監督に就任することが26日新木場大会のリング上で発表されました。AEWにレギュラー参戦しているさくらえみが多忙のため、一人で業務をこなしきれないための人事発表。その中でDDTプロレスリング所属の高梨将弘は「高木社長にも話をした、これからはDDTより我闘雲舞を優先することもある」とその本気度を表明していました。

 そして、高梨将弘はブログで「isamiと小高イサミ」というエントリを連載。そこには小高イサミという破天荒で派手なレスラーを遠くで、近くで見てきた高梨の愛憎入り交じった気持ち、そして今はなくなってしまったユニオンという団体を惜しむ気持ち、そこに入れ込みきれなかったことを悔やむ気持ちが綴られていました。

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若い頃から早々に頭角を現し、団体を起こして独立していく小高イサミ。我闘雲舞という団体で現場監督を引き受けて背負おうとしている高梨将弘。「団体がなくなる」という体験をしている二人がそれぞれの形で自分の家を作り上げ、守ろうとしている。煽りVでもその心境が綴られ、いよいよメインイベント。

ユニオンMAX選手権試合、チャンピオン・高梨将弘vs挑戦者・小高イサミ。

会場の空気も今までより一段階濃さが上がったというか。集中力がぐっと高まったような雰囲気でした。

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まず最初に入場したのは小高イサミ。戦闘民族の藤田ミノル、関根龍一、下村大樹をセコンドに。そしてコール時のテープは流石に凄い!リング上が真っ白に染まるくらいのテープ量。カリスマ性を感じます。

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一方の高梨にもこのテープの量!イサミに負けてない!。そしてセコンドには酒呑童子のKUDO、坂口征二に加え、CDKの同僚クリス・ブルックス。我闘雲舞の面々も応援に駆けつけていました。ほんとうに高梨の「家族」の後押しを受けてのタイトルマッチとなっていました。これは負けられない。

そして、イサミ、高梨それぞれに応援ツアーのお客さんが掲げるプラカードが。南側客席の奥にそれぞれ「イサミさん頑張って!」とYMZイサミ応援ツアーのお客さんから、「夢を追い続けてほしい!!ベルトを胸にがんばれ高梨」と我闘雲舞応援ツアーのお客さんから。熱い!絆を感じます。

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そしてゴング。ゴングが鳴ると同時に静けさに包まれる中、手四つから腕を取り合う二人。バックを取り合い、一度離れてから高梨の腕攻め。イサミも切り返してヘッドロックに捉えますが高梨も腕をたぐってヘッドロックで返す。腕を巻いて投げたところにイサミも足を頭ではさんで切り返す。そこから高梨が立ち上がってレッグロックに。イサミもサソリ固めで返そうとするも回転して高梨も防いで互いにアキレス腱固めの体勢に。イサミがそこからクロスヒールホールドで高梨エスケープ。静かに互いを確かめ合うような攻防が続きます。

しかしそこから流れが一転、イサミがドラゴンスクリューニ連発から試合は激しさを増してパンチ合戦に。試合が一気に動いていきます

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イサミが高梨の足を責めていけば、高梨はロープを利用したアームブリーカーでイサミの左腕を集中攻撃。いろんな形のアームロックで攻め立てていく高梨。懐の深さを見せつけていきます、さすがの試合巧者っぷり。

しかしイサミも反撃してパンチ&エルボー合戦に。イサミの「ボディーはお留守!」が飛び出し、コーナーへのランニングニーとたたみかけますが、雪崩式を狙ったところで高梨が反撃、腕を掴んでダイブして、腕へのダイビングニードロップ!!エグい!

そこからロープに振り、左腕を足でロックして右腕を腕で絞り上げるダブルのアームロックに。一度脱出したイサミですが、違う入り方でもう一度この技に。思いっきり反り返る高梨のこの表情!!

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しかし、そこから卍固めに入り、タカタニックにつなげようとした高梨ですがこれは返されてイサミのSTFに。これがガッチリとリングの真ん中で決まり、悶絶する高梨。会場からも手拍子で応援。しかしなんとか這って脱出しようとする高梨のこの表情!執念のロープエスケープで脱出!

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しかしさすがのイサミ。こういう機会は逃さない。すかさず雪崩式フランケンシュタイナーで追い打ちし、高梨をコーナーに固定してのドラゴンスクリューからアンクルホールドに。リング中央でガッチリと決まり、高梨も暴れてエスケープを試みますがなかなか逃げれない。セコンド陣も懸命にリングを叩いて声をかけるこの絆!

