男マンの日記

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中西学引退試合!最後の「ホーーーー!」が後楽園にこだまする!カシン来ず!

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いよいよ引退!中西学引退試合が2月22日、後楽園ホールで行なわれたので新日本プロレスワールドで観戦しました。

 

まあ、ハッキリ行って中西学に凄く思い入れがあるとか興味があった時代って特になかったなぁ、と思ってますが、ただ世代的にプロレスを見始めて今までずっと活躍してきた選手なので、引退と聞くと「ああ、もうそんなに時が経ったのか」とか、「そりゃ自分も歳を取るよなぁ」と思ってしまうわけで。 

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 どちらかというと、新日本の「第三世代」と呼ばれる選手たちは、全盛期と格闘技ブームが思いっきりカブってた世代。アントニオ猪木が思いっきり新日本のマッチメイクに介入し、加えて格闘技イベントにも駆り出され、と本当に振り回された世代、という印象があります。中西にしても、ドームで藤田和之との格闘技戦をやらされたり、新日本の別ブランド「レッスルランド」に出たり。エンタメと格闘技の間をぐるぐる回された。そして、あまりプロレスという世界で中西自身の強い意志を感じたことはなかったな、という印象です。そもそもアマレスのオリンピアンなわけで、スポーツで行ききった人がプロレス界での野心がない、というのは長州にしても坂口にしてもそういうところはあるのかな、と。

あと中西の印象というと、いつだかカール・ゴッチのところに行ってジャーマンを会得して帰ってきた時(なんかのジャーマンだったと思いますが)鈴木みのるか高山かに「ちょっと行っただけで技会得できるわけねーだろ」と言われたりとか、WCWで「クロサワ」っていうキャラになって日本に戻ってきたものの、革のロングタイツが伸縮しないのでジャンピングニーが出来なくなったとか。なんというか会社に振り回され系のトホホエピソードが多いです。だからオリンピアンで圧倒的な身体能力を持ちつつもトップに立ちきれなかったのかな、と思ってしまいます。

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メインイベント 中西学 引退試合

中西 学&永田 裕志&小島 聡&天山 広吉
(18分03秒  ハイフライフロー→片エビ固め)
棚橋 弘至&飯伏 幸太&オカダ・カズチカ&後藤 洋央紀

というわけで試合。メインイベントは第三世代4人組と今のメインイベンター(後藤以外)の4人組が激突する8人タッグマッチ。今までの中西の歴史からして新世代に何かを伝える、とかではなく懐古的というか、中西の歴史を振り返る、というような組み合わせ。ちなみに2月11日、全日本プロレス参戦時には中西学&秋山準&西村修&吉江豊vsヨシタツ&崔領二&TAJIRI&田村男児というカード。田村男児が果敢に中西に挑んでいく場面に湧いていました。そう考えると、新日本プロレスは若手に「中西イズム」を継がせる選択をしなかった、ということになるのかもしれません。

試合はいきなりオカダと中西から。アルゼンチンバックブリーカーの攻防でくすぐり、レインメーカーを交わした中西の地獄突き、チョップ。いい感じで天山にタッチしていきます。

そして続けて天山との合体攻撃に。ダブルタックルからのボディプレス、モンゴリアンと調子よく続きますが誤爆から混戦に。そこからは天山、永田、小島とことごとく第3世代と新世代の闘いが繰り広げられ、「あれ?これ中西の引退試合だよな・・・。」という気持ちに一瞬なったところで再び中西登場。

 

一度は中西が棚橋をアルゼンチンに担ぎ上げ、周りも絞め技で第3世代がチャンスを掴んだ場面があったんですが、そこからヘラクレスカッターを決めるもカウント2。大★中西ジャーマンも防がれ、孤立させられた中西。後藤のGTR、飯伏のカミゴェ、オカダのレインメーカー、そして棚橋のハイフライフローを食らってカウント3。こうして中西学の引退試合は終了しました。

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その後、第三世代のメンバー、正規軍、馳浩、長州力、藤波辰爾とゲストに労われて点カウントゴング。そして最後に中西の「ホー」で締め。中西学のプロレスラー人生はここで本当に終わりを迎えました。

結果、メインイベンターたち(後藤除く)のフィニッシュを全部受けて沈んだ中西。頑丈さも感じましたが、受け身が背中からではなく、身体が曲がってお尻から受けるようになっていたこと、前半戦でアルゼンチンに抱えた永田を飯伏に投げつけるところでちゃんと「投げる」っていう感じになれなかったことを見るとやはり衰えを感じてしまいました。頚椎の怪我をしてから本来の動きを出来なかったという中西ですが、以前から第3世代の中でも動けてないなと思うこともありました。

 

ただ、以前の話ですが、後楽園ホールのとなり、TDCホールのZERO1興行で田中将斗vs中西学のシングルを観戦した時に、正面からのぶつかりあいを繰り返す熱い試合を繰り広げて田中将斗が勝利しましたが、そのときのエルボー打ち合いなどで「そもそも中西の体幹が人間とゴリラくらい田中と違うな」という印象を受けたほど。そのナチュラルパワーと頑丈さは傑出したものがありました。

そして今の新日本プロレスには中西のようなスタイル、頑丈さとスープレックスで無骨に正面からぶつかっていく選手は見られないのもまた事実。テクニカルな技の攻防、切り返しの攻防が多くなっているように思います。

 

そんな中、この中西学の引退は一人のレスラーの引退、というより新日本プロレスから無骨な日本人パワーファイター、という系譜が消えた瞬間でもあるのかもしれません。そんな気分になり、思わず鑑賞に浸ってしまった中西学引退試合でした。

そして第3世代たちのツイッター。みんなイイ顔!

 いやー、いい顔!いい引退試合でした。ただ一つ、今まで中西学をクソミソに馬鹿にし続けてきたケンドー・カシンに来てほしかった気もします。まあでも来ないよな。ちなみに最近の著書でもしっかり中西学(と永田裕志)をイジり倒してます。必読!

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 ※2020・2・24追記

引退セレモニーの様子がYOUTUBEに上がってたので貼っておきます。マイク中にも「そうやと思うんやけど、ちゃうかな」と観客に問いかけ、笑いが起きるところが中西っぽいと思いました。

「一度プロレスラーをしたからには一生プロレスラー」って言いつつ「マサ斉藤さんが言ってた」って言っちゃうところも自信のなさと誠実さが感じられる。ともあれ本当にお疲れさまでした!

www.youtube.com