ついに終結か。ジュリア移籍騒動まとめ。
この秋に女子プロレス界を騒がせた事件といえば、高橋奈七永が丸坊主に、とか中島翔子DVD発売決定、とかAEWで里歩VSさくらえみ実現!とか色々ありましたが、話題性で言ったらなんと言っても「ジュリア移籍騒動」になるんじゃないでしょうか。
このエントリでは備忘録も兼ね、試合は数回生観戦していた程度で特にジュリアに過剰な思い入れがあるわけでもない筆者がネット上の事実だけつなぎ合わせてこの騒動についてまとめてみました。ほんとにそれだけのエントリになりますのでご容赦を。
9月23日 テキーラ沙弥が引退発表
10月12日後楽園ホール大会、テキーラ沙弥&ジュリアvs松屋うの&トトロさつきの試合をもってプロレスを引退させていただきます。
本当はその2人と防衛戦をしてベルトを持ったまま引退するつもりでしたが、ベルトは賭けられませんが私にとってジュリアが最高のパートナー、そして、一緒に切磋琢磨して頑張ってきて同期、そして、一番近い後輩。そのうのとトトロと最後に試合をすることで私の引退試合とさせていただきたいと思います。
まず、ジュリアのタッグパートナーであるテキーラ沙弥が引退表明、10月12日の後楽園ホール大会での引退試合を発表します。このときジュリアもコメントしています。
突然の引退発表に会場がどよめく中、パートナーのジュリアは「私は散々引き止めたんですけど、沙弥さんの意志なので、沙弥さんの人生なので、もう止めないです。組んでくれて本当にありがとうございました。あとちょっと…10月12日までバーニングロウよろしくお願いします」と沙弥の門出を祝福する姿勢を見せた。
橋本宗弘さんによるテキーラ沙弥引退記事。異色の遅咲きレスラー、テキーラ沙弥とアイスリボンという団体の豊かさについて。
私がテキーラ沙弥とジュリアを生で見たのはこのときでした。第1試合でシングルマッチをしていた二人。その後バーニングローを結成し、今年の7月にはインターナシュナルリボンタッグ王座に輝くことを考えるとすごいスピードで成長していったことが伺えます。
10月12日 台風接近により、アイスリボン後楽園ホール大会中止
【お知らせ】10月12日台風接近に伴う大会中止&チケット払い戻し
10月12日アイスリボン後楽園大会「Oktober Iceribbon Fest2019」は、 台風接近に伴う安全確保を考慮し中止とさせて頂きます。
また本大会で引退予定でしたテキーラ沙弥に関しては、改めてご案内申し上げます。
大会の開催を楽しみにしていただいてました皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解の程、よろしくお願いいたします。
このことにより、引退試合を予定していたテキーラ沙弥の引退も一旦保留に。JR運休が決まり、各イベントが早々に中止を発表していましたがアイスリボンの発表は前日。団体規模からしても、テキーラ沙弥の引退試合が予定されていたことからしても苦渋の選択であったろうことは容易に想像されます。
そして後から思えば、このタイミングでなにかしら発表することを理想に動いていたであろうジュリア、スターダムにとってこの大会中止によってtwitterでの退団発表に追い込まれたのではないかと。
10月13日 ジュリア、突然twitterでアイスリボン退団を発表
突然の発表となりますが10月13日付けで、アイスリボンを退団しました。
選手の皆様、スタッフの皆様、ファンの皆様の暖かいご指導ご支援を頂き、ここまで成長することが出来ましたことを、この場をお借りしまして、お礼申し上げます。
私はこれから新しい未来に向かって、まい進して行きます!
そしてこの日、イベント出演が決まっていた藤本つかさがコメント。
どことなくヤラセ感すらただようこのサムネ写真・・・。
藤本は「今は色んなことを整理できて無いんですけど、今言えることとしてはホントにレスラーとしても個人的な気持ちとしても応援したかったから、言ってくれればちゃんと送り出したよって。だから……悲しいです……」と語り、言葉少なに去っていった。
とのこと。怒りというより困惑が前に出ているような藤本つかさ。そして事態は次の日一気に急転します。
10月14日 ジュリア、スターダムのリングに登場
アイスリボン退団のジュリアがまさかのスターダム登場 電撃参戦に観客騒然
まさかの事態が起きたのは、ワールド王者ビー・プレストリー(23)が木村花(22)を下しV5を達成した直後だ。ロッシー小川社長(62)から呼び込まれる形でリングインしたジュリアは「初めまして、ジュリアです。私は女子プロレスのトップを目指して今日、ここにやってきました。この輝くスターダムのリングでジュリアの熱い試合をお見せしたいです」とあいさつして頭を下げ、歓声を浴びた。
突然のツイッターでの退団発表からスターダム登場。なんとなくこれで「つながった」感を受けた人も多かっただろうと思います。それを受けてバックステージでロッシー小川社長がコメント。
その後、小川社長はこの日朝にジュリアからスターダム参戦を希望する電話があったと説明。「『スターダムでやりたい』とのことだったので『だったら会場に来てくれ』と言いました。覚悟を感じたし、思いはしっかりしているし、入団する方向で考えています。スターダムはほかの団体と交流しているわけではないから、彼女はほかとの関係を断つことになるかもしれない。それでも来たいという並大抵ではない覚悟を感じました」と話した。
朝に電話があって昼にスターダム登場。聞いた誰しもが「そんなわけあるかい!」と言いたくなるようなロッシーのコメント。これをいけしゃあしゃあと言えるロッシー、流石としか言いようがありません。
そして一方アイスリボン運営会社ネオプラス代表、佐藤肇氏はツイートで困惑と後日の公式リリースを発表。終始冷静な対応に努めます。
昨日ジュリアから退団の申し出があり会って話をしましたが、沙弥の引退延期や決まっている参戦もあり退団時期について調整しようと話をしていた中でのツィートに混乱しています。参戦予定等を確認、調整して改めて公式にリリースいたします。
しかし同時に別ツイートでジュリア、スターダムへの疑問も提示。
弊社との雇用契約継続(社員状態)のままで、他団体に入団ってどういう事なんだろうか?
