男マンの日記

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飯伏幸太、G1クライマックス2連覇!「新しいストロングスタイル」と狂気について。

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遅ればせながら、10月18日、新日本プロレス両国三連戦最終戦、G1クライマックス決勝戦を新日本プロレスワールドで観戦しました。結果、飯伏幸太がカミゴェで30分超えのメインイベントに勝利し、G1クライマックス二連覇を達成しました。


第6試合 時間無制限1本勝負 「G1 CLIMAX 30」優勝決定戦

○ 飯伏幸太(35分12秒 カミゴェ→片エビ固め)✕SANADA

   

観客の声援が禁止されていたこともあり、序盤はなんとも静かな試合でした。互いに「待ち」の展開、静かなバック、腕の取り合い、飯伏のヘッドロックから腕を取り返すSANADA。離れてにらみ合う二人。SANADAの領域だろう序盤のレスリングで飯伏もしっかり対抗していく。ここらへんは互いを探り合うような序盤戦。しかしその静かな展開はしばらく続き、SANADAが腕を取り、飯伏がヘッドロック、SANADAが切り返して抑え込む。そしてここから徐々に飯伏がSANADAを挑発し始めます。左腕への執拗なエルボー、腕責めから指クイの挑発。

SANADAもエルボー連打、エルボー打ち合いへ。しかし打撃戦になったら飯伏に一日の長があるか。ミドルキックを叩き込んでいきますがSANADAも鮮やかなエルボースマッシュ。しかし飯伏のミドルキックにうずくまるSANADA。起き上がったところにローキックを叩き込む飯伏。しかも得意げにSANADAへの挑発は忘れない。この日の飯伏は明らかにSANADAの「怒り」を引き出そうとしていたように思います。その飯伏の「仕掛け」が徐々に試合の流れを作っていきます。

 

飯伏のキックから起き上がったSANADAがガンガンエルボーを入れていくも飯伏は受けに回り、先日のタイチとの蹴りあいのダメージ残る左足へのケリも受けて守勢に。すこしづつSANADAに火がついていきます。

ここでひとつアクシデントっぽい攻防が。SANADAがロープに振ってリープフロッグからのドロップキックを放つも飯伏が間一髪でかわし(かすった?)場外へエスケープ。

一瞬呆然としていたような飯伏、互いにちょっと意図と違ったような。少し間があいたあと、さらなる挑発に出る飯伏。SANADAに仕掛けたのはなんとSTF!武藤の弟子のSANADAに「夏男」蝶野の技で挑発!そして技を解いてからも手を広げて挑発ポーズ!

そしてそれに応えるようにSANADA逆襲!逆水平チョップでコーナーに沈ませた飯伏に蹴りの連打!逆に「来いよ!」ポーズ!立ってこようとする飯伏にエルボー連打!エルボースマッシュではなく横殴りのエルボーパット連打!そして足四の字へ!これはSTFへの意趣返しか?武藤の血を継ぐSANADA、その片鱗を出しての反撃。誇らしげな表情を見せます。飯伏の挑発に「乗った」攻撃か。

それからも、互いに場外の相手にプランチャ合戦、三角飛びを防ごうとしたSANADAを踏む飯伏。ネックスクリューからSKULL END狙いのSANADAと一進一退の攻防が続きます。

エルボーの打ち合いのときにアツくなったように見えたSANADAはあくまで冷静。飯伏の打撃ラッシュからジャンピング・パワーボムを食らうも低空ドロップキックで反撃し、すかさずタイガースープレックスで追い打ち。続けてのTKOは切り返されますが、改めてSKULL ENDで締め上げる。冷静に獲物を仕留めにかかるSANADA。G1クライマックスのトロフィーをつかもうとするようにギリギリと長時間締め上げ、あわや、というところまで追い詰めます。

しかしギブアップしない飯伏。技を解いて追い打ちのラウンディングボディプレスはかわされて飯伏のハイキックが炸裂。そして体重の乗ったボマイエ!カウント2!

