男マンの日記

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映画「ペンギン・ハイウェイ」観戦記。少年の夏休み、不思議な事件、年上の女性との出会い・・・。

映画「ペンギン・ハイウェイ」を思い立ってみてきました。品川にあるT・ジョイPRINCE品川にて。

夏休み映画でもともとそんなに公開館数が多くなかったこの作品、公開から時間がたっていたこともあり、上映回数も絞られている中で客入りはけっこう好調。今回も土日で都内の映画館を色々探したけど軒並み満員。それだけ評判もよく、口コミ評価の高い作品と言えるでしょう。

 

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自分が見に行こうと思ったのはこのPVから。よく動くし絵もきれいだし(語彙力の乏しさ・・・。)SF的な絵の楽しさ、その絵を動かすセンスに面白さを感じたから。ペンギンが生まれるシーン、次々と飛んでいくシーンなど「おお!」と思わせるものがありました。キャラ造形、絵柄も過度に装飾的じゃないところが見やすいというか。

 

penguin-highway.com

 

原作小説は森見登美彦。アニメ化作品としても、有頂天家族、四畳半神話大系、夜は短し歩けよ乙女など。個人的印象としては、シニカルでひねくれた世界観を持つ主人公がさらにひねくれた世界のなかでぐるぐると永遠にねじくれたあげくに最後にパッと世界がひらける、というような作風という印象があります。爽やかに言うと大人のファンタジーというか。なので、ペンギン・ハイウェイはちょっと違う、子供向けエンターテイメントという印象です。というか原作読んでないのでアレですが。というわけでネタバレなし感想とネタバレ感想をあげていきます。ネタバレなし感想はおまけ程度、ネタバレ感想が本番です。というわけでよろしくおねがいします。

 

   

 

 

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)

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  • 作者: 森見登美彦,くまおり純
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/11/22
  • メディア: 文庫
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ペンギン・ハイウェイ 完全設定資料集

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ネタバレなし感想

ざっくり言うと研究好きな小学生男子が街中でいきなり登場したペンギンの謎を解くために奮闘する、という話。その謎に謎の歯科助手のお姉さんとかインテリ女子転校生などが絡んでくるという感じです。

 

見ていて気持ちよかったのはペンギン絡みのアニメーション。ペンギンが登場してくるときのアニメーション、そしてペンギン活躍シーンでは「これぞアニメ」というようなシーンが連発するので、絵的な見どころは後半中心に結構あると思います。全体的に作画は安定しているので心安らかに見れますが、図抜けてたりクセが強いわけではないので地味といえば地味ですが。

 

キャラクターは、主人公のアオヤマくん、ウチダくん、ハマモトさんとかわいらしく、ハッキリした悪役のスズキくんもそこまで邪悪な描かれ方でもないので映画を見ていてストレスがたまる場面はあまりなく、子どもたちの可愛さを愛でるにはよい映画。

一方で大人はあまり存在感はなく、そして子供ならではの無礼さとか理不尽な行動はあまりない。舞台の街やアオヤマくんたちの家からしても育ちのいい、しつけをきちんとされた子どもたちの話なので、上品な反面いわゆる「子供らしさ」は少し薄い印象です。なんというか、全体的な生活感が薄いというか。世間の雑多なものからは隔離されているというか。また、「おねえさん」は声が蒼井優なこともあり、行動もエキセントリックで心情も読みづらいので、この映画全体からの異物感がありました。少し浮いている感じで、このキャラクターは少し好みが分かれるのかなと思います。一人だけミニシアター系の実写映画っぽいキャラというか。個人的にはあまり思い入れられないキャラの一人でした。

 

そしてストーリーですが、個人的には後半、クライマックスに向けての加速感が少し足りないものの全体としてはまとまっているし、理不尽な部分もあまりなくすんなり見れました。ただ基本的にはペンギンについての謎を解いていった先に向けて話が進んでいくわけですが、後半部分の話の進み方が少し遅いような印象を受けました。謎が少しづつ解明されていく、というようなつくりというよりはヒントが散りばめられていくという感じ、ぐわーっと謎が視聴者にわかり、「ああ、そういうことか!」みたいな快感はあまりないかなと。そこらへんは簡単に処理されてしまっているのが残念です。

