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春日太一「なぜ時代劇は滅びるのか」を読んで。圧倒的な時代劇愛!

春日太一「なぜ時代劇は滅びるのか」を読みました。

なぜ時代劇は滅びるのか (新潮新書)

なぜ時代劇は滅びるのか (新潮新書)

 

 熱い。とにかく時代劇についての圧倒的な熱量で読ませる一冊でした。前作の「あかんやつら」では、凋落していく東映京都撮影所の現状を嘆きつつも何とか希望を持たせるエンドにしていた作者が、今回は本当にシビアに時代劇の現状を嘆き、なんと俳優の個人名を出して(!!)何故時代劇が減っていったのか、という理由を具体的にしていきます。

 

1975年生まれの私が見ていた時代劇といえば水戸黄門、暴れん坊将軍、三匹が斬る、大岡越前などで、確かにあの時代は時代劇がTVドラマで常に放送されてました。

そしてそこらへんを卒業してから鬼平にハマった、という記憶があります。今までの型にはまった時代劇と違い、ジプシーキングス流れる渋いエンディング、リアルな描写、人間模様、一癖、二癖ある盗人たち。しっかりと江戸の「社会」を描けている、と思って見ていたものです。そして個人的には鬼平以降に特にハマった、という作品は無いまま今まで来ています(猫侍のドラマ版は楽しみに見ていましたが)

確かに従来の時代劇は縮小し、下げ止まった感もありますが、また「るろうに剣心」や「しゃばけ」「猫侍」など、新しい時代劇というべきものは幾つか出てきているので、そこに関しての言及も欲しかった。とくに剣心はかなりのヒット作になっているし、殺陣も今までの時代劇と違い、どちらかと言うとハリウッド映画やカンフーアクションに影響を受けているようなのでこういう作品が今後ある程度主流になっていく可能性もあるな、と思うわけです。 

劇場版 「 猫侍 」 [Blu-ray]

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 また、個人的には鬼平犯科帳は大好きな作品なので、これが賞賛されているのは嬉しかった。またスペシャル見たいですね。今年は放映されてないようなので。

鬼平犯科帳 第1シリーズ DVD-BOX

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 とにかくジャンルへの圧倒的な愛!

 作者の言う時代劇復興はまだ時間がかかるかもしれませんが、水戸黄門が長く続いてきたシステムや、TV時代劇製作、撮影の流れなど、あまりTVや映画を見ているだけではわからない部分にも言及しているので、製作側に興味がある方も一読をおすすめします。

あかんやつら 東映京都撮影所血風録

あかんやつら 東映京都撮影所血風録

そして読んだら是非↑もおすすめ。確実に面白いです。

 

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