いや、ビックリしました。なにがビックリしたって唐突に発表された
全日本プロレス・秋山準のDDTプロレスリングへのレンタル移籍!!
第一報は東スポの速報記事でした。
確かに秋山は今年の5月からDDTのゲストコーチ&選手としてDDTに参戦していました。そして現在は秋山軍(仮)として、渡瀬瑞基、大石真翔、岡谷英樹 を率いて竹下幸之介、彰人、勝俣瞬馬、飯野雄貴の「ALL OUT」との抗争を繰り広げています。
まあ、秋山は最近タイトル戦線にも特に関わっていなかったし、全日本プロレスも客前での試合は再開してなかったので、DDTに出ながら全日本も出ていくのかな~、カブったらどっち出るのかな~、とか思いながら見てました。
そしたら突然の!レンタル移籍発表!思えばその兆しは少し前からありました。6月28日に行われたDDT鶴見大会に、出場予定がなかった秋山準が出るカードが決定したのです。結果発表されたカードがこちら。
【6月28日鶴見大会直前情報・試合順決定!】
— DDT ProWrestling (@ddtpro) 2020年6月26日
▷メインは佐々木&遠藤&ポーリーvsHARASHIMA&上野&吉村!
▷セミで秋山軍(仮)vsALL OUT、第2ラウンド!
▷前売り価格で購入できる選手&スタッフ受付は6月27日(土)いっぱいまで!
▷入退場方法について注意事項あり!https://t.co/FmyPjbTqnp#ddtpro pic.twitter.com/QMQ5bW9KxZ
前回の鶴見大会には出場しなかった秋山の鶴見大会出場。「お~、秋山がわざわざ鶴見青果市場まで・・・。」と思ったものです。その矢先にレンタル移籍発表。そして後日、新宿FACEで27日に行われた「DDT TV SHOW」内で全日本プロレス・福田社長、DDTプロレスリング・高木大社長、そして秋山準の三人で記者会見が行われました。
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— WRESTLE UNIVERSE (@W_UNIVERSE2020) 2020年6月27日
【LIVE】DDT TV SHOW!#8
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泣いても笑ってもこれで一旦終幕!!
昨日プロレス界に衝撃が走ったレンタル移籍について…
秋山準本人の口から語る、公開記者会見からTVマッチ最終回は始まっております!! #wrestleUNIVERSE で独占生配信中!!#ddtpro #ajpw pic.twitter.com/dFooxWqdSh
この会見の中では秋山準のDDTレンタル移籍、そこまでの経緯が語られました。臨時コーチ&参戦中だったDDTでの反響の大きさから鷹木社長が福田社長&秋山準にレンタル移籍を持ちかけてOKをもらった、という経緯。そして、秋山準も「色々思うところはありますが、男は黙ってDDT」と、参戦への決意を語りました。
しかし、無難に終わった会見と裏腹に、会見後コメントではまあまあのアレが繰り広げられた模様。全文はこちらから。いいとこ抜粋すると
秋山「全日本プロレスのファンの皆さん、今までどうもありがとうございました。社員・選手の皆さんに本当に感謝しております。」
「去年、社長、取締役解任となり、唯一自分で若い子たちに教えることを続けていたんですけど、去年の年末に福田社長のほうからTAJIRI選手が今後は教えるということがあり、実際自分の中で全日本プロレスは、試合はありますけど、実質僕の役目は終わったのかな
というところでタイミングよく高木社長からこういうお話をいただいて、また今日も当たる竹下選手もそういう気持ちでいてくれると、僕に断るものは何もなく是非やらせていただきたいと。」
福田社長にもその話をしたところ、ぜひということでこういう形に至りました。今後、DDTのファンの皆さんの前で僕の持っているもの全てを。選手もそうですけど、伝えていければと思います。」
いきなり全日本プロレスファンへの謝辞から始まり、社長、取締役解任、コーチもTAJIRIに変わったので全日本プロレスの中での役目は終わったという話。なんというか「レンタル移籍会見後コメント」にしては生々しく会社の内情に踏み込んでいるような・・・。「男は黙って」と言いつつ核心だけはバッチリ喋ってるあたりはさすがというか。キラー・秋山準が発動してしまった感があります。 そう思って会見後の3ショットを見ると結構怖いというか、手も触れないあたりがなにかを表してると言うか、目が笑っていないと言うか・・・。大社長にもどことなく緊張感が・・・。
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そして、この後改めて秋山準からツイートが。
全日本プロレスファンのみなさんへ
— 秋山準[Jun Akiyama] (@jun0917start) 2020年6月28日
ファンのみなさんの応援、笑顔、言葉、全てが僕の力でした。今まで本当にありがとうございました!