 

まとめの感想としては、そつがないし絵もきれいだし見どころもあるけど名作というほどではない、というところでした。見て損する、ということはないですが心に残るほどではない。一つでも心をつかむ、ぐっとくるシーンがあれば違ったと思いますが。ただ子どもたちがワチャワチャしてるのは楽しいしペンギンかわいいな~、というだけでわりと満たされたのでそういう映画です。ありがとうございました。

 

   

 

ネタバレあり感想

先程全体的にそつのない映画、と書きましたが、ひとつ個人的に気になったのは、作中での「おねえさん」の扱いでした。

アオヤマくんが「おねえさん」を好きで自分で「つきあってる」と規定して話が進むわけですが、わりと身も蓋もない疑問としては「おねえさん」の名前気にならないの?というところ。やっぱりそもそも好きな女性がいるんであれば色々と知りたい。そこでまず名前ってのは一番先に来ると思うんですが、そこがいきなりすっ飛ばされて特に説明がなかったのが気になりました。

アオヤマくん自身がそこを気にしないタイプだったとしても、勤務先の歯科医では名札つけてたり、名前で呼ばれたりするでしょうからアオヤマくんが耳にする場面もあろうというものだし、仮にそこがなかったとしても、「おねえさん」をライバル視してる描写のあるハマモトさんが「好きなのに名前知らないなんておかしい!」みたいな身も蓋もないことを言い放ちそうなもの。そこの関係性の不自然さを指摘する他人がいないのがこの作品で一番気になりました。

また、「大人が存在感がない」というところでは、子供同士で遊びに行くのはともかく、「おねえさん」と旅に行くときや家に行くときなど、母親がなにか一言ないのかとか、ラストの学校から抜け出して戻ってこないところとかでも親に連絡行って叱られたりしないのかとか。なんというか彼らの行動に対する大人のリアクション、身もふたもないことで叱ったり、指摘する人達が不在なことで現実との地続き感が薄まってふんわりとした作品になってる印象があります。

 

あとはまあ、おっぱい好き、という点でもあれだけ好奇心にあふれて研究してるアオヤマくんならそろそろ性の目覚めと言うか、「おっぱいをみてるとおちんちんがムズムズするよ、なんでだろう」みたいな研究してもおかしくないのにな~ともどかしく見てました。「おっぱいをみてると心が安らかになる」みたいなセリフを吐いてるので

「なんでだよ!興奮しろ興奮!逆だろクソガキが!」

とは思いました。

 

あとはやっぱり最後にアオヤマくんに号泣してほしかったな~、というのが自分の願望ですね。好きな人ともう会えない、というのが確定している場面で、最後まで最初のキャラクターの印象のまま別れてしまうので、あまり予想外の感動みたいなものを感じなかった。

ここは別れ際にお姉さんにうしろからしがみついて「いっちゃヤダ!」と号泣するとか、おっぱいに顔を埋めてぶるんぶるんしながら泣き叫ぶとか、そういう描写を入れてくれれば当方チョロい視聴者なんでボロボロ涙してたと思います。

やっぱり、普段冷静に努めている子供がそこにほころびを見せたりするところに人間性を感じられると思うので、最後まで同じトーンだったのが残念でした。キャラクターのまま終わっていったというか。

 

   

 

思い起こせば、このところが自分がいまいち入り込めなかった理由かな、と思いました。おねえさんとアオヤマくんの関係性も最初から最後までそんなに進展しないし。見始めと見終わりがあまり動かないまま終わったな~、という映画。少年少女モノは好きなので、そこが残念だったなと。以上!

  

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端的に、このくらい言って欲しかった。ハマモトさんいいキャラでした。