男マンの日記

マンガ、落語、お笑い、プロレス、格闘技を愛するCG屋の日記。

12・2 M-1グランプリ2018観戦記。優勝は霜降り明星!2位は和牛!売れるのはトム・ブラウン?

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というわけでM-1グランプリをツイートしつつず~っと見てました。きっちり全部見るのってTHE MANZAIが終わって再びM-1が復活した2015以来だと思いますが、其の頃と比べて大分顔ぶれも変わり、そしてM-1の役割もちょっと変わった気がします。ちなみにそのときのエントリはこちら。

 

otokoman.hatenablog.com

 

そのときキッチリメイプル超合金は売れ、あまりネタをやらなくなったわけですが、2015年の優勝はトレンディエンジェル。そうなってくるとM-1で売れるコンビと優勝したコンビの間の差はさほどないのかな、と思ったりもするわけで(よしもとは劇場があるんで、M-1効果は劇場では大きいと思いますが)そんときに見たのがこの「オードリーさん、会って欲しい人がいるんです」のカミナリ回。M-1に出るかどうかを真面目に相談したカミナリに応えた若林の言葉。

 

otokoman.hatenablog.com

 

若林「結局形・・・。俺達は形を決めてその形で行かないといけなかった、漫才の腕とか、テンポとか間とかではいけないからさ、東京の芸人は舞台数とか少ないし。」

若林「で、形を見せちゃったからさ。審査員の人あんまり変わらないじゃん、だから、その形があった上で全く同じものを見せたら去年と一緒ってなるから、スカシとか。あの、変えなきゃいけないじゃない。スカシたりとか。」

若林「でもそれはスカシであるから、進化ではないじゃない。ありもんを外すだけだから、そうやって退化させたくなかったんだよね。」

たくみ「自分たちのネタを」

若林「はいはいはい、スカシで。これ真面目な話になっちゃうけど・・・。」

若林「でも周りは進化って言うんだよ多分変わってるから。例えば叩かないとかさ、叩かれて弾き返すとかになってきちゃうけど、叩いて叩き返すのが元だから、そうやってスカしたくないから、」

 

 

と、そして、今回審査員で入っていた塙もM-1についてコメント。

shinsho-plus.shueisha.co.jp

 

芸人にとって一番よくないのは、コンテストのことを意識し過ぎて、自分の持ち味を見失ってしまうことですから。コンテストはモチベーションの一つにはなりますが、そのためにやっているわけではない。僕は何組もの若手に「M-1は優勝を目指さないほうがいいよ」ってアドバイスをしたんです。心からそう思えるようになったとき、初めて自分らしさが出ますから。

このように、以前からかとも思いますが、芸人(特に関東の)にとって、M-1が絶対的なものではない、ということが(以前からそういう認識は広くあったのかもしれませんが)表に出てきている最近。そんな状況で見るM-1グランプリ。では順番に振り返っていきます。

 

   

 

番組スタート~審査員紹介~

上沼恵美子・松本人志・サンドウィッチマン富澤・立川志らく・ナイツ塙・中川家礼二
オール巨人、という7人の審査員を順に紹介しつつコメント。さっそく全員で上沼恵美子をフォローする展開から、志らく師匠が軽くスベり、そのスベったくだりにかぶせつつナイツ塙がきっちりウケる。志らく師匠はナイツ塙になにかしらおごってもいいくらい助けられたはず。オール巨人がカミカミだったり、年長組が若手組&今田にフォローされる、という先行き不安な展開から番組スタート。敗者復活がミキ。

ちなみに、塙のラジオ情報だと、広島の営業から帰るのが収録に間に合わないため、テレビ朝日がジェット機を出して送迎したとか。さすがTV。

 

一番手:見取り図

二人が出てきて気付いたのは、バックの装飾が派手でついそっちに目が行ってしまうこと。もう少し抑えてもいいのにな、という気がしました。全体的に面白く見ましたが、なんだかフワフワしていたというか、観客をガっと掴んで爆笑、という場面がなかったのが惜しかった。606点

