男マンの日記

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G1クライマックス25、90試合総括&極私的ランキング。一歩踏み出せなかった新日本プロレス。そしてテレ朝ダメ実況!

G1クライマックス25が8・16両国国技館大会で終了。20興業、リーグ戦94試合(1試合中邑欠場により中止)+優勝決定戦1試合の95試合。この過酷な連戦を全て見た結果見えてきたものをまとめていこうと思います。

 

総評

とにかくこの20興業、観客動員も8割以上を保ちつつ完走したことは新日本プロレスの底力を示した、と言っていいかと思います。体制的にも2ブロック交互の公式戦のために後半カードのバリエーションが出来、本間VS後藤がメインになったりと新しい風景が見れたのはいいことなんじゃないでしょうか。

一方、両国3連戦のメインは棚橋VSAJスタイルズ、オカダVS中邑、棚橋VS中邑と、ここ3~4年見慣れたカードの繰り返しでした。ここで柴田、内藤などが食い込めなかったところに新日本の硬直化を見てしまうのは穿ちすぎでしょうか。G1→正月までの流れはもう既定路線になりつつあるので、しばらくこれが続くのか・・・。と思うとちょっとさすがに飽きてくるな、というのもあります。

週刊プロレス 2015年 9/2 号 [雑誌]

週刊プロレス 2015年 9/2 号 [雑誌]

 

 ここ最近のG1は若手抜擢、ニュースター誕生の場ではなく、レスラーの査定表明の場、一年間やってきた会社からの評価が成績として出る場だという印象に変わってきました。第一回G1で長州が全敗したりするようなことは今後起こらないんじゃないかと。役割が変わってきたのを感じます。

課題

いくつか具体的にあげていきます。

試合数の多さ=試合時間の短縮傾向&単調さ。

 ・リーグ戦が1日5試合あるため、セミ・メイン以外の試合があっさり決着。10分前後での決着で作業っぽい感じになりがちでした。柴田VS棚橋などの注目カードも7・29福岡セミ前だったためか13分での決着。もうちょっと見たかった…となってしまいました。正直1日3~4試合がいいかな・・・。

1つの興業の中でもセミ前は6人タッグとかでちょっと気分を変えるとかして欲しかった。シングル5つ続くとさすがにちょっと単調でした。

Aブロックにドク・ギャローズとバッドラック・ファレが同居。存在も試合もカブる。

 ・これはそのまま。Aブロック5試合中2試合が「普通の体形のレスラーが巨漢を攻略する」という展開になるために見ていて既視感が。そもそもなぜ同じブロックにしたのかが疑問です。エルガンと入れ替えるとかいろいろやり方はあったはず。ちょっと残念でした。

ケガ人の多さ

 1試合欠場した中邑、首をしきりに気にしていた石井、後半テーピングがエグいことになってた裕二郎、全然動けなかった天山、脇腹を攻められまくった永田・・・。とにかく後半はリーグせん半分ケガ人、みたいになっていました。ケガに加えて後半のリーグ戦では疲れもあり、全体の動きが鈍くなっていた試合もいくつかあったように思います。このような状況は事故にもつながりますし、選手も本位ではないはず。今回はさすがに過酷すぎたのではないでしょうか。来年はもうちょっと考えて欲しいところ。

棚橋のエアギター

トレードマークではあるんですが、あれ長くないすか?激闘のあとにアンコールとかする観客に正直引いてるんですけど・・・。アンコールとか増えていって、ちょっと本人も引っ込みつかなくなってる気がします。

テレ朝の実況、解説

ありゃクソですわ。とりあえず試合のテンションと解説のテンションが合ってない(序盤からいきなり叫ぶ)のと、裕二郎入場時のダンサーに対してのセクハラ的解説(いや、はしゃぐのはいいけどはしゃぎ方が下品なんだよな・・・。)とか。ただ、後楽園で解説が矢野&外道の時は悪くなかったんで、アナウンサーを威圧する存在が横にいるのが大事なのかもしれない。

 

