男マンの日記

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プロレスリング・ノア 3・24後楽園ホール大会。船木誠勝VS鈴木秀樹、8分14秒の衝撃。

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GHCナショナル選手権試合・船木誠勝VS鈴木秀樹

ちょっと前になってしまいましたが、3月24日の船木誠勝VS鈴木秀樹、GHCナショナル選手権試合を記録として振り返っておこうと思います。

WWEに行っていた鈴木秀樹が日本に復帰。主戦場をノアにしたことと、船木誠勝がGHCナショナル王者だったことで実現したこのカード。しかもノアで実現する、というのが本当に数奇なめぐり合わせだと思います。

UWF、パンクラス、一旦ヒクソン戦で引退しながらもリングに戻り、総合格闘技から純プロレスに復帰。新日本プロレス、全日本プロレス、Wrestle-1と様々なリングを渡り歩いた船木誠勝。

一方、ビル・ロビンソンに教えを受け、IGF、大日本プロレス参戦などを経てWWEへ。そして日本に戻ってきた鈴木秀樹。

両者のタイミングが少しズレていたら実現しなかったこのカード。UWFスタイルをベースにしている船木と、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンを受け継ぐ鈴木秀樹。今までのプロレスリング・ノアの試合とは違う、居合のような、緊張感のある試合になることが予想され、私も楽しみに試合を待っていました。

 

鈴木秀樹によるキャッチ・アズ・キャッチ・キャン解説書。DVDも発売予定です

船木といえばUWF。ブレない信念がこれらの本からも伝わってきます

衝撃の8分14秒。静けさのなかに弾けた激しい戦い!

そして迎えた3月24日のプロレスリング・ノア後楽園ホール大会。セミファイナルでは6人タッグで拳王が杉浦を胴締めスリーパーで降し、中嶋勝彦とのタッグでGHCタッグ挑戦を表明。金剛として最高の形でメインの船木にバトンを渡しました。

そしてメインイベントのGHCナショナル選手権。両者入場、タイトルマッチ宣言、選手コールと進みますが、セミとは明らかに違う張り詰めた空気が漂う中ゴングが鳴りました。

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まずは船木がローを飛ばし、一旦鈴木が距離を取ってからのロックアップ。そして互いにロックアップでの腕の差しあい、手首の取り合い。首相撲のように組んでヒザを飛ばしていく船木、腕を相手の首に巻き付けるように組み、相手をコントロールしていこうとする鈴木。最近のプロレスでは滅多に見れない「ロックアップでの攻防」が繰り広げられ、そのままリストの取り合い。ここでは鈴木秀樹がキャッチ・アズ・キャッチ・キャンの技術を生かしてイニチアシブを取っていったように思います。

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しかしそこから一旦離れた船木。打撃の構えからミドルキックを飛ばし、スズキもしっかりガード。しかしローを飛ばした船木をタックルで倒した鈴木が上になり、船木もすかさずクローズドガードの体制に。

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そこからはグラウンドの攻防。足を登らせて三角絞めを匂わす船木、対応して離れる鈴木、左足を超えてサイドポジションを狙う鈴木、脚を絡めて防ぎ、足関節の取り合いに持ち込もうとする船木。一旦鈴木も離れますが、船木ががぶって押さえつけ、スタンドでの組みの攻防に。そして再び船木がバックを取ってグラウンドに持ち込みます。

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バックを取った船木の腕を狙う鈴木ですがさせない船木。そこで鈴木が再び足関節をとりにいき、互いに足関節の攻防に。

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そしてその足関節の攻防のなか、鈴木のつま先を掴んで思いっきりひねりあげた船木。たまらずマットを叩く鈴木。パンクラス初期によく見られたアンクルホールドで船木誠勝がGHCナショナル王座の防衛を果たしました。

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試合後は金剛の面々がリングに上がり締め、興行は終了。とりあえず震えたメインイベントでした。

 

8分14秒という短い時間の中にロックアップ、リストロックの攻防、打撃の攻防、そして寝技と「プロ・レスリング」が詰まっていました。プロレスリング・ノアならではのタフでハードな技のやりとり、クライマックスに向かう盛り上がりとは逆の一瞬で決まる静けさの中にも激しさがある試合。令和にノアのリングでこれが見れるとは。ありがたいけど不思議な気持ちにもなりました。ちょっと一瞬呆然とする面白さでした。

 

 

令和3年3月24日のノア、そしてこれからのノア。

そして試合後は「マッドネス」船木劇場。

とりあえず金剛のLINEグループには入ってあげてほしいものですが、結局周りを翻弄して終わる船木。最後の征矢の表情が忘れられない。なんとも言えないバックステージでした。

 

そして、ここからは自分がノアのプロレスに思ってること、連ツイしたのを置いておきます。

ノア、ストロングスタイル、キャッチ・アズ・キャッチ・キャン、UWF。色んな要素が混ざり合っているような、いないような。幅広すぎるくらいの今のプロレスリング・ノア。ただ、船木や藤田、鈴木のようなスタイルがゲスト的な、スパイス的なもので終わるのか、誰か新人選手が受け継ぎ、新しいノアを作っていくのか。今過渡期にあるであろうプロレスリング・ノア。取り敢えず今はこの船木誠勝VS鈴木秀樹がこのノアのリングで実現した、ということを記録しておこうと思います。

いや、凄かった。すごい試合でした。