どんな道だろうと笑顔で送りだせる方法はあるのに、嘘までついて何故強行な手段をするのだろうか
と、まったくもっともというか正論を表明。そしてこの夜ロッシー小川もツイート
スターダムはスターダムの信じた道を往くのみ!けして後ろは振り向かず前進していくしかない。
混じりっけなし!さすがロッシーとしか言いようがないツイート。これじゃアイスリボンと噛み合うはずがない!
しかしこの時点ではなんでわざわざスターダムが強奪としか見えないやりかたで後楽園ホールにジュリアを上げたのかが全くわからない状態でした。特にこの日のスターダムは星輝ありさVS花月のワンダー・オブ・スターダム選手権試合、ビー・プレストリーVS木村花のワールド・オブ・スターダム選手権試合の二本立てだったにもかかわらず話題はジュリア一色に。ロッシーがそれを分からないはずはないのにな~、とネットを見ていて私も不思議に思っていたものでした。
10月15日 改めてツイートで佐藤代表が現状説明
次の日、改めてネオプラス代表佐藤氏がツイート。
驚きや残念な気持ちはあるけどがジュリアに憎悪はないです。
むしろ在籍期間中、頑張ってくれた感謝はあります。
彼女は人の嫌がる面倒な仕事も進んでやってくれました。
だからこそ新しい目標を目指す彼女を応援出来る形で送り出し、数年後に笑顔で再会出来るような形にしたかった。
と、ジュリアへの感謝も含んだツイート。そして連ツイで選手とも話をして気持ちを整理した旨、僕たちは僕たちの信じた道を行くだけ、アイスリボンは大丈夫、と決意表明。あくまで前向きな姿勢で行くことをツイートしています。
そして、次の日行われたP's PARTYではテキーラ沙弥が引退を12月31日に延期することを発表。そして同時にジュリアが行う予定だった試合をテキーラ沙弥が代わって行うことも発表されました。同時にジュリアに関しても佐藤社長は
佐藤肇社長の事情説明によれば、その後も「社員が無断欠勤している」状態だった。後日、スターダム側はあらためてアイスリボンとの話し合いで「筋を通す」としている。
とのコメント。そして次の日に女子プロレス界激震の発表があったのです。
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10月17日 ブシロード、スターダムを傘下に収める緊急記者会見開催
そして本当に女子プロレス界を揺るがす大発表が!新日本プロレスを子会社に持つブシロードがスターダムから事業譲渡を受けることに。正式にはブシロード傘下のキックスロード(KNOCKOUTも運営)がスターダムの運営会社になることに。これにはいろんな声がありますが、会見最後の囲みでジュリアに関する質問も。
――先日の後楽園でちょっとスキャンダラスなイメージが出てしまったと思いますがそれに関しては
小川「ちょっとリングに上げてお騒がせして申し訳ないなと思うんですけど、実際はですね、先方の報告によりますと先日の10月の12日、13日にいきなり退団を表明したように発信されているのですが、本人にヒアリングしたところ先月末に退団したいという意思表示をしてまして、それでなかなか埒が明かないと。最初はベースアップの話かと思われたらしいんですが、本人はそういうことじゃなくスターダムでプロレスをやりたいというその一心だったんで、その本気の覚悟を感じたんでこういう事になったんですけど」
原田「私も含めて小川さんとご一緒に先方にコンタクトさせていただいて、経緯の方をご説明させていただきます」――それはこれから
原田「そういった部分もあって筋を通すという事だと思うんで」
木谷「やっぱり昭和っぽさが残っている(苦笑)そのへんも含めて当社がきっちりやっていきますし、当然の事ながら僕は知らなかったですし、Twitter見てると木谷がやらしたみたいにありますが、大事な会見の前にそんな揉め事起こすはずないじゃないですか。そこはあくまでも昭和という事でご理解ください」――全選手契約はこれから新たに組み直すと
木谷「そうです」――ジュリア選手に関しても問題が解決したら契約をすると
木谷「どこかで契約してる人を新たに契約などできるはずがないんですよ、二重契約になっちゃうじゃないですか?」――そのあたりをせずにリングに上ったのは遺憾と
小川「ファンの方をお騒がせしました」
木谷「ほんとロッシーさん勘弁してよぐらいの話ですよ。時代は平成すら終わってんですよみたいな、昭和のやり方はだめです(苦笑)」
※ちなみに「原田」とは、株式会社キックスロード社長の原田克彦氏