最後のは新日関係ないっちゃないですが、新日本プロレスワールドで見ていると結構苦痛な時がありました。単純に会場音だけのモードをつけてくれればいいだけかもしれませんが・・・。ともかく改善するところはして来年につなげていって欲しいものです。G1も一旦コンパクト化が必要になってきてるんじゃないでしょうか。

   

そしてここからはベストバウト、ワーストバウトを。G1として、プロレスとして、違う視点でのベストを選んでみました。ワーストも一試合だけ。

ベストバウトその1

Aブロック公式戦 棚橋弘至VS飯伏幸太(7・20 北海道立総合体育センター)

試合内容、衝撃度、話題性全てで図抜けた試合でした。飯伏のエグい技にエグい技で応える棚橋。そして観客大爆発。G1最初の興業でシリーズ成功を約束した試合でした。このメインから始まったのは大きい。

ベストバウトその2

Bブロック公式戦 オカダ・カズチカVS高橋裕二郎(8・9 後楽園ホール)

MAOちゃん伴っての裕二郎入場、セコンドの乱入合戦、技の攻防、最後のハッピーエンドと、短時間の中でプロレスの全てが詰まった好試合。あわやの場面もあり、勝敗への興味も最後まで途切れなかったのも良かった。単純に面白かったです。

ベストバウト番外編

Aブロック公式戦 矢野通VS柴田勝頼

4分という決着ですが、その中にテンションの高い攻防がぎゅっと詰まっていた好試合。最初から双方ともトップギアで試合に入りそのまま駆け抜けた4分。濃密な時間でした。

 

ワーストバウト

Aブロック公式戦 バッドラック・ファレVS天山広吉(8・5 岩手産業文化センター)

とにかく動けない二人。フィニッシュのダイビングボディプレスにいくためにファレが一分くらいかけてコーナーに上るという・・・。同じ日にあった棚橋VSギャローズと比べ物にならないグダグダ具合。動けない二人が試合するとこうなるのか・・・という。両者には猛省を促したい。

G1クライマックス総決算号 2015年 9/8 号 [雑誌]: 週刊プロレス 増刊

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印象に残ったレスラー

内藤哲也

G1期間中をかけて新キャラをつくりあげ、最終戦の両国国技館では会場全体からブーイングを浴びるくらいまでになりました。なんちゃってヒールばかりの新日の中で、心底ブーイングされているという点で貴重な存在。まあ、両国の2階に座ってる調子に乗ったバカな客に「内藤つまんねーぞー」とか言われてましたがそれこそ思う壷。分かりやすくズルいことするとかではなく観客の神経を逆なでするスタイルはもっと突き詰めれば新しいヒール像が生まれるはず。G1後にどういう展開を見せるのか、期待しています。

あとがき

とにかく無事に終わったG1クライマックス。プロレス人気復興というテーマのもとに突き進む新日本プロレス。しばらく昔からのファンが期待するようなイレギュラーな事件や濃い人間関係による面白いドラマ等はあまり期待しないほうがいいかもしれないな、と思わせた今回のG1クライマックス。まあ、そういうのが見たければノアとかW-1とか全日本プロレスとかFREEDOMSとか大日本とかDDTとかDDTとか色々団体はあるわけで。

長いシリーズを走りきる体力、集客力という点での体力はともかく、試合内容に関しては他団体でもいい試合する人達はいますし、見ごたえのある興行はいくつもある。リーグ戦全試合観戦しましたが、新日本プロレスだけが図抜けてクオリティが高いわけではない、ということは言っておきたいです。

 

ただ、現在では団体側がメディア露出等を大規模に行い、コントロールしていける体力を持った唯一の団体が新日本プロレスであり、今後の世間に対するプロレスイメージに対して大きな影響力があるのもまた確か。その自覚を持ちつつ、できるだけはっちゃけて我々を楽しませてほしい。まだまだ守りに入るのは早い、と言いたいところ。仲良く上を目指すだけじゃなく、互いに蹴落としあってギラギラした新日本プロレスが見たいんです!よろしくお願いします!よろしくお願いします!(大事なことなんで二度言いました)

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