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明日は都知事選!石井妙子「女帝 小池百合子」を読んで。モンスター誕生までの波乱万丈。

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明日は都知事選投票日。東京都民の端くれであるところの私ですが、その前に読んでおきたい本でした。ちなみに前回の都知事選では増田寛也氏に投票した私。正直そこまで小池百合子圧勝だとは思いませんでした。というわけで私自身は彼女に投票したことはないんですが、今日の時点で党推薦を受けることなく圧勝の気配。散々「公約を守ってない」とか、「政策について説明しない」、「コロナ対策も無策」と言われていながらも揺らぐ気配のない小池都政なわけですが、この本を読むと、ハッキリ言ってそんな国民や都民、外野の声などに一切振り回されない。むしろ周りを振り回していく彼女の鋼のメンタリティがどんどんと浮かび上がってくわけです。 

女帝 小池百合子 (文春e-book)

女帝 小池百合子 (文春e-book)

  • 作者:石井 妙子
  • 発売日: 2020/05/29
  • メディア: Kindle版
 

目次はこちら

  • 序 章 平成の華
  • 第一章 「芦屋令嬢」
  • 第二章 カイロ大学への留学
  • 第三章 虚飾の階段
  • 第四章 政界のチアリーダー
  • 第五章 大臣の椅子
  • 第六章 復習
  • 第七章 イカロスの翼
  • 終 章 小池百合子という深淵  

読んだ感想としては、ノンフィクションながら、とにかく凄く面白い本でした。

小池百合子は大阪に生まれ、彼女の人生を変えたのは貧しいがホラ吹きで上昇志向が強く、どんな手段を使っても貪欲にガンガン政治に食い込んでいく父。

そんな父に振り回されながらもお嬢様学校に入学、そしてカイロに渡り大学生活を送りつつ人脈を育て、日本に帰国するとマスコミの世界へ。

TVキャスターを努めてから政界進出。自民・社会の二大政党体制が崩れ、政界が混乱していくのに乗じて出世し、周りを蹴落としながらついに都知事まで上り詰める...。

こんなわかりやすいサクセスストーリーはなかなかない。なんというか、半沢直樹くらいのベタさ。あらすじだけ取り出せば、NHKの「朝の連続テレビ小説」とかになってもおかしくないでしょう。

ただ、小池百合子の出世の手段がこの本のテーマになっている部分。とにかく男社会に「女を武器に」入り込み、カイロ大学の件を代表とするように虚構と装飾を交えた「事実」をつくりあげてのしあがっていく。邪魔なものは蹴落とし、利用できる人間は利用する。「立身出世の教科書」というものがあるならば、全くそれに忠実な人生を彼女は送っている、というふうに感じます。

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そして、この「虚構と装飾」、「女を武器に」の部分に光を当て、膨大な資料をもとにその経緯を浮かび上がらせ、小池百合子の人間性を捉えようとしたのがこの本です。その執念がとにかく凄い。

「主要参考物件・資料一覧」はなんと15ページに及び、週刊誌記事などをかなり詳細に読み込むことでリアルな「小池百合子」を浮かび上がらそうとしています。

 

その作業で浮かび上がってきたのは、とにかく対外的イメージを大切にし、「男社会の紅一点」として重宝される位置にいることを重視し、役に立たない人間にはとにかく冷たい、そもそも政策については全く興味がない、という・・・。なんというか感じ悪さMAXの人物像なわけですが、メチャ調べてるだけにとにかくエピソードが強い。とにかくぐいぐい引き込まれる本でした。政治家としてだけでも

  • 陳情に来た市民を「私もう選挙区違うから」と一蹴
  • 選挙では「ジャンヌ・ダルクになる」と宣言するも、裏で「火炙りになるからイヤ」と掌返す
  • インタビュアーの気に入らない質問に「愚問」と一喝

と、とにかく強い。この手のエピソードがまんべんなく書かれているこの本。小池百合子のえげつなくも濃厚な人生をとことん味わえる本ではあると思います。女性版梶原一騎的世界というか。

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 残念なのは、後半駆け足になっていくのと、作者が完全に小池百合子を「悪」として描いていくようになること。もう少し彼女に寄り添った意見だったり、彼女側の意見も聞きたかった気がします。ただ、本当に面白いし読み応えあるんで少しでも興味のある方にはオススメしたい一冊です。とにかく面白い! 

女帝 小池百合子 (文春e-book)

女帝 小池百合子 (文春e-book)

  • 作者:石井 妙子
  • 発売日: 2020/05/29
  • メディア: Kindle版
 

 最後に政治と選挙について少し。個人的には政治家なんて全員悪人だと思ってるので(誰かにとっては善人だと別の誰かにとっては悪人だし、利益調整しないといけない立場としてはそれは不可避でしょう)、そんなに品行方正を基準にするのもなぁ、とも思いました。そもそもその「品行方正」な政治家たちは小池百合子によってことごとく蹴散らされているわけで。ちょろい善人よりはある程度駆け引き、根回しに長けていてくれないと困る。

 

そして、この本を読んでいくと政治っていわゆる男社会というか。というか日本社会の縮図でしかないんでしょうが。ほんとに根回しと人脈、立ち回りが大事なんだなと思わされます。

小池百合子はまさにこの点を磨き上げてこの位置にいるわけで。もちろん今の都政には不満たっぷりな私ですが、ただ政治は一朝一夕には変わらないし、許せない部分を国民が選挙で削っていったり、地道に声を上げていったりするしかない。

そもそも本当にただ清廉な政治なることなんてあるのか。そんな国が魑魅魍魎渦巻く国際政治の中で生き抜けるのか。そう考えると、都知事を選ぶ基準としては、その「いい人に見える」とか、「人格」とかよりは有能なのか愚鈍なのか。立ち回りがうまいか下手かを見極めて選びたい。この本を読んで、改めてそういう部分も含めて今回の都知事選にしても候補者をひとりひとり見極めて選んでいくしかない。改めてそう感じさせてくれた本でした。