当日朝の電話でいきなりリングに上げた、と以前話していたロッシー小川ですが、本人が「なかなか埒が明かない」という話をしている中でリングに上げる、というのはなかなかの行為。アイスリボンと契約が残っていることを半ば承知しながらリングに上げたことになります。また、あのツイートは本人の独断だったのか、それ以前にスターダムとやりとりがあったのかが気になるところではあります。
また、ブシロード木谷オーナーは全部「ロッシーさん勘弁してよ」っていう話でオチをつけてますが、本当にブシロードからスターダムに何か働きかけはなかったのか。会見前に目玉がほしい、みたいな話をしてこうなったとしたら同罪なんじゃないか、という気もします。ここまでいくと別冊宝島案件になってきますが・・・。
そしてここから事態は収束に向けて動いていきます。この件への発表もしばらく小休止状態に。
11月9日 アイスリボン・イタリア遠征へ
イタリアとのハーフということもあり、当初はジュリアメインで行く予定だったイタリアにはテキーラ沙弥が出場。
ヴェネチアがすごいヴェネチア♥️#いたりあいすりぼん #いたりな #iceribbon pic.twitter.com/YBS6kcqa8I
— テキーラ沙弥☆12.31女子プロレス引退 (@tequilaSAYA) November 10, 2019
11月15日 ジュリア、スターダムへの移籍完了報告
そしてスターダム、スターダム、アイスリボン二者から同時にリリース。そしてそしてジュリア本人からもツイートで報告がありました。まずはスターダムのリリース。
当該契約の締結にあたりまして、弊社は、ジュリア選手が所属していた女子プロレスリング団体 アイスリボン様(有限会社ネオプラス様)との間で協議を行う機会を頂戴し、誠実に話し合いを行いました結果、ジュリア選手のアイスリボン様からの退団に関しましては、円満にこれを解決できましたことも、併せてここにご報告いたします。
と報告。そして謝罪。
当該退団におきましては、先般のプレスリリースのとおり、十分な確認なく行った弊社の対応により、ファンの皆様・関係者各位に対して混乱を招いてしまいましたこと、大変申し訳ありません。
また、今後の契約関連についても
弊社といたしましては、女子プロレスリングの興行を実施する法人として健全な経営を行うにあたり、コンプライアンス・内部統制の徹底が今後一層求められる立場であることを自覚し、大事な所属選手に適切な環境を提供するためにも、誠実かつ公正に事業に邁進していきます。
と、今更感漂うコメント。一方のアイスリボンはかなり辛辣なリリース。
その結果、猶予なき突然の退団や既に決まっている試合予定の放棄など、社会人としての常識を逸脱した行動であったことへの認識と、今後はレスラーの奔放な行動の履き違いを正す社内体制の構築などを約束頂き、弊社としても納得できる話し合いが持てたものと思います。
終始紋切り型の文章に終止するスターダムに対し、アイスリボンのリリースは感情が浮き出てくるような名文。なかなかにパンチの効いた文章になっております。素晴らしい。そしてジュリアのツイート。
前所属団体の退団に関しまして、皆様に多大なるご心配、ご迷惑をおかけした事を心よりお詫びします。本当に申し訳ございませんでした。
私はプロレスが大好きです!全てプロレスで語っていきたいと思います。より一層練習に励みます。
と、アイスリボンの名を出さずにツイート。これで正式にスターダム参戦が決定したといえるでしょう。一ヶ月に渡った「ジュリア移籍騒動」に一つの区切りがついた日でした。
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これでこのエントリは終わります。まあ、表面に出てることだけをなぞるとシンプルにロッシーヒドい!佐藤さんいい人!ジュリア頭悪い!という感想になるわけですが、実際には表に出てこない事情もたくさんあるでしょうし、それがわかれば捉え方も代わってくるもの。我々にできることは表に出てくることから考え、そしてリング上の闘いを見て楽しむことくらいです。
当事者からしたらこの件は楽しんでる場合じゃないとは思いますが、個人的にはワクワクしながら事態の推移を見ていましたし、私自身はこれからもスターダムのジュリア、アイスリボンでのテキーラ沙弥の引退ロード、そしてアイスリボン、スターダムの両リングを見続けていくと思います。今回の件、とりあえずまとめましたがなんかあったら追記していこうとも思ってます。最後までご覧いただいた方、ありがとうございました!