6月27日に行われたRIZIN.29大阪大会。皇治が「偶発的な頭突き・・・いやヘッドバット(榊原代表談)」でトーナメント決勝進出しちゃったり、令和の世に今成正和を堪能できたり、改めてロープ掴みが話題になったりといろいろとあったわけですが、興行的にはRIZIN.28ほどの盛り上がりには届かなかったように思います。それには判定決着が多かったことも一因じゃないかと。
もちろん判定でも面白い試合もありましたし、楽しめた大会だったんですが、実際見ていて「RIZINの判定ってどうやってるのか?」というのがいまいち見えないのもまた事実。ラウンドマストではない、マストシステムなのはなんとなくわかるけど詳細はよくわからない、と思っている人も多いはず。以前RIZINの判定基準が話題になったことがあり、色々と調べてみたのでここでまとめてみます。
ちなみに参考にしたのはメルマガDROPKICKのこれらの記事と
砂辺光久選手YOUTUBEのこの動画。南さんの説明がとてもわかり易かったです
まず、そもそもですがRIZINのジャッジ、レフェリーはRIZIN職員などではなく、「JMOC」(一般社団法人日本MMA審判機構)から派遣されています。JMOCのホームページには、担当した大会の試合結果、ジャッジペーパーが公開されているので、判定内容を知ることが出来ます。
そして、先日行われたRIZIN.28のジャッジペーパーはこのページから。
そして、ここで斎藤裕VSウガール・ケラモフを例に、RIZINの判定方法について説明していきます。まず判定基準についてRIZINの公式ページはこちら。
判定は、3R終了後、試合トータルで、D(ダメージ)50%、A(アグレッシブネス・攻撃の積極性)30%、G(リングジェネラルシップ・試合の支配率)20%。このD、A、Gの3要素をそれぞれが優れている方に割り振る、という方式。
ここで重要なのは、ダメージを青コーナー30%、赤コーナー20%というように分けて割り振る事ができない、という点。どちらかにダメージを割り振ると50%の加点、割り振らなければ両方0%。
そして、イエローカードを受けるとマイナス20%、レッドーカードを受けるとマイナス50%。レッドカードを受けるときはイエローカードも受けているので、実質マイナス70%となります。
そして斎藤VSケラモフのジャッジペーパーを抜粋します。こちら。
■第3試合 RIZIN MMAルール 66.00kg契約 5分3R
○斎藤 裕(パラエストラ小岩/65.70kg)
判定2-1
×ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン/オリオン・ファイト・クラブ/65.60kg)
レフェリー:片岡誠人
ジャッジ:
豊永 稔/赤・斎藤 [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20]
松宮智生/青・ケラモフ [D 0-0/ A 0-30/ G 0-20]
大藪吉郁/赤・斎藤 [D 0-0/ A 0-0/ G 0-20]
※2R、青・ケラモフにイエローカードを提示(反則:レフェリーによる「注意」宣告後もロープを掴む行為および対戦相手のコスチュームを掴み自身の体勢をコントールする行為を続けた為/▲20)
豊永ジャッジ、大藪ジャッジはケラモフにジェネラルシップ20%、松宮ジャッジはケラモフにアグレッシブネス&ジェネラルシップの50%をつけていて、このままだと3-0でケラモフ勝利となります。
しかし、ケラモフはイエローカードを受けていて、20%のポイントが引かれるので豊永ジャッジ、大藪ジャッジがポイント上はドロー、松宮ジャッジがケラモフに30%となり、結果2-1で斎藤裕勝利となりました。
※豊永ジャッジ、大藪ジャッジが斎藤につけているわけですが、これがケラモフのイエローカードにより同点なら自動的に斎藤に入るのか、同点なのでマストで斎藤を選んだのかはルールの詳細を読んでないのでわからない・・・。どなたか教えて下さい
というわけで、以上の説明を絵にまとめてみましたので、明日から公開されるRIZIN.29の試合動画、またYOUTUBEで公開されている斎藤VSケラモフ、ドミネーターVSベイノワを見る時など参考にしてください。
というわけでこのエントリは以上です。これからもRIZINは判定でモメたり、すったもんだすると思いますが、そのときはこの基準をわかっていると面白く見れると思います。格闘技バンザイ!