男マンの日記

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12・27 いよいよ再戦!DDTの未来はどっちだ!?竹下幸之介VS秋山準を考える!

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D王GP2021 充実のDDT若手戦線

今年もDDTプロレスリング恒例のD王GP2021が行われ、12月27日、DDT後楽園ホール大会で優勝決定戦、秋山準VS竹下幸之介が行われることが決定しました。
D王GP2021、このコロナ禍でも例年と同じ規模。14選手が参加。今年の目玉は全日本プロレスからレンタル移籍中の秋山準の参加。途中で佐々木大輔が肋骨を骨折して欠場するハプニングはあったものの、Aブロック、Bブロックともに激戦が繰り広げられました。

Aブロックで勝ち抜いたのは竹下幸之介。佐々木大輔に敗れたものの、最大のライバルになるであろう佐々木は欠場。ALL OUTの同僚・彰人も降し、最終戦で勝ち点7のHARASHIMAを勝ち点6の竹下が降して逆転。優勝決定戦進出を決めました。

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一方、Bブロック。初戦で秋山準を遠藤哲哉が破り、その後樋口にも秋山が敗北。遠藤、秋山がトップで迎えた最終戦、秋山は上野勇希を降して勝利。秋山軍のリーダー、大石真翔が遠藤からフジヤマ・ニーロックで主君の白星。秋山準がユニットの力もあり優勝決定戦進出を果たしました。

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しかし、ここ最近のDDTの若手(ともう言ってはいけない選手も居ますが)選手のクオリティの上がり方は凄い。プロレス大賞技能賞を受賞した遠藤哲哉、秋山準をパワーで押し切り、3分弱でフォールを奪った樋口和貞。大日本のデスマッチで花開きつつある勝俣瞬馬、復活してノビノビと異次元ファイトを闘うMAO、日本に定住し、その長身、リーチの長さを生かしてベルトも巻き、ファンに愛されるクリス・ブルックス。

そして、最近進化が目覚ましい上野勇希。最近ではKO-Dタッグベルトを巻き、ユニットからの独立、ユニバーサル選手権にも挑戦するなど完全にトップ戦線に食い込んできました。

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デビューからもう8年 竹下幸之介

思い起こせば「THE FUTURE」と呼ばれ、竹下幸之介が日本武道館でデビューしたのが2012年8月。「あの」飯伏幸太VSケニー・オメガ。飯伏が武道館のバルコニーからケブラーダを決行し、武道館の関係者に土下座したでおなじみのあの大会。もう8年前になります。そのときは今から見ると層の薄かったDDTの「希望の星」だった竹下。今までにKO-D無座別級のベルトを4度巻き、特に2017年の8月からは一年近くベルトを保持するなど「竹下時代」を樹立。しかしそこからは2019年に二度戴冠するもいずれも短命に終わっています。

こうして常にDDTの中心にいた竹下ですが、どこか「DDT=竹下幸之介」となっていないのも確か。チャンピオンだった当時も「DDT総選挙」での順位の低さに悩んでいました。そもそも高木大社長のイメージが強く、昔からのファンはエース=HARASHIMAのイメージ。また、男色ディーノ、スーパーササダンゴマシンと「アイコン」的なレスラーもいるため、トップに立って勝ち続けてもどこか強い印象を残せずにいるように思います。

竹下幸之介からTwitterでブロックされてる私。ブロックされているから言うわけではないですが、チャンピオン竹下幸之介にはどこか「ノレない」部分がありました。

大阪府、西成に生まれ、子供の頃からプロレス好きで、大阪プロレスのプロレス教室に通いDDT入門、そして高校生デビュー。キャリア8年にしてまだ25歳。「プロレス少年がプロレスラーに」の典型的なレスラー。身体もどんどん大きくなり、現在187cm、110kg。巨大選手が少ないDDTの中では図抜けた体格とフィジカルの持ち主です。

スペック的には完璧だし、推せる要素もあるんですがどこか人気が出ない。DDTに「エリート」扱いされて育ってきたとか、マイクが長い割に面白くない(関西人だけに「面白い空気」だけ出して面白くない)とかありますが、竹下の感情がファイトから見えづらい。凄いけど味がしない、というか。竹下自身が「普通のいい子」以上の部分がなかなか伝わらない。佐々木大輔、HARASHIMA、遠藤哲哉と、人格ごと愛されるところにまだ竹下は到達していないのかと思ってます。図抜けていい人だったら愛されるし、ヤなやつだったらヤなやつなりに愛されるのがプロレスラーだと思うんですが、そこが今(というかここ3~4年くらいの)竹下の課題なんじゃないでしょうか。 

 竹下がDDTで今まで一番「手が合った」ライバルと言っていい選手は入江茂弘。肉弾戦でガンガンぶつかっていく入江、それに対抗してガンガンいく竹下。この二人の組み合わせはどこでもボルテージが上がっていました。この竹下はほんとに乗れる。

その入江も今は退団してしまい、飯伏、ケニー、石川も他団体に移籍したDDTの中で必然的に中心になった竹下。若くしてチャンピオンになったこともあり、そのスタイルはリアクション中心というか、相手を受け止めて返していく。必殺技もジャーマンからクロスアームスープレックス、そしてトップロープからのスワンダイブ式回転ラリアット(ファブル)とモデルチェンジしてきました。