二番手:スーパーマラドーナ

何かを企む男が隣人の部屋に上がり込むが、隣人もだいぶサイコな感じで・・・という不穏なネタ。ネタが不穏なだけに客席から軽く悲鳴も。後半大分盛り返しましたが行ききらなかった印象。松本人志の「ラストイヤーになんでこんなに暗いネタにしたかな~」に同意。617点。ちなみに待合席での細かいボケをひたすら田中が重ねてたのがツボでした。ここで結構取り返した印象。

三番手:かまいたち

架空のポイントカードの話をひたすら複雑に掘っていくネタ。屁理屈をこねまくる山内のハイスピードなまくしたてが面白い。ただ全体的に架空の議論なので「あるある」が遠かったのかも。審査員(誰だか忘れましたが)が言った「達者」という評価が当てはまる感じ。しかしただ、1・2番手より明らかに一段階上がった評価。大会のギアがちょっと上がった感じ。636点

四番手:ジャルジャル

恒例のゲームネタ。国名を分けて言い合うリズムゲーム。今回はゲームに合わせて音ネタ色を強くしてきたというか、あとは強いフレーズをはさみこんでいくことにこだわっている印象。かなりの爆笑をさらっていきました。ただ個人的には最後の最後で「おお!」みたいなオチがあると完璧だったというか。

この時点でトップ得点ですが、志らく師匠が「99点」という怖い点数を。この理由は「ずっと見ていてひとつも笑わなかった。けれどもすごく面白かった。これがプロの芸人を笑わせる芸だ」というもの。前半は割とボケを放り込んでいた志らく師匠ですが、後半はきっちりと審査していた印象。648点

 

毎日新聞落語会 立川志らく1「文七元結」「時そば」

毎日新聞落語会 立川志らく1「文七元結」「時そば」

 
毎日新聞落語会 立川志らく2「死神」「粗忽長屋」「金明竹」

毎日新聞落語会 立川志らく2「死神」「粗忽長屋」「金明竹」

 

 

志らく師匠、落語はクレイジーかつ丁寧で凄く面白いんです。ほんとに。天才ですから。

五番手:ギャロップ

合コンに紹介して~っていうネタ。モデル同士の合コンに放り込まれようとする林が全力で抵抗していく。じわじわ面白いやりとりが続くけど、最後のテンションが上りきらなかったかな~と思ってたら思わぬ低い点数に。そしてジャルジャルの後だったし、言いやすかったのか審査員が酷評の嵐。いやちょっと可愛そうになったというか、こういうときはサラっと流していいんじゃないかな・・・。そこまで言う?みたいな。614点

六番手:ゆにばーす

はらちゃんが川瀬とカップルと誤解されたため、そうならないように練習する、というネタ。なんかこう、いろいろとやっていくんですが全部ハマらず最後まで行ってしまった、という印象。そしてギャロップのように酷評されず、憐れまれる感じに。最後に川瀬が抵抗して一矢報いてましたが全体的に可愛そうな感じになってました。う~ん残念。594点

七番手:ミキ

亜生が昴生に内緒でジャニーズに履歴書を送り、あの手この手でジャニーズを受けるよう説得する、というネタ。すでに一回敗者復活をこなしているせいか、ハイスピードなやりとりで笑いが途切れない漫才でした。ただ、点数は思ったより伸びず。上沼恵美子が98点でしたがほかは軒並み90点付近。ミキにしてはイマイチか。638点

八番手:トム・ブラウン

そして今回の台風の目、唯一の非よしもと(ケイダッシュ)のトム・ブラウン。ネタ自体も「サザエさんに出てくる中島くんを五体合体させてなかじマックスをつくりたい」というもの。繰り返し、ちょっとズラしをくりかえして爆笑をかっさらう。なんかパチンコのリーチずっとやってるみたいな漫才だな~、と思ったりもしましたがとにかく良かったんですがトップ3には残れず。う~ん惜しい。ただもう一つ「加藤一二三が出てくるネタがある」と置き土産残して去る、という最高のヒキ。売れそう。633点

九番手:霜降り明星

そしてついに!会場が爆発したのが霜降り明星。豪華客船で旅をしたい、という設定で、ひたすら大喜利を積み重ねていくという構成。ストーリーが薄く、ギャグの連打なのでスベるとキツいネタですが、せいやの動きでガンガン笑いを取り続け、テンションを落とさずに駆け抜けました。ミキの上位互換、という感じか。点数も爆発して一位に躍り出て、ここでスーパーマラドーナが脱落。662点

十番手:和牛

「オレがゾンビになりそうだったら殺してくれ」という水田に川西がひたすら振り回される、というネタ。「殺す」、というワード、ゾンビがピンとこなかったのか前半重めでしたが後半爆発。個人的にはキツいかと思いましたが審査員評価が高く656点。これでミキ脱落。

 

この結果でジャルジャル、霜降り明星、和牛が決定戦進出しました。そしていよいよ優勝が決まる!!

 

   

 

最終決戦

一番手:ジャルジャル

登場時のポーズでモメる、というネタ。最後まで面白かったですが、ドカンと決め手があるウケ方じゃなかったため、後ろ二組次第かな、という印象。

二番手:和牛

オレオレ詐欺のネタ。水田のお母さん役の川西が騙されるが、騙し返したと思ったら・・・。という展開。実は・・・のところでおお!となったのがさすが。個人的には本戦より良かった!ジャルジャルは越えたかな~。

三番手:霜降り明星

小学校の思い出を羅列していくネタ。構成は本戦と一緒でしたが、今回も本戦と同じくらい爆発。観客も慣れたのがプラスになったのか、本戦よりウケたような気も。

 

そして採点の結果、和牛3票、霜降り明星4票で霜降り明星優勝!おめでとう!ハッキリと文句なしの優勝でした。

2013年結成、ふたりとも二十代中盤という若手コンビの優勝。達者なコンビが多数出ていた中、勢いで突き抜けた、という印象でした。

 

   

 

そして番組の感想ですが、とにかく長かった!18:30から22:00までの三時間半というのはさすがに長い。敗者復活発表までも長かったし、審査員のコメント時間も長かった。それゆえに、前後の組の余韻が少なく、客受けが均等になったようにも見えましたが、審査員が結構マイナスなことを言ったり欠点を指摘する場面が多かったため、なんというかダメなものを見せられている気分になったのも確か。何千人から勝ち上がって審査員にボロクソ言われたギャロップが不憫過ぎる・・・。見ていてもさすがに疲れたので、来年はもうちょっと考えて欲しいところ。あまり低い点数つけた審査員はサラっと流して欲しいところでした。

ただ、審査員の審査は順当なものが多く、納得できるものでした。不安だった志らく師匠もきちんと芸論を語っていて真摯に審査していました。同じ落語家でも春風亭小朝より大分納得感ありました。上沼恵美子はわりとそれまでの流れを強めに言う印象がありましたが、そこまでおかしい感じでもなかったような。塙がもうちょっとはっちゃけてくれるかなと思いましたが無難に収めていたのが勿体なかったか・・・。清水ミチコとナイツのラジオビバリー昼ズで何を言うかが今から楽しみです。

 

というわけで今年も終わったM-1グランプリ。個人的にはトム・ブラウンが今後どうなっていくかが楽しみ。今までの知名度からしたら今夜でのアップ具合は一番だと思うので、バラエティなどに出ていくのを期待してます。事務所の先輩オードリーとの絡みも見たい。今後が楽しみです。そして漫才をたっぷり堪能させてもらいました。いや~、面白疲れた。それではまた~。

 

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