男マンの日記

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NHKドラマ版「昭和元禄落語心中」四話感想。嵐のジェットコースター展開!

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前回に引き続き昭和元禄落語心中第四話をNHKオンデマンドで視聴しました。これでひととおり現在放送分は見たことになるのでぼちぼちと感想を書いていこうと思います。ちなみに一話~三話の感想はこちらから。

 

 

 

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 第四話「破門」

助六は順調、菊比古も自分の落語を見つけつつあり波に乗ってきた感じで終わった第三話。しかしその後は波乱万丈。2人は運命に翻弄されていきます。

 

今回の「破門」、原作三巻の「八雲と助六編」其の四、其の五をベースにしています。二つ目になってから8年が経ち、そろそろ真打に、という声が上がる中で助六の素行が問題になり、菊比古もみよ吉との別れを迫られる。

みよ吉も素っ気ない菊比古からフラっと助六になびいたりなびかなかったり。なんだかんだで真打に昇進する2人ですが、披露目の興行で会長の持ちネタをかけてしまい、それをきっかけに師匠とケンカ。破門になってしまう助六。みよ吉とはっきりと別れ、助六とも別れ、一人になっていく菊比古。上がってから一気に落ちる、ジェットコースター的転落が待ち受けていた2人。そこからみよ吉と助六がさらに接近。師匠に捨てられた助六、菊比古に捨てられたみよ吉、二人が抱き合うシーンで第四話は終わります。

 

第四話で原作と大きく変わっているのは、菊比古が死神の稽古を付けてもらうエピソードが付け加えられていること。ドラマオリジナルのキャラクター、木村家彦兵衛は酒を飲んで高座に上がり、騒動を起こして協会を除名になった老落語家。居酒屋で高座を務める彦兵衛にたまたま出くわした菊比古が彼の死神に惚れて稽古をつけてもらうことに。ボロボロのアパートに住んでいる彦兵衛の部屋で一晩じっくりと稽古をつけてもらい、死神を自分のものにした菊比古。廓噺中心だった菊比古が本格的な死神を身につけることで真打ちに近付く、というエピソードでした。ちなみに彦兵衛を演じるのは柳家喬太郎師匠。押しも押されぬ人気落語家。初高座は1989年。2000年に林家たい平とともに真打昇進。2016年には映画「スプリング・ハズ・カム」で主演を務めるなど、幅広い活動をされています。

 

落語こてんパン (ちくま文庫)

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スプリング、ハズ、カム

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 色々と波乱万丈だった第四話ですが、貴重だったのは喬太郎師匠の稽古シーン。落語家の稽古シーンがドラマにしっかりと入れ込まれていたのは貴重。差し向かいで一度教える側がやってみせ、その後教わる側が演っていく。何度も繰り返し、気になるところを師匠が直してじっくりと教える。落語家の稽古シーンが実際に映像に乗ることはなかなかない、しかも喬太郎師匠は落語監修なので、かなりリアルな稽古シーンのはず。教える側も教わる側も互いに鬼気迫る稽古シーンでした。

 

そして今回はストーリー的にも見所多く、特に山場はやはり助六と菊比古の指切りシーン。成人男性の指切りってのもなかなか無いですが、しかもその前にはみよ吉と助六が抱き合うシーンを菊比古が目撃してしまい、さらに菊比古が助六への嫉妬を吐露した後の修羅場。しかし助六が互いに違う方法で落語を盛り上げていこう、と説き、菊比古も受け入れての指切り。もちろんこの後鬱展開に突き進むわけですが、どろどろとしたドラマのあとだからこそ際立つ爽やかさ。いいシーンを見せてくれました。

 

   

 

 今回も楽しく見ましたが、ここまで見てきてひとつ残念なことは、実際に作品内で演じられる落語の尺が短いこと。もちろん通して覚えてきちんと演るのはハードル高いとは思いますが、アニメ版より落語に使える時間が短いこともあり、曲がかぶさったり早めに演者の感想、説明が入ってしまい、落語を感じる前に説明されてしまうのが勿体無い。もうちょっとしっかりと聞きたい、と思ってしまいます。

実際、アニメ版は声優が長尺で演じていて、大分落語を感じさせてくれるので興味ある方はこちらの視聴もお勧めします。 

 

 アニメ第一期:与太郎放浪編~八雲と助六編

第一話
 

  アニメ第二期:助六再び編

第一話
 

 

 正直、これからの八雲と助六編は怒涛の鬱展開になっていくので見ていくのがしんどいですが、岡田将生と山崎育三郎の熱演で引っ張られて見てしまうところがあります。特に山崎育三郎は強烈な陽のパワーと危うさで魅せる。八雲と助六編の主役、と言っても過言ではないでしょう。

残り二話となった八雲と助六編。腹くくって見届けるしかない!どんどん重くなっていく八雲と助六編。そのキーポイントとなった第四話「破門」感想でした。おあとがよろしいようで。