そして2020年の今。以前KO-Dのベルトを握った竹下ですが、同年デビューの遠藤哲也が現KO-D無差別級王者、プロレス大賞で技能賞も受賞。そして他にも樋口和貞、上野勇希、MAOらの台頭により、25歳という年齢にして「突き上げられる」立場でもあります。竹下にしても、次KO-Dのベルトを巻くときには本当にエース、DDTの象徴として名実ともにDDTのトップになりたい、と考えているはず。そのために色々と試行錯誤を重ねている。次に大きく跳ぶために身を屈めている状態のように思います。

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11・3大田区 竹下幸之介VS秋山準

そんな中、秋山準が全日本プロレスから「レンタル移籍」して、「準烈」を立ち上げ。11月3日、DDT今年イチのビッグマッチ、大田区体育館大会でのシングルマッチが行われました。

セミファイナルとして行われたこの試合。前半は静かな立ち上がり。ロックアップ、腕の取り合いで渡り合う両者。秋山は個々である程度竹下の技量を計っているような。鋭い眼光で竹下を観察しているような怖さ。 

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最初に先手を取ったのは竹下でした。ワンハンド・バックブリーカーで秋山を悶絶させてからの場外戦ではボディプレス。全日本プロレスで秋山がSUSHIやブラめん相手に散々やってきたことをDDTで竹下にやられる。まあ因果応報というか。パワーで勝る竹下が秋山を追い詰めていきます。

その後リングに戻っても逆エビで絞り上げていきます。苦悶の表情を浮かべる秋山。DDTではなかなか見ない光景でした。

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しかし、ここから再びの場外戦へ。エプロンでの攻防戦からDDTで秋山がエプロンに叩きつけ、反撃のニーアタックは秋山が交わしてコーナーの鉄柱に激突。竹下がなんとか立ち上がってエプロンに這い上がってきたところに奈落式ドラゴンスクリュー!リングに戻ってきたところに四の字固め地獄。スキを見逃さず、一気に自分の流れを引き寄せる。さすがの秋山準!

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しかし、その後は一進一退。秋山もフライングラリアット、ブルーサンダーとたたみかけて反撃。秋山もフロント・ネックロックで締め上げるとダブルアームDDT、しかしコーナーに登ったところを竹下が雪崩式ブレーンバスター。

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巨星を継ぐもの

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  • 作者:秋山準
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投げっぱなしジャーマンとエクスプロイダーを互いに連発、竹下のラリアット、パワーボムを返した秋山。両者ダウンから立ち上がり、ニーパットを外してのヒザ!立ち上がったところをヒザ連打!そしてリストクラッチ、垂直落下式エクスプロイダー!!

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これで終わりか?というところでカウント2で竹下を引き起こした秋山。そのままフロント・ネックロックで絞り上げてギブアップを奪い秋山勝利。強さを見せつけました。

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フォール出来るところをわざわざ立ち上がらせてマイッタさせるあたりさすが秋山の性格の悪さが出てましたが、コメントも

秋山 まぁリストクラッチ(式エクスプロイダー)でもう体が死んでいたんで、よかったかもしれないけど、アレのほうが悔しいでしょ?

やっぱり悔しい思いをしてね、もっともっと強くなってもらわないといけないし。別に彼だけじゃないですよ。

「DDTに来て若手のことを見てくれ」って高木さんに言われて、若手の全体を上げないといけないと思うけど、今は竹下選手中心にやってきたから、まず彼。

次にD王GP出たらまた俺にいろんなテーマが見つかると思うんで。そんな感じです。 

そして試合後の竹下のコメント。 

竹下 …………僕がやってきたこと、信じて歩いてきた道っていうのは、正解じゃなかったのかもしれません。間違っていたなんて、そんなこと思いたくないですけど……やってきたこと……間違っていたのかなって思いました。以上です。 

ここしばらく、竹下が試合でこのくらいの挫折感を味わった事がないんじゃないか、というくらいの落ち込みコメント。はっきりとした挫折でした。

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12・27 リマッチに期待すること

 そしていよいよ12月27日、DDT後楽園大会のメインイベントで竹下幸之介VS秋山準のリマッチが行われます。個人的には秋山準が勝って、竹下に「この若僧が!」って言い放つ。そして竹下が仲間の手を振り払い、自分の足りなさをとことん突き詰める旅に出る、そして来年の武道館大会(いや、やるか知りませんが)でヒールターンして復帰、という展開が燃える。というか見てみたい。

この試合の勝者が2月14日、カルッツかわさき大会のメインで遠藤哲哉のKO-D無差別級王座に挑戦するわけですが、秋山準が再びタイトルに絡むところを見てみたい。D王公式戦では遠藤に敗北を喫した秋山ですが、大舞台で「違い」を見せてくれるんじゃないかと思います。

とはいえ、竹下がここでフっきれて、試合でも相手に合わせず、自分のやりたいことを貫き通してくれればリベンジにも乗れる。そしてそうして竹下がリベンジを果たした場合、マイクで思いの丈を話して欲しい。ほんとうに悩んでいるならそこをさらけ出して欲しい。DDTに秋山が来て大社長も「若手のコーチに」と言っていることに対して、「今までのDDTのスタイルに誇りはないのか?メジャーがなんぼのもんじゃ!オレが全部引っ張る」とキッパリ言い放ってくれればDDTのピープルズ・チャンピオンに近付くはず。結果が出るのは明日。新しい竹下幸之介が見れるのか。刮目して見ようと思います。 

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