社長、取締役を解任になったのも僕の力不足が原因です。そして、コーチを変わったのも全日本プロレスの新たなる道へ挑戦の為には当然の事です。
僕が今与えて頂いたDDTのコーチ、選手としての参戦を精一杯頑張ります。
— 秋山準[Jun Akiyama] (@jun0917start) 2020年6月28日
プロレスはまだ続けますので宜しくお願いします🙇🏻♂️
また交わる日まで👍😊#ajpw#ddtpro
ザッツ火消し・・・。このツイートで改めて、現体制のうちは秋山全日本参戦は(ゲストくらいしか)ないと思わせることに。そして、秋山といえばこんな記事も以前ありました。
コロナ禍で一旦中止になっているとはいえ、秋山がゲストコーチに行く案は生きているそう。ただ、シンプルにWWEが秋山をコーチに招くだけの予定だったのか。NXT JAPAN設立の噂もあったWWEが全日本プロレスを足がかりにしようとしていたのか。そう考えると、新たにコーチとしてTAJIRIが就任したのは団体自体がWWE寄りになっていく先駆けなのかも。このスキャンダル的な仕掛けもWWE全日本プロレス買収の布石だとしたら・・・。色々と考えてしまいます。
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ただ、以前の著書「巨星を継ぐもの」では福田オーナー(当時)への感謝を述べ、全日本プロレスへの深い思い入れを語っていた秋山。選手の育て方にしても細かく記されています。だからこそ、コーチ交代は彼の中で大きかったのか。今読むとこの本も感慨深いものがあります。ぜひ一読をオススメします。特に、大型選手の育成にこだわりのある秋山。その手腕をDDTの樋口和貞、納谷幸男、ガンバレ☆プロレスの桜井鷲らを育てるのに生かして欲しいところです。
そして秋山に代わってコーチとなったTAJIRI。ここに関しては秋山のざっくりとした話しか表に出てないのでわからない部分もありますが、黒潮”イケメン”二郎、朱里、そしてKUSHIDAを育てた手腕。団体は ハッスル、SMASH、WNCと退団、解散、活動休止と上手くいっていないところもあり、ストーリー作りや興行手腕には疑問が残りますが育成手腕、レスリング理論は確か。プロレスラーのキャラクターを表現するためにどんな技を使うか、という理詰めの選手育成。WWE仕込みの育成手法を全日本でどう活かせるか。ある程度「できあがっている」選手の多い団体でどう変化を見せていくか。マッチメイクを誰が担当しているかはちょっとわかりませんが、元Wrestle-1勢も参戦して変化の兆しを見せている全日本プロレス。
TAJIRIのプロレス理論はこの本に詳細が載っているので一読をオススメします。プロレスの捉え方が今までより細かく見れるようになるかも。なるはず!
