男マンの日記

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2月25日、スターダム謝罪会見について。悪役レスラー世Ⅳ虎は謝罪すべきだったのか。

2月22日の後楽園ホール大会で物議をかもしているスターダムが、謝罪記者会見を行いました。

 

会見の出席者は「ロッシー」こと小川宏代表、当事者の世Ⅳ虎、GMの風香、選手代表として高橋奈苗、フリーですが当日安川のセコンドについて世Ⅳ虎に対して激昂していた木村響子の5名。まず、小川代表が先日の試合への謝罪及び関係者への処分、安川の容態を発表しました。

小川宏代表

「<前略>2月22日の後楽園ホール大会で行われた試合で、プロレスの範疇を逸脱した戦いが起きたことで安川惡斗選手が重傷を負いました。

この事態によって安川惡斗選手およびご家族の皆さん、そして多くのファンの皆さん、関係者、選手の皆さんにご迷惑とご心配をかけたことを深く謝罪いたします。申し訳ありませんでした。

これも株式会社スターダムを運営している代表である私の管理体制が行き届かなかったと反省しております。今後二度とこのようなことが起きないように話し合いを重ねて、いい方向に持っていきたいと思います。

<中略>

安川惡斗の様態ですが、頬骨と鼻骨、左眼窩底も骨折しております。本日、検査をしまして両目の網膜振盪症という診断が出ました。

そして処分を発表させていただきます。世Ⅳ虎選手はワールド・オブ・スターダムの王座はく奪、無期限の出場停止。そして試合はTKO勝ちではなくノーコンテストといたします。そして私をはじめ風香GM、高橋奈苗に関しては給料の 30%減給を3カ月科したいと思います。大変ご迷惑をおかけしました」

 世Ⅳ虎

「この度は怪我をさせてしまった安川惡斗選手、選手の皆さん、プロレス界にいる皆さん、本当に申し訳ありませんでした」

風香GM

「<前略>この事態を受け2月23日に緊急会議を行い今後の話し合いを行いました。

改善点としまして、ルールの厳罰化。一つに拳での顔面へのパンチは禁止いたします、今後は一度でもそれがあると反則負け、その場でストップとさせていただきます。

そしてリングドクターを本部席におくこと。もう一つ内々の話 になりますが、このような人間関係のひずみを大きくする前に改善、解決していくため宝城カイリ選手を選手会長におき、定期的に選手会を開き意見交換をしていくこと。以上のことを決定いたしました。<後略>」

 高橋奈苗

「<前略>プロレスは皆さんに夢を与えるものでなければいけないと思います、そして選手自身が夢を見られるリングを示してあげられなかったことを本当に深く受け止めています。

今は今後のスターダムのプロレスへ、少しずつでも努力してお客さん、プロレス界の方々、そういう方々にも頑張ることによって前に進むことによって、そしてしっかり真実を見ていくことにより示していけたらと思っています。<後略>」

木村響子

「まずスターダムにここ何年もフリーとして参戦してる中で団体の姿勢であったり、ロッシー小川代表の暴走であったり、色んなことに疑問を感じる ことがありました。ですが私はそれを気づいていながら改善するところまで行動も起こせなかったし、実際に何も変えることができなかったっていうのが、未来ある二人の人生を大きく変えるようなことに繋がってしまったんだと思います。

本当にプロレスラーは命というか人生を試合に懸けてて、今回の事でなくてもアクシデントで誰かの人生が大きく変わってしまうことがあります。逆に自分はプロレスに出会ったことですごく救われてきたんで、今回惡斗が大けがをして世Ⅳ虎はこういうことになってしまったんですけれども、今まで自分のキャリアの中で先輩たちにずっと試合の中で教えてきてもらったプロ意識ってものを自分たちの世代が下に全然伝えていれてないなっていうものすごい後悔があります。

なのでこれからは試合でも試合以外でも自分は先輩たちに教えてきてもらったプロ意識ひとつひとつ、全部のことを伝えていきたいと思ってます」

  その後に質疑応答し、最後に再び謝罪して終了、という会見でした。

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 感想としては、ルールで顔面パンチ一発で反則負けはかなり厳しいなと。たとえば寝技での顔面パンチ禁止だけでいいんじゃないか、と思いました。こういうルールを一度制定してしまうと、他の団体の選手が来た時にどうするか、他の団体に出た時にどうなるかというのもありますし、一度ルールを破ってしまった時にきっちり反則負けを取らないといけない状況になるので今後の試合を結構縛ってしまいそうなのが気になります。

また、この場で一番突っ込んだ発言をしていたのがフリーの木村だということに違和感がありました。本来、木村が言っていることは風香が言わないといけないことであり、そもそも木村がこの記者会見に出席しているのがスターダムの甘えなのでは、とも思います。木村は本来責任を負う立場では全くないはずなので、レスラーとしての矜持、誇りに従ってあの場にいただけだとしてもちょっと違うのではないかと。

そして何より、今回一番私が感じたのは、悪役レスラーが「相手の顔面を殴って申し訳ない」と謝罪していることへの違和感です。やっぱりレスラーは商品であり、悪役レスラーとして売っている世Ⅳ虎に公の場で謝罪させるとは何事か、と思うわけです。悪役としては非常に商品価値を落とす行為であり、今後のイメージに大きく影響のあることだと思います。 

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 この会見で私が思い出したのは、1月25日「ワイドナショー」で、極楽とんぼの山本が舞台で復帰したときの松本人志のコメントでした。

「彼の面白さが反省して心を入れ替えます!で戻ってきても、山本としての商品価値はどこまであるんかな、というのはあるんですよ」

「山本はもっと首輪つけるより、フリーな感じで戻ってきたほうが面白いとは思う」

 もちろん立場、状況がぜんぜん違うことを前提としてですが、実際世Ⅳ虎にもこれは言えることだと思います。安川をボコボコにして試合後にニヤァ、と笑みを浮かべる世Ⅳ虎には、悪役としてのぞっとする凄みと怖さがありました。それを自ら手放してどうするのか。反省して心を入れ替えられてもその後の世Ⅳ虎は魅力的なのか、ということをもっとスターダムには考えて欲しかった。もちろん人間関係、マッチメイクについての改善についてはやっていったほうがいいかとは思いますが、レスラーに謝罪させて収める、という方法を今回は取ってほしくはなかったな、というのが感想です。そういう部分は全部小川、風香両名に担って欲しかった。そういうことのために責任者がいて、団体があるわけで。今回そこが残念でした。

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どうせならDDTみたいに「イリュージョン」、「概念」で押し通せばよかったのに・・・。いや、無理だとは思いますが。