前回に引き続き昭和元禄落語心中第三話をNHKオンデマンドで視聴しました。23日には七話放送ですが、現状、自分が見てるのは一話~三話と五、六話。さっさと追いつくべく感想を書いていきます。ちなみに第一話、第二話の感想はこちらから。
第三話「迷路」
二話から続く「八雲と助六編」、この第三話「迷路」は原作の二巻中盤から始まる「其の二」、三巻の「其の三」までのストーリーとなっています。
第二話のラストで思わせぶりに登場するみよ吉。今回どんどんと菊比古と近づいていきます。二つ目になった菊比古と助六ですが、菊比古はぐんぐん頭角を現して人気者になる助六に追いつけず焦燥の日々。しかし助六と二人暮らしをするようになり、ボーイのバイトなどしつつ天才の横で悶々とし、くさり、落ち込んでいくのです。
そしてそこでぐっと距離を詰めてくるのがみよ吉。師匠に連れられた酒席で再開した菊比古とみよ吉。泥酔した菊比古を介抱しつつ踊りの稽古をねだり2人きりに。そしてスムーズに男女の仲となっていく。速い!
そしてますます人気者の助六、二つ目を集めての鹿芝居(落語家による芝居)を計画し、菊比古を女形の主役に抜擢。そもそも踊りの素養があり、色気のある菊比古、この芝居でおおいにウケ、客の視線を感じたことをきっかけに助六と違う自分の個性に気付き、自分の落語を見つけていく。晴れやかに落語を演れるようになり、上機嫌の菊比古。冒頭とは全く違う開放された表情で、第三話終了とあいなりました。
今回も第二話と同じくじっくりとエピソードを描いていく形式。ボーイのアルバイトをしていて客からイジられる菊比古、対象的にだらしなく遊び回る助六。青春感のある、未来のある若者の二人暮らし。爽やか!
そして前回が菊比古と助六のイチャイチャ回だとすれば、今回はみよ吉とのイチャイチャが始まる回。
最初はそっけなかった菊比古ですが、酒席で介抱され、助六からみよ吉の満州での出会い、過酷な目にあったであろう境遇を聞いてグラっと来てからの2人で踊りを教える場面で抱きつかれてゲームセット。「低い方に転がっていくように」とかかっこつけつつあっさりと籠絡される菊比古の童貞感が可愛らしくたまりません。
そしてこの話のハイライトは鹿芝居で女形を演じる菊比古の女装シーン。はじめは嫌がっていた菊比古が助六とみよ吉によってムリヤリ化粧され、化けた状態で観客からの熱い視線をうけて舞い上がっていく。なんというか、自分の芸を見つけるってこういう瞬間なのか~、という伝統芸能に対する視点と、コスプレする男の娘ってこういう感情なんだろうな~、という視点がないまぜになる感情になりました。岡田将生って、リーガル・ハイ2で堺雅人に恋する弁護士役だったよな~。岡田将生の女形姿はきっちりと「成人男性の女装」感があって好感持てました。
なんというか、挫折から希望へ、という晴れやかな回だった第三話。今回も菊比古と助六の絡み、そしてみよ吉の関係性が変わっていくのを楽しく見れました。しかし私は原作全部知ってるので、この後に待ち受ける展開も知っているわけで、これから見るのが憂鬱になってきます。
この「昭和元禄落語心中」の二話、三話は伝統芸能を志す若者の青春ドラマとしてずっと見ていたい傑作。ここだけ膨らませて映画にして欲しいくらいです。欲を言うと落語シーンをもうちょっと落ち着いて見たいですが、それ以外は文句なし。 明日の七話放送が楽しみ。その前にさっさと未見の四話を見ます!それではまた~。