そして、この件のあとでTwitterでも様々な意見が飛び交い、「全日本は王道を捨てた」とか、「何も知らない社長がTAJIRIに籠絡された」という意見まで見かけました。「DDTなんかに秋山が行くのがムカつく」という意見は論外としても、自分もいくつか考えていたことをツイートしました。手前味噌ですが。
今、自分の中で全日本プロレスを強く感じさせてくれるのは諏訪魔、野村直矢、青柳優馬...。宮原はなんか「唯我独尊」だし、大森さんは大森さんだし佐藤光留は変態だしなあ。秋山準がDDTにレンタル移籍してもまだまだ全日本プロレスは全日本プロレスだし面白いと思います。 #ajpw
— 男マン@skebはじめました (@otokoman) 2020年6月26日
そもそも王道とは?と考えると、その始祖となるジャイアント馬場も二代目、ジャンボ鶴田もその体格、身体能力といいともに「1代限り」のプロレスだし、そのまま受け継がれていくものじゃなかった。決して身体は大きくない選手たちによる「四天王プロレス」は、王道に「立ち向かう側」のプロレスだった
— 男マン@skebはじめました (@otokoman) 2020年6月26日
しかし四天王プロレス=全日本プロレスとなり、馬場、鶴田はこの世を去り、王道に立ち向かう側だった四天王プロレスが王道として残る。その後プロレスリング・ノア設立、武藤全日本誕生など、団体の紆余曲折がスタイルをわかりにくくしてるけど、馬場が考える「王道プロレス」は鶴田で終わっていて
— 男マン@skebはじめました (@otokoman) 2020年6月26日
三沢たちのような(馬場、鶴田に比べれば)持たざるものたちが作り上げていった全日本プロレススタイルが新しい「王道」として認知されていったんじゃないか。そんなことを考えてしまった。
— 男マン@skebはじめました (@otokoman) 2020年6月26日
なんだかんだで王道は全日本プロレスの中に生きていると思いますし、自分はまだまだ全日本プロレスを見ていくし、DDTも相変わらず見ていこうと思います。そして、この件は「秋山準、全日本プロレス追放(仮)劇」として楽しみたいし、秋山がDDTでどんな腕を振るうか。また、秋山が抜けた全日本がどんな変化を見せるか。色々とワクワクしてしまいます。秋山が特訓した納谷が生まれ変わって全日本に乗り込んで諏訪魔と対峙するなんて想像しただけで胸熱というもの。
そもそも全日本プロレスは川田と渕だけになって、ディファ有明のメインで二人のシングルがメインだったときもあるし、数年前には曙、潮崎豪、金丸義信、鈴木鼓太郎と次々と選手が辞めていったこともある。その時に比べれば今はだいぶ上向きだし、いろんな可能性がある状況だと思います。
【三冠ヘビー級選手権試合】
— 全日本プロレス/alljapan (@alljapan_pw) 2020年6月25日
🗓6/30(火)22:00〜#samuraitv& #ajpwtv 同時放送
『ReOStaff株式会社 presents
全日本プロレス中継2020 #8
〜荒野の三冠戦〜』
三冠ヘビー級選手権試合
《王者》
諏訪魔
🆚
《挑戦者》
芦野祥太郎
全対戦カードhttps://t.co/t86yO2tUnO#ajpw #wrestling #プロレス pic.twitter.com/0PIO5svI3R
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しかしツイートもしましたが、まさか秋山がDDTに上がり、全日本に石川修司と佐藤光留が上がっている世界線があるなんて思いもしなかった。これがまた数年経ったら秋山が全日本に戻っている可能性もあるだろうし、そもそも違うものになっているかもしれない。こういう要素も含めてプロレスだと思ってるので、「秋山はDDTで、全日本は今のメンバーで別々にいいレスリングを見せて頑張ってほしい」という気持ちもありますが、互いの嫉妬、憎しみの感情をもっと見たいと思うのも確か。これからはぜひDDTと全日本でガンガンやりあっていただけると幸いです。そして最後にDDTに要望ですが、ぜひこの件を盛大にイジってほしい。とりあえずこれ↓からお願いします!俺たちのDDT!全部エンタメにしてほしい!これからが楽しみです!