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高梨はなんとかイサミの首に足を引っ掛けて脱出。そしてなんとスピアー!そしてタカタニック決まった!しかしカウント2!ここで15分経過!互いに足、腕をかばいつつ立ち上がり、イサミをコーナーに乗せた高梨。雪崩式タカタニックを狙うもこれはイサミガ踏ん張って阻止。フランケンシュタイナーで返し、高梨の足をとって再びアンクルホールドに。高梨をそのまま蹴り上げ、倒れたところにダイビングニー!カウント2!

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再び蹴りで倒した高梨に再びダイビングニーを狙うイサミ、すかさあずここで三角締めで締め上げる高梨!この形相!イサミも立ち上がって逃れようとするも中々逃げれない。しかし高梨の顔を叩いてなんとか脱出。

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ここからイサミがかんぬきスープレックスでカウント2、座り込んだ高梨の首を締め上げてからのかかと落とし、ランニングニーから勇脚狙いも高梨がトラースキックで反撃。タカタニックを狙うもイサミ逆に尻もちをついて高梨をボム系の技のように叩きつけ、しかし高梨も次を狙うイサミの腕をたぐってスクールボーイ、しかしここで抑え込まずに再び腕をたぐってタカタニック!これが決まって渾身の抑え込みでカウント3!高梨将弘、木高イサミを破ってユニオンMAXのタイトルを防衛しました!

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ユニオンMAX選手権試合

<王者>高梨将弘
(20分32秒 タカタニック→エビ固め)
<挑戦者>木髙イサミ
※第13代王者が初防衛に成功。

場外でしばし勝利を味わった後、セコンド陣と抱き合って喜びを噛み締めた高梨。ベルトを巻いてマイクアピールをするか、と思いきやマイクを捨て、

「ありがとうございました!」

と一言。四方に深々と頭を下げ、仲間とともに去っていきました。

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それも高梨「らしい」アピール。高梨が手を挙げられているときのクリスの表情も印象的でした。憧れと見守りが半々くらいというか。高梨、イサミのテクニックがぶつかりあい、白熱したタイトルマッチ。序盤からフォールする技がほぼ出ない、そこに至るまでの固め技、関節技での主導権の奪い合いが激しく、まさに「手に汗を握るような」試合になりました。

そんなタイトルマッチに酒呑童子、クリス・ブルックス、我闘雲舞勢、そしてファンの後押しを受けて挑み、イサミに勝ってみせた高梨。「持たざるもの」としてイサミを見上げ、追いかけ、イサミとは違う形で自分の「家」を持った高梨が、タイトルマッチという舞台でしっかりとイサミ超えを果たした。心揺さぶるタイトルマッチでした。

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高梨が去った後にマイクを持ったイサミ。

「ああ、やられちゃったよ。見てたか、バサラのみんな。選手たち、所属の選手たちみんな見てたか?あれが高梨将弘だよオメエ...。」

 「わたくしもね、昨今は老化の一途をたどっておりますが、高梨将弘は、出会うたびに進化を続けている人間だと思います。もう一度勝つためには、僕も進化するしかないでしょう。」

そしてここで立ち上がり 

「ただ、みんな、聞いてくれ。まずは、まずは今日、ご来場いただいて、まことに、まことに有難うございました。」

「DDTグループとはここでお別れとなりますが、俺達は、いくらでも、ケンカを売りに行こうと思ってます。そして、ユニオンMAX、あのベルトは、ユニオンプロレス時代に。つまり、DDTのおかげで作ったベルトです。」

「まことに言いにくいですが、あのベルトは、DDTにお返ししようと思っています・・・そんなわけねえだろ!お前ら!全員で取り返しに行くぞ!」

 と叫んだイサミ、入場ゲートに向かって走り去り、所属選手たちも追いかけて走り去る。それはまるで、これからDDTグループからの独立、全員でプロレス界を走り抜けるという決意表明のようにも見えました。そこでZARDの「マイフレンド」が流れ、エンディングVが流れ、興行は終了しました。 

ZARD Forever Best~25th Anniversary~

ZARD Forever Best~25th Anniversary~

  • アーティスト:ZARD
  • 出版社/メーカー: ビーグラムレコーズ
  • 発売日: 2016/02/10
  • メディア: CD
 

 こうして幕を閉じたDDTグループ最後のBASARA後楽園大会。DDT所属の高梨がチャンピオンのまま独立するBASARA。今後誰が高梨に挑み、高梨からベルトを奪うのか。それとも高梨が長期政権を築いていくのか。先も気になりますが、しかしこの日は、このタイトルマッチが行われたこと、高梨将弘の勝利を噛み締めていたい。そんな気持ちにさせられたメインイベントでした。いや、堪能しました!「守るべき物がある人間の強さ」、「持たざるものの闘い方」、考えさせられたユニオンMAXタイトルマッチでした。