続いてのカミゴェはTKOで迎撃したSANADA,うつ伏せの飯伏にラウンディングボディプレス!内藤戦ではここから仰向けにしてのラウンディングボディプレスでカウント3を奪ったSANADAでしたが、ここでの二発目のラウンディングボディプレスはヒザで迎撃!決して「ラウンディングボディプレス」って言いたいわけじゃない!飯伏もヒザを抱えてうずくまる!

両者立ち上がり、SANADAがムーンサルト式SKULL ENDを狙うも返してSANADAを抱え上げた飯伏、人でなしドライバーで叩きつけるもカウント2!起き上がったところをカミゴェ狙いも連続で丸め込まれ、オコーナ・ブリッジことジャパニーズ・レッグロールクラッチはカウント2!そこからSKULL END狙いで飛びついたSANADAを抱え上げた飯伏、コーナーに向かってやり投げ狙い!久々に見たい!しかし着地されたところをハイキック、棒立ちのSANADAにVトリガー的な膝蹴り!ケニー!膝をついたSANADAの両腕を掴み、改めてカミゴェ!カウント2!しかし改めてSANADAの腕を掴み、雄叫びを上げる飯伏幸太!二回目のカミゴェ!

1・2・3!飯伏幸太、G1クライマックス二連覇を成し遂げました。

   

去年に続いての二連覇を成し遂げた飯伏。この試合についてはネット上でも賛否両論あり、歴の長いファンほど酷評だったり、またライガー、蝶野の解説陣も自分たちのスタイルとは違う、というニュアンスの発言をしていました。

 

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  こうなった理由は色々あると思いますが、自分が新日本プロレスワールドで見た感想としても、コロナ禍の中で拍手のみだった会場の中、前半から中盤までかなりスローテンポ(拍手待ちのようなところがあったようにも見えました)な展開だったためにネット観戦だとかなり長く感じたということ、SANADAが感情表現控えめな選手だったためにわかりやすく「キレる」場面が少なく、爆発が少なく見えたことなどがあるのではと思います。

しかし二人ともかなり高度な攻防を繰り広げており、激闘だったのは確か。そして、あの手この手でSANADAの感情を引き出そうとした上で、「キレる」、「エグい攻撃」に頼らずに「新日本プロレスのメインイベント」を努めようとした飯伏幸太。(ヤリ投げを狙ったりと狂気の片鱗はのぞかせていましたが)ところどころそれに応えていくSANADA。見返すとしっかりと見ごたえのある試合でした。これが声援OKの会場だったらどうなっていたのか。観戦した人たち一斉に諸手を挙げて絶賛、という状況でなくて残念ですが、蝶野の傍らで涙を流していた飯伏、トロフィーを抱えている飯伏を見ると、やはりファンとしてはグッと来るものがあります。

 

DDT時代からの狂気、エグさを明らかに抑え始めている飯伏幸太に現状物足りない部分もありますが、その上でどう進んでいくのか。「新しいストロングスタイル」は完成するのか。これでほぼ飯伏VS内藤の1・4ドームでのタイトルマッチ確定だと思われるので、そこで何を見せてくれるのか。私はモデルチェンジし続ける飯伏幸太を見ていくしかないというか。これからも追いかけていくしかない。キックもっとバチコーンとタノムサク鳥羽に入れてたみたいに入れてほしい、という感情もありますが(選手の安全面無視発言)、多少いびつな試合にはなっても面白かった。まずはおめでとう、と祝いたい。 

週刊プロレス 2020年 11/04号 No.2089 [雑誌]

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長かったG1クライマックスも終わり、来年の1・4,1・5ドームに向けて動き出した新日本プロレス。とりあえずこの長丁場を乗り切った選手、スタッフの皆さん、そしてルールを守って観戦し、感染を防いだ観客の方々、本当にお疲れさまでした!G1がこの状況で例年通りの規模で開催された、というだけで大きな励みになりました。このG1を見てこの言葉が浮かびました。「明日、また、生きるぞ!」(by船木誠勝)

それではまた~!