秋山レンタル移籍がこれだけ話題になったんだから、DDTもここから目をそらさずに勝俣にTAJIRIコスプレさせて毒霧履かせるくらいはやってほしい。そしてキラー秋山にボコられるまでがワンセットで。俺は見たい! #ddtpro #ajpw
— 男マン@skebはじめました (@otokoman) 2020年6月28日
※2020・7・3追記
そしてなんとなく全日本についてのツイートをいくつかしていましたが。
秋山が去り、TAJIRIがある程度舵を取る、ということだろうか。まだまだ秋山のコメントしか出てないので何とも言えないですが。これからを注視していきたい。
— 男マン@skebはじめました (@otokoman) 2020年6月27日
TAJIRI「プロレスラーは観客に何を見せているのか」極上のプロレス教科書に覚えた一筋の違和感 https://t.co/F86IS21jJ5 #ajpw #ddtpro
自分、4年前にこんなツイートしてました。竹下が後楽園で秋山とタッグ組んだ時に書いたはず。 #ajpw #王道 https://t.co/wyJIzcfftn
— 男マン@skebはじめました (@otokoman) 2020年6月27日
ちなみに竹下幸之介が秋山準と4年前にタッグ組んでたときのエントリがこちら。宮原&ジェイク組とやってたり、光留が世界Jrを高岩から防衛していたりと色々歴史を感じます
— 男マン@skebはじめました (@otokoman) 2020年6月27日
7・14全日本プロレス後楽園ホール大会。諏訪魔復活!佐藤光留防衛!秋山咆哮!-https://t.co/1Uf37F4kqA #ajpw #ddtpro
そして結構な反響があったのはこのツイート。80いいね越えたのにビックリ。結構みんな思ってたのね・・・。
そもそも論ではありますが、今全日本プロレスに足りないのはコーチが秋山かTAJIRIかとかいう問題よりシンプルに運営の人数なんじゃないか。ファンクラブ運営、返金、TVマッチの宣伝、演出、試合にガワが追い付いてない印象 #ajpw
— 男マン@skebはじめました (@otokoman) 2020年7月1日
最近とみにリデット体制のプロレスリング・ノアが新しい印象を与えているため、よけいにネット上でのマーケティング、団体のイメージ戦略が大事だというのがかなり大きく世にも広まってきている昨今、全日本プロレスがファイト内容に比べて一歩遅れている印象は否めないところ。このあいだの諏訪魔VS芦野もすごい試合でしたし、会社の体制作りも含めて改めて大メジャー、全日本プロレスを目指して欲しいところです。それも含めての「王道」だと思いたい。好きです!全日本プロレス!
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※2021・1・30追記
本日東京スポーツの記事で、すでに年末、秋山準と全日本プロレスの契約が切れていることが判明しました。
2月のカルッツかわさき大会で遠藤哲哉の持つKO-D無差別級への挑戦が決定している秋山準、このタイミングでDDTへフリーで参戦していることが発表されました。契約についてのコメントは
――全日本からDDTへのレンタル移籍期間は昨年いっぱいで終了した
秋山 今はフリーですね。フリーとしてDDTに上がらせてもらっています。全日本とは年末で契約が切れているので。全日本から契約延長の話? ないですね。全日本へマイナスな感情? そんなもの、ないない(笑い)。「ありがとうございました。大変お世話になりました」っていうだけですよ。
――そうだったのか
秋山 まあ、全日本は全日本で新しい動きになっていて、その中に俺は入っていないだろうし。それはそれでまた新しいものをつくり出していけばいいと思うし、俺は俺でDDTでやらせてもらって、自分で答えを出すと。(DDT社長の)高木(三四郎)さんと全日本の福田(剛紀)社長とで話をしてくれたみたいだけど、俺は詳しくはわかりません。
とのこと。まあ全日本にマイナス感情がないわけない言い方でしたし、今後どうなるかは未定とのことですが、できればDDTに完全入団してエンタメにハマったり、引き続きコーチとして力を発揮して欲しいところです。そして、ガチ感ある全日本VSDDTとの抗争、なんていうのも見てみたい。