男マンの日記

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雲田はるこ「昭和元禄落語心中」8巻。落語による人物描写が冴える。八雲に漂う死の香り。

「昭和元禄落語心中」8巻購入しました。今回はDVD付き特装版と普通の単行本の2種類がありましたが、前回に引き続きDVD付きを購入。G1→DDT&コミティアといろいろありましてまだ見てませんが、楽しみにとってあります。

 

さて、8巻冒頭から。7巻での助六との親子会での高座中に倒れて入院中の八雲。すっかり弱気になってしまい、落語への意欲を失ってしまいます。

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助六、松田さん、萬月など、いろんな人が励ますも響かず、落語を失うことを恐れつつ過ごしていましたが、ついに小夏の前で本音を吐露します。

 

一方、助六と松田さんは、先代助六の秘蔵フィルムを見るために四国に。同行した樋口から助六とみよ吉の話を聞きつつフィルムを見ると、そこに映っていたのは若き日の八雲と先代助六。その高座を見た助六は思わず涙します。

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一方、いよいよ弱気になり、引退を口にするようになる八雲、一方萬月が落語に復帰し、助六も充実の高座を務め続ける中。決定的な出来事が。そして怒りに満ちた小夏が放った一言が・・・。

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というわけで、極力ネタバレ少な目でお送りしましたが、8巻にして、現在と過去の糸がほぐれはじめ、話が一気に動き始めた感があります。この巻は、以前のような長尺の落語シーンは少なめですが、その分先代助六の芝浜、若いころの八雲の明烏。一方復帰したてであがりたおしている萬月の「東の旅・発端」、生き生きとした助六の初天神と、登場人物の状況を表すための落語・演目が選ばれているというか。

人情噺の芝浜は夫婦生活を経験し、人生の深みを知った先代助六、カタブツだった八雲は生き生きと明烏を演ることで二人の成長を描き、萬月の「東の旅・発端」は、米朝門下がまず覚えるという基本的な噺。助六は、生き生きとした子供描写の初天神で愛嬌を、そして家庭を持った充実、前座噺でトリをとるという破天荒さを表しているように、それぞれの人物描写が落語の形をとって描かれているところがこの作品の真骨頂。

昭和元禄落語心中(8) (KCx)

昭和元禄落語心中(8) (KCx)

 
DVD付き 昭和元禄落語心中(8)特装版 (講談社キャラクターズA)

DVD付き 昭和元禄落語心中(8)特装版 (講談社キャラクターズA)

 
   

 どちらを購入するかは付属するアニメにどれほど興味があるかによるかと思いますが、7巻を見る限り出来は悪くないと思うので、買って損することはあまりないのではないかと。ただ、あまり落語に慣れていないと長尺の落語シーンを退屈と感じるかもしれません。

 

アニメ見たらまた感想書こうと思いますが、漫画としては相変わらず優れている「昭和元禄落語心中」これきっかけで落語聞くなり、落語好きな人が読むなり、どちらでも満足度は高いと思います。TVアニメにもなることですし、読んで損はない!(たぶん)

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