7月20日、宮迫博之と田村亮の謝罪会見をニコニコ動画の配信で見ました。最初は「ああ、謝罪するのか」とぼんやり秋葉原を歩きながらスマホで聞いてたんですが、だんだんと明らかになる吉本興業の「スキャンダル」、「パワハラ」、そして次々と告発をくりだしていく宮迫と亮。歩きながら血沸き肉踊るというか。ドキドキが止まらなくなっていくのを感じました。
もともと以前のエントリでも、芸人を全く守らない吉本興業の姿勢はどうなのか。ナベプロに比べてあまりにグズグズな吉本の対応について書いたりしましたし、それについての爆笑問題太田、ダウンタウン松本の発言もありました。
そしてこの会見。おおむねまとめられているサイトがあるので見てもらえると概要はわかると思いますが、自らの行動について謝罪しつつ吉本興業の対応を告発していく、という趣旨の会見でした。
最初に二人で謝罪をしてから、吉本興業に金銭授受があったことを告白。しかしそこから「静観」させられ、そのうちに徐々に世間での波紋が大きくなっていく。その世間の評判について心配が膨らんでいく宮迫・亮。会見をさせてくれ、と訴える宮迫、しかし聞く耳を持たない吉本興業、岡本社長。
そして、話し合いの中で弁護士と社員を表に出し
「亮、ええよ、お前辞めて一人で会見したらええわ。やってもええけど、ほんなら全員連帯責任でクビにするからな」
「それでもええんやったら、記者会見やれ。俺にはお前ら全員クビにする力がある」
と発言する岡本社長。そのくだりが宮迫から語られる。俳優経験もある宮迫の静かな語り、地の文は低いトーンで喋り、岡本社長の語りの部分をその傲慢さを感じるよう、演じるように喋っていく。出来の良い落語のような一人話芸。完成度高すぎて「練習してきたんじゃないか」と思ってしまうくらいの語りにぐいっと引き込まれていきました。
結局引退会見、契約解除の二択を迫られ、会社に呼ばれると二時間後に記者会見をするからQ&Aを練習させられる。記者会見をするなら戻ってきてください、と。
そして後ほど亮から「在京、在阪のTV局は吉本の株主だから(会見しても)大丈夫」と社長に言われた、という発言も飛び出し、とにかく吉本興業のたいおうのまずさ、えげつなさが告発された。しかし本人たちは反省を表に出して告発トーンは薄く、淡々と事実を伝える、という形での告発だったのが余計に真実味を増していました。
もちろん私も会社員ですし、他人事ではない部分もありますし社会問題だとは思いますが、それより先にとにかく宮迫のトーク力、演技力。亮の実直さあふれる語り口に引き込まれてしまったのも確か。ハッキリ言って今年一番面白いエンターテイメントを見た、と感じてしまいました。いや凄い。凄かった。事実はともかく二人に圧倒された。そんな記者会見でした。
これを見て思ったのは、世の会社の記者会見でやらかしたり失敗することが多いのは、そもそも人前でしゃべる訓練、スキルの問題も多いんじゃないかということ。場数を踏んでいる宮迫、亮の二人が喋ったからこそここまで世の中が信じ、説得力がある会見になったのだと思います。
あとこの会見で思ったのはワイドショーの記者の醜悪さ。宮迫と亮が喋ったことをことさら質問の形で繰り返す。自らの番組で使うための素材としての質問しかしない姿勢にガッカリしたし、「早く終われ」と思いながら聞いてました。
色の質問をした「アッコにおまかせ」のスタッフが話題になっていましたが、「スッキリ」の阿部キャスターも、「とくダネ!」のレポーターの岸本キャスターもくだらない質問に終止していました。特に阿部キャスターは終止上から目線の不快さ。
ワイドショーで使うための映像撮り、質問をするんなら、もう宮迫と亮にギャラ払えよ!と思ってしまいました。